私立グリモワール魔法学園~Another story   作:風飛の丘

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独自解釈、独自設定により原作を大切にされている方はご遠慮下さい。主人公はオリ主 不定期投稿
各専門用語については後書きにて補足
誤字、脱字等ありましたらご了承下さい。

時間が取れず苦戦して投稿していますm(__)m





グリモア 第16話 来栖 銀河Ⅱ 編

朝、登校して直ぐに会長から連絡を受け生徒会室に呼ばれていた。

 

そして呼ばれた理由は、緊急クエストらしく詳しい詳細を会長から聞いる所だった。

 

「昨日、判明したのだがこの学園の下、地下に洞窟が発見された! そこの最深部を調査して欲しい。何かがあるらしい」

 

「また、らしいですか? 情報が定かではないんですね」

 

「すまんな。前回のドラゴンと一緒で詳細がわからんのだ」

 

現在、分かっているのは執行部からは精鋭部隊が調査隊として、自分達とは別行動で向かう。そして洞窟の件は前から執行部は知っていたが、こちらにはその情報を隠していたらしい。

 

「現在、魔物は現れていないがいつ現れるか分からんから注意して行け! それと誰か護衛を兼ねて連れて行くんだ」

「人選は任せる!」

 

□□□

学園コロシアム

 

「こんな所に洞窟があったのか……」

コロシアムの真下に洞窟があり奥深く道が続いていた。

 

「わ、わたしで本当に良かったんでしょうか?」

水色のドレス、戦闘服を着ている萌木が話しかけてくる。護衛と言うより、知識面を優先して頼んだのだった。

 

「銀河兄さん、萌木姉さん、よろしくね」

そして、もう1人は探索面でヤヨイ・ロカに依頼したのだった。

 

「罠は無いと思うけど、不測事態に備えて前衛をロカに任せて中衛に萌木、遠距離支援と殿で俺が後衛で進んで行こう」

 

「はい、が、がんばります」

 

「任せて! 魔物も気配とかで分かるから!」

 

会長から途中までの未完の地図をもらっているので、そこまでは問題なく進めそうだった。また、他にも精鋭部隊や生徒会も後からやってくるらしいので、魔物が出ても大丈夫だろう。

 

洞窟の中に入り、奥に進むにつれて違和感? を感じていた…… 萌木の方を見ると萌木も頭を傾げていた。

 

「萌木、どこかで見たことある景色じゃないか?」

 

「はい、わたしもそう思っていました…… この雰囲気は…… あの本の時の洞窟に似ていると思います」

 

「やっばり! 何となく道も覚えている……」

 

前を歩いていたロカが何かあったのか尋ねてくる。

「うん? 兄さんも姉さんもどうしたんだい、狐にでも騙されて顔をして? 大丈夫かい?」

 

図書館の本の事は秘密にしてあるので言えないが、一度来たことある様な気がする…… いわゆるデジャヴみたいな物だと伝える。

 

「成るほど、じゃ何か思い出したら言ってよ」

 

萌木と一緒に頷く。

 

さらに奥に進むにつれて、道順が地図を見なくても分かる。会長とドラゴンを倒した洞窟とは明らかに違う…… やはり本の時の洞窟だと分かる。

 

本の時と同じたとすると……

「そろそろ魔物が現れるから注意して」

 

「銀河兄さん、まだ魔物の気配は無い……!」

「奥から何か来る…… しかもかなり危険な感じがするよ」

 

その時、奥から現れたのは『ブルーイヤール・ドゥ』魔物の原種と言われる魔物だった。

 

萌木は大丈夫か? また動けないとか……

 

萌木の方を見ると、2度目の遭遇なので何とか動けそうだ。

 

「ロカ、魔物を牽制してくれ!」

ロカは頷きそのまま魔物に向かって行く。

 

こちらもバスターカノンを具現化して、グラビティシェルを展開する。

ロカが相手の動きを牽制している間に、萌木は水の魔法ウォーターバレットを撃ち、僅ながらダメージを与えている。

 

やはり、強い! 並みの魔法じゃ倒せない。

 

「ロカ、避けて!」

魔物にグラビティシェルを当て動きを止める。

 

「これで!」

バスターカノンのトリガーを引き砲弾を放つ! 魔物に砲弾が当たり空間ごと削り取る。前回と同じく何とか倒す事が出来た。

 

「銀河兄さん、やるじゃん! 魔物にも早く気づいたしね」

 

笑って誤魔化す事にした。

「しかし、このクラスの魔物は勘弁して欲しいな…… 討伐メインのチームじゃないからな」

「無駄な戦闘は避けて、後から来るチームに任せよう」

 

その後も地図を見ることなく奥へ進んで行った。

 

 

突然、ロカが危険を嗅ぎ分けて警告する。

「銀河兄さん、萌木姉さん、魔物だよ。注意して!」

 

前回の時は1体しか魔物が出なかったけど、まったく同じと言う訳ではないのか……

 

前方から飛行して現れたのは、3体のコウモリ型の魔物だ。

 

「上空からの攻撃に注意して散開! 動きも素早いから気をつけて!」

ロカと萌木は互いに距離を取り、応戦準備をする。

 

一方、コウモリ型の魔物は上空から降りて来ずに何やら鳴き始めた!

 

何だ? 超音波らしい物を感じるが…… 何も効果が無い?

 

「ロカ、萌木、大丈夫?……」

 

……大丈夫では無かった! 2人とも脱力した状態で攻撃体勢をとっていなかった。

さらに2人ともこちらに向かって、ゆっくりと歩いて来る。

 

「ロカ! 萌木! しっかりして」

声をかけるが明らかに表情がおかしい…… 催眠状態なのか?

近くまで来た2人は、俺の両腕にそれぞれ腕を絡めて抱きしめてきた! 身動きが取れない。

 

右腕には、ロカがしっかり抱きついて大きな胸の感触がしっかり伝わってくる。

左腕には萌木が! ロカほどではないが、胸の感触がしっかりと伝わってくる。

 

「ちょっと、 2人とも離してくれ!」

大声を出してみたが、2人には聞こえて無いようだった。

腕を振り払おうとするが、2人とも凄い力で離せない…… 無理に暴れて怪我させるのはマズイし…… どうしたら良いものか……

そんな事を考えていると今度は2人に押し倒され、上から覆いかぶさってきた。

2人の柔らかな体の感触が全体に伝わって来た…… このまま抱きしめてしまいにそうになる。

 

は! コウモリの魔物は?

 

仰向けの状態だったので、直ぐにコウモリの姿が見える。

3体とも先程と同じ状態で、上空で鳴き続けていた。

 

攻撃して来ない? 超音波を出している時は動けないのか?

 

ロカと萌木につかまれ、さらに覆いかぶさられているが何とかバスターカノンのトリガーは引けそうだった。

指だけ動かし3度トリガーを引く。

グラビティシェルを3発放ち、コウモリに向けてコントロールして当てる。

 

「2人ともごめん!」

多少、強引に地面を横向きに転がり2人から離れる。

そのまま仰向けになりながら、バスターカノンのトリガーを引き、3体のコウモリに砲撃を当て消滅させる事に成功する。

 

「2人とも大丈夫?」

 

「うう…… 頭が少し重いかな?」

ロカか頭を振りながら反応する。

 

「体がだるいですが、平気だと思います」

萌木も起き上がりながら答えて来る。

 

「魔物は倒したからここで少し休憩しよう」

2人に催眠状態になった事を伝えるが、2人ともその時の事を覚えていないとの事だった。

 

く! 覚えていないなら……

邪な事を考えた事は内緒。

 

少しの休息、2人が動けるようなったのを確認して、再び洞窟の奥を目指す。

 

「そろそろ目的の場所に着くはず」

地図は途中までだったが、迷う事なく村が見えてくる。

 

「へ~、こんな所に村があるだ」

ロカは周囲を警戒しながら感心していた。

 

「村の奥に本があるはずだから行ってみよう」

 

村の奥に着くとそこには、図書館で見た本が祭壇の上に置かれていた。

 

型や色が似ているが…… 少し違うかな?

 

「表紙に何か刻んであります…… テスタメント?」

「聖書? 遺書? 違うかな。本は魔導書です。書いた人は不明ですが……」

萌木が表紙と背表紙を見て教えくれる。

 

「しかし何でこんな所に魔導書が……」

魔導書を手に取り、開こうするが全く開かない! 力を入れても全く開く気がしない。ロカも萌木も試してみるが結果は同じだった。

 

その時だった本を中心に光があふれ出し、辺り包み込んでいく……

 

「くっ まさか!」

 

光が収まり辺りを確認すると、荒れた市街らしき場所に立っていた。ロカと萌木の姿は見えない。

 

また、本の力でどこかに飛ばされたのか?

 

急速に空から何かがやって来る…… 輝く羽根? が見えて来る…… 天使?

 

近くまで来た彼女は空から降りて来た。

「生存者、発見!」

「ここは危険空域よ。一般人は危ないから直ぐに避難して!」

 

「た、立華卯衣?」

 

「誰? なぜ私の名前を知っているの? 私はあなたが誰か分からない。でも今は早く避難して」

 

何故? 立華は俺の事を分からないんだ……?

 

地面を踏みしめる大きな音が聞こえてきた。

 

「しまった! 早くそこに隠れて!」

 

立華と一緒に近くの瓦礫に身を伏せていると、タイコンデロガ級の魔物が通り過ぎて行った。

 

「立華! 本当に俺の事が分からないのか?」

 

「どこかで会っていれば記憶しているはず」

「ごめんなさい。本当に分からないわ。私と似た誰かと間違えているのではないかしら」

 

いったいどうなっているんだ! 立華は知らないと言うし…… そもそもここは何処なんだ!

 

「レーダー反応確認。危険だわ! 魔物が複数こちらを目指してやって来るわ」

「私が囮になるからその間に東側の方に逃げて、ここより安全になるから」

 

「一緒に戦うよ!」

 

「戦って勝てればいいけど数的に無理、しかも悪いけどあなたは戦えそうに見えないわ」

 

「私の事は気にせずに、後ろを振り向かず全力で逃げて! 私は死なない体だから平気」

 

立華の戦闘力は知っている。学園の中では上位に入る強さだ。彼女が勝てないと言うなら無理だと分かるが…… なら自分に出来る事をする!

 

「分かった、東側へ逃げる。でもその前に魔力を補充するよ」

 

「え? どうやって補充するの? マスターですらラボに行かないと無理なのに」

 

立華に魔力を注ぎ込む……

 

「不思議だわ。魔力が溢れ出てくる! これなら30分は全力で戦えるわ。あなたはいったい何者なの?」

 

「来栖銀河、学園の生徒だよ! 覚えておいて欲しい」

 

「分かったわ。またどこかで会えたら話かける」

「では予定通り、私が囮になるからその間に逃げて」

立華は羽根を広げ空に飛び出す…… 魔物が立華を見つけ追いはじめる

 

よし! 今だ、立華の邪魔にならないように東へ向かわないと。

 

東へ向かって走り出すと、また辺り一帯が光に包まれる。

目を開けると、そこにはロカと萌木が居た。

どうやら洞窟に戻って来たようだった。

 

萌木が近寄って小声で聞いてくる。

「さっきの光は…… どこかに飛ばされたの?」

 

「ああ…… また、分からない事だらけだったよ」

萌木には後で話すことを伝える。

 

「本も手に入れた事だし帰ろう。後発組とも会えるだろうし、状況を報告だ」

 

本を大事に鞄にしまい、来た道を3人で戻る。

END




いつもお読みいただきありがとうございますm(__)m

色々な話を試して見たいと思っていますが文才がなく苦戦しています。
現在の掲載ペースは2週間となっています。

何とか頑張って次回は番外編を書きたいと思います!
2月はあのイベントがやって来ますね!

2016/11/1 一部修完了正済み

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