私立グリモワール魔法学園~Another story   作:風飛の丘

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独自解釈、独自設定により原作を大切にされている方はご遠慮下さい。主人公はオリ主、不定期投稿、各専門用語については後書きにて補足。
誤字、脱字等ありましたらご了承下さい。

まだ忙しい生活から抜け出せず、梓編を再編集して投稿します。



グリモア第29話 服部 梓編

いつもの様に学園に登校する為、校門前に差し掛かると何となく視線を感じる…‥ 誰かに見られている気がした。

 

「誰だ? 梓か? その辺りに居るんだろう」

居るかいないか? まったく検討がつかなかったが思い切って声に出してみる。

 

「おっと。流石、先輩じゃありませんか! よく気つきましたね」

本当に居るとは思わず、驚いてしまう。

 

「ちょーどいい所で、会えたッスね」

校門前の木の上から飛び降りて来た服部 梓に声を掛けられる。

 

明らかに待ち伏せされていた感じがするが……

服部 梓 年齢14歳 身長152㎝ 体重42㎏ B78 W54 H77

趣味 武器収集 特技 隠密行動

明るく誰とでも仲良くなれる存在だった。

 

「え? やだなぁ。そんな待ち伏せなんてしてもしょうもないですよ?」

「狭い学園ですし、まして登校時間です。偶然に校門前で会うこともありますよ」

 

顔に出てしまったのか? 梓に此方の考えている事を読まれてしまった様だった。流石、忍者だけの事はあるなと感心する。

 

「そして偶然にもですね! 自分の故郷からクエストの依頼が来てまして、これから行かないと行けないッすよ」

 

「え? 梓の故郷ってたしか…… 忍者の里?」

 

「そッスよ。伊賀です」

 

「いやぁ、忍者なら今回の魔物ぐらい楽勝ー! なんですが……」

「色々と重なって、里に戦える者がほとんど居ないんですよ」

「それで、自分に白羽の矢が立ったと言うあれでして……」

「自分の気配に気付いた先輩なら、伊賀の里や忍術に興味ないかなーって思ったんですけど……」

「自分、案内するんで観光がてらクエストに行きませんか?」

 

□□□

森の中

 

……そんな訳であれよあれよと言う間に、今は伊賀の里の近くにある山で、霧の魔物を探している最中だった。

 

「ほいっと。こっち大丈夫ッスよー!」

梓の元気な声が聞こえる。

 

「それにしても、以前より随分と罠の数が多くなったッスねぇ」

梓を先頭にしながら数多くの罠を回避して、森の奥へと進んでいた。

 

「この罠って魔物もそうなですが、甲賀忍者の悪戯対策でもあるんですよ」

「昔から仲が悪くてですねぇ。ちょっかい掛けてくるんですよ」

「そして大抵、誰かが引っ掛かかっているもんなんですがね…… 今日は誰もいないッスねぇ」

「先輩も油断して、引っ掛かからないで下さいよ」

 

怖い事をさらっと言われる。死にはしないだろうけど…… 大怪我はしそうな罠ばかりだった。

 

クエスト対象の魔物を探しながら梓と世間話を続けていた。

 

「……そんな訳で、最近は海外派遣されるのとか多くなったんで、里の戦力が少ないんですよね」

「忍者志望も少なくなったし、色々とやりくりしているんですけどねぇ」

「それで手が足りない時に、自分に依頼が来る訳です」

「基本、外部の力は頼らないですけど、自分なら伊賀忍者なんで問題無いらしく度々、クエストが来るんですよ」

「今回もそれッスね。もし、里の秘密を知ってもナイショにして下さいよ?」

 

それから最近の忍者事情などを教えてもらった。

 

「先輩! そっちの茂みから魔物が来ます」

梓は音で判断したのか? その通り茂みから般若のお面の形をした魔物が1体現れた。

 

「あれぐらい楽勝なんで、見てて下さい」

そう言うと、梓は魔物に向いながら懐から何かを取り出す。

次の瞬間、魔物に向かって黒い玉を数発投げたかと思うと立て続けに爆発する。

 

炸裂弾なのか? 魔物はそのまま霧散していった。

 

「いっちょあがりッス! まずは1匹!」

あと何体かが討伐対象なんで、もちっとお付き合いくださいッス!」

 

「今の黒い玉は? 炸裂弾なのか?」

 

「いやー 自分、忍者ッスから。魔法よりこっちが使いやすいなぁってー」

「自然魔法はとかあんまり得意じゃないんで、攻撃は物理の方が多いですね」

 

「確かに忍者ぽいな」

 

「いやいや、先輩! 自分、忍者ッスから!」

 

□□□

森の奥

「大分、雑魚も片付いて来たッスからもう少しですね」

最初の魔物から5体目を倒しボスを探していたが深い森が邪魔をして見つけられないでいた。

 

「梓、そっちはどうだ?」

手分けして魔物を探していると……

 

「あ! 先輩!」

急に声を掛けられたと思った瞬間、飛ぶ様に突っ込んで来た梓に突き飛ばされる。

 

「痛てて、急にどうしたんだ」

起き上がりながら梓を探すと姿が見当たらない?

 

「先輩~、こっちッス~」

声がする方を見ると地面に穴が空いていた。

中を覗くと穴の中には、沢山の竹槍がありその中に梓が仰向けに倒れていた。

 

「大丈夫か?!」

 

「へ、平気ッス! 何とか竹槍も回避できたみたいッスから……」

梓の状態を見ると、所々 戦闘服が破けて肌が露出していたが上手く竹槍の隙間に落ちていた。

 

更に梓の状況を良く見ると、胸の辺りの戦闘服が破けが酷く…… 膨らみのある胸が破けた所から見え隠れしていた。

 

「ん? 先輩どうしたんッスか? 顔が赤いですよ」

「あ!! あぁぁ 見えているじゃないッスか!」

「先輩のえっち!! 」

 

胸があらわになっている事に気付いた梓は、腕を抱き込む様にして隠し後ろを向く。

すると今度はスパッツが破けていて、お尻が見えていた。

 

「あ、梓…… 後ろも見えてるぞ……」

 

「ひゃゃぁー 先輩、こっち見ないで下さいよ!」

そう言われ急いで、穴から離れる。

 

□□□

 

「いやぁー お恥ずかしい所を見せてすみませんッス」

「もう見ても平気ッスよ」

穴から出て来た梓は、怪我も無さそうで戦闘服もしっかり直っていた。

 

「忍法早着替えの術! なんってね。 先輩どうかしました? もしかして期待してました?」

 

「そんな事は無い!」

 

「しかし、まさかあそこに罠があると思いませんでしたよ」

 

「悪かった。俺の不注意で梓に怪我をさせる所だった」

 

「いやー。 自分も悪かたッス。罠に気づかなかったッスから」

「でも、先輩に裸を見られるとは…… これはもう……」

「美味しい物、おごって貰うしかありませんね! お詫びにクエストが終わったら何でもご馳走して下さいよ」

 

「悪かった。もちろん奢るよ」

見た事は不可抗力だと思ったが、それで許されるなら問題は無いだろう。

 

□□□

森の最深部

 

「んー。ただ手伝ってもらうだけってのもあれですねぇー」

「……そだ! 手伝ってもらえる対価に先輩の質問、なんでもお答えしましょう!」

「ふふふ、どうです? なんでも質問してもいいんですよ?」

「あーちなみに彼氏はいないッス。募集もしていないので、あしからず」

 

「誰もそんな事を聞いてないぞ!」

 

「聞いてないって…… もう少し自分に、興味を示してくれたっていいじゃないッスか?!」

「あ! なら先に在り来たりの質問に答えちゃいますよ」

「好きな食べ物は納豆」

「趣味は武器収集で、特技は隠密行動! 夢は伝説の武器を収集することッス!」

 

「さぁー、これ以外の質問、かもーんッス!」

 

さぁー来いと言われてもな…… 何んだかな…… それじゃ。

 

「何で忍者をしてるんだ?」

 

「なんで忍者しているのか?って…… いきなり核心を突く様な質問をしてきましたねー」

「運命ですかね? 自分、代々忍者の頭領を勤めている家系の人間なんですよ」

「だから決められたレールの上を走らざる得ないんッス」

「それが理由ッスね」

 

「本音を言えば、普通の女の子に憧れもあるんですけどね……」

「さて、お喋りもここまで! 先輩、最後の魔物ッス」

「あれが…… ボスッすね。行きますよ! 掩護射撃よろしくッス」

 

梓は童話に出て来そうな鬼の形をした魔物に近づきながら手裏剣や炸裂玉で攻撃を開始する。

 

自分も掩護でクラビティシェル4個を展開して、各方向から放ち魔物の動きを止める。

 

動きが止まった瞬間、梓の火遁の術? 火の玉の魔法が魔物を包み込む。しかし一撃では、倒せなかったのを確認した梓は、今度は水遁の術? で魔物に水の濁流をぶつける。

自然魔法は不得意じゃなかったのか…‥

 

「梓、避けろ!」

バスターカノンから砲撃を放ち、弱った鬼の魔物をブラックホールの中へ閉じ込め完全消滅させる。

 

「任務完了ッス! 流石は先輩ッス。相変わらず反則技に近い魔法ですね」

 

「梓の様に多様に、武器や魔法使える訳じゃ無いからな」

 

「それでも、十分過ぎる威力じゃないッスか!」

 

「そうだ! 今度、俺に刀の扱い方と体術を教えてくれないか?」

 

「え? 突然ッスね…… まぁ、今回のお礼も兼ねて問題無いッスけど、また何で?」

 

「遠距離はさっき見た通り、何とか攻撃手段はあるんだが近距離が皆無なんだ。そこで何とか役に立てないかと思ってな……」

 

「なるほど、そう言う事なら了解ッス! 任せて下さい!」

「さて、クエストの報告をしに学園に戻りましょう。あと奢りの件、忘れずにッスよ!」

 

□□□

甘味処

 

「いやいや、すみませんねぇ先輩。約束通り奢ってもらえるとは、裸見られた甲斐があったッス!」

 

「……それはどうかと思うぞ」

 

「抹茶ラテ、超絶に上手いッスよ!」

「あーちなみに、おかわりはキャラメルマキアートを希望ッス!」

「さーて、先輩。改めて、お手伝い頂きありがとうございました」

「先輩のおかげで、スムーズに敵を排除することができました」

 

「それは良かった。俺の件も宜しく頼む」

 

「はい、任せて下さい! 後、追加よろしくッス」

技を教えて貰う事もあり希望通り、キャラメルマートを追加で注文する。

 

「ご馳走様でした」

その後、幸せそうに2つも追加して食べきった梓はかなりご満悦の様子だった。

 

「それでは先輩。また明日、学校で。どろん♪」

 

口でどろん♪と言いながら梓は走り去って行った。

 

□□□

学園の裏山

 

後日、梓から刀の使い方を教えて貰う為、人の目が無い裏山に来ていた。

 

「そんじゃ、始めますか!」

梓から木刀を渡され練習を始める。

 

「忍者の刀技ですから、武士と違って戦いがメインでは無いッスから注意して下さい。主に護身用だと考えてもらっていいッス」

確かに持たされた木刀は反りが無く、直線的な細身の木刀で長さも脇差し位の長さだった。

 

それから半日ほど、練習を重ねながら梓と模擬戦をして行った。

 

「だいぶ、上手くなって来ましたね。後は身体強化を上手く生かして、蹴り技もマスターして下さいッス」

 

刀で攻撃を受け流して、蹴りで相手の距離を取るイメージで練習していた。

魔物にも有効だが、対人戦で力を生かせるスタイルでもあった。

 

「こんな所ッすかね? そろそろお仕舞いにしましょう」

 

「ありがとう。かなり勉強になったよ」

 

「いえいえ、それなら良かったです。また今度、奢って下さいね」

 

「分かった。そんな事で良いなら喜んで」

 

「そんじゃ。よろしくッス! どろん♪」

梓は笑顔で走り去って行って行く姿を見送った。

 

さて、問題は刀か…… 少し考えがあるので宍戸に相談する事にした。

 

END

 




いつもお読み頂きありがとうございますm(__)m
忙しい生活から抜け出せず梓編を再編集して投稿しています。
次回は、何とか来週には投稿したいと思っていますので引き続きよろしくお願いします。

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