クレヨンしんちゃん&ジョジョの奇妙な冒険 ハリケーンを呼ぶ 綱玉の示す路(ロード)   作:パタ百ハイ

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須藤戦決着!


ハーレム・シャッフル その③

 

 腕時計で確認した現在の時刻は8時48分。学校では既に一限目が始まっている時間だ。

 で、俺はこの時間、授業どころか学校にも到着していない。登校中に遭遇したこの男との戦闘が終わっていないからだ。

 どうなっているかと言うと、奴の攻撃を俺が受け続けている。俺の攻撃は全て避けられている。

 攻撃しようとすれば能力で持って行かれ、そちらの攻撃の時は防ごうとしてもガードの下と自分の腕か足を持って行って無防備にして攻撃している。

 

(今思えば能力の射程距離を教えたのは、単なる親切以外に俺を逃がさないようにする意図もあったんだろうな……)

 

 この戦いの間、俺は「逃げる」という選択をしようとは思わなかった。50メートルも能力が届けば逃げてる間に足を持って行かれるか、そうでなくとも何発も攻撃を受ける事になるか……そして遭って再起不能にされる。

 まともな感性の持ち主なら好き好んでこんな目に遭いたがらない。俺だってそうだ。だから今、あちこち怪我している。

 

「ゼー……ゼー……」

「ハー……ハー……」

 

 どちらも息を切らしている。一時間も戦闘を続けているんだから当然だ。

 もしかしたら、疲弊の度合いはあいつの方が上かも知れない。あいつは攻撃も回避も『能力』で行っている。使うタイミングを見計らう為に動きを随時注視しないといけない。『プラネット・ルビー』のスピードは相当だから尚更目を離せないだろうしな。

 

「質問……させて頂きます……」

 

 息を整えた須藤が、こんな事を言ってきた。

 

「貴男……何故『無事なのですか』?」

 

 質問の意図は分かってる。一時間も攻撃を受け続けた俺は、痣が出来たり腫れたりしてはいるが、身体その物は『全く無事』だからだ。

 俺が他者とは違う『他数点』の一つ、俺は「身体が頑丈」。その度合いは義母さん曰わく「鍛えたプロの格闘家より少しばかり下回る」レベルらしい。

 あいつの『スタンド』の攻撃力の低さも幸いした。奴の攻撃力は、多分常人より僅かに下と言った所だろうか。だから、あいつの攻撃では俺を倒すに至ってない。

 

「生まれつきの体質」

 

 隠す事もない事なので、素直に答えた。

 同時に、すぐに決着をつけなければならないと感じた。奴の攻撃にパワーはそこまでないが、それは奴が素手で攻撃している為だ。攻撃が刃物や鈍器に移行したら呆気なく一転するし、今まで以上に間を置かず攻撃されたら流石に持つか自信は無い。

 作戦は既に考え付いている。そして、「これが失敗したら負ける」。

 

「シッ!」

 

 掛け声と共に地面を蹴り、須藤に向かって走り出す。

 三歩進んだ所で前に出そうとした足が持って行かれた。

 

「『プラネット・ルビー』!」

 

 倒れそうになった所で残った足で跳んだ直後、『プラネット・ルビー』に足の裏を「蹴らせた」。力加減を考えてなかったから骨が砕けるかと思える程痛かったが堪える。

 蹴り飛ばされた勢いで一気に腕を伸ばせば触れられる距離まで詰め、左手を握り締めてそれを奴の顔面目掛けて放つ。奴は足を戻して左腕を持って行った。

 で、右手は既に拳を作っていて、こいつが左腕に能力を使った時には既に顔に向けて放っていた。

 

「『これ』がお前の能力の弱点だろ?」

 

 奴の能力は、『対象一つにつき一部分』が限定。現に今までも奴は回避も攻撃も一部分しか持って行っていない。何ヶ所も持って行く事が出来るならとうに「俺の負け」で決着は着いている。

 俺の拳はそのまま真っ直ぐと奴の顔に突き進む。が――

 

 奴の体は消え、俺の体はそのまま通過してしまった。

 

 宙に浮いている体を『プラネット・ルビー』で上から叩いて地面に落とす。立ち上がる時に『直立している下半身』が目に入った。

 足を動かすと同時に元に戻る。

 右腕持って行くとしたら左腕を戻さないといけない。自分の首を持っていったら残った体は俺の体と激突する。

 だから『上半身を持って行った』。あいつ身長低いし、そうしたら今の結果は生じるだろう。

 だがこれは「想定内」。奴が俺に体を向けると同時に、接近して右手を振るった。

 奴は左腕の肘から上を『半分』持って行って軌道上に割り込ませる。俺の手は『断面』に接触。そのまま止まった。

 

「僕の能力の使用により必然的に生まれる断面に何をした所で断面はおろか残っている部分に何の影響も与える事は出来ない……」

 

 こいつの能力、防御にも転用出来るのか。流石にそこは予想を越えていた。

 しかし、「何の問題もない」。俺は腕を引っ込め、必然的に接触している断面から離れた。

 

 

 

 

「…………」

 

 俺は右腕を振り切ったポーズをしており、足元には気絶した須藤が横たわっている。

 つまり、結果は俺の勝ち。

 何をしたか。後ろに回ってすぐにこいつに拳を叩き込んだ。『プラネット・ルビー』の「能力」によって。

『プラネット・ルビー』には、「俺の周りの物を瞬間移動させる能力」の他に、「俺自身が『軸』指定した物の周りを瞬間移動出来る能力」が存在する。そっちを使った。

「よし、取り敢えずこいつから色々話を聞こうか」

 




除夜最初の戦い、これで終えました。
しかし、『本日』はまだ終わってません。
次の話から学校に移ります
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