私立グリモワール魔法学園~Another story 作:風飛の丘
各専門用語については後書きにて補足
誤字、脱字等ありましたらご了承下さい。
現在、投稿ペースが3週に1話になっていますm(__)m
今回は少し早めに投稿しています。
暖かく柔らかい風を感じながら、校門の前で彼女が来るのを待っていた。
今日は難易度の低いクエストで、魔物も出現したばかりの幼体で攻撃力も皆無、ただ現れた場所が場所なだけに早急に倒さないと行けない魔物だった。
そして今回は彼女の支援という事で、見守るのが主な仕事だった。
寮の方から、彼女は小走りにやって来た。
駆け寄って来たのは、仲月さらと犬のシローだった。
年齢12歳 伸長153㎝ 体重32㎏ B67 W50 H70
趣味 犬の散歩 特技 かけっこ
小学6年生に相当する可愛い少女だった。
「すみません。お待たせしましたぁ」
「来栖さん。今日はよろしくお願いしますねぇ」
「わたし、あんまりクエストに出ないのでみんな心配してましたけど、今回は受ける事が出来ましたよぅ」
「いっぱいクエストを受けている、来栖さんと一緒ならきっと安心ですぅ」
「安心して、任されました」
心配させないように笑顔で答える。
「それに、宍戸さんがお守りをくれましたよぉ」
「この…… えーと、発信機でわたしたちの位置がどこにいても直ぐにわかるって」
「危なくなったら宍戸さんが、すぐに来てくれるって言ってくれました」
「なら安心だね」
意外だが、宍戸さんは子供が好きなのか?
「宍戸さんは、よくシローと遊んでくれるんですよぅ」
えぇぇ?! 絶対、何か裏がありそうな気がする…… シローに何かあるのか?
難しい顔をしていたらしく、さらも意外なそうな顔をする。
「ふぇぇ? そんなに不思議ですかぁ?」
「宍戸さんは、良くシローの健康診断してもらいますよ」
「シローのこと、とっても興味深いっていってました」
絶対、何かあるな…… 後で確認してみるか……
むしろ、宍戸さんが犬とキャッ! キャッ! している姿は想像出来ないぞ。
「……他にはえーと、いいコンビになれるっていってくれました」
「だから練習の成果を来栖さんに見せてあげますぅ!」
そんなさらが可愛くて、つい頭をナデナデしたくなるがそこは堪えて……
「うん。危なくなったらすぐに、バックアップするからね」
「今回は戦闘服は無しで行こう。その分の魔力を攻撃魔法に回そう」
さらの魔力量はまだそんなに大きくないと話を聞いていたのだった。
□□□
風飛市商店街
今回のクエストは、急ぎのクエストでは無いが風飛市内にある商店街の一角に魔物が出現。発見が早くまだ幼体らしく、さらには丁度よいクエストだと思った。
生徒会長の方でクエストを調整しているのだろとも思ったが……
出現場所を目指しながら、さらと話をして行く。
「わたし、ずっと学園にいるのです。いち、にー、……じゅうねんですねぇ」
「最初の頃は小さくて、あんまり覚えてないんですけど……」
「もしかしたら、一番長く学園にいるのかな?」
ふと疑問に思った事を口に出してみた。
「はい、そうですよぅ。いろんな先輩達に会って」
「たくさんの先輩達に優しくしてもらったんですよぉ」
「その先輩達もほどんどは、卒業してしまいましたけどねぇ」
「皆と約束したんです 立派な魔法使いになれるように頑張るって」
「ふぇ? シローどうしましたか? 急に吠えて……」
「あ! 魔物さんがきますぅ!」
前方から1メートルほどの金魚みたいな丸い魔物が空中を漂っていた。
「わたし頑張ります!」
「シローは早く、鞄の中に入って下さい!」
「援護するからいつでもいいよ」
「はい、では魔物さん動かないで下さいねぇ」
さらは両腕を突出す! 複数の小さくてカラフルな星型の魔力弾が放たれ、真っ直ぐ飛んで行くが……
「あれ? 外れてしまいました」
魔物が浮遊しながら、動いているので当てるのが難しいかな? グラビティシェルで動きを止めるか?
そんな事を考えている内に、魔物が路地の中に逃げ込んで行く。
「逃げてしまいましたよ。追いかけましょう」
さらは頑張って走るが、見失ってしまったようだった。
「まだ、この辺りに居ると思うから歩きながら探してい行こう」
さらが疲れないように、さりげなくアドバイスをする。
「はい、今度こそ頑張りますぅ」
「そして、先輩達みたいな立派な魔法使いになりたいです」
「たくさん、たくさん魔法も頑張って…… こうやってクエストにも出させてもらえるようになりましたよぉ」
「あんまり、いっぱいは出れないのですけど……」
「もっと、もっと頑張って、体もおっきくなって、強くなってみんなの役に立てるようになります!」
「うんうん!」
体がおっきくなってか…… さらが高校生ぐらいになったら、綺麗な女性になるんだろうなと想像していた。
「シローも協力してくれますし、きっとなれますぅ」
「シローはとってもすごいんですよー。こうやってさっきみたいに、魔物さんが近づいてきたら吠えて……」
「あれ? また吠えてますねぇ」
「あ! あそこにいる」
商店街の一角にある、小さな公園の噴水近くを魔物は浮遊していた。
「頑張りますよぅ」
さらはシローを鞄に入れて、魔物の後ろからそろーり、そろーりと近づいて行く。
近づいて、魔法を使えば……
5mぐらいまで近づいて、先程と同じ魔法を唱えるが……
「あれぇ?!」
当たると思った瞬間、また魔物は避けてしまった。
避けた!と言うより上下に浮遊しているので外れたと言う方が正しいが…… きっと回避したんだと思う事にした。
さら、頑張れ!
「あ!」
魔法が外れてしまった為、そのまま噴水本体を直撃。
小さな穴を開けてしまった。
その穴から急に水が吹き出し、さらに直撃してしまい、その勢で倒れて、尻餅をついてしまった。
「さら、大丈夫か!」
急いでさらに駆け寄る。
「はい、大丈夫ですぅ。濡れてしまっただけなので……」
怪我が無いようなので、一安心…… では無かった!
さらが転んだ拍子に、スカートがまくれ上り可愛らしいピンク色の下着が見えてしまっている。また、水に濡れた服は体に張り付き、小さな胸が透けて見え隠れしている状態だった。
「えへへ、失敗しちゃいましたぁ」
自分の姿に気づいていないのか? 女生徒の多い学園生活に慣れすぎて、羞恥心が希薄なのか?
これは気付かないフリをするしか…… そうだ!
「さら、ここでちょっと待っているんだぞ!」
急ぎ商店街エリアに戻り、洋服を買って公園に戻る。
「そこのトイレで服を着替えて来て、濡れて風邪でも引いたら大変だから」
「はい、分かりましたぁ」
さらは早速、着替えて出てくる。
「来栖さん この服…… ありすちゃんが良く着ているのと同じ様な服ですねぇ。色は黒ですけど、ありがとうございます。お洋服大切にしますねぇ」
さらに買って渡したのは、黒を基調として白フリルが沢山ついているゴズロリの洋服だった。
服のサイズは、もちろんピッタリ! 身体情報が入っているデバイスで確認して買って来ている。
さらにはやっぱり似合うな…… ナイスチョイス俺!
「魔物さんに、また逃げちゃいましたね」
「わたし、魔物さんと戦うの好きでは無いんですぅ」
「魔物さんだって、きっと死じゃったら悲しむ人がいるんです」
「魔物さんのパパ、ママみたいな…… でも倒さなきゃいけないんです!」
「たくさんの先輩達が怪我するのを見てきました」
「魔物さんは、まだ私たちと仲良くできないんですよね……」
「魔物さんが悪いことするなら、それからみんなを守る為に戦うんですぅ」
「でも、いつか仲良く暮らせたらいいですよねぇ」
さらは魔物にも優しいな…… 場合によっては共存派に見られるかもしれない話だけど。
「魔物さんもみんなも戦わなくてよくなったら…… みんな怪我したり亡くなったりしなくなりますからねぇ」
「来栖さんとわたし、卒業がちょうど一緒ぐらいなのですぅ」
「ぜひ、ご一緒に卒業しましょうねぇ」
「そうなんだ! さらと同じ時期になるのかぁ~ 楽しみにしているよ」
「はい!」
魔物が逃げていった方を探索する事にして、移動を始める。
「わん わん わん!」シローがまた突然、吠える。
「あそこにいましたよぅ」
「まずいかも、商店街の人通りの多い方に向かっているぞ!」
「さら、急ごう!」
「はい。シローもいきますよぅ」
魔物の動きは遅く、今度は直ぐに追い付くが出来たが、すでに人通り多い所に出てしまった。
商店街の人達は、叫び非難して行くがさすが魔物慣れしている街なので、混乱までには至ってはいない様子だった。
それでも、ご老人も多数いるのでうまく非難は進んではいない。
「さら、魔物の動きを止めるから、近づいて魔法を当てるんだ!」
「はい。わかりました! いきますよぅ」
さらは、魔物に向かって走り出す。
「さらちゃん、頑張って~」
「ファイトだ!」
「かわいい~」
商店街の人達から声援が飛ぶ。
長く学園在籍するさらは、買い出しの付き合いや過去の先輩達の知り合いも多くいて人気があるとか……
また、魔法使いと言う事で変な目で見られる事も無かった。
魔物使いと魔物に慣れた風飛市の良い所だった。
「これで!」
グラビティシェルを飛ばし魔物の動きを止める。
「えい!」
動きの止まった魔物に、星形の魔法を当てる事に成功する。魔物は霧散していった。
商店街の人達から、さらに向けて拍手の嵐が飛ぶ。
「はい、皆さんのお役にたてて良かったですぅ」
笑顔で商店街の人達に手を振り応えていた。
個人的には、娘が成長した瞬間を目の当たりにした親の気持ちが分かった気がした。
危なく感動して、泣きそうになってしまった……
商店街の人達からいっぱいお土産をもらったさらに声をかける。
「そろそろ、学園に帰ろう」
END
いつもお読みいただきありがとうございますm(__)m
次の投稿は番外の日常辺りを書けたらいいなと思っています。
2016/11/2 一部修正完了済み