このたびは大和をヒロインとしたラブコメ小説を書こうと思い立っての投稿です。
初めの方はまだ鎮守府に着任して慣れない大和の姿を描いているためラブコメ要素は皆無ですが、徐々にラブコメ要素も追加していけたらと思っております。
大和の心情の変化が見れる予定です。
それでは本編スタート!!
「神機将ニ動カントス。皇国ノ隆替繋リテ此ノ一挙ニ存ス。各員奮戦激闘会敵ヲ必滅シ以テ海上特攻隊ノ本領ヲ発揮セヨ」
―1945年4月7日坊ノ岬沖―
戦艦大和以下第二艦隊計10隻は280機にもおよぶ敵航空機の攻撃にさらされていた。
上空に爆音を轟かせて旋回する敵戦闘機。
必死の抵抗も虚しく雷撃機から放たれた魚雷が大和の左舷に命中する。
直上からは急降下爆撃機による爆撃で対空火器を破壊されていく。
三回にも及ぶ航空波状攻撃により遂に不沈艦と謳われた大和の傾斜が傾き始めた。
周りを見渡せば、矢矧、浜風、霞、磯風と護衛していた艦が次々と撃沈されていた。
そして、運命の14時17分
史上最大の排水量、主砲を装備した戦艦大和は水深345mの海底へとその身を沈めていった。
資料によればその被害は魚雷10本以上爆弾も10発以上命中したと記録されている。
ただひとつ言えることは二番艦武蔵とともに艦艇史上空前絶後の被害を受けたのはこの二隻だけだろう。
「夢…⁇でしょうか…。」
女性はゆっくりと布団から体を起こした。
ふすまで綺麗に仕切られた部屋。あたりを見回しても何もない空間。
先ほどのモノクロの映像が頭にずっと張り付いていた。
あれは一体なんだったのだろうか。
そして、見る限り自分は人間の体をしてるということだけは確認できた。
ここはどこで自分は一体何者なのだろうか。いろいろと考えを巡らせていると
―スッ
とふすまを開く音がして黒髪ポニーテールの女性が入ってきた。
「あなたは…?ここは一体?」
「第二水雷戦隊旗艦矢矧です。ここは鎮守府ですよ。お久しぶりね、大和」
「鎮守府⁇えっ…私を知っているの⁇」
この女性は何を言ってるのだろうと思った。
ただ矢矧…どこかで聞いたような気がしたが思い出せない…。
矢矧はどこか悲しそうな顔で続けて
「そう、あたなは戦艦大和、先の大戦で私が…。」
「私が…?」
「いえ、なんでもないわ。とりあえず、あなたは元は戦艦大和だったの。」
そう続ける矢矧にハッとした。
じゃ、さっきの夢は…⁇私は戦艦だった⁇
いろんな思考がめぐる中、その答えはすぐに解決した。
「私たちは艦娘、戦うために生まれてきた存在よ。」
「艦娘…。」
「そう、ここは戦場よ…とりあえず、提督に挨拶しましょ、起きられるかしら⁇」
「えぇ…」
矢矧に連れられて部屋から出た私はここの最高責任者?である提督に挨拶をするため執務室を訪れるのであった。
―コンコン
「失礼します、矢矧です、大和を連れてまいりました。」
「入っていいよ。」
部屋の向こうからやさしそうな声が聞こえて矢矧と共に執務室に入るのであった。
「やぁ、大和、この鎮守府にようこそ歓迎するよ。いきなりで申し訳ないが君はもう立派な戦力だ。慣れないこともあるだろうが徐々に慣れていってくれ。」
なかなか無茶の言う提督だなぁと思いつつ
「わかりました。」
と答えるしかなかった。
「ヘーイ‼大和、すぐになれるから心配しなくていいデース‼」
「えっと…⁇」
とてもハイテンションに戸惑っていると
「金剛型戦艦一番艦金剛デース‼よろしくデース!!」
タジタジな私に見かねて提督が溜息をつきつつ
「はぁ…。金剛、矢矧ちょうどいい、大和に鎮守府を案内してやってくれ。」
こうにてふたりに連れられて鎮守府を見て回ることになったのだが…。
少なくともふたりからいろいろな情報を手に入れることが出来た。
私の前世は戦艦大和であること、この矢矧と一緒に坊ノ岬で沈んだこと、そして私たちは人型をした兵器だということ。そして、私たちは深海棲艦と呼ばれる敵と戦っているということであった。
そして、この金剛型戦艦一番艦金剛とは後々にライバルになろうとは今の大和たちにはまだわからなかったのだが。
大和が鎮守府に着任して数日が経過した。
生活にはだいぶ慣れ軽くではあるが戦闘訓練も受けて本日は艦隊に配属される日となっていた。
元々戦艦ということもあってか大和のセンスがいいのか、基本的訓練は難なくこなしていく大和に指導教官であった利根は唖然としていたのは内緒の話である。
そして、砲撃訓練に至っては大和最強の主砲46㎝三連装砲を一斉射した際の爆風で、近くにあった工廠の入り口が吹き飛んで中にいた夕張が哀れもない姿になってしまい、入渠不回避になってしまったのもこれは鎮守府の黒歴史に数えられるのであったのもこれはまた別の話。
正午過ぎ。
午前の演習を終えた大和は間宮食堂にいた。
配属の通達をもらうまでは時間があったので、ひとまずここでお昼ご飯にするつもりであった。
昼時でみんなもお昼を食べにかなりの艦娘がいたのだが、みんなの視線が大和に集まっていた。
大和の机の前には自分の座高ほどに盛られたカレーライス。それを美味しそうに頬張る姿。
この盛られたごはんの量といいそれを食べる姿、食堂にいるメンツの視線が集まるのもうなずけるのだが、果たして鎮守府の資材事情は大丈夫なのだろうか。
「ごちそうさまでした。」
お腹いっぱいにご飯を食べた大和はふぅと一息ついて口元を拭いて水を少し口に含んだ。
何に基づいてか分からないが、とりあえずたくさん食べないと動けないことがわかった。
特に演習だの模擬戦などをしているとすぐにお腹がすいた。
初めて演習を終えて訪れた時には炊いて用意してあったご飯をすべて食べつくしたなんてことが起きたことは既に鎮守府中に知れ渡った事実であった。
どれだけのご飯があの一回の食事で消えたか、その量はご想像にお任せしよう。
大和ひとりで鎮守府の常識がいろいろと覆ったと言っても過言ではないだろう。
そんな食べっぷりを見ても「あらあら」とにこやかに見守りせっせと新しいご飯を作る間宮さんであった。
そんな一息を付いている大和の向かい側に4人のちいさな子が座った。
セーラー服を着たとその身長から恐らく艦種は駆逐艦か、と思った大和に紺の帽子をかぶった女の子が少しきょどり気味に話しかけてきた。
「や、大和さん!!そんなに食べて食べた物はどこにいってるのよ⁇」
名前も知らない子にいきなり話しかけられ困惑しながらも
「いえ、私にも…どうしてもお腹が空いていまして…」
ぎこちない笑みを浮かべて返すしかなかった。どうしてこんなにも大食いなのか自分でもわかっていないのである。この小さい子の前にあるカレーライスのサイズが普通なのだろうと思っていた。
そこら辺は矢矧の言っていた前世?などというものが関係しているのだろうと思考を巡らせていると先ほどの子の隣の子がおどおどしながら
「あ、暁ちゃん、自己紹介もせずにいきなりは失礼なのです」
いきなり隣から指摘され慌てて
「駆逐艦暁よ!!一人前のレディーとして扱ってよね!」
「同じく駆逐艦雷よ、かみなりじゃないわ!」
「く、駆逐艦電なのですぅ…」
「駆逐艦響だ、ハラショー、全員第六駆逐隊に所属している。」
四人それぞれの自己紹介を受けて
「戦艦大和です、配属は…これから決まる予定になっております。」
と一応丁寧に答えておいた。
「配属が決まってないの?一人前のレディーには程遠いはね!!」
レディーって…と思ったが苦笑いしつつ「えぇ…」と答えるしかなかった。
食後にすぐに動く気がなかったし、執務室まで行くまでまだ時間があったので、この駆逐艦たちと少し話すことにした。
「あなたたちは一体どんな任務をこなしているの?」
そう聞いた大和に待ってましたとばかりに暁がその控えめな胸を張って
「よくぞ聞いてくれたわ、私たちは鎮守府の為に遠征で資材を持ち帰っているのよ‼」
「や、大和さんが食べたご飯も私たちが遠征して持ち帰ったものも含まれているなのです。」
なかなかおもしろい話だと思った。元は戦艦だった私だ。補給と言えば燃料弾薬のことに当たる。それがなぜこのようにご飯を食べているのだろうと。
この駆逐艦たちの持ってきた資材=私たちが食べるご飯という解釈でいいのだろう、恐らく。
となると、こうしてお腹いっぱいにご飯が食べられるのもこの子たちのおかげということになる。
「そうですか、ありがとうございます。」
とお礼を言いながら暁の頭をなでなでしておいた。すると、ほっぺを膨らませて
「うぅ…頭をなでなでするなぁ!」
と怒られてしまった。そんな表情を見ているとこっちまで和むなと持っていると
「午後一時‼提督のLunchはまた納豆デスカー。紅茶とはあんまり…合わないデス…」
と秘書艦の金剛のボイスが流れた。
いつも切のいい時間になると秘書艦である金剛ぼボイスが流れるのだが…。
こう聞いてると提督のお昼ご飯はいつも納豆食べているのかと不思議である。
提督のことをまったく知らないので謎が深まる一方である。この後配属の為に執務室に向かうのが不安になるのであった。後々この時報については知らされるのだが少なくとも今の大和にはまだこの存在が理解出来なかった。
そろそろ執務室に向かう時間になった大和は第六駆逐隊の子に別れを告げた。
去り際に響に「ダスビダーニャ」と言われた。
これはロシア語でまた会いましょうという意味らしくそんなこと知るはずもない大和はどこの言葉だろうなどと考えながら執務室へと足を運んだ。
間宮食堂から執務室まで少し距離があるのだが、歩く姿でさえ艦娘たちの注目の的となっていた。
元々長身で脚のとても綺麗な大和が颯爽とポニーテールを揺らしながら執務室へ向かう姿は思わず目で追ってしまうのも頷けることだろう。
そんなこんなで執務室の扉の前までついた大和は少し緊張していた。
それもそのはず、先ほどの定期時報の件もあり提督という存在に関して謎のヴェールに包まれたままだからである。会話したのも初めて会ったときに一言程度である。と言うかろくに会話をした記憶がない。
緊張した面持ちでドアをノックして
「戦艦大和です。入ってもよろしいでしょう?」
と伝えた。少し間があって
「いいよ、入って。」
とあの時聞いた優しい声が扉の向こうから聞こえた。「ふぅ…」と一息吐いてゆっくり扉を開き
「失礼します。」
と少しキリッとした表情で部屋へ入った。入った先は私と同じくらいの身長のある同じ艦娘がひとり立っていた。秘書艦の金剛ではなさそうだ。黒と白を中心とした服、髪は私と同じくらいのロングヘア、とても気難しそうな顔をしたいでたちに少し怖いと思ってしまった。
「いつまで入り口に突っ立っているんだい、入っていいよ」
とまた提督の優しい声に我に返って机の前に少し背筋を伸ばして立った。
「早速だけど、今日は君の配属の通達する日だね。実は鎮守府に君が来た時から決めてはいたのだがね、いきなりではかわいそうだろうと思って少し鎮守府に慣れてもらおうと思って時間を空けたんだ」
そう説明されたが、そのおかげでここの生活には多少ではあるがなれることができた。これ提督の配慮のおかげだ。いきなり来て早々に配属だなんて言われたら自分でも付いては行けなかっただろう。
「そして、配属の件だが、隣にいる戦艦長門と共に第一戦隊への配属を命じる。」
「かしこまりました。」
教えてもらったばかりのここの敬礼で答えたがそのぎこちなさか提督の口元にクスリと笑みを浮かべ長門の方へ向いて
「わからないこともあるだろうからしっかりリードしてやってくれ、長門。」
「はっ。」
私よりもビシッとした敬礼をする長門と呼ばれる女性がこちらへ顔を向けて
「第一戦隊旗艦長門だ、これからよろしく頼むぞ。」
「戦艦大和です。これからよろしくお願いします。」
と一段と背筋を伸ばして応えた。
緊張ももちろんあったが、これから新しい出会い、発見があると思うと胸が高鳴っていた。
この大和を加えた第一戦隊はのちに砲雷激戦において編成史上最強と謳われることになるのはもう暫く先の話である。
いかがだったでしょうか。
ひとまず第一章終了です。
これから長門たちと新に登場する艦娘とどう絡んでいくでしょうかw
初めて小説というものを書きました。
正直ボキャ貧がばれる(汗)なんて思っています。
それでも頑張って書いていこうと思っていますので、気長に読んでいただけると嬉しいです。
何もかも初めてでなかなか至らないところもあると思いますが、感想評価お待ちしております。
それを参考にもっといいものが書けたらなと思っています。
それでは次回もお楽しみに‼