戦艦大和 推して参ります!!    作:凜樺

4 / 7
特に書くこともないので早速本編スタート。


~基地攻略作戦~

―オノレ…イマイマシイカンムスドモメ…―

人の声に聞こえないような生生しい声が基地の深くから聞こえてきた。

基地周辺は雨雲も来ていないのに、暗くどす黒い空気が流れていた。このまがまがしい空気の正体はのちに大和たちがご対面することとなる。

 

 

 

「第一航空戦隊旗艦赤城から打電、作戦成功とのことです。」

秘匿回線によってつげられた情報が駆逐艦夕雲から伝えられた。

足取りが重かった艦隊に活気が戻ってきた。作戦開始時間が刻一刻と近づく中士気の上がる朗報で大和も胸が別の意味で高鳴っていた。先ほどの戦闘の高揚感がまだ落ち着いてないのもあったのが。それもそのはず大和にとってはこれは初の実戦になのだ。先の戦闘ではいきなり重巡を撃沈の戦果をあげるなどそれが初めての戦闘とは思えないほどの活躍ぶりを見せている。

「どうしたの~大和?」

隣から陸奥が不思議そうに声をかけてきた。やばい、ほほでも緩んでたのかしらと思い慌てて

「い、いや、何でもないですよっ。」

手をぶんぶん振って否定したが

「あら~何を隠してたの~」

陸奥に言い寄られてしまってタジタジになったところで

「作戦中だ、いい加減にしろ。」

長門の凛とした声で陸奥は大和から離れた。先ほどの赤城たちの戦果を聞いて少し浮かれてしまった部分はあるのだろう。ただ本番はこれからだ。第一戦隊による基地攻撃を成功させてこそである。大和はもう一度気を引き締めなおした。そろそろ戦闘海域に到着するので、大和はとりあえず九一式徹甲弾を46㎝三連装砲に装填した。

「瑞鳳、索敵機を出してくれ。」

「はい、了解しました。」

一応待機場所まで到着した大和たちは一旦待機して瑞鳳の索敵機の情報を待って攻勢に出ることにした。

瑞鳳からは5機の九九艦爆が索敵として出撃した。

索敵機の反応はすぐに帰ってきた。

「索敵機より打電、敵基地に謎の敵影、戦艦ル級elite1隻、ル級1隻、重巡リ級elite3隻、軽巡ホ級3隻、駆逐艦イ級4隻を確認です。」

瑞鳳からの告げられた言葉に全員の頭に?が浮かんだ。

「なんだ、その謎の敵影って。」

「なにかしらね~基地と敵が合体してるのかしら~。」

長門と陸奥からそんな感想が漏れた。実は長門たちの予想は当たっていたのであるが今はご対面まではまだ先である。

「基地と合体…。なんか深海棲艦ならありえそうですね。」

「大和もそう思う?」

大和のぼそっと口にした感想に陸奥が反応した。

「なんか禍々しいもの感じますよね、ここからでもなんか伝わってくるというか…」

これは大和の率直な感想だった。まだ自分の射程に入ってるわけでもないのに背筋にものすごい悪寒を感じていた。

「まだ始まっていないのに、気にし過ぎよ~。」

ポンと背中を叩かれた。ふぅと肩の力を抜いたがさらに瑞鳳から

「敵機発艦を確認!!」

「基地航空隊が発艦したというかッ。」

長門が唇をかむのが見えた。陸上基地ということもあって飛行場とも合体しているのかと予想して大和は装填した九一式徹甲弾を対空用の三式弾へと装填しなおした。

「輪形陣に変更、瑞鳳は直掩機を飛ばせ、全員対空戦闘用意!!」

長門の厳しい声の元、長門と瑞鳳を中心とする輪形陣を形成した。瑞鳳からはスクランブルで零戦13機が発艦して上空に待機した。

艦隊に緊張が走る中、偵察から帰ってきた九九艦爆を収容し終わったころに大和たちのレーダーに敵機を捉えていた。数にして42機、瑞鳳の直掩機13機と比べると圧倒的に不利な状況にあった。

「仰角最大、三式弾装填46㎝三連装砲一斉射!!」

敵機の編隊に向けて大和の対空射撃が火を噴いた。

大和の装填している三式弾とは簡単に言えば対空専用の砲弾である。射撃とともに敵機をいる上空で爆発、砲弾の中に大量に詰めてある小さな弾丸が編隊を組んでいる敵機に直撃するという寸法なのである。

上空めがけて轟音を轟かせた大和の主砲であったが、三式弾の爆発位置が少し敵編隊よりずれていたため、その効力はあまり発揮されず3機ほどが火を噴いて編隊から離脱していっただけであった。

そこに上空に待機していた零戦が高度から殺到した。抜群の性能を誇る零戦でも多勢に無勢、すべての敵機を撃ち落せるわけもなく、合間を縫って敵機が大和たちにめがけて攻撃を仕掛けてきた。必死の対空砲火のおかげか何機かその餌食となって海へと沈んでいった。しかし、その対空砲火をも潜り抜けていくつか爆弾を投下してきた。回避運動を取ったものの、駆逐艦夕雲と重巡愛宕に被弾してしまった。

「ぁん!やめてったら?」

「きゃぁ!この程度…まだやれるわ!」

被弾した2隻からは悲鳴が聞こえたが当たり所が悪くなかったため多少服が破れている程度で戦闘に支障をきたす程のダメージは受けなかった。

爆撃機が落ち着いたと思っていたら次は雷撃機が低空より接近してきた。

4機と5機の編隊に別れて計9本魚雷が海中に投下され雷跡とともに近づいてきたのであった。雷跡が見えていたため全員それを避けることが出来たが別方向から12本の雷跡が接近していたのである。

何とか速力を活かして回避したがその一本が大和に向かっていく。

「まずいっ。」

長門の声で大和も自分に魚雷が来ているのに気が付いた。もう避けることもできず大和は咄嗟に防御の一番厚いを向けて魚雷の直撃に備えた。

―ガスン

魚雷の直撃する鈍い音と大きな水柱が立ったが大和は至って平気な顔をしていた。実は大和の装甲には集中防御方式といって自身の砲弾にも耐えうる装甲を持っているのである。運よくそこに被雷したため被害が全くなかったのである。

これは史実の逸話であるが、実際に大和に魚雷が一発直撃したのだが装甲という名のバルジがはじき返して乗組員はその被弾に気が付かなかったという話が存在するのである。

みんな大和に被弾した時にはどうなるかと思っていたが、平然としている姿に唖然としていた。

「や、大和、大丈夫か?」

化け物を見るような目で大和に恐る恐る聞いた。

「はい、直撃こそしましたがバルジで耐えることが出来ましたので問題ないです。」

と被弾箇所を確認しながら答えた。装甲に多少の傷が入っただけだと確認し、対空機銃を上空へと向けたのであった。

「さすが最新鋭の戦艦だな…。」

開いた口がふさがらないとはこのことかとつくづく長門は感心しきっていた。

前世では国民にも秘匿にされ極秘建造された戦艦の力なのか…正直感心を通り越して畏怖の念を抱くほどであった。

目立った被害は夕雲と愛宕だけで第一波の攻撃は終了した。と言っても2隻とも戦闘には全く影響が出てないため、そのまま作戦は続行となった。

今度は瑞鳳の航空隊24機が基地へと向けて発艦していった。それを追うように大和たちも射程内へと近づくべく機関最大、全速力で戦闘海域へと向かっていくのであった。

 

実は基地周辺ではすでに戦闘が開始されていた。2回にも及ぶ攻撃隊を発艦した赤城加賀の第一航空戦隊の航空隊が敵基地艦隊へと攻撃を開始していたのである。本来一航戦の任務は敵機動部隊の捕捉、撃滅だけであったのだが、赤城たちの独断で大和たちの対空援護へと残った艦載機を発艦させたのである。

瑞鳳の航空隊が基地上空へと到達したときには重巡1隻と軽巡1隻と駆逐2隻が被弾して炎上していた。さすが戦争緒戦、命中率8割を誇った一航戦の航空隊であった。

敵は既に混乱していたためその中を編隊を組んで一気に攻勢に出た。

炎上している敵艦に命中重巡1隻と駆逐2隻を撃沈させることに成功した。その戦果を報告するとともに帰還した。

 

「航空隊より打電、一航戦の航空隊の援護もあって重巡1駆逐2撃沈です。」

瑞鳳より戦果が告げられ大和の主砲も射程内へと入っていた。

「そうか、赤城たちが…」

そう呟く長門に後ろから

「帰ったら一緒にお礼言いに行きましょうね~。」

と抱き着いていた。

「こら、戦闘中だぞ。」

少し顔を赤らめ陸奥を振り払ってまたキリッとした表情に変わっていた。

「大和、そろそろ射程内だ、いきなり敵を驚かせてやれ。」

「かしこまりました。」

長門の言葉にそう返事をすると

「九一式徹甲弾装填、46㎝三連装砲一斉射!」

いつもの掛け声とともにものすごい轟音とともに大和の主砲が火を噴いた。

数十秒の滑空時間とともに着弾を確認した。しかし、狙いを定めていた戦艦ル級eliteの至近弾になっただけで、直撃とは至らなかった。

「んー当たりませんでしたね…。」

ちょっと思うように砲弾がいかなかったなと思い角度を修正しながらもう一度主砲を放った。

次はル級に直撃するのを確認することが出来た。

「直撃です、ル級に命中しました。」

少しドヤ顔で長門たちの方を見た。艦隊からは称賛のまなざしを向けられ、この優越感も心地よいものだなと感じた。

大和の砲弾の直撃を喰らったル級は大破炎上を起こしていた。敵艦隊もどこから砲撃が飛んできたのかさっぱり分かっていなかった。航空機の攻撃があったので、方向こそ分かってはいたがル級の射程外であったため始めは艦載機の攻撃を疑っていたほどである。動揺する敵艦隊に大きな水柱が上がった。今度は長門、陸奥による41㎝砲が火を噴いたのである。そして、陸奥の砲弾が重巡に直撃中破にしていた。残ったル級も反撃にやっと出ることができた。

「敵戦艦からの攻撃来ます!!」

駆逐艦巻雲から声が飛んだ。先ほどのル級の砲弾が陸奥に命中した。

「ふう~ん、やるじゃない。」

陸奥の第二砲塔が完全に使い物にならなくなっていた。それでも第一、三砲塔が健在だったため負けじと撃ち返した。そこへひと際大きな水柱が立った。

 

「オノレ…イマイマシイカンムスドモメ…」

砲撃の正体は基地と同化した深海棲艦の強化版、泊地棲鬼だった。長門型並みの主砲を装備し勿論飛行場もあるので、艦載機の発着艦が可能という艦娘からしたら少しチートじみた存在になる。まぁ、こちらにも魚雷をはじき返すようなチート戦艦がいるのだが…。

「この禍々しい気の正体はこいつか…」

砲撃の正体を見た長門は隣でそんなことを呟いていた。実戦経験のある長門でもこういう敵は初めてなのかと思考を巡らせつつ、私の実戦でいきなりこんな物騒なのが出てくるのかと少し運が悪いなと感じていた。ただそうも言ってられない。あんなのを野放しにしていると自分たちが危うくなる。結局、これは戦争なのだと自分に言い聞かせ主砲を泊地棲鬼へと向けたのであった。

 

ただ、いくら大和の誇る主砲を撃ちこんでもなかなか決定打を与えられずにいた。随伴艦のほとんどを撃沈、残すとここの泊地棲鬼だけなのだが尋常じゃなく固かった。大和たちの集中砲火のおかげで飛行場こそ沈黙させ、艦載機が発艦してこなくなったので、空からの脅威こそなくなったがまだ主砲が健在である。その主砲で長門、高雄が小破、巻雲に至っては直撃を喰らい中破で操行すら怪しい状態となっていた。

艦隊の被害は増える一方で瑞鳳の艦載機も連戦につぐ連戦で発艦できる数も著しく低下していた。そんな状況に上空より援軍が到着した。赤城と加賀の航空隊であった。

「あいつら、まだ飛ばせたのか…。大丈夫なのか…?」

長門が心配そうな顔をしながら

「赤城と加賀が援護してくれる、こいつを維持でも破壊するぞ!!」

と叱咤激励を飛ばした。赤城と加賀の艦載機の数も三回にも及ぶ航空戦で消耗しきっていたが無理やり整備して飛ばせるものをありったけ飛ばしてくれていた。目的が基地攻撃ということもあって魚雷が意味を成さない為、九七艦攻にすら九九艦爆に搭載する爆弾を腹に抱えて出撃してきたようである。

赤城と加賀の執念の攻撃隊がこれがとても効果的だった。直掩機のない敵に攻撃隊が殺到、先ほど致命傷はないいしろ大和たちに散々砲撃を喰らっていたため、ろくな反撃すら出来ずに傷付いた箇所に500㎏爆弾が命中した。

「ワタシハ…ホロビヌゾ…」

さすがの頑丈な体も反復攻撃によってダメージが蓄積されていた。そこへ艦爆の攻撃すある。人の言葉とは思えないような怨念の籠った声が周囲に響き渡った。

「うぅ…。」

艦娘たちはその声に過剰な不快感を示し耳をふさいだ。

「この声初めて聴きますけど、どうしてこんなにも心に響くような感じがするんでしょうか…。」

大和はこの異常な不快感を振り払いつつ主砲を斉射しながら長門へと聞いてみた。

「わからん、私も初めて聞くしましてや深海棲艦がしゃべるなど…ぐっ。」

長門にとってもやはりこういう敵は初めてのようだった。付近に至近弾が来て悲痛な表情だったが目は死んではいなかった。

「ビックセブンの力侮るなよ‼」

負けじと隣で41㎝砲が火を噴いた。自分も負けられないと徹甲弾を装填しつつ狙いを定めた。砲弾が直撃するのを視認したが、向こうの主砲が自分に向いていることに気が付いた。

「まずい…。」

咄嗟に感じたが、すでに徹甲弾は装填済み、照準は完全にセットされていて砲撃寸前であったため、判断が一歩遅れてしまった。主砲を斉射しつつ器用にその反動で自慢のバルジでガードの体制を取った。

―ドゴオオオオオオンンンン

集中防御区画へ直撃、さすがの大和もその重たい一撃に水面に膝をついてしまった。

「ぐっ…。」

このような重い一撃を喰らったのは初めてだったため、思わず嗚咽が漏れた。ただ、さすがは自身の砲撃にも耐えうるだけの装甲、直撃こそ喰らいはしたが多少の火災程度で済んでいた。それよりの被弾による精神へのダメージの方が痛かったのだある。体は装甲で守られていても直撃の反動は体の芯まできっちり届いていた。

「大和~大丈夫~。」

陸奥の声に

「大丈夫です。それより今が好機ですよ。」

何とか立ち上がり主砲を構えなおした。先ほど放った砲撃で遂に向こうの主砲を沈黙させたのである。

「ア"ア"ア"…。」

もう反撃の手立てを完全に失った泊地棲鬼から悲鳴があたりに響いた。

「これで終わりにするぞ、全砲門一斉射!!!!」

長門の号令のもと、撃てる限りの砲撃を浴びせた。

 

―ズギャアアアアアアアアアアアアアアアアンンンンンンンン

 

基地周辺が大爆発を起こして爆発の光と煙で辺りが一瞬見えなくなった。

「やったか…?」

徐々に煙が晴れて行ってそこには破壊しつくされた残骸が残るのみとなっていた。泊地棲鬼は先ほどの爆発で完全に破壊したのである。それが原因だったあたり一帯に立ち込めていた邪悪な空気も一変し、夕焼けが大和たちを照らしていた。

「鎮守府に打電、我、作戦に成功セリ。さぁ、全艦帰投するぞ!!」

長門の声で全員がほっとした表情に変わった。中破の陸奥は長門に支えられ、愛宕と高雄もお互い支えあい、大和は大破した巻雲を支えながら鎮守府へと帰還したのだった。

 

作戦成功の報は鎮守府全体に伝わっており、先に帰投した一航戦も含め第一戦隊は拍手喝采の元無事帰還したのである。

傷ついた艦娘たちは修理ドッグへ運び込まれ大和も被弾したバルジ部分を修復してもらうことになった。ただ、被害が小さい為か後回しになったのだが。

 

「ヤ…マト…ワス……レヌ…。」

どこかの海で邪悪な声が響いていた。大和たちの戦いはまだ始まっただかりである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




最後まで読んでくださった方ありがとうございました。
最近、新しいゲームを購入してしまい更新が遅くなりましたw
ちょっと大和の存在がチート感が出ていますが最初だけですw
戦闘もガバガバ感が出ていましたがそこは大目に見てください。
これから大和にはしっかり苦戦してもらいますw

次回予告としては本来の趣旨である提督とのラブコメの第一歩として提督との絡みを入れたまた日常系に戻ることになろうと思います。
ゲーム片手に頑張って更新していきますので、今後ともよろしくお願いします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。