Charlotte ~時を超える想い~   作:ナナシの新人

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お待たせしました。


Episode44 ~潜入~

 本格的にリハビリを開始して一週間が経ち、まだ痛みは残っているものの落ちた体重も徐々に戻ってきて、身体もある程度自由に動くようになった。頼んでいた道具も一通り揃い、潜入作戦の準備は着々と調いつつある。あとは、偵察に当たってくれている高城(たかじょう)の報告を待つばかりとなった。

 そして、その時がやって来た。

 

「お待たせいたしました!」

「あ、おつかれっす」

 

 一学期の課程が修了し、学校が夏休みに入って最初の週末。かつて奈緒(なお)が通っていた学校の偵察任務を終えた高城(たかじょう)は、行きと同じく大きな荷物を抱えて、生徒会室へ姿を現した。

 

「お疲れさまです。首尾はいかがでしたか?」

「すべて順調に行きました。こちらが頼まれていた物です」

「ありがとうございます」

「カメラは、あたしが預かります」

「お願いします。では私は、資料の方を――」

 

 奈緒(なお)は、ビデオカメラをテレビに繋げて動画を再生させ。高城(たかじょう)は、関係者の出入りなどを記録した資料と写真をテーブルに並べる。その間俺は、受け取った郵便物を確認する。

 

「正門の守衛は、常に二人か」

「はい。ですが、一人になることもままあります。おそらくトイレ休憩などかと」

「潜入するなら、その時が狙い目だな。人の出入りは......あまり多くないんすね」

「一日平均に十数人と言ったところです。それと、生徒の出入りは殆どありませんでした」

「この学校は全寮制、学生寮と校舎は渡り廊下で直結しているので敷地外へ出る必要がないんすよ。長期の休みの時は、帰省する生徒も中にはいますけど」

「なるほど、それでですか」

「それにしても、少ないな」

「ええ、校内の科学者の人数自体は出入りしている数の倍近いハズなのですけど」

「うーん、どう思いますか? 経験者の立場として」

 

 一旦手を止めて、二人の話に加わる。

 

「そうですね、校内で寝泊まりしているんだと思いますよ。俺も、よくラボで寝ていましたから」

「では、出入りをしている科学者たちは?」

「帰る理由があるからっしょ。自宅じゃないと落ち着いて休めないとか、家庭があるとか」

 

 奈緒(なお)の言葉に、高城(たかじょう)の顔がやや険しい顔付きに変わった。

 

「家庭ですか......」

「職場を離れれば一般人ですから、そういった科学者がいても不思議じゃないっしょ」

「......そうですね」

 

 プライベートでは家庭を持っていながら、思春期の子どもたちをただの実験素材としか思っていない。普通の感性なら、良心の呵責に耐えられなくなるだろうに。まあ中には、それ感じながらも家族の生活を守るために続けざるを得ない科学者もいるのかもしれないけれど。

 

「ん? これは......」

「どうしたんすか?」

 

 郵便物の中に、某省庁の名称が記載されている封書を見つけた。ドライヤーの熱風をのり面に当てて粘着力が低下させ、慎重に開封し、書状の内容を確認する。

 

「お偉いさんの視察状ですね。とても有益な情報です」

「では、その日は避けた方がよさそうですね。警備も厳重になるでしょう」

「いえ、この日に潜入します」

「それは、あまりにも危険なのでは!?」

 

 高城(たかじょう)が、声を荒げる。

 

「そうですね。でも裏を返せば、視察員へ意識が向くと言うことです。研究の予算を得るためには、それ相応の成果を見せなければなりませんから。プレゼンに躍起になっているはずです」

「人が多くなる代わりに他人への注意も散漫になる、と言うことっすね」

「そう言うことです。さっそく準備に取りかかりましょう」

 

 元通りに封をした郵便物は、配達員に変装した高城(たかじょう)に届けてもらい。俺と奈緒(なお)は、隼翼(しゅんすけ)の元へ向かった。

 

 

           * * *

 

 

「問題は、誰がやるかだな」

「俺が行きます。この学校には、以前入ったことがありますから内部の構造もある程度頭に入っています」

「そうか。でも一人で行くのはさすがに危険だ、見張りを出来る補佐が居た方がいいだろう」

「となると“透過”の七野(しちの)か、“不可視”の友利(ともり)あたりが適任だろう。どうする?」

 

 隼翼(しゅんすけ)熊耳(くまがみ)の問いに、二人の特性から考える。七野(しちの)の“透過”は、潜入には持ってこいだが対面してしまった時の対処が難しい。一方奈緒(なお)の“不可視"は、対象は一人に対してだが汎用性は高い。

 

「そうですね......。今回は、友利(ともり)さんにお願いしようと思います」

「あたしっすか?」

「はい、お願いできますか?」

「お任せください、校内の案内も出来ます」

 

 そう、力強くうなづいた。

 

「じゃあサポートは、奈緒(なお)ちゃんに任せるとして。必要な物はあるか?」

「白衣とウイッグなどの変装道具とハンズフリーで会話が出来る無線通信機器をお願いします」

「服は、制服じゃなくていいのか?」

「潜入するのは制服の方が楽ですけど、校舎に入ってからは白衣の方が動きやすいですから」

「木を隠すなら森の中、か。オーケー、わかった。目時(めどき)、手配を頼めるかい?」

「任せて。写真の衣装と同じ物を調達しておくわ」

 

 その後、実行当日の細かな予定を伝え、目時(めどき)と一緒に部屋を出て、乙坂(おとさか)が居るレクリエーションルームへ案内してもらう。

 

「あ、居た」

「あーっ、友利(ともり)お姉ちゃんたちなのですっ」

「ん? ああ、お前たち、来てたのか」

歩未(あゆみ)ちゃん、私たちと一緒にお話しよ?」

「女子トークっすね、もちろん男子は禁制です」

「別に聞きたくもないんだが......?」

「とか強がりを言っていますけど、気にせずにお話しましょう」

「はいですーっ」

「おい! ったく......」

 

 目時(めどき)奈緒(なお)は、歩未(あゆみ)を遠ざけてくれた。

 

乙坂(おとさか)さん、頼みごとあります」

「僕に?」

「日取りが決まりました。決行当日に協力をお願いしたいんです」

「それで、歩未(あゆみ)を遠ざけたのか......何をすればいいんだ?」

「これを。詳しいことはリストにしておきました。護衛も付きますし、遠くからなので危険はありません。ご安心を」

「......わかった、やってみる」

「お願いします」

 

 三人の女子トークが終わるまで待って、星ノ海学園の最寄り駅まで送ってもらった。帰り道を話しながら歩く。

 

「どうして、あたしだったんすか?」

「迷惑でしたよね」

「いえ! そう言う意味じゃないっす。ただ、どうしてかなーと気になったので」

「今回は、“不可視”の方が向いているので」

「......そうっすか」

「本当は、こんな危険なことに巻き込みたくはないですけど......」

 

 何よりあの学校は、一希(かずき)さんの心を壊した元凶であり、奈緒(なお)の心にも深いキズを負わせた場所だ。本来であれば二度と近づけさせたくない、忌まわしき場所。

 

「そう言えば、三人で何を話していたんですか?」

 

 わざとらしく話題を変える。奈緒(なお)は、すっと顔を背けた。

 

「女子トークですので、回答は控えさせていただきまーす」

 

 夕日なのか分からないけど、少し顔が紅く見えたのは気のせいだったのだろうか。いったい何を話していたのだろう。それを知るよしはなかった。

 

 

           * * *

 

 

 作戦決行日の当日。学校から数百メートル離れた場所に止めてた車の中で、乙坂(おとさか)の準備が整うのを待っていた。

 

『えーと、これでいいのかな? 聞こえるか?』

 

 左耳に付けた受信機から、乙坂(おとさか)の声が聞こえた。

 

「ええ、聞こますよ」

「あたしも、聞こえています。こちらの声は聞こえますか?」

『大丈夫だ、問題なく聞こえてる。地図上のチェックポイントに着いた。正門に二人、守衛が居るのが見える。高城(たかじょう)の情報通りだ。お前たちの車も見えるぞ』

「そうですか。では今から、行動に移ります。合図をお願いします」

『わかった』

 

 乙坂(おとさか)との通信を終えて、科学者に変装した俺と奈緒(なお)は車を降りる。帯同してくれていた前泊(まえどまり)が、車の窓を開けた。

 

「二人とも、十二分に注意を払って行動してください。危ないと判断したら、弟さんに連絡を入れて“時空移動(タイムリープ)”を......」

「ええ、わかっています」

「行ってきまーす」

 

 科学者に変装した俺と奈緒(なお)は、作戦を遂行するため学校の正門へ向かって歩き出した。正門まであと数メートルのところで、乙坂(おとさか)から通信が入る。

 

『まだ二人とも居るぞ? どうする?』

 

 視察が来る予定時刻は迫っている。今ここで、もたついている時間はない。

 

「強行突破します。一人に乗り移ってください」

『もう一人は?』

「ご心配なく、あたしの能力で気を引きますので」

『そうか、わかった。お前たちが正門に入ったら乗り移る。すぐに後ろを向くから、そっちが僕だ』

「了解っす」

 

 正門前に到着。

 

『おい、行くぞ?』

「はい、お願いします」

 

 敷地に入ると同時に、守衛の一人が不自然に後ろを向いた。それを合図に奈緒(なお)は、もう一人の守衛に能力を使って近づき、置かれていた筆記用具を内側へ払い落とした。慌てて拾っている間に通り抜ける。そして、手袋を付けた手でゆっくりドアを開けて入り、校舎に潜入することに無事に成功した。

 

「潜入成功っす」

『そうか、上手くいったな』

「ええ、二人のおかげですよ」

 

 頭の中に叩き込んだ記憶と照らし合わせて廊下を進み、階段を上って二階、そして三階の廊下へ出る。幸運なことに今にところ、科学者とは遭遇していない。

 

『今、黒塗りの高級車が来賓客用の玄関前に止まったぞ。人が大勢集まってる』

 

 お偉いさんのご到着。どうやら出迎えに人数を割いているようだ。腕時計を見る。到着は予定よりも五分遅れ、少し余裕がある。

 

『一人、突き当たりの角からそっちへ行く』

「わかりました。ここで待機します。首から下げたパスカードをこちらへ向けてください」

『ああ、わかった』

 

 乙坂(おとさか)の合図に合わせて、科学者と廊下の角ですれ違う。

 

「ここから一旦僕の死角に入る。すぐに移動するけど、気をつけろよ」

「わかっています」

「そちらもお願いしまーす」

 

 すれ違いざま、こちらへ向けたパスに機器を合わせる。スキミングは完了。これで、科学者でなければ開けられない扉のロックを解除出来るようになった。

 

『今、集団が移動を始めた。階段の方じゃないから、たぶん実験室の方へ向かうと思う』

 

 それなら十分間に合いそうだ。

 廊下の角を曲がって少し廊下を進むとセキュリティが施された扉が、俺たちの行く手を塞いだ。スキミングしたカードでロックを解除し、一般生徒が立ち入れないエリアへ潜入。周囲に気を配りながら先へ進む。

 

「あまり人気がありませんね」

「おそらく実験の方へ人を割いているんでしょう」

 

 こちらにとっては好都合だ。稀にすれ違う科学者に対しては奈緒(なお)は能力を使い、俺は物陰に身を潜めてやり過ごしつつ進む。少し離れたところに立ち止まっている科学者を見つけた。その科学者は、廊下の窓枠に両腕を預けて窓の外をぼーっと眺めていた。しかし、動きのない状態で見られるのはリスクがある。

 

友利(ともり)さん、お願いします」

「はい」

 

 “不可視"を使って科学者の隣へ行き、白衣のポケットから小ビンを取り出した奈緒(なお)は、蓋を開けて科学者の鼻に近づける。すると科学者の身体が少し傾き、もたれ掛かるような体制になって目を閉じた。奈緒(なお)が、手招きをして俺を呼ぶ。

 

「スゴい効き目っすね。すぐに眠っちゃいました」

「ただのリラックスアロマに、睡眠を促す物質を少し混ぜただけなんですけどね」

「疲労が溜まってたってことっすか」

「お偉いさんが視察に来るわけですから、現場は相当ピリピリしてたでしょうね。さあ、行きましょう」

 

 しばらく歩くと、目当ての部屋を見つけた。

 カード認証だけの他の部屋の扉よりも厳重なセキュリティが施されている。

 

「なぞるタイプの電子ロックみたいっすね。どうするんすか?」

「これを使います」

 

 白衣の内ポケットからスプレーを取り出し、中の液体を吹きかける。指でなぞられて油分が残っている部分が液体を弾き、英字の「N」を反転させた様な形が浮かび上がった。問題は、どちらからなぞるか。下の先の方に擦れた様な跡が僅かに残って見える。

 

「上からみたいっすね」

「ええ」

 

 出発点から終点へ向かってなぞる。電子音が鳴り、ロックが解除された。

 

「拭き取らなくていいんですか?」

「液晶パネルに影響を与えず、すぐに気化するように特殊調合してもらった液体なので問題ありません。下手に拭くと反応しかねませんから」

 

 扉を少しだけ開けて、室内の様子を窺う。人の気配はない。どうやら誰も居ないようだ。

 

「では、あたしは見張りをしています」

「お願いします」

 

 電子ロックの機能を遮断する特殊加工を施したプレートをドアの間に挟み、室内に入る。極力触らずに室内を物色。奥の方に、DNAを保存しておくための小型の冷蔵庫を見つけた。当然のことながら、これにもロックが掛かっている。外見からセキュリティのタイプを特定し、それに応じてニールが用意してくれた複数の道具の中から合った物を選んで、解除の作業に当たる。

 ――よし、開いた。

 DNAが保存されている容器から専用のスポイトで空の容器へ移し、減った分を生理的食塩水で補って元の保存場所へ戻す。作業は滞りなく順調に進んでいたように思えたが、突如、奈緒(なお)から通信が入った。

 

『まずいっす、視察員と科学者たちが、こちらへ向かってきますっ』

「プレートを回収して、部屋に入って来てください」

『了解っす』

 

 作業を終えて、扉を閉める。そこへちょうど奈緒(なお)がやって来た。

 

「どうしますか?」

 

 室内に身を隠せる場所はない。窓を開けて、外を確かめる。ベランダはないが足を十分に置ける出っ張りがある、高城(たかじょう)の情報通りだ。

 

「こっちへ」

 

 DNAの入った容器を奈緒(なお)に預け、滑り止め付きの手袋に付け替え、窓枠から二メートルほど下の校舎の出っ張りに足を置き、左腕で窓枠を掴んで奈緒(なお)を呼ぶ。

 窓枠に手をかけ、慎重に降りてきた奈緒(なお)を右腕で抱きかかえる。窓を閉めてもらい、出っ張りに足を置いてもらってから支え直す。

 

「背中は、大丈夫ですか?」

 

 心配そうな声と顔。

 

「大丈夫ですよ。それより怖くないですか?」

「平気っす」

 

 はっきりとした声で返ってきた。

 その直後、科学者を引き連れて視察員が部屋へ入ってくる。だがお偉いさんは「ここはいい。次の場所へ」と言って、やや戸惑う案内役たちを引き連れ、そそくさと部屋を出ていった。

 扉が閉まる音が聞こえてから少し待ち、人の気配がなくなったのを見計らって奈緒(なお)を持ち上げ、窓を開けてもらい、先に上がった彼女の手を借りて壁をよじ登る。

 

「目的は果たしました、すぐに出ましょう」

「はいっ」

 

 部屋のドアを開け、科学者たちとは逆方向へ向かい、角を曲がる。周囲に誰もいないことを確認してから話す。

 

「ありがとうございました」

「ホント、助かったっす」

『間に合ってよかった。お前たちが、外壁に居たのを見た時は驚いたぞ』

 

 今から校舎を出ることを伝え、乙坂(おとさか)には最初のポイントへ移動してもらう。校舎を出る前にサーバールームへ立ち寄り、細工を行う。その様子を奈緒(なお)は、興味深そうに見ていた。

 

「何をしているんすか?」

DNA(サンプル)を貰ったお礼に、プレゼントをしておこうかと」

 

 こちらの方は、一分も掛からず仕掛けを終えて校舎を脱出。

 そして、潜入時と同じ手順で守衛をやり過ごし、学校の敷地からの離脱に成功した。

 

「無事に終わったみたいですね」

「はい、任務完了っす」

 

 奈緒(なお)は得意気な顔をして、車の助手席に座る前泊(まえどまり)DNA(サンプル)が入ったケースを見せつける。

 

「それはよかった。では、戻りましょう。乗ってください」

 

 俺と奈緒(なお)が後部座席に乗り込むと、車は特殊能力者保護施設へと向かって走り出した。車内でウイッグと眼鏡を外し、変装を解いてひと息つく。施設に到着、前泊(まえどまり)にケースを預け、シャワーで汗を流してから、隼翼(しゅんすけ)たちが待つ部屋へ。

 部屋には、俺たちより先に戻った乙坂(おとさか)も居たが、奈緒(なお)はまだ来ていなかった。

 

「おつかれさま。はい、どうぞ」

「ありがとうございます」

 

 労いの言葉かけてくれた目時(めどき)が用意してくれた冷たい飲み物をいただきつつ、パソコンを起動させる。

 

「よし、出た」

「何を見ているんだ?」

「これです」

 

 覗き込んできた熊耳(くまがみ)に、ディスプレイを見せる。

 

「これは......あの学校の生徒のデータか?」

「えっ? ほんと?」

 

 目時(めどき)たちも、肩越しにディスプレイを除いてきた。

 

「ハッキング用のサーバーをプレゼントしておきました」

「そんなことして、大丈夫なのか?」

「問題ないですよ。仮にバレても世界各国200カ所以上から同時にアクセスされているように細工してありますから」

 

 キーボードを操作し、データを観覧する。

 

「この名前って、友利(ともり)のお兄さんだよな?」

「ええ」

 

 乙坂(おとさか)の言ったように今、一希(かずき)さんのデータが表示されている。どのような実験をしたか、どう壊れていったかなどが事細かに記されていた。

 

「なによ......これ......」

「ひでぇな、こりゃ......」

「人のやることではないですね」

「......これは見せない方がいいだろう」

「ですね」

「なんの話っすか?」

 

 入り口から聞こえた声に全員が振り返る。

 そこには、着替えを済ませた奈緒(なお)が立っていた。

 

「いえ、何でもありませんよ」

「なんすか、見せてくださいよー」

 

 パソコンの画面を肩越しに覗き込んできた。咄嗟にエンターキーを押す。

 

「――なっ!? なに見てんすかっ!」

 

 血相を変えて声を荒げる、奈緒(なお)。不思議に思い画面を見ると、中学時代の彼女の身長・体重・スリーサイズなどのデータが写し出されていた。

 

「あっ......」

「早く消してくださいっ!」

「は、はい!」

 

 急いでキーボードを操作して、パソコンの電源を落とす。

 

「見ましたか......?」

「いえ、見てないです......」

 

 そう言う他に選択肢はなかった。

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