私立グリモワール魔法学園~Another story   作:風飛の丘

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独自解釈、独自設定により原作を大切にされている方はご遠慮下さい。主人公はオリ主 不定期投稿
各専門用語については後書きにて補足
誤字、脱字等ありましたらご了承下さい。

時間が取れず、遅れて掲載しておりますm(__)m




グリモア 第15話 遊佐 鳴子編

最近、クエストの受ける頻度が高くなって来ている気がする…… しかも専ら、ご指名が多い状況だった。

 

そして今日のクエストもご指名…… 今回の討伐対象より一緒に行く彼女が気になる…… ある意味、無事に帰れるかが心配だ。

 

校門の前で待っていると、彼女がやって来た。

 

「やあ、やっと君と一緒にクエストに出る事が出来たよ」

 

報道部部長の遊佐鳴子さんだ。

17歳 身長168㎝ 体重56㎏ B88 W56 H87

趣味 ハッキング 特技 クラッキング

細身の体型にショートカット、しかも美人で17歳とは思えない洞察力がある。

 

クエスト中に、交遊関係など根掘り葉掘り聞かれ、次の日には学園新聞に載っている! とかは本気で勘弁して欲しい……

 

「君の体質は、たいそう重宝さてれているようだ。順番待ちが長くてね。苦労したよ」

「だが、どうも人気の理由はそれだけじゃないらしいけど、色々と考えて…… あれだね」

「1人の男子に女子が、これだけ群がるのとは考え難いからね」

 

どういう意味なんだろう?

 

「そして、虎千代までが君を評価するとなると…… 報道部部長として、俄然興味をそそられる訳さ!」

「今回のクエストも実に僕好みだ! まさに一石二鳥という事だね」

「取材は道中おこなうとして、クエストの確認をしようじゃないか」

 

やっぱり取材はあるのか……

 

クエストの内容はデバイスに記載してあるが、遊佐さんが独自の情報を教えてくれる。

 

「ここ最近、森の外れから赤ん坊の泣き声が聞こえてくるって噂があってね」

「どうも調べたところ、いるはずのない赤ん坊がいるらしい」

「僕も興味があって調べたら…… どうやら幽霊の類だ」

「そう…… 今回はお化け退治だよ!」

 

 

□□□

森の中

 

魔物が現れた付近を捜索している途中に、遊佐さんが今回の赤ん坊の件を教えてくれる。

 

「事の発端はこうだ! 大昔、この辺りには山神様を信奉する村があった」

 

「その山神様の怒りとして、土砂崩れや川の氾濫、はたまた悪天候などが山神様の力として、信じられていたみたいだ」

 

「それでも村人は、山の恵みと一緒に共存していた…… ある年、山での災害が多くあり、村人たちは山神様の怒りに触れた思い…… 生贄を捧げる事にしたらしい」

 

「山神様と言っても、どうやら大きな白い狼でね…… 柔らかい肉として…… そう、あるものを捧げていたらしい」

 

「災害が多くある年には、必ずね……」

 

「それ以来、この地域には犠牲になった赤ん坊たちの霊が彷徨い出て……」

 

「こう尋ねるんだ! あたなを食べさせて…… って!」

 

「……おい、転校生君! 君の後ろ……」

「後ろに来ているぞ!」

 

後ろを恐る恐る振り向くと…… 3メートルぐらいの大きな赤ん坊が四つん這いで、迫って来ていた!

 

「!!」

 

驚き慌てて、遊佐さんに抱きついてしまう!

 

しかも胸の谷間に顔を埋めるような形で…… 両腕は細身の体をしっかり抱きしめていた。

服の上からだが、しっかりとした胸のボリューム感が顔に伝わって来る。

 

「おいおい! 何をそんなにビックリしているんだい?」

「しかも、この体勢では僕も君も戦えないじゃないか!それとも実はわざとかい?」

「君がそんな大胆だとは思わなかったよ」

 

「す、すみません」

遊佐さんの胸から顔を離し、抱きしめていた両腕をほどく。

 

「では、さっそく退治しようじゃないか!」

遊佐さんが手をかざすと、稲妻が迸り赤ん坊型の魔物を一撃で消し去る!

 

「……」

魔法で倒せた?

 

「いや~、見事なタイミングで魔物が現れたものだね」

 

赤ん坊が消え去ったのを見て聞いてみる。

「幽霊には、魔法が効くんですか?」

 

「……もちろん魔法は効くさ。魔物だからね」

 

「魔物……?」

 

「しかし今回は赤ん坊だってさ! ふふ、魔物の生態も驚きに満ちてるね~」

 

「あれは? 本当に魔物なんですか?」

 

「……? ああ、魔物だよ? まさかあの話を信じた訳じゃないだろう?」

 

「え? 幽霊の類いだって……」

 

「……あれ? ……クッ ……あっはははははは! ごめん、ごめん謝るよ」

「怪談話だよ! 全部、僕の作り話だ! 山神様に赤ん坊を食べさせた事実なんかはない」

 

「ここに村があったとか、そいうのも知らないし」

「君も見ただろう? 魔物が霧散していくのを」

 

「確かに見ました……」

 

騙されたのか…… 本気で信じていたのに……

 

それから残りの個体を探す為、引続き森の中を探索する事になった。

 

「ずっと緊張してても仕方がない、雑談でもしようか?」

「君が誰を好きなのか? 凄く興味があるんだけどね」

 

「それを聞いて記事にするのは、やめて欲しいんですけど……」

 

「大丈夫だよ、そんな事はしないよ。個人的な興味だよ」

 

「教えません!」

 

「なるほど、教えないと言う事は好きな子はいると言う事だね!」

 

「あ!」

 

「あはははは、君は本当に面白い人だ」

「からかうのも、ここまでにして……」

 

「本題は、なぜ? 魔物は赤ん坊を選んだろう」

 

「どうして、ですかね?」

 

「赤ん坊は大人の保護下にある。人間に守って欲しからか? それとも……」

 

「おっと!お出ましだ」

森の開けた場所に、赤ん坊の魔物が2体、そして5メートル位の二足歩行の人型もいるが…… 姿が異常だ……

 

なぜ、もう1体の魔物は母親の姿をしているんだ……

右手に包丁、左手には鍋の蓋を持っている。そして、鎧ではなくエプロンを装備している…… 意味が分からない!

 

遊佐さんもかなり驚いているようだが……

「興味深いな、人型でしかも母親の姿をしているとは…… 貴重な存在だ」

 

「母親に勝るものなし! って事ですか!! あり得ないですけど」

思わず突っ込みを入れてしまった。

 

「ともかく、我々の任務は討伐だ」

「先に赤ん坊型を倒して、それから母親型を倒そう」

 

2体いる赤ん坊型を遊佐さんの雷の魔法で、もう1体はバスターカンノの砲撃で消滅させる。

 

「残りは母親型だけど、多分タイコンデロガ級に間違い無いだろう、赤ん坊を守れる強さとなればね」

 

遊佐さんは、赤ん坊型を倒した時と同じく雷の魔法で攻撃するが、鍋の蓋で簡単に弾かれてしまった!

しかも代わりに包丁を振り回して攻撃をしてくる。

動き自体は遅いが攻撃力は高い! 簡単に近くにあった太い木を切り裂く。

 

「やはり予想通り強い! ここは一気に倒さないと厄介だ! 転校生君、魔力を供給し続けてくれ」

 

「試してみたい魔法があるんだ! 行くぞ!」

 

遊佐さんの言われた通り、魔力を供給し続ける。

 

急に空の天候が変わり雷鳴が轟く!

母親型を中心に無数の落雷が降り注ぎ、雷の牢屋を作りだす。

 

「来たれ! 虚空の雷、薙ぎ払え! 雷の斧よ!」

 

一直線の太い雷が、母親型を真っ二つに切り裂く。

 

母親型の魔物は霧散していった……

 

師匠(東雲アイラ)の魔法も凄いが、遊佐さんの魔法も凄い……

 

「お疲れ様、魔法も成功のようだし討伐も完了だ!」

 

「あとは正規の部隊が、このあたり一帯を調べて回るだけだよ! ご苦労なことだね」

 

「そうなんですか?」

 

「聞くのは初めてかい? なら説明しよう」

 

遊佐さんの話だと、魔物の正体につながるような物がないか? を探す目的と、自分達の仕事に漏れが無いか?確認するらしい。

 

「僕の目的はそれだよ。魔物はある日、突然現れるようになった!」

「なぜ? いかにして? とても魅力的な謎だと思わないかい」

「人類を脅かす、異形の魔物、その正体やいかに!ってね」

 

「さて、クエストの完了報告をしに学園に戻ろうじゃないか」

 

「今日は興味深い体験をありがとう。君が人気がある理由を教えてあげるよ! その人の良さだね」

「その、人の良さが女の子を中心に人気があるんだよ。 君は気づいていないようだけどね」

 

「後、僕の与太話を信じてくれて楽しかったよ。全部嘘だから忘れてくれ 帰ろうじゃないか」

 

学園に戻る帰り道も取材は続いていくのであった……

 

END

 

 

 




いつもお読みいただきありがとうございますm(__)m

最近、忙がしいのとモチベーション低下により掲載ペースが遅くなっております。
次回は2週間後を目安としていますのでよろしくお願いします。

2016/10/31 一部修正完了

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