東亰ザナドゥ ~蘇りし骸殻者ルドガー~   作:ロナード

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今回は原作の第1話の部分です。そして、今回は文字数が15000を越えた・・・長くて読みづらい様でしたら、ごめんなさい。でも、これからも10000字以上はいくだろうから、大目に見てください。後、タグは増やすべきかと思い、タグに残酷な描写を追加しました。


第4話 《ネメシス》の執行者

4月16日となった夜中、一人の少年と一人の少女が人通りの少ないガード下にいた。少年と少女の近くには二人の不良と思われる少年二人が気を失っているのか倒れていた。少女は少年に近付き、サイフォンを使いある術式を起動させた。

 

「悪夢もいつかは覚めるもの。だから今、元の日常に戻すわ。お休みなさい、時坂君」

 

少女は少年、時坂 洸ことコウの記憶を一部消去し、コウはそのまま眠る様に意識を失った。少女は倒れたコウをコウの家にまで運び、ベッドに寝かせた。なお、少女はコウの家の鍵をある術式で開けて入った。当然、言うまでもないが少女はコウの家を後にする時に術式で閉め直した。コウを家にまでわざわざ運んだのは巻き込んでしまって申し訳ないという心境も有ると思うが、彼女なりの優しさなのだと思われる。

 

「さてと、《ネメシス》の執行者とはいえ、私も休まないといけないわね。時坂君、今日はあなたの印象が少し変わったわ」

 

少女はそう呟いた後に、その場を後にしたのだった。

 

 

 

 

「よっし!今日は何時もより早く起きられたぞ!では早速、朝御飯を作らないとな!」

 

日付は4月17日。今日はいつもより早く起きる事ができた。ミツキさんはまだ寝ている様だし、起こさずに朝御飯を作って、どんな反応をするのか試してみよう。俺は朝御飯として、特性の出汁を使った卵焼きとサンドイッチを作った。尚、サンドイッチに使った具材はベーコンにレタス、そしてトマトだ。いわゆる、BLTサンドだな。朝食を作り終わると、ミツキさんが起きてテーブルに座った。

 

「ルドガーさん。今日は珍しく早起きですね」

「そうだろ。いつもより早く起きたから、朝御飯も早めに作れたな。今日の俺はどう思う?」

「そうですね。早く起きただけでいつもと変わらないと思いますけど・・・」

「ですよね・・・」

 

俺が早く起きただけで驚く事は無いよね・・・だって、俺は家政夫だしね。普通は主より早く起きて朝御飯を作っているのが当たり前だしね。俺はいつも、ミツキさんより起きるのが遅いんだよな。何とか早く起きようと思っても、俺は朝に弱いので早起きは苦手なんだよな・・・朝御飯を食べ終わった後、俺は後片付けをして、ミツキさんは制服に着替えて杜宮学園に向かった。と言っても、キョウカさんが毎日ミツキさんを車で送っているんだけどな。それにしても、車は移動手段として便利そうだな。俺も免許ぐらいは取っておくか。でも、半年という寿命の中で車を手に入れる必要が有るか無いか考え中だけどな。俺は皿洗いに掃除、洗濯を済ませた後に、俺も杜宮学園に徒歩で向かい、食堂での仕事を開始する。それと、この一週間で女子からの質問には粗方答えた事で、質問攻めが来る事は無くなったので落ち着いて仕事ができる様になった。まあ、アプローチは未だにくるんだけどな。

 

 

 

昼休みになり、今日も杜宮学園の食堂は賑わっている。腹を空かせた生徒達が俺の料理を求めてやって来る。アキエさんの料理も人気だが、俺の作った料理は自分で言うのも恥ずかしいが本当に人気で完売は当たり前になる程だ。今日の俺が作った料理はマーボーカレーだ。麻婆豆腐とカレーライスを合体した一品だ。前の世界では当たり前の様に有る料理なのだが、この世界には無いメニューらしく、インパクトが強かった様だ。

 

「これは・・・美味いな。麻婆豆腐のとろみとカレーのスパイスが上手くマッチして美味い!」

「凄い!麻婆豆腐とカレーがお互いの味を邪魔せずに上手く組み合っているなんて・・・奇跡の料理ね!」

 

インパクトが有りすぎて、今日は売れないんじゃないかと心配したが好評の様だしよかった。さてと、次の人でマーボーカレーは最後だな。最後のマーボーカレーにありつく生徒は一体誰だ?俺は券を受け取って、その生徒にマーボーカレーを渡した。その生徒は・・・何だリョウタか。

 

「なあっ、今、思い切り残念そうな顔をしていなかったか?」

「してないって。ホラよ、マーボーカレーだ。絶対に残すなよ!」

「大丈夫だって。絶対に残さねえよ。ルドガーさんが作る料理は最高だしな」

 

アイツ、餌付けでもされた犬みたいに急に俺への態度が変わったな。まあ、絶対に俺の料理を頼むからな。最初は何としてでも嫌みを言おうとして食べていたのだろうが、負けを認めたのかどうかは知らないが、三日前に俺へ向けていた敵意はさっぱりと消えた。アイツ、単純だな・・・お陰で助かるけど。とにかく、俺の事は悪く言わなくなったが・・・

 

「うん、美味い美味い!やっぱり、ルドガーさんの作る料理は最高だな!うん、サイコー!」

「うるさい!わかったから、黙って食え!ルーが飛び散って、制服が汚れるだろうが!」

 

賑やかなのは変わらないな・・・すまない、コウ。俺は制服の事を気にかけていなかった。今度はルーが飛び散らない様に改良するからな。さてと、俺も少し早めだが昼食を取るとしよう。俺はアキエさんに昼食を取る事を伝えた後に今朝の朝食で残ったサンドイッチを食べる事にし、何処で食べるか考えていると、

 

「おーい、ルドガーさん。昼食を取るならさ、俺と俺のダチ達と一緒に食べないか?」

 

この様にリョウタに誘われたので、俺はリョウタとその友達三人のいるテーブルに行くと、緑色の髪の少年が椅子を前に出してくれたので、その椅子に座った。そういえば、リョウタはともかく、この三人とは話した事が無いな。コウについてはスケボー大会で名前だけを知っただけだしな。これをきっかけに接していくのも悪くないな。まず俺はリョウタの友人達に軽く自己紹介をする。

 

「リョウタはともかく、お前達とは話すのは初めてだな。とっくに知ってると思うけど一応紹介させてくれ。俺はルドガー・ウィル・クルスニク。ルドガーって呼んでくれ」

「俺はともかくって何っすか・・・」

「バカ。お前があまりに馴れ馴れしく話すから、適当に扱われるんだろうが。すまねえな、ルドガーさん。コイツ、リョウタはバカだから相手にするのも大変だろ?俺は時坂 洸。コウって呼んでくれ。とりあえず、このバカの相手をするのが面倒だったら無視して結構ですから」

「おい!コウ、てめえ!誰がバカだ!誰の相手をするのが面倒だ!」

「お前の事だよ、バカ!」

 

俺が自己紹介をした後にコウの方も自己紹介をしてきたが、コウが言った事が原因でリョウタとのどつき合いが始まった。でも、これは友達同士の軽いジョークであり、お互い思い切り相手を突っつき合う訳でも無いので本当に仲が良い友人同士なんだと思う。コウはリョウタの相手が面倒だとかバカとか発言したが、これも仲の良い友達だから言える事だ。本当に仲が良いな。そんな二人のやり取りを見ながら、俺は他の二人と話す事にした。

 

「コウとリョウタの二人はいつもこんな感じだから気にしないでね。ええと、僕は小日向 純と言います。僕の事は気軽にジュンと呼んでくれると嬉しいかな。これからも食堂でお世話になると思いますのでよろしく頼みます、ルドガーさん」

 

この緑色の髪をした中性的な容姿をした少年はジュンか。どうも、何処かジュードを思い出させる雰囲気だな。おそらく、ジュンはジュード同様に心優しい性格だと思われる。続いて、俺はリボンを着けた少女に目を通すと彼女は俺に話し出す。

 

「私は倉敷 栞です。コーちゃんの幼なじみです。リョウタ君がルドガーさんの料理はとても美味しいと誉めていましたよ。最初は気に食わない人だと思っていたみたいですけど、ルドガーさんの作った料理を食べている内にルドガーさんの事を少し尊敬する様になったみたいですよ」

 

この少女はシオリちゃんと言うのか。それにしても、コーちゃんってコウの事だよな・・・あのぶっきらぼうそうなコウの事をコーちゃんって呼んでいるのか。多分、コウはそれをネタにされてからかわれる事が有るんじゃないかと思う。主にリョウタにな!それにしても、リョウタが俺の事を尊敬する様になっただと、どうしてなんだ?気になるので、シオリちゃんに聞いてみる事にした。

 

「ええと、シオリちゃん。リョウタが俺の事を尊敬する様になった理由は知ってるのか?」

「えっと、確か・・・ルドガーさんは料理が上手だし、裁縫も得意で解れた制服を縫ってくれたりしてくれたから、ルドガーさんの様な兄がいたらイイなって言っていましたね」

 

そういや、二日前にリョウタの制服が少し解れていたから縫って直してやったな。それも含めて俺が兄の様な感じに思えたんだな。悪い気はしないが、間違ってもリョウタの兄貴になるのは勘弁だ。色々と疲れそうだしな。そんな事を話している内にコウとリョウタの取っ組み合いは終わったらしく、俺はコウとリョウタ、ジュンにシオリちゃんの四人と食事をして食べ終わった後に雑談をする。

 

「ハアッ。ルドガーさん。聞いてくれよぉ。コウのヤツってさ、あのトワちゃんが従姉なんだぜ」

「トワちゃんって、トワ先生の事だよな・・・一応、先生なんだし、トワ先生って呼ぼうな」

「いや、さすがに本人の前では九重先生、もしくはトワ先生って呼んでいるからさ・・・それにしても、ズルいよな。シオリちゃんの様な幼なじみだけでは飽きたらず、あんなに可愛い従姉までいるなんてズルいぜ、コウ!」

「お前、どっちかって言うと年上好みじゃなかったか?あんな、ガキみたいな成りをしたのでもいいのかよ」

「バカ、トワちゃんはそれが良いんじゃないか!だって、コー君なんだぜ。いつもの癖なんだぜ!本当にズルいよな。今度はナイスバディな伯母さんでも出てくるんじゃねえだろうな」

「いねえよ。そんなの・・・」

 

リョウタはコウの事を羨ましがっているが、コウはそれを軽く流している。それにしても、トワ先生がコウの従姉だとは驚いたな。それにしても、トワ先生にはコー君と呼ばれているのか、コウは・・・シオリちゃんにトワ先生からの愛称でからかわれる事が無い事を祈っておこう。手遅れだろうけどな。シオリちゃんはコウの事で何か気になる事でも有ったのか、コウに話し出した。

 

「そう言えば、コーちゃん。気のせいなら、悪いんだけど・・・2時限目の時から、柊さんの事をずっと目で追っていなかった?」

「何!?コウ、狙っているのか。あの柊さんを!」

 

柊?どんな人なんだ?コウはリョウタに別に狙っている訳では無いと説明する中、俺はジュンに柊という人物の事を尋ねた。

 

「ジュン。柊さんっていうのは誰の事なんだ?」

「ルドガーさんは知らない筈だよね。柊さんは今年から編入してきた米国帰りの帰国子女なんだ。本名は柊 明日香で僕やコウ達と同じクラスの生徒でクラス委員長なんだ。しかも成績優秀、容姿も美少女と言える人なんだ。今日の授業だって、トワ先生の出した難しい数式を答えて途中式までも完璧で凄かったよ。まさに才色兼備って言えばいいのかな」

 

柊 明日香か。どうも、凄い生徒の様だな。コウは彼女の事を目で追っていたらしいが、好意を寄せている訳では無い様だが、どうして目で追っていたのか気になる。コウは何故、柊さんを目で追っていたのかは自分でも解らないらしい。だが、気になる事を呟いてはいた。

 

「まあ、多分、夢だろうしな・・・」

 

夢か。夢で柊さんが出てきたから、目で追っていたというだけならいいのだが・・・どうも、柊さんの事が気になるな。もしかしたら、ミツキさんなら知っているかもしれないな。今の時間なら急げば、まだ話す時間は有るな。ミツキさんはこの杜宮学園の生徒会長をやっているのは知ってるので、俺は生徒会室に行く事にした。

 

「すまない。俺は用事が有るから、ここで席を外すぞ」

 

俺はコウとリョウタ達にそう伝えてから、ミツキさんがいると思われる生徒会室に向かった。生徒会室にはちょうどミツキさんしか居らず、誰にも聞かれる心配は無さそうなので、俺は生徒会室に入った。

 

「あら?ルドガーさん。学園でこうして出会うのは初めてですね」

「あっ、確かにそうだな。いや、そんな冗談よりも聞きたい事が有るんですけれど・・・」

「聞きたい事ですか。一体、何でしょう?」

「ミツキさんは柊 明日香という生徒の事は知っているか?」

「柊さんですか。勿論、知っています。生徒会長として学園の生徒の名前は全て知っていますから」

「それは凄い記憶力だな・・・とりあえずは柊さんの事は知っているんだな。俺は柊さんの事を知りたいんだけど・・・」

「ルドガーさん。それはダメです。私は生徒会長として学園の生徒の個人情報を漏らす事は」

「そう言う意味じゃなくて・・・」

「ええ。解っています。ちょっとした冗談です」

 

ミツキさんはたまにだけど、俺の事を少しからかうんだよな・・・ミツキさんは俺が柊さんの事で知りたい部分の事は解っていたのか、その事を話す。

 

「ルドガーさんが柊さんの事で知りたいのは、彼女が異界に関わっているかどうかですね?」

「ああ。先ほど、一人の生徒から気になる言葉が有ったからな。夢で柊さんに有ったという事なんだが、どうもただの夢として片付けるのは不自然な気がしたんだ。だから、柊さんはもしかすると、異界に関わっている人物でその生徒が異界に巻き込まれたから記憶を操作されたんじゃないかと思ったんだ」

「そこまで予測が着いたなら、話すとしましょう。柊さんは私が属する《ゾディアック》とは違う異界に関わる組織に属しています。その組織は《ネメシス》と呼ばれています」

「《ネメシス》?《ゾディアック》とは、どう違うんだ?」

「《ゾディアック》は異界に関わる複数の企業からなる企業連合の事ですが、《ネメシス》は魔術師に陰陽師、霊具職人といった特殊な力や技術を持つ者が多い組織です。それに《ネメシス》はソウルデヴァイスの基礎技術を作った組織でも有ります。ルドガーさんには、少し前にサイフォンにソウルデヴァイスを呼び出すアプリをインストールしましたよね。そのアプリも《ネメシス》が作ったモノです」

「へえ、何か胡散臭い組織だけど、とにかく凄い組織だという事は解った」

「では、話を続けます。私が属する《ゾディアック》の目的は異界の利用ですが、《ネメシス》の目的は異界の管理です。《ゾディアック》と《ネメシス》は互いの目的の違いから対立しつつ有りますが、一応は協力関係に有ります」

 

柊さんの事を尋ねたら、柊さんは《ネメシス》と呼ばれる異界の管理を目的とした組織のメンバーで、《ネメシス》はソウルデヴァイスの基礎技術を作った組織でも有り、特殊な力や技術を持つ者が多い組織だという。やはり、コウが異界に関わったから、柊さんがその時の記憶を消したっぽいな。

 

「柊さんは《ネメシス》の執行者と呼ばれる《ネメシス》の中でもかなりの精鋭です。柊さんは《ネメシス》から、とある命を受けて日本に帰国してこの杜宮学園に編入した様です。私が話せるのはここまでですが、よろしいでしょうか?」

「ああ。それだけ聞ければ十分だ。ありがとうミツキさん。時間を取らせてな」

「いえ、そんな事は有りませんよ。もし、また何か有ったら、私に連絡をくださいね」

 

俺はミツキさんに礼の言葉を言った後に生徒会室を出た。そこでタイミングよくチャイムが鳴ったので、ミツキさんも生徒会室を後にして教室に戻っていた。さてと、俺は食堂に戻って、食堂の後片付けをする事にしよう。

 

 

 

 

放課後、俺は料理部に所属する一年生の女子生徒であるアユミちゃんに俺の特性料理のレシピについて聞かれたので、俺はレシピを記したメモをアユミちゃんに渡し、感謝するアユミちゃんを見送った後に食材の買い出しに行く事にした。俺はキョウカさんの車で帰宅するミツキさんを見送り、買い出しに向かおうとすると、後ろから慌てているのか廊下を走る音がしたので、廊下を走らない様に注意しようと思い後ろを振り替えると、

 

「ヤバい!今日は新曲のCD発売記念で握手会をやるのに、つい眠りこけちゃって・・・気付いたら、こんな時間。本当に最悪な日・・・キャアッ!?」

「ウグヴェェッ!?」

 

俺は走っていたピンク髪の少女が勢い余って転んだ事で、少女の頭部が俺の腹部にぶつかり、俺は今まで聞いた事も無い様な悲鳴を挙げた。

 

「もう!急いでいる時に、何でぶつかるのよぉ!本当に今日は最悪な日よ・・・」

 

君が何の為に急いでいるかは知らないが、一番最悪なのは俺だよ・・・未だに腹部へのダメージで起き上がれないんですけど・・・ピンク髪の少女はさすがに少しは落ち着いたのか、俺にぶつかった事を謝罪した。

 

「ごめんなさい!私、急いでいたから周りが見えなくなっていて・・・本当にごめんなさい!」

「あ、ああ。別にいいよ。俺も立ち止まっていたのが原因だしね・・・」

「先にぶつかったのは私だからさ、逆に謝られると困るんだけど・・・そうだ。これは御詫びの印という事で、今日発売のSPIKAの新曲のCD!しかも予約特典付きで特別にあげちゃう。私のサイン付きで!それじゃあ、私は急ぐから行くね。本当にぶつかってごめんなさい!」

 

そう言うと少女はバッグから、CDを取り出してサインを入れた後に俺にそのCDを手渡した。その後に直ぐ、走って何処かに向かっていた。ようやく、腹部のダメージが回復したので起き上がり、少女から渡されたCDに目を通した。CDには少女の名前のサインがされていた。なるほど、CDのジャケットを見て解ったが彼女はアイドルなのか。ジャケットには先ほど、俺の腹部にぶつかった少女がセンターに出ている写真が使われていた。SPIKAというアイドルグループの事はテレビで聞いて知っていたが、それはグループの名前だけでメンバーの事や曲の事は知らなかった。あの少女を含めた五人のメンバーで構築されているのか。あの少女の名前は久我山 璃音というのか。もし、またリオンに会う機会が有れば、CDを貰ったお礼として俺の料理をご馳走する事にしよう。まあ、リオンにそんな時間が有ればの話だけど。俺は今度こそ、食材の買い出しに向かった。

 

 

 

 

俺は食材の買い出しを終えた後、すっかりと夕焼けとなったところで帰宅したのだがミツキさんは《北都グループ》の本社に行ったらしく、『今日は遅くなるので自分の分は作らなくて結構です』と置き手紙が置かれていた。珍しく暇となったので俺は杜宮の町をぶらつく事にした。まず駅前広場に行き、スターカメラという電気屋で携帯型CDプレイヤーを購入した。俺は購入したCDプレイヤーで早速、リオンから渡されたSPIKAの新曲のCDを聞く。なるほど、確かにSPIKAの歌は聴いて良いと思うな。世間が大きく報道するのも納得だな。俺はCDを聞き終えた後に近くに有った本屋に入り、適当に本を立ち読みした後に適当にぶらつくとレンガ小路に来た。ソコに服屋が有ったので、俺は新しい服でも買おうと思って中に入ったのだが、

 

「いらっしゃ~い。お客様は私好みの顔ねぇ。私が特別にコーディネートしてあげるわ~。」

「いえ、遠慮させてもらいます!」

 

俺は慌ててその店を出た。だって、迎えたあの服屋の店主は女言葉を使っていたけど、れっきとした男だったしな。身の危険を感じたので逃げる様にその店から離れていた。何だったんだ、あの人は・・・とにかく、新しい服は別の場所で買う事にしよう。俺はその後もレンガ小路をぶらついていると、アンティーク屋と思われる店からコウが慌てて出ていくのが見えた。俺はコウの様子が切羽詰めていた様に見えたので、追い掛ける。俺はコウの後ろから着いていくと、コウが立ち止まったので俺はコウの前の様子を見る。ソコには、シオリちゃんが腰を抜かしたのか身動きできない状態で、シオリちゃんの後ろの空間からは赤いヒビが入り、ゲートが出現するとシオリちゃんを異界へと取り込み出した。その様子を見ていたコウはシオリちゃんを助ける事しか頭に無かったのか、ゲートに向かって突っ込んでいく。

 

「シオリーーー!」

「コウちゃーーん!」

 

シオリとコウの二人はゲートの中の迷宮に行ってしまったので、俺は二人を救助する為にゲートに突っ込もうとすると、

 

「待ちなさい!」

 

と誰かに呼び止められたので、俺は足を止めて声が聞こえた方を振り向いた。ソコには、薄い橙色のロングヘアーの少女が立っていた。

 

「あなたはそれが見える様ね。でも、その先は危険だから一般人は去りなさい。今すぐに、私が日常に戻すから」

「なるほど、君が《ネメシス》の執行者である柊さんか」

「私の事と《ネメシス》の事を知っているという事はどうやら、あなたは一般人では無い様ね。なら、イレイズの必要は無さそうね」

 

柊さんは俺の事をゲートが見える一般人と思っていた様で、イレイズ、つまり異界に関する記憶の消去を行おうとしていたみたいだが、俺が一般人では無い事が解ると俺に向かって話し出した。

 

「《ネメシス》の事を知っていたという事は、あなたは《ゾディアック》のメンバーかしら?」

「いや、違う。俺は《北都グループ》の協力者だ。間違っても、《ゾディアック》のメンバーでは無いさ」

「そう。でも、私からすると、《北都グループ》の協力者だろうが、《ゾディアック》のメンバーであろうと違いは無いわね」

 

どうやら、柊さんは俺が《ゾディアック》の一角である《北都グループ》の協力者である事を知ると、若干だが敵意に近い視線を向ける。《ネメシス》と《ゾディアック》は協力関係とはいえ、互いの目的の違いで対立しつつある関係だからな。柊さんに敵意が有るのは無理は無いよな。

 

「まあ、そうだろうけどさ。とりあえず、今は互いに協力して二人を助ける事が先決だ。だから、今は《ネメシス》に《ゾディアック》とかは関係なく協力した方が効率がいいだろ」

「そうね。あなたの言ってる事は一応、筋は通っているし、今は言われた通りに協力する事にしましょ。迷宮に入る前に尋ねるけど、あなた名前は?」

「俺の名前はルドガー・ウィル・クルスニクだ。呼び方はルドガーでいい。それと俺は杜宮学園の食堂で働いているんだが、知らなかったのか?」

「そうなの?私は食堂で食べた事が無いから、あなたの事は知らなかったわね。でも、噂で聞く限りでは、美味しい料理を作る人が食堂で働いていると聞いたから、それはあなたの事だったのね。じゃあ、いきましょう。ルドガー、私の事はアスカと呼び捨てでも構わないわ」

「そうか。アスカ、迷宮に突入するぞ!」

 

俺とアスカは一時的に協力して迷宮の攻略をする事になり、俺とアスカはゲートから迷宮へ侵入した。入った迷宮は俺が初めて入った迷宮と同じ様な遺跡に近い感じだ。それと入って直ぐにコウと合流する事もできた。コウは俺とアスカの姿を見ると驚きつつも話し出した。

 

「柊!昨日もこんな場所で会ったよな。全て思い出したぜ!ってか、何でルドガーさんもいるんだ?」

「時坂君、まさか異界にまた足を踏み入れるなんて・・・仕方ないわね。時坂君、あなたは後ろのゲートから脱出して現実に戻りなさい。ここは私と彼、ルドガーに任せて、あなたは現実世界に帰りなさい」

「それはできねえな!ここにはシオリがいるんだ。俺はシオリを助けに来たんだ!だから、シオリを助けるまでは帰る訳にはいかねえ!」

 

どうやら、コウの決意は固い様だな。でも、コウには異界で戦う力は無い。俺はコウの意志を優先にしたいが、アスカは絶対に戦う力を持っていないコウを連れて行く事は許可しないだろう。俺はコウを何とかして現実世界に戻ってもらう様に説得する事にして、コウの近くに寄ろうとした時だった。俺達三人の周りを怪異の群れが包囲してきたのだ。

 

「怪異!時坂君、あなたは下がってなさい!来なさい、エクセリオン=ハーツ!」

「ここはアスカの言ってる事の方が正しいぞ。コウ、お前は下がってろ。来い、デルタウエポン!」

 

俺とアスカはサイフォンを取り出して、ソウルデヴァイスを呼び出すアプリを起動させて自分のソウルデヴァイスを呼び出した。アスカのソウルデヴァイスはレイピアの様な剣だ。コウを下がらせて、俺とアスカがソウルデヴァイスを構えて怪異と戦おうとした時、俺は一瞬違和感を感じた。まるで誰かに一瞬だけとはいえ、動きを止められた様な感じがした。俺はコウの手が光ってる事に気が付き、アスカもその異変に気付いたらしく、コウの方に目を向けた。コウは光ってる手を挙げて叫ぶ。

 

「来い、レイジング・ギア!これは柊とルドガーさんと同じ・・・何故か解らねえけど使い方が解りやがる」

「時坂君、それはソウルデヴァイス!?」

「やったな、コウ。それが有れば、お前も戦えるぞ!」

「ああ。これならシオリを助けられる!」

 

コウの右手にはガントレット型のソウルデヴァイスが装着されていた。コウも適格者だったんだな。とりあえず、コウを置いていく必要は無くなったのでアスカにコウの同行を許可してくれる様に頼む。

 

「アスカ。これでコウを置いていく理由が無くなったな。って事でコウの同行を求むんだけど、いいかな?」

「はあっ、仕方ないわね。素人を連れていくのは不本意なんだけど、適格者が三人も入ればよほどの事が無い限りは大丈夫そうね。わかったわ、時坂君の同行を許可するわ」

「おい、俺は許可されようが、されなかろうが、意地でも付いていくけどな!」

 

とにかく、コウを含めた三人でシオリちゃんを助ける為に迷宮を進む事になった。まずは、この周りの怪異を片付ける事にしよう。コウは初めての戦いだが、自分のソウルデヴァイスを完全とは言えないが使いこなしていた。コウのレイジング・ギアはガントレット型の刃で鞭の様に伸びる事も判明した。コウのソウルデヴァイスは上手く扱えば、様々な局面でも戦えるモノだな。アスカはエクセリオン=ハーツで敵を斬り割いていく。その剣捌きは熟練されたものだと感じる。さすがに二人には負けられないと思った俺はデルタウエポンを双剣にして、新たな戦い方で怪異を仕留める。

 

「一迅!ソコからの十字斬り!更にだめ押しの鳴時雨!」

 

俺は怪異に左右の双剣それぞれを突き刺す技、一迅で胸を貫き、ソコから突き刺した状態の左手の剣で横斬りした後に、同じく突き刺した状態の右手の剣で縦斬りをする。そして、だめ押しの鳴時雨で小間切れにするオーバーキルを行った。その様子を見ていたコウとアスカは俺の事を悪魔でも見るかの様な顔をしてこう言った。

 

「柊の場合は剣が細いからいいとして、ルドガーさんの場合は双剣で胸を突き刺した瞬間に化け物もくたばったと思うんだが・・・」

「だけど、彼はソコから更に怪異を苦しめる悪魔顔負けの残虐行為、オーバーキルをやった訳ね・・・」

 

俺は心から決めた。二度とどんな怪異が相手だろうとオーバーキルはやらないと・・・さもないと、味方からも危険なヤツだと思われるからな。俺達は怪異を倒しながら迷宮を進んでいく。アスカは俺とコウの戦闘を見て評価する。

 

「ルドガーのソウルデヴァイスは双剣、双銃、槌の三つの姿を持つのね。それを上手く器用に扱って、臨機応変に戦える。それにルドガーは戦い慣れしているみたいね。本当に味方なら頼れるわね」

「ええと、お褒めに与り光栄です。アスカも剣捌きに魔法の扱いが手慣れているじゃないか。流石は《ネメシス》の執行者と言ったところかな」

「社交辞令として受け取っておくわ。時坂君は素人だから仕方ないけど、ソウルデヴァイスの扱いが荒いわね。そんなんじゃ、怪異に足下を掬われるわよ」

「悪かったな、素人で・・・ったく、何で俺だけ・・・」

 

よっしゃ!《ネメシス》の執行者から高評価をもらったぞ。嬉しさのあまりに、思わず舞い上がる俺をアスカは痛い眼差しで見つめる・・・ごめんなさい、調子にのり過ぎました。だから、そんなに痛いモノでも見る様な目で俺を見るのを止めてくれ、アスカ・・・コウはドンマイだな。戦い続ければ、その内に強くなれるさ。俺だって、最初から強かった訳じゃないしな。誰もが皆、素人から始まるんだからな。

 

迷宮を進み続けて、遂にシオリちゃんを発見した。シオリちゃんは気絶しているらしく倒れている。コウはシオリちゃんに近付いて、無事かどうかを確かめた。

 

「シオリ、大丈夫か!」

「うっ、うん・・・」

「どうやら、意識を失っているようね。でも、見たところ怪我は無いし、大丈夫そうね」

 

コウはシオリちゃんが無事な事が分かると安心したのか安堵の表情をする。だが、安心している余裕は無さそうだな。俺達の後ろから、この迷宮の主であるエルダーグリードが姿を見せたのだ。

 

「出たわねエルダーグリード、メネスオーガ!」

「コイツがシオリをこんな危険な目に合わせた元凶か!」

 

俺とアスカとコウは単眼の巨人型のエルダーグリードであるメネスオーガに向けてソウルデヴァイスを構える。コウはシオリちゃんを巻き込んだ元凶であるメネスオーガに怒りを感じたのか突っ込んでいく。

 

「おい、化け物!俺が相手だ!」

「落ち着きなさい時坂君!そんな怒りに任せた戦い方ではエルダーグリードは倒せないわよ!」

 

 

アスカがコウに落ち着く様に注意したが、コウには聞こえず、コウはメネスオーガに攻撃を仕掛ける。コウはレイジング・ギアの刃部分を鞭の様に伸ばし、メネスオーガに喰らわせようとしたが、メネスオーガは伸ばしたレイジング・ギアを片手で掴むとコウを引っ張り出し、コウを引き寄せると強烈なパンチをコウの腹部に喰らわせた。コウはメネスオーガのパンチが当たる直前にレイジング・ギアを盾にしてダメージを減らしたが、コウは今の一撃で吐血し、頭からも血を流していた。だが、コウは怪我を気にせずに立ち上がると、メネスオーガに突っ込んでいこうとしたので、俺はコウの前に立ち静止させた。

 

「ルドガーさん。どいてくれ!ヤツは俺が倒す!だから、どけよ!」

「コウ、本当にあの怪物を倒す気なのか?そんな頭に血が上った状態で」

「うるせえ!どけっつたら、どけよ!」

「解らないか!落ち着けと言ってるんだ!」

「ウガッ・・・な、なにしやがる!」

 

俺は頭に血が上り、落ち着きが無くなったコウにビンタを喰らわせた。コウはいきなり、俺にビンタされた事に戸惑っているが、少しは落ち着きを取り戻した様だ。

 

「いいか。よく聞けよ、コウ。喧嘩と違って、本当に命を掛けた戦いでは先に落ち着きを無くしたヤツが負けるんだ!それなのに、お前はシオリちゃんを異界に引き込んだ元凶を目の前にして、怒りに身を任せて突っ込んでいった。お前のシオリちゃんを危険な目に合わせた元凶に対して向ける怒りは俺にだって有るから解るさ。だけど、怒りに身を任せた状態でまともな戦いが出来なくなったら、何の意味も無いだろ!お前が落ち着かずにいたら、シオリちゃんを助けるどころか、自分の命まで危機に迫るんだぞ!だから、一旦落ち着け。落ち着いて怒りを抑えるんだ。落ち着きさえすれば、メネスオーガを相手にどんな戦いをすればいいのかぐらいは解る筈だ!」

「ルドガーさん。そうだな、そうだったな。俺が落ち着きを無くして、それで己がくたばったら一体、誰がシオリを救うって言うんだ。本当にバカだよな、俺は。だけどよ、ルドガーさんのお陰でやっと目が覚めたぜ。ここからが俺の本当の戦いだ!」

「その意気だぞ、コウ!そうだ、それでいいんだ!」

 

コウは落ち着きを取り戻すと、先ほどまでとは違い、闇雲に突っ込まずにメネスオーガに隙ができるのを待ち、隙ができた瞬間にレイジング・ギアを伸ばし攻撃を当てた後に下がるヒット&アウェイ戦法を行う。コウが戦い方を変えたのを見ると、アスカは俺に話す。

 

「ルドガー。時坂君を叩いてでも落ち着かせるなんて、あなたは意外と豪快なところが有るのね。それにあんな恥ずかしいセリフを何の躊躇いも無く言えたわね。でも、背中を任せて大丈夫な相手だとは解ったわ」

「そうか。なら、いくぞ!」

 

俺とアスカはコウのサポートをする。アスカは魔法で水を弾丸にしてメネスオーガに放ち、俺はデルタウエポンを銃にして後方射撃で援護をする。

 

「水よ、数多の矢となって、敵を貫け!スプラッシュアロー!」

「さあ、雨の様に降り注ぐ弾丸から逃げ切れるか!レインバレット!」

 

メネスオーガは俺とアスカの攻撃を受けて怯む。コウはメネスオーガが怯んだ隙を見逃さずにメネスオーガに有りったけの力を込めて強烈な一撃を喰らわす。

 

「これが俺の全てを込めた一撃だ!うおおぉっ!」

 

コウはレイジング・ギアを思い切りメネスオーガに突き刺すとメネスオーガは倒れたが、コウの渾身の一撃を受けたにも関わらず耐えたのか、起き上がるとコウに裏拳で攻撃をしてくる。コウはかろうじて避けたが、疲労が貯まったのかよろけている。

 

「時坂君、ここは私に任せて後ろに下がりなさい。ルドガー、時坂君が無理して動かない様に見張っていて!」

 

アスカはコウを下がらせて、俺にコウが無理して動かない様に見張る様に言うとメネスオーガに強力な技を放つ。

 

「いくわよ、クリミナルブランド!」

 

アスカはメネスオーガに突進し、連続で斬撃を喰らわすと上空へ跳ぶとメネスオーガに自身のソウルデヴァイスであるエクセリオン=ハーツを投げ付ける!すると、クリスタルの華が咲き乱れ、メネスオーガに大打撃を与えた。この強力な技、クリミナルブランドを喰らったメネスオーガは遂に倒れ消滅した。エルダーグリードが消滅した事により、同時に迷宮も無力となり空間が揺らぎ、俺とアスカにコウ、そしてシオリちゃんは現実世界のもといた場所へと戻った。

 

 

 

俺達は現実世界に戻り、まずはシオリちゃんの様子を確認する為にシオリちゃんに近付くと、シオリちゃんは意識を戻したのか俺達三人を見つめながら話し出す。

 

「あれ?コーちゃん?それに柊さんに、ルドガーさんも?もしかして、私の事を・・・」

 

シオリちゃんは記憶が曖昧な様だが、異界にいた事や俺達に助けられた事は分かっている様だ。アスカはサイフォンを取り出すとシオリちゃんに向けた。

 

「柊さん?」

「倉敷さん。今、あなたを現実へと戻すわ。イレイズ!」

「あっ・・・」

 

アスカはシオリちゃんの異界に関する記憶を消去した。シオリちゃんはその反動なのか、意識を失った。それを見たコウはシオリちゃんに何をしたのかをアスカに問い質す。

 

「おい、柊!シオリに一体、何をしやがった!」

「安心して、時坂君。私は彼女の異界に関する記憶を消去しただけよ。彼女はその反動で一時的に気を失っただけよ。身体に影響は無いわ」

「そ、そうなのか。なら、いいんだが・・・でもよぉ、あの異界とか化け物が何なのか、詳しく教えてもらおうか!」

「それについては教えられないわ。あなたはソウルデヴァイスを使える様になったとはいえ、異界に関しては素人よ。だから、これ以上関わるのは止めなさい!それじゃあ、さようなら。ルドガー、あなたも時坂君に余計な事は吹き込まないでね」

 

アスカはコウにシオリちゃんの異界に関する記憶を消した事とこれ以上異界に関わるのは止める様に伝え、俺にも余計な事は吹き込まない様に伝えた後に、その場を去っていた。コウはシオリちゃんを背負おうとしたが、コウは異界での戦いによるダメージや疲労も有り、シオリちゃんを背負えそうに無いので、俺がシオリちゃんを背負った。

 

「ルドガーさん。アンタも疲れているだろうに、悪いな・・・」

「いや、気にするな。それに俺はコウ、お前は自分の『選択』でシオリちゃんを見事に助ける事ができたしな」

「でもよ、結局は柊に助けられなかったら、あの化け物を倒す事はできなかったからな・・・」

「本当にそう思っているのか?お前は最初こそ、怒りに身を任せて闇雲に突っ込んでいくだけだった。でも、お前は俺の手を借りたとはいえ、落ち着きを取り戻して、ソコからは十分にまともな戦いができたじゃないか」

「確かにそうっすけど、やっぱり俺の力じゃないよな・・・」

「いや、お前は『選択』した道を貫き通す事ができれば、きっと強くなれる!」

「俺が選択した道?」

「お前はアスカに現実世界に戻れと言われても、お前はシオリちゃんを助けるまでは絶対に戻ろうとはしなかった。だからこそ、ソウルデヴァイスを使える様になったんだ。お前は自分の『選択』した道を貫いて、シオリちゃんを助ける事ができた。だから、お前はきっと強くなれる。お前が自分の『選択』した道を貫き通す限り、お前は強くなれる。俺や柊さんに負けないくらいにな!」

「俺が選択した道を貫き通すか・・・俺はシオリを助けた後だから、異界に関わるかどうかはまだ決めてねえ。だが、本当にルドガーさんの言う通りなら自分が選択した道を貫き通せば、強くなれるんだな。だったら、俺は柊の意志なんて関係なく異界に関わってやるさ。シオリみたいに、異界とやらのせいで人が危険な目に合うなら、俺はそんな人を守りたい。そう思うんだ!それが俺が選んだ『選択』だ!」

「そうか。それがお前の『選択』した道なら、俺もお前の意志に答えよう。コウ、お前に俺が知ってる限りだが、異界の事を説明する。だから、俺はお前を鍛えてやる。異界で戦える様に、アスカに素人とは呼ばれない様に鍛えてやる!」

 

俺はコウの意志で決めた『選択』を無駄にしない為にも、コウをアスカに素人とは呼ばれない程に強くなれる様に鍛えてやる事にした。

 

「だけど、今日は遅いしな。異界の説明は明日にでもしてやる。さてと、シオリちゃんを家に届けようか」

「ああ、そうだな」

 

俺はコウに案内され、シオリちゃんを倉敷家に届けた後に、シオリちゃんの家の隣にコウの家が有ったので、コウも家へと入っていく。でも、コウの両親は海外旅行で一年も帰ってこないらしいので、俺はコウに夕食を作ってやった後にコウの家を後にした。その後、俺も帰宅して自分の夕食を作って食べ終わった後に、ミツキさんが《北都グループ》の本社から帰ってきた。ミツキさんにコウの事を説明し、コウに異界の事を説明し鍛える許可も貰い、ミツキさんが風呂から出た後に、俺は風呂に入り、風呂から出た後に俺は寝る事にした。今日は早起きして、早起きは三文の徳と言うが、あまり徳な事は有った様で無かった様な・・・まあ、充実した1日だったな。人気アイドルグループのSPIKAのメンバーである、リオンにはぶつかって出会っては、ぶつかったお詫びで今日発売の新曲のCDを貰ったな。聴いて本当に良い歌だったので、リオンを含めてSPIKAを応援する事にした。その後に異界でコウやアスカと共に戦った。俺は明日からコウを鍛えてやる事にしたが、鍛える場所はどうするかも考えておかないとな。俺は色々と考えてから、目を閉じて眠りについた。




今回の話一つで何とか、原作の第1話の部分は終わりました。うん、本当に長いなコレ・・・無理して書き過ぎたかな?
それと、今回の話の最後でルドガーがコウを鍛えると記しましたが、ルドガーがコウに異界に関する説明や鍛える場面を省き、次回は原作の第2話にあたる話になります。一応はコウをどの様に鍛えているのかだけは描写します。
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