---カイ side---
出会いは最悪だった
ルフィと一緒に帰ってきたエース
初めて会ったんだし
握手しようと思ってエースに近寄ったんだ
「俺、クサナギ・カイっていうんだ
よろしくねエース」
そんな俺にエースが出したのは
右手じゃなくて、顔に向けて吐き出した唾だった
「うわっ」
とっさによけて掛けられる事はなかったけど
俺が怒るのに時間はいらなかった
「なにするんだよ!」
「チッ」
悪びれるどころか舌打ちしたエースに
もう我慢できなくなって
俺は殴りかかった
スカッ
・・・あれ?
いつもルフィに当たってたパンチに
感触がなかった事に戸惑っていると、左頬に衝撃がきた
「ぐっ」
正面を見ると右拳を振りぬいているエースがいる
くそっ!殴られたのか!
その後、何度も殴りかかっていったけど
こっちが1発当てれても
向こうからそれ以上もらうってのを繰り返した
・・・・・・・
・・・・・・
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
気付いたら、ベッドの上だった
辺りを見渡すと、ベッドの横に母さんとルフィがいた
「カイ、大丈夫?」
「カイ、お前無謀だぞ?
エースには俺も勝った事ないんだ!
お前が勝てるわけないだろ?」
えええええ・・・
いつの間にかルフィが俺より強い設定に・・・
やめよう・・・
実際エースに勝てなかったんだ
思い出してもすごく頭にくる
ケンカに負けた事なんかじゃない
いや、それもあるんだけど
訳がわからないまま
あんな事をされたのが許せないんだ
「ねえ、ルフィ
なんでエースはあんな事したのかな?」
「ん?
俺にも最初はあんな感じだったぞ?
今みたくエースと話すようになったのは最近なんだ」
「・・・・・」
ルフィにもそうだったんだ
一体なんなんだろう?
挨拶はちゃんとしたし
エースの機嫌を悪くしたつもりもない
わかんないな・・・
考え込んでいるカイを余所に
久しぶりに再会した二人に気を使ったのか
カイが大丈夫なのを確認したからなのか
マキノはいつの間にか部屋から居なくなっていた
「でもやっぱりエースは強いな!
カイがあんなにやられっぱなしなの初めて見たぞ!」
「初めてって・・・
そりゃそうだよケンカなんてルフィとしかしてないじゃん
しかも毎回俺が勝ってたし」
「なにをーーーーー!!!」
それから二人は色々な話をした
お互いが離れてた時間
それぞれどんな風に過ごしていたか
ルフィは山賊達と過ごす時間が嫌で
毎日出かけるエースを追いかける日々
そこで起きた大冒険?を
カイは店の手伝いをしながら
前とは違うトレーニングらしいトレーニングを始めた事を
当たり前にあった時間を失った二人は
それを埋めるかのように話し込んだ
お互いの話がおもしろくて
笑顔が絶えない
時間が経つのも忘れて
いつの間にか辺りは夜になっていた
現実社会のように道に街灯がある訳じゃない
当然、夜道は真っ暗
そんな道を母子で帰らせるのは忍びないと
ダダンは今夜の一泊をマキノに薦めた
顔はイカついし、口も悪い
でも根は悪い人間ではないようだ
マキノもその提案に甘えさせてもらう事にして
今夜の一泊が決定した
マキノ達に一部屋が与えられ
ルフィも今日はそこで寝る事にした
夕飯はマキノが持ち込んだ食材で
マキノ自ら手料理を振舞う
山賊達は普段何食べてんの?と言いたいくらい
涙を流しながら食べていた
その様子にまたカイもヒイた
エースも同じ食卓に付き
ルフィに負けない勢いで口に運んでいる
どうやら彼にとっても
マキノの料理は美味しいらしい
カイもルフィやマキノと一緒に食べるのが
嬉しいらしく楽しそうに食べている
これもここ数ヶ月なかった光景だ
当たり前
それがどんなに嬉しいものか
本当の意味で実感したカイであった
夜も更け、部屋に入ると二つ並んだベッド
一つをマキノが使い
もう一つをカイとルフィ二人で使う
ベッドに入っても二人の話は尽きない
二人の話題は近況からエースの話になった
カイにとってエースは第一印象「イヤなヤツ」になっている
では何故話題になるのか?
自分と同じような子供がルフィしか居なかったフーシャ村での日々
ケンカにしてもなにをしても、カイはルフィより
常に上の立場に居た
山賊との争いで一度負けてはいるが
アレは後ろからの不意打ちで、しかも相手は大人だ
純粋に「負け」を認識したのはエースが初めてなのだ
カイは知らず知らずの内に
エースに対してライバル心を抱いているのかも知れない
その事にカイが気付くのはまだ先になるだろう
マキノは既に就寝しており
ルフィも話し疲れたのかいつの間にか眠っていた
「・・・エースか・・・」
誰も聞いていないその呟きを残し
またカイも眠りについた
・・・・・・・
・・・・・・
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
翌日、マキノとカイは山賊の家を後にした
玄関先に山賊達とルフィ
少し離れてエースが明後日の方向を見ながら
立っている
どうやら見送りをしてくれているらしい
本当に山賊らしくない山賊だ
村への帰り道
山道を下っている時に
カイはマキノへと話しかける
「ねえ、母さん
俺、たまにここ来ちゃダメかな?」
カイの日常が変わった瞬間だった
やっと投稿できました
第十二話です
前話から約一ヶ月ですね
大変お待たせしてしまい申し訳ありません
上手く文章にできてるか不安です
読み返して修正入れるかもしれません
それはこの話だけではないかもですがw
中々PC前に座れる環境になくて
やっぱりこれからもお待たせしてしまうと思います
最低一週間に一話、と思っていましたが
それも難しくなると思います
気長にお待ちいただけると嬉しいです
ではまた次話でお会いしましょう