私立グリモワール魔法学園~Another story   作:風飛の丘

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独自解釈、独自設定により原作を大切にされている方はご遠慮下さい。主人公はオリ主 不定期投稿
各専門用語については後書きにて補足
誤字、脱字等ありましたらご了承下さい。




グリモア 第2話 南 智花編

昨日、生徒会の副会長 水瀬さんからクエストを受ける様に言われいた。

特に断る用事も無く…… あの状況では、断れるはずも無いが……

 

デバイスからクエストを選択、2人用のクエストを受ける。パートナーは、仲の良い人と言う事で智花にお願いしてある。

 

□□□

学園近く森林

 

学園近くの森で、対象の霧の魔物を探して討伐するのが今回のクエストの内容。難易度は高くない物を選んだ。

 

初のクエストという事もあり、緊張しているがクエスト対象の霧の魔物を探しながら、智花との雑談で気を紛らわしていた。

 

その智花の姿は、いつもの制服姿とは違い戦闘服に身を包んでいる。

頭には大きな黄色いリボン、服はピンク色でどう見てもアニメ出て来る魔法少女そのままだった。

戦闘服は、本人のイメージやモチベーションが反映され、デバイスを使うとカスタマイズも可能らしいので昔見た? 何かの魔法少女をイメージしているのかな?と思った。

 

自分の方は、黒を基調とした服に、同じく黒のロングコートを羽織っている。特に何かを意識した訳では無いが全体が黒1色で、少しカッコいいと思っている。

 

また今日のクエストの為に、事前に智花の情報は確認済みだ。

 

身長155㎝ 体重45㎏ B81 W57 H81 趣味 料理と頭の中にインプット済みである。

 

(趣味が料理とは家庭的だな~ 今度、お願いしてみるかな)

 

「どうですか? 学園生活は慣れましたか?」

 

「うん お陰様で、なんとか慣れて来たかな」

 

「良かった、うちは男子少ないので…… 居心地が悪いのかと思って……」

「私で良ければ、今まで通り相談に乗りますからね」

 

(智花は本当に優しいな)

 

いつかは、お礼をしないといけないなと思いながら今日のクエストついて聞く。

 

「討伐対象は霧の魔物、タイプはミノタウルスです」

 

授業でも習ったが、霧の魔物は何故か? 神話や西洋の魔物、動物、昆虫などの姿で現れる事が多いと言う。

人から見て恐怖を感じる姿、攻撃しやすい姿などと言われている。

 

「戦い方なんですが、基本的に私が前衛で戦います」

「銀河くんは後衛で、後方からの指示と私への魔力供給をお願いします」

「膨大な魔力の受け渡し出来る人は始めてで、テスト運用も兼ねているそうです」

 

「あと私達の出した結果によって、いろいろ体制が変わる見たいですよ」

 

当然と言えば、当然のフォーメーションだった。

なぜ? 自分が後衛かと言うと、魔力量が多いだけで他の魔法がまったく使えないのだ。

 

授業で色々と魔法を試して見たが、まったく使えない!

 

魔法を使うのに特に詠唱や身振りなどは必要無く、発動する魔法式をイメージするだけなのだが、火の玉どころかライターの火ぐらいしか出ない。

 

また、個人差になるがイメージが重要なので魔法の名前叫んだり、身振りを入れてイメージを高めるのもありらしい。

 

まだまだ色んな魔法を試してみる価値はあるが、今はどれも似たような状態で戦闘には役に立たない。

そんな訳で、前衛で戦うのを女の子に任せるが現状である。

 

適材適所か…… 情けない、女の子に危険を任せるとか……

そんな事を考えていると。

 

智花が何かに気づいたようだった。

「見つけました! ミノタウルスです。私もこんな間近で見るのは初めてですが…… あ! 来ます!」

 

見るとミノタウルスが突進して来る!

 

「智花! 危ない」

 

速い! 突進力に優れているのか? 智花を突飛ばす様な形で、一緒にかわすのが精一杯だった。

 

しかも勢い余って倒れたショックで一瞬、意識が飛びかけた。

 

「痛てて……」

なんとか手に力を入れて見ると、手の平には柔らかい物がある?

何度か握ってみると凄く柔らかい何だろう?

 

体制を立て直す為に、朦朧とする頭を持ち上げると智花の顔が下にある?!

自分の手の平は、しっかり智花の胸を掴んでいた!

 

智花は泣きそうな顔で、顔を真っ赤にしている……

 

どうやら押し倒して、上から覆いかぶさる形になっている事に気づいたが、今はそんな状況を喜んでいる場合では無い。

「ごめん! でも今はあいつを何とかしないと!」

 

簡単に謝りつつ2人共、何とか体制を立て直す。

「智花! 攻撃魔法をあいつに!」

自分は智花に魔力を供給する。

 

「行きます! えい!」

大きな火の玉がミノタウルスへ向かい、一気に燃やし尽くす! 一撃で倒してしまった…… 魔法を使った智花も驚いている。

 

「銀河くん 凄い! 今の魔法見た? いつもの5倍は大きかった!」

「魔力が自分の中で溢れて来るのが分かったよ」

「疲れて無いし! まだまだ、撃てる気がするの!」

「それに凄く気持ちいいの~ あ! 変な意味じゃないからね」

 

智花は魔物を一撃で倒せた事で、舞い上がっているみたいだけど、どうやら魔力の供給は上手くいったようだった。

 

しかし初の任務とは言え、あまり何も出来なかった気がする。

 

もっと上手く、効率的に魔力の受け渡しを出来る様にならないと…… 作戦行動の指揮も学んで行かないとな…… これからも、無事でいられる補償は無い。強くならないと誰も守れない

 

その後、例の件は土下座して平謝りで、何とか許してもらう事が出来た。

事故と言う事で、智花も気にしないと言ってくれている。

しかし「思い出すのは禁止!」という条件付でだが……

 

それから念の為、他にも魔物が居ないか? 辺りを巡回しながら丁度良く見つけた景色の良い丘で、昼食を食べる事にした。

 

今日の為に、智花が手作りサンドイッチを作って来てくれたようだ。女の子の手作り料理に感動しながら……

 

「いただきます~ うん! 美味しい!??」

急に目眩がして、その場に倒れ込む……

 

その後の記憶が、良く思い出せない1日になってしまった。

 

 

 




いつもお読みいただきありがとうございますm(__)m

2016/10/16 一部修正完了


用語説明
戦闘服・制服
素材 ミストファイバー
約100年前に見つかった不思議な素材で霧の魔物の性質に似た特殊な繊維素材から出来ている。特殊な加工をすることで防御力に優れ魔法力を高める効果もある。
また、繊維が使用者の好みを判別して形状を変える事も可能らしいが謎とされている。

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