信じる正義   作:WRB

13 / 14
第13話

---エース side---

 

「チッ」

 

 

エースが舌打ちしたのには訳がある

いつもの朝、ダダンの家から

『不確かな物の終着駅(グレイ・ターミナル)』

へと森を駆けていくエース

それに着いてくるルフィ

ここまではいつもの光景だ

 

始めは疎ましく思っていたルフィも

我武者羅に自分に着いてこようとする姿に

自分と同じ海賊になるという夢を持っている事に

何より、他にアテがなく自分を頼っている事に

いつしか共に行動をするのが当たり前のようにエース自身認めていた

 

しかし

数日前に出会ったクサナギ・カイという子供

あれから数日置きにダダンの家に泊まるようになり

こうして自分の後を着いてくるようになった

そう、ルフィと同じように

 

それに舌打ちしたのだった

 

 

(なんなんだよアイツは・・・!)

 

 

エースが苛立っていたのはただ着いて来ている

という事だけじゃない

ここに来て数日しか経っていないカイが

自分やルフィに着いてこれている

それが一番苛立たせていた

 

カイはガープと会った後

子供には酷と言えるトレーニングを続けてきた

強くなる為の手段を持たないカイは

只ひたすらに体を苛めて鍛えるという繰り返しだった

それにエースに負けたという事が拍車をかけ

前より一層トレーニングに打ち込んだ

その結果、山道や獣道

走りにくいというハンデがある物の

着いていける体力をカイは身に付けていた

 

ルフィもこんな短期間で自分達に着いてこれているカイに

「カイすげえ!」なんて目を輝かせている

前々からルフィに聞いていた『自慢の弟』話

海賊の夢で繋がっている絆に

自分の知らない人間が入ってきた

そんな感情もエースを苛立たせているのかも知れない

 

 

(もうすぐグレイ・ターミナルだ・・・チッ、今日は最後まで着いてきたか・・・)

 

 

ドーン島国家・ゴア王国

東の海で一番美しいといわれている国

だがどんな国でもゴミを出さないなんて事はありえない

王族や貴族の暮らす高町と、中流階級が暮らす中心街

 

高町から中心街へ

そして中心街から、更に下層へとゴミは追いやられる

結果、ゴミや不純物は外からは見えない場所に捨てられる事になり

『不確かな物の終着駅(グレイ・ターミナル)』

という国の汚点が出来上がった原因となっていた

 

やがて森を抜け、辺りには悪臭がたち込めてくる

目の前に広がっている大量のゴミと

そこに積み上げられたゴミによってできた山

3人は目的地であるグレイ・ターミナルに辿り着いた

 

 

 

 

 

 

---カイ side---

 

(うっ・・・なんだこの臭い・・・)

 

 

気を張らないとすぐにでも吐いてしまいそうになる程の悪臭

目の前に広がっている大量のゴミ

どこか燃えているのか辺りのあちらこちらで白煙が上がっている

その為、視界も悪く遠くまで見通す事ができない

 

カイは物心つく前からずっとフーシャ村で暮らしていた

村を出た事なんて、ダダンの家に行った時くらいしかない

目の前に広がる光景はカイの理解を超えていた

 

 

(なんなんだここは・・・それに何しにここに来たの・・・?)

 

 

茶碗一杯のごはんと、コップ一杯の水

それ以外は自分達でなんとかしろ

 

エースとルフィの待遇は確かに良くない

だが狩りが出来る2人には、与えられるソレと

暮らす家があれば充分生活していける

それがダダンの家に通うようになったカイの感想だ

だから2人が、何故こんな場所にわざわざ来るのか

カイはまるでわからなかった

 

 

「よお、今日は1人増えてるな」

 

 

見上げると、ゴミ山の上から話しかけてきた少年がいた

シルクハットにゴーグル

金髪でクリクリの髪

ボロボロで汚れてはいるが気品を感じる服装

手には鉄パイプを持っている

この場には不釣合いな少年が3人に話しかけてきた

 

 

「サボ・・・」

 

「サボ!今日は俺の弟も一緒にきたんだ!」

 

「へぇ~ソイツがルフィの弟か」

 

 

サボと呼ばれた少年はゴミ山から飛び降り

3人だった少年達が4人になった

 

 

「俺はサボっていうんだ

 お前の事はルフィから聞いてたよ

 よろしくな」

 

「俺はクサナギ・カイ

 よろしくサボ」

 

 

エースとは違って気さくに話しかけてくるサボ

カイも2人の知り合いとわかったのか右手を差し出す

 

 

「1人増えたから遅かったのか

 いつもの時間だと来てるはずだったから

 その辺探しちまったよ」

 

「連れてきたんじゃねーよ

 コイツが勝手に着いてきたんだ」

 

「ムッ」

 

 

関係は良好とは言えない2人

こうも悪意の篭った物言いはどうしてもイラついてしまう

 

 

「ルフィの時とまんま同じだな!ハハハッ」

 

「ホントだ!アハハハハ」

 

「チッ」

 

 

初めて会った時もそうだったけど

エースのこの態度は当たり前なのかも

初対面の相手には気を許さないというか

 

てか3人共よくここで普通にいれるな

こっちは吐かないようにするだけで精一杯なのに

慣れるくらいここに居るってこと?

でもなんで?

 

 

「ねえ、3人共ここで何してるの?」

 

「ん?知ってて着いて来たんじゃないのか?」

 

「だから言ったろ?勝手に着いて来たんだよ!」

 

「ムッ」

 

 

言葉の一つ一つで喧嘩になりそうな雰囲気になる

2人の仲が進展するのはまだ先になりそうだ

 

 

「エースもそんな喧嘩腰になるなよ

 俺達はな、ここで軍資金集めをしてるんだよ」

 

「オイッ!サボッ!」

 

「いいじゃんか

 ルフィも一緒にやってるんだし、その弟だ

 俺は信じるよ」

 

「チッ」

 

「シシシシシ」

 

 

一瞬、エースとサボの間で険悪な雰囲気になった

そんな重要な事やってるのここで?

 

 

「軍資金・・・?」

 

「ああ、俺達は軍資金の為にここに居る

 その金でいつか船を買うんだ!」

 

「船・・・買ってどうするの?」

 

「決まってるだろ!海賊だ!

 俺達3人は海賊になっていつか海に出るんだ!」

 

 

 

 

 

 




十三話投稿です

週頭から連休に入りまして
なんとか執筆活動に時間を回せました
連休中にできるだけ時間を取りたいと思ってますが
連休は連休で用事もあったりするので
もちろん仕事してるよりは時間とれますが・・・

エースにつづき今回サボも登場しました
登場キャラクターが増えると
日常回でも話を考えやすくなり助かりますw
でも後半部分に不安がありますね・・・

ちな今現在、単行本40巻まで所持です

ではまた次話でお会いしましょう
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。