私立グリモワール魔法学園~Another story   作:風飛の丘

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自解釈、独自設定により原作を大切にされている方はご遠慮下さい。主人公はオリ主 不定期投稿
各専門用語については後書きにて補足
誤字、脱字等ありましたらご了承下さい。

いつもよりは早いペースで投稿しています。
では、どうぞ~



グリモア 第23話 来栖 焔 編

□□□

洞窟の入口

 

「焔……」

 

「チッ…… いよいよあんたとクエストかよ」

 

「お前が俺をパートナーとして、選んだんじゃないのか?」

第7次侵攻の際、焔の存在に気がつきそれ以来、何度か話し掛けていたのだが、無視され続けている上に授業の方にも殆ど顔をだしていない為、まともな会話は1度も出来ていなかった。

そんな事もあり、今回のクエストは焔から声をかけてくれたと思っていたが……

 

「希望なんてしてねぇ。勝手に組まれたんだ!」

「相性がいいのになんで、クエストに出てねーんだ」だとさ。

「さっさと、終らそう」

「人の予定を無視してねじ込みやがって…… 執行部のヤツラめぇ」

「精鋭部隊が下部組織だからって、好き勝手に命令してきやがるんだよ」

「しかも強制だからな。メンドクセェ」

 

「そこまで思うなら辞めたらいいんじゃないか?」

 

「あ? 精鋭部隊を辞める気はねぇよ」

「レベルが高い魔物と戦うには、精鋭部隊がいいんだ。めんどくさくてもな」

「一般生徒に回るのは、本当に弱い魔物だ」

「一般生徒じゃ対処できない魔物は精鋭部隊に。それでもダメなら生徒会だ」

「でも生徒会には入らねぇ。クエストに出る頻度がすくねぇ」

 

昔の焔を知っているだけに、10年も経てばここまで人は変わる物なのかと思う……

 

いや違うな…… 憎しみ囚われているからこうなったのか……

 

来栖 焔 13歳 身長147㎝ 体重39㎏ B76 W53 H75

趣味 なし 特技 燃やすこと

親戚で小さい頃からのお互いを知っている仲だった。

 

「そういや、よくクエストに出てるんだってな。イヤでも噂を聞く……」

「なんか理由でもあるのか? 魔物と戦いたい理由とか?」

 

「俺もそれなりの理由はあるが…… 焔は両親の敵討なのか? それで力が必要なのか?」

 

「……戦えるぐらいの力がいる。1人でタイコンデロガを倒せるぐらいの力だ!」

 

「だから精鋭部隊から離れたりしねぇ。しがみついてでもやってやる」

 

「思い出したくもねぇけど、入学したときはさっぱりだったんだ」

「てんで弱かった…… 6年かかってここまで強くなった……」

「だから卒業までまだ伸びる。卒業までまだ強くなれる!」

 

「まずはこのクエストだ! 請けたからには、きっちり燃やしてやる」

 

そんな中、洞窟の奥から1体の魔物が姿を現す。

今回の討伐対象【フェイクスパイダー】だ。サイズ的に出てきた魔物は、雑魚クラスだが蜘蛛の特長には注意しないと。

 

「あんたは見ときな。クエストの雑魚ぐらい、どうってことねぇよ」

焔は魔物に向かって走り出して行く。そして、炎を両手に纏い魔物に向かって放つが、魔物は洞窟の壁をよじ登り魔法を回避する。

 

「焔、危ない!」

魔物は洞窟の天井から飛び降りながら、焔を攻撃してきた。

 

「なめるな!」

頭上から攻撃を仕掛けてきた魔物とすれ違い間際に、魔法で攻撃する。

近距離で攻撃を受けた魔物は霧散していった。

 

「……ふぅっ…… ッ 痛ってー」

 

「焔、大丈夫か?」

 

「……なんでもねぇよ。ただのかすり傷だ!」

「あんたに、心配されるほど弱くねぇ……」

 

焔に近づき腕を無理矢理つかみ、怪我の状況を確認する。焔の言う通りかすり傷の様だが傷口からの感染、傷跡が残らない様に応急処置をする。

 

「お、おい、なにすんだよ!」

「はぁ? あ、あんた、手当て? 誰に習ったんだ…… そうか椎名か……」

 

焔の言う通り、戦闘以外でも何か出来ないかと思い、椎名ゆかりに頼んで簡単な応急処置を教えてもらっていた。

 

「かすり傷だっつってんだろう…… もう勝手にしろ!」

「このぐらいの怪我、精鋭部隊じゃ、いつものことなんだ。慣れてる」

 

「感染症とか傷が残ったら大変だろう!」

 

「だからそんな必死になって治療することじゃねぇ……傷?」

「傷が残る事なんか気にしてどうするんだ! そんな生易しいもんじゃねぇだろ」

 

「相手は霧の魔物だぞ。見た目、気にして戦える余裕なんてねぇだろうが……」

「そんな甘ったれた考えしてると、いつまでだっても強くなれねぇ……」

 

「……そうなのか?」

 

□□□

洞窟の奥

 

最初の戦闘から、さらに5体目の魔物を倒しながら洞窟の奥に進んでいた。

 

「そろそろ、休憩しないか?」

焔に休憩を促すのは、これで3回目だった。

 

「休憩なんかいらねぇっつてんだろう! さっさとやって終らせたいんだ」

「ったく、どいつもこいつも…… 指図すんのは、エレンだけで十分だ」

「そんなにアタシが弱く見えるかよ!」

「バカにしやがって!」

「誰がこんなに貧弱にしろって頼んだってんだよ!」

「チクショウ…… 生天目ぐらい強ければ…… こんな思いしなくても済むんだ」

 

焔は自分の強さをしっかり理解しているが…… 憎しみがそれを邪魔して、不安定になっているのか……

 

昔はごく普通の女の子で、甘えて来る方が多かった気がするが、今はそんな面影も無い。焔の気持も分かるが焦り過ぎだ。

 

 

「前方からまた魔物が来るぞ! 今までのフェイクスパイダーとは大きさ色が違う。亜種かも知れない。注意するんだ!」

 

「……1人で十分だ」

先程と同じく、焔は魔物に向かって走り出す。

 

「くっ! 当たらねぇ」

やはり亜種らしく、先程までの個体とは違い動きが数段速くなってる。

魔法を回避しながら魔物は天井に付近によじ登る。

 

「な、なんだ!? 離せ」

天井いる魔物は白くて細い糸を数本、口から吐き出し焔を捕獲する。

白い糸は焔の体に食い込み縛り上げ、空中へと引き上げる。そして、糸を通じて透明の液体が流がれて来たと思ってたら焔の戦闘服が溶け始める。

 

「強酸か?」

 

焔は糸で縛られている為、体のライン含め胸や尻が強調される。しかも所々、戦闘服が溶け肌が露出している。

まだまだ幼児体型だが…… 昔と違い、成長してる所は成長してるな…… など考えながら見てしまう。

 

「こら! 離せ!」

焔は何とか脱出しようともがくが、さらに糸は体に食い込んで行く。

 

「……あんたも見てないで、助けっろって!」

 

「す、すまん」

 

1人で十分だって言ったじゃないか……

縛られている姿を見ていたと……等とは口には出さないが。

 

「お兄ちゃん、助けて言ったらすぐにでも助けるよ」

 

「ばっかじゃねぇの!」

 

さらに糸は焔を縛り上げ、焔はさらに苦しくなる。

 

「……銀河にぃ…… 助けてよ……」

 

「はい、よく言えました!」

フェイクスパイダーの亜種には、グラビティシェルを放ち動きは止める。

最後はバスターカノンの砲撃で、魔物から伸びている糸を消し去る。

 

糸が切れて焔は突然、空中から放り出される。

 

「ほいっと、これで大丈夫だな」

落ちて来た焔をお姫様抱っこでして受け止める。

 

「くっ…… あ、あ、後はアタシがやる……」

顔を真っ赤にして焔は腕の中から脱出する。

 

「調子が狂いぱっなしだ! 何なんだよ! あぁ、もぉー」

「まずはてめぇを燃やし尽くす!!」

 

焔が両手から出した炎を1つに合わせ巨大な炎の塊を魔物に向かって放つ。

念の為、逃げられない様にグラビティシェルで一瞬動きを止める。

 

炎に包まれた魔物は霧散して消える。

 

「くそ、手出しは不要だ…… あんなの1人でやれる」

 

「銀河にぃ、助けてよ……って言ったぞ」

 

焔はさっきより顔を真っ赤にしてそっぽを向く。

 

「…………くそ」

 

「もう1人で行く。ついてくんな! こんなクエスト1人でやれなきゃダメだ」

 

からかい過ぎたかな……

 

「クエストは2人以上でするものだぞ」

 

「2人以上で受注とか関係ねぇ。アタシが出来るかどうかだ!」

「この程度の魔物で躓いていたら…… 敵討ちなんて夢のまた夢だ」

「助けなんていらねぇ! ほっとけ!」

「アタシがどうなっても、あんたには関係ねぇだろう」

 

「数少ない親戚だからな…… そうもいかない」

 

「だから……」

 

「……っ!? し、しまった!」

洞窟の影から何重にも巻かれた1本の太い糸が、焔を壁際まで吹き飛ばす。

 

「く、気がつかなかった」

焔に気を取られていて、魔物の接近に気がつかなかった。

「テガイ! フェイクスパイダーのボスか!」

「焔、大丈夫か?」

 

「な、何とか大丈夫だ」

「くそー、痛ってなぁ 仕返しだぁ!」

焔は亜種を倒した時と同じく、両手の炎を1つに合わせ巨大な炎を作り魔物に放つ。

小型クラスの雑魚とは違い、動きは速くないが硬いのか? 魔物は炎に包まれるがあまりダメージを受けた様子が無い? それとも……

 

「魔力が…… 情けねぇ……」

焔は地面に膝をつき倒れる。

 

「だから休息しろって…… 完全に魔力不足だろ! 配分も考えろ」

「後は任せろ。俺があいつを倒す!」

 

「駄目…… アタシが……」

 

「……頼む、銀河にぃの魔力を貸してくれ…… 頼む…… ここで倒れちゃ……ダメなんだ……」

「他の何も犠牲にしても、魔法では1番じゃねぇと駄目なんだ」

「魔法で戦えるようにならねぇと…… 家族のカタキが……」

 

「馬鹿! だったら始めから俺を頼れ! 家族同然なんだら!」

焔に魔力を譲渡する。

 

「……ありがとう ……助かる…… 全力だ! 燃やし尽くしてやるっ!」

焔は立上がり魔物に向かって今までとは違う魔法を唱える。

 

魔物のいる場所の地面から、炎の柱が10本現れ魔物を炎の牢獄の中に閉じ込める。

 

「これで、終わりだぁー」

炎柱の牢獄は徐々に範囲を狭め爆発し、牢獄内は高温で満たされる。

 

魔物を一瞬で焼き尽くし霧散させる。

 

「流石だな、やるじゃないか」

何だかんだで、焔の実力を見る事が出来た。

 

「……なんで、助けたんだよ…… 1人で強くなれるわけねぇってのかよ……」

 

「そうだよ、それを分かって欲しくてな」

 

「……悪かった…… 分かってんだ。本当はさぁ」

「魔法使いの1人の力はたかが知れている…… 生天目や生徒会長は例外だって」

「天才でもなんでもねぇアタシは、エレン達が言うように数を揃えるしかねぇ」

 

「でも…… ずっと1人で訓練してたんだ」

「それが役にたたねぇって言われたら…… むかつくだろうが……」

「で、意地になってんのが今のアタシだ。笑いたきゃ、笑え」

 

「そんな事、無いだろう? 個々の強さもチームプレーもそれぞれが重要だ。無駄じゃないだろう?」

「それに、今後は俺も訓練手伝ってやる。俺もまたまだ力が足りないからな。一緒に頑張ろう」

 

「お前はもう1人じゃない。俺が居るからな」

 

「……銀河にぃ、相変わらず優しいな…… 」

 

「とにかく討伐対象は倒した。学園へ戻ろう」

 

END




いつもお読みいただきありがとうございますm(__)m
オリ主の両親は健在。焔とは親戚と言う設定になっています。

2016/11/4 一部修正完了済み

夏も本格的に始まるので番外編も書けたらいいな~と
思っています。
それでは、次回もよろしくお願いします。
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