艦隊これくしょん ~純白の鳥の物語~   作:MR.ブシドー

3 / 3
mission 3

翌日の朝、目を覚ましたホワイト・グリントは全身に違和感を感じていた。

身体を動かそうにも動かせず全身が暑いのだ。

恐る恐る身体を見ると…………右腕には暁、左腕には雷、身体には響が各々抱きついていた。

 

 

「…………貴女たちは何時の間に抱きついてきたのですか?」

 

 

唯一抱きついていない電を捜すが、室内に電の姿は既になくおそらく提督を起こしに行ったと思われる。

もしかしなくても暁たち3人が起きるまでこのままなのは確定なのだろう。

流石に暑い上に身動き出来ないのが辛い。

 

 

「お願いですから起きるか、電早く戻ってきてください…………」

 

 

決して自ら起こそうとしないホワイト・グリントであった。

結果的に約30分後に電が戻って来て、3人を起こしてからキチンと朝食をとった。

もちろんホワイト・グリントは戦艦盛り+軽巡盛りの2つほど注文し、電たちが食べ終えると同時に食べ終えたのだが。

ここから出ていかなければ近々ホワイト・グリント専用盛りが出来るだろうと誰もが思った。

 

 

           ◇

 

 

「新たな艦娘…………ですか?」

「はいなのです」

 

 

ホワイト・グリントと電の2人は提督室に書類を運んでいる途中、今日来る新しい艦娘の話をしていた。

ちなみになぜホワイト・グリントが電の手伝いをしているのかと言うと、ホワイト・グリントの目の前で電が転んでしまい書類を散らかしてしまったからである。

 

 

「少し楽しみですね。仲間が増えるのはいい事です」

 

 

提督室に戻るとホワイト・グリントが扉を開け、電が先に入ってから自分も入っていく。

中には提督と銀色の髪をポニーテールをした艦娘が居た。

 

 

「お帰り電…………っとホワイト・グリントさん」

「長いのでグリントでいいですよ。電たちにもそう呼んでもらうようにしていますから。それよりも彼女が?」

「うん。本日付で着任した夕張だよ」

「初めまして!兵装実験軽巡-夕張よ。貴女たちの事は提督から聞いてるわ。よろしくね」

 

 

書類を提督の机に置いてから電と先に握手し、続いてホワイト・グリントと握手する。

提督があらかじめ説明していたらしく、簡単な自己紹介ですぐ終わる。

 

 

「それじゃ夕張も着任してすぐで悪いけど、鎮守府の正面海域に出撃してもらえるかな?旗艦は何時も通り電で」

「了解なのです。夕張さんは大丈夫ですか?」

「私は大丈夫よ。それに…………色々と試してみたいしね!」

 

 

鎮守府の正面海域は近い事もあり、他の海域に比べかなり安全な海域である。

着任したばかりの夕張と共に行く初めての出撃ならば、最適とも言える海域だ。

電と夕張ホワイト・グリントは暁、響、雷と合流してから出撃ドックに来ていた。

 

 

「それじゃ、行って来るのです」

「皆さん、気を付けてくどさいね?」

『それでは出撃、お願いします』

 

 

出撃を知らせる大淀の声が響き渡り足場が下降して行き、電たちの足下が出撃と表示され、青白く輝きに包まれ次々と装備が装着され、海へ飛び出して行く。

ホワイト・グリントは電たちを見送ると、提督室に戻ろうとしたのだが…………迷子になっていた。

この鎮守府は広くまだ人が少ないため、誰とも遭遇せず結果として1人で迷子になってしまったのである。

 

 

「あらグリントさんじゃないですか。こんな所で何をしてるんですか?」

「間宮、さん…………」

 

 

ようやく出会えたのは給糧艦の間宮であった。

間宮が何故ここにいるかわからないが、あまりの嬉しさにホワイト・グリントは間宮に抱きついてしまう。

 

 

「お願いします…………提督室に案内してください」

「え?」

 

 

その後、間宮の案内で無事に提督室に辿り着いた。

提督に遅くなった理由を聞かれ、素直に迷子になったと答えるとかなり驚かれてしまった。

まさか迷子になっていたとは夢にも思っていなかったのであろう。

 

 

「私が迷子になっていた事よりも、電たちの様子はどうなのですか?」

 

 

ホワイト・グリントは話題を変える目的も含め、気になってることを問いかけた。

迷子になっている間に、電たちになにか問題がなかったか心配だったのだ。

 

 

「今のところは深海棲艦の姿もなく、問題はありませんね」

 

 

質問に答えてくれたのは大淀であった。

故意ではないのだが何故かホワイト・グリントは彼女の事を忘れていることが多く、後々になってから気付いているのだ。

 

 

「そうですか。それを聞いて安心しましたが…………何か嫌な予感がします」

「それは貴女の勘ですか?」

「肯定します」

 

 

電たちが出撃してからずっとなんとも言えない嫌な予感がしているのだ。

予感は外れてくれると嬉しいと願っているが、その予感は命中してしまう。

 

 

「電たちより入電…………駆逐艦イ級と戦艦ル級ならびに軽空母ヌ級を含む深海棲艦と遭遇!?」

 

 

まさか正面海域に戦艦と軽空母が来ているとは予想外であった。

夜戦ならば駆逐艦の電たちにチャンスはあっただろうが、深海棲艦に制空権も取られ非常に不味いことになった。

戦艦は艦隊の中で最も強大な艦砲射撃の火力を行使でき、なによりそれに耐えられる堅牢な防御力を持っているからである。

既に戦闘は始まっており、他の鎮守府に救援要請しても当然間に合わない。

かと言ってこの鎮守府から出せる戦力はいない…………戦況は絶望的と思えたが、一つだけ希望があった。

提督と大淀はホワイト・グリントを見ると、ホワイト・グリントはコクりと頷く。

 

 

「私が出ましょう。大淀さん、出撃ドックまで案内お願いします」

「わかりました!」

 

 

ホワイト・グリントと大淀の2人は走りだし、提督室を飛び出し出撃ドックへ急いだ。

1秒でも早く出撃し、電たちの元へ向かうためである。

 

 

「着きました。グリントさん、早く出撃を!」

「了解しました」

 

 

ホワイト・グリントの足下が出撃と表示され青白く輝きだし、次々と装甲と装備が装着され右腕に突撃ライフル、左腕にレーザーブレード、左肩にレーザーキャノンを装備する。

ホワイト・グリントの視界も変わり、視界にはAPやENゲージ、PAゲージ、高度計、速度表示に武装の残弾やマップが表示される。

現在のホワイト・グリントは4の時のホワイト・グリント、区別を付けるためにジョシュア・グリントと呼ばれたりしていた時の装備だ。

 

 

「こちらホワイト・グリント、救援に向かいます。それまで持ちこたえさせてください!」

 

 

OBを起動させ出撃ドックから一気に飛び出し、ホワイト・グリントは電たちの元へ急いだ。

そのスピードはまさに白き閃光(ホワイト・グリント)の名に恥じぬスピードであった。

 

 

「皆さん…………どうか無事でいてください…………ッ!」

 




最新話でした!

前に書いてた白き閃光と違う展開になりましたが、あの台詞を言わせたかったんですよね

そして次回は初のグリン子の戦闘になります!

ジョシュア・グリントのプラモ欲しいな……
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。