艦隊これくしょん ~純白の鳥の物語~   作:MR.ブシドー

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mission 1

海の底から出現する謎の艦艇群を人類は深海棲艦と呼称した。

小型の駆逐艦から大型の戦艦など、多彩な深海棲艦の攻撃により制海権を失ってしまう。

人類に残された最後の希望は、在りし日の艦艇の魂を持つ少女たち《艦娘》である。

新たな鎮守府にまだ20代の青年であろう新人の提督と、駆逐艦-電の魂を持つ少女と着任する。

まだ手探りな2人はお互いに協力しあい、数日後には電の姉妹艦である暁、響、雷の3人を迎えた。

そんな彼等に近くの海域に深海棲艦が出現したと報告が入る。

電を旗艦とした4人はすぐに出撃し海域に到着した頃には既に深海棲艦は倒されており、その倒したと思われる少女が1人海上にいた。

長い銀髪と青い瞳をしており、背丈は電たちより少し高いぐらいであった。

彼女は電たちを見ると何か呟き、その場に倒れ気を失ってしまう。

提督の判断で鎮守府に連れて帰ったが、1度も目を覚ますことなく1週間経過した。

 

 

「まだ、目を覚まさないのか」

「はい…………その、大丈夫なのでしょうか?」

「多分ね。彼女については未知な部分が多いからなんとも言えないって言ってたから」

 

 

妖精さんが調べた結果によると、彼女は艦娘ではないが深海棲艦を倒す事が出来る力を有しており、艦娘たちを遥かに凌駕する性能らしい。

そのような彼女がなぜこの鎮守府の近くの海域で1人でおり、報告のあった深海棲艦を倒し気を失ってしまった答などは、彼女が目を覚ますのを待つしか方法はない。

 

 

「司令官さん、そろそろ…………」

「そうだね。行こうか」

「はいなのです」

 

 

提督と電が互いに頷きあってから部屋を去った行った。

彼女の事が気にはなるが、キチンと職務を果たさなければならない。

 

 

           ◇

 

 

次の日の朝に、彼女は目を覚ました。

窓から差し込む光を眩しそうに片手で遮り、ベッドから立ち上がり外の景色を見つめた。

 

 

「見馴れない景色ですね。やっぱり私は…………」

 

 

彼女の名前はホワイト・グリントと言い、見た目は可愛らしくもあり美しい女の子なのだが…………中身と言うよりも彼女の魂は男なのである。

なぜこうなったのか説明すると前世の世界で神のミスによって死んでしまった彼は、そのミスを揉み消すために無理矢理転生させられたのだ。

世界もランダムでこの世界に転生させられ、特典も彼の知識の中から組み上げられた結果…………擬人化したホワイト・グリントの姿になってしまったのだ。

転生して右も左も分からずにいると深海棲艦と遭遇し、そのまま戦闘になってしまった。

深海棲艦を見た瞬間にこの世界が艦隊これくしょんの世界であると知った。

そして深海棲艦を倒してすぐに艦娘が着て、姿を見たら急に意識が遠退き今に至るわけなのだ。

 

 

(喋ろうとしても言葉が自動的に返還されて、違和感が凄いあるんだけど…………どうにもならないか)

 

 

寝ていたベッドに腰を下ろすとつい溜め息をついてしまう。

今後の事を考えていると部屋のドアが開き、電が入って来ると目を覚ましているのに気づき驚いた表情になる。

 

 

「気が付いたらのですか!良かったので…………はにゃぁぁぁぁ!」

「ゴフッ!」

 

 

電はホワイト・グリントが目を覚ましたのがよっぽと嬉しかったのか、いきなり走りだしホワイト・グリントの目の前で躓いてしまった。

結果…………電はホワイト・グリントの腹部に強烈な一撃を与え、再び眠りにつかせ自身も中破してしまう。

音が大きかったため慌てて来た提督と暁、響、雷の4人は現状を見て溜め息をつき、ホワイト・グリントをベッドに戻し電を入渠させた。

 

 

           ◇

 

 

「申し訳ないのです…………」

「いえ、大丈夫ですよ。ですが…………できれば次からは気を付けてください」

 

 

電の入渠が終わり、ホワイト・グリントが目を覚ましたのは約3時間後であった。

提督と電、ホワイト・グリントの3人は提督室に集まり、電は先ほどの件を謝っていた。

 

 

「それじゃ、話をしてもいいかな?」

「構いませんよ。さて、まずは私の自己紹介から…………私はネクストACのホワイト・グリントと申します」

 

 

ホワイト・グリントは自己紹介した後に、自らの事や過去(っといっても4やfaの世界)と事を話し始めた。

提督と電の顔は予想よりも大きすぎる話でかなり驚いていたようだ。

しばらくして話終えると電がお茶を淹れ、3人は一息ついた。

 

 

「なるほどね…………よくわかったけど、君はこれからどうするんだい?」

「そうですね…………」

 

 

ホワイト・グリントにとってそれが一番の問題であった。

例えるならホワイト・グリントはこの世界にとって不純物である。

いくら神が転生させたと言えど、ホワイト・グリントがこの場にいることでどの様な問題が起こるかわからない。

ならここから去るのが妥当だと思い、言おうとする前に提督が喋りだした。

 

 

「まぁまだ目を覚ましたばかりだし、しばらくは安静にしていた方がいいと思うよ?」

「ですがそれでは貴殿方に迷惑がかかりませんか?」

「大丈夫だよ。鎮守府はまだ動き出したばかりだし、人数も少ないから君が出ていきたいと思う時まででいいからここで手伝ってくれないかな?」

 

 

軍の施設なのにいいのか?っとホワイト・グリントは思ったが、行く宛もなくさ迷うよりここに居た方が食料や寝る所もあるので目的地が出来るまではと思った。

 

 

「なら…………しばらく厄介になります」

「ん、わかったよ。困ったことがあったら電か…………」

 

 

提督は立ち上がるとドアを開け暁、響、雷の3人が雪崩の様に入ってくる。

おそらく外で盗み聞きをしていたのであろう。

 

 

「ここに倒れ込んでる暁、響、雷の3人を頼るといいよ」

「了解しました」

 

 

3人は立ち上がり何故かそれぞれポーズをとっていた。

ホワイト・グリントはそのポーズを知ってはいるのだが、そのポーズをわざわざとる必要があるのかと首を傾げる。

 

 

「あ、暁よ!一人前のレディーとして扱ってよね!」

「響だよ。その活躍ぶりから不死鳥の通り名もあるよ」

(いかづち)よ!(かみなり)じゃないわ!そこのところよろしく」

 

 

3人が名乗り終えたのでホワイト・グリントが名乗るべきだなと思い、優雅に一礼してから微笑む。

 

 

「ホワイト・グリントと言います。何時までいるかはわかりませんがよろしくお願いします」

 

 

今まで無表情でいたのだが微笑むと、なぜか5人はホワイト・グリントに見惚れていた。

5人が自分をジーっと見ていることに不思議に思ったホワイト・グリントは首を傾げどうしたのかと考えだす。

 

 

「れ、レディーだわ…………」

Хорошо(ハラショー)…………」

「す、凄い…………」

「綺麗なのです…………」

 

 

4人は小声で言ったため、ホワイト・グリントの耳に届く事はなかった。

提督にいたってはいまだに身動き一つもせず、ホワイト・グリントを視ている始末である。

 

 

「コホン!それじゃ、僕と電は書類仕事があるから暁達はホワイト・グリントに鎮守府を案内してくれるかな?」

「暁に「この雷に任せない!」ちょっと雷!私が喋ってるんだから遮らないでよ!」

 

 

提督はわざとらしく咳払いし、暁たちにホワイト・グリントの案内を頼んだのだが暁と雷が喧嘩を始めてしまう。

ホワイト・グリントは溜め息をつくと、暁と雷の2人を抱き締めた。

すると2人は喧嘩をピタリと止め顔を真っ赤にする。

 

 

「喧嘩は止めてください。暁は長女でレディーなのでしょう?ならそう怒ったらダメです」

「う、うん…………」

「雷は他の人が話をしているのですから少し待って、それから話すようにしましょうね?」

「わかったわ…………」

 

 

2人の喧嘩を簡単に止めてしまったホワイト・グリントに、提督や響、電は驚いていた。

ほとんどの場合は2人が疲れた所を響が止めるまで続くのだが、ホワイト・グリントは始まってすぐに簡単に止めたのだ。

 

 

「なら鎮守府の案内をお願いします」

「わかったわ!行くわよ、響、雷!」

「了解、響、出撃する」

「はーい!行っきますよー!」

 

 

暁と雷がそれぞれホワイト・グリントの左右の手を握り、響はその後を追いかけた。

その様子を見ていた電は羨ましそうに見ており、提督はそれを見逃さなかった。

 

 

「電も行っておいで。今日の書類仕事の量は僕1人で大丈夫だから」

「で、でもそれは…………」

「なら命令…………心配だから電が近くで見張っておいてくれるかな?」

「司令官…………」

 

 

電は泣きそうな顔で頷くと提督室を出て、4人を追いかけた。

提督は満足そうに頷き、書類仕事に取り掛かった。

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