私立グリモワール魔法学園~Another story   作:風飛の丘

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独自解釈、独自設定により原作を大切にされている方はご遠慮下さい。主人公はオリ主 不定期投稿
各専門用語については後書きにて補足
誤字、脱字等ありましたらご了承下さい。

何とか、投稿出来ましたので、どうぞ。




グリモア第30話 宍戸 結希編

□□□

研究室前

 

宍戸に頼み事があり、研究室の前まで来ていた。

 

「宍戸、居るか? 入るぞ」

何度かインターフォン越しに呼び掛けたが、返事がなかったので勝手に入る事にした。予め連絡はしてあるのだが…‥

部屋の中を見渡すが宍戸の姿は無かった。あまり研究室をウロウロするのも気が引けたが、診察台の方に足を向けると、そこには白衣を着た宍戸が横になっていた。

 

「…‥?!」

 

何故だ…‥ 白衣は羽織ってはいるが…‥ 下着姿が目に飛び込んで来た。

上下、薄い青色の下着姿に細い体があらわに見え、それが儚くも見える…‥ しかも寝ているのか?

目を離せないでいると、突然ベットの方からアラーム音が鳴り驚く。

 

「おはよう。来栖君」

アラーム音で直ぐに起きた宍戸が、いつも通りに話しかけてきた。

 

「な、何で下着姿で寝ているんだ!」

 

「特に問題は無いわ。少し前にシャワーを浴び、そのまま寝たの。そう…‥ 20分は寝たわ」

 

そう言う問題では無いのだが…‥

 

「早く、服を着てくれ。話も出来ない」

宍戸に背を向けそう伝える。

 

宍戸 結希 年齢15歳 身長154㎝ 体重39㎏ B77 W52 H76

趣味 知識の吸収 特技 発明

発明以外の事には、割と無頓着で食事や睡眠すら取らない時がある子だった。

 

「分かったわ。それと私もちょうど話があったの」

 

□□□

着替え終わった宍戸に、改めて考えていた事を話した。

考えと言うのは先日、梓に教えたもらった刀の使い方を生かす方法だった。怜とは違って帯刀する訳では無く、魔法で刀を作れないか? を確認してみたのだった。

 

「来栖君の場合、銃をベースにしないと魔法発動が出来ないからハンドガンの先端から魔力刃を出すイメージね。直刀だし、長さも必要無いからイメージは簡単だと思うわ」

「十分、可能だと思う。但し、訓練はもちろん必要だと思う。試作機として、専用のハンドガンを作ってみるわ」

 

「よろしく頼む」

 

「それで、私の頼みも聞いてもらえるかしら?」

「来栖君にお願いがあったの。クエスト依頼よ」

「今回のクエストは地下。地下鉄網の中を調査に行くわ」

 

「地下?」

 

「そう、地下は人が少なく定期的に魔物の掃除に行く必要性があるの。そうしないと、どんどん地下で増え続けるわ」

「今回は私の権限で、クエストをねじ込んでおいたから安心して」

 

頼みと言うより、確定事項な気がするが銃を作って貰えるなら仕方がない…‥

 

「それじゃ、私の準備は終わってるから来栖君の用意が出来たら連絡して」

 

□□□

地下網

 

「思ったより霧が集まっているわ。この前、払ったばかりなのに…‥」

レーダー装置の様な物を見ながら宍戸は調査していた。

 

「ごめんなさい。戦闘は無いと言ったけれど、思い違いだったわ」

「まだ弱いとは言え、魔物が出現する程度には濃度が高い。とりあえず、状況を確認しながら進んで行きましょう」

 

「了解だ。気をつけて行こう」

 

地下通路を進んで行き、暫くすると前方から宇宙人? エイリアンの様な形をした魔物が現れた。

 

「念の為、私が前衛で前に出るわ。来栖君は後衛で援護よろしく」

そう言うと、宍戸は空中に浮いている球体から光線を出し、一撃で魔物を消滅させる。

 

どうやら空中浮いている球体は魔法で具現化した物で、光線は光属性の魔法のようだった。

そして生まれたばかりの魔物は、宍戸が言う通りまだ弱く援護の必要性が無かった。

 

「予想通りの強さね。このまま探索を続けましょう」

 

□□□

地下通路

数体の魔物と遭遇するものの簡単に倒し、探索を続けていた。

「そう言えば、この学園には問題児が多いでしょう。迷惑を掛けるだけではなくて…‥」

「扱い難い子が多い。必要以上に明るく振舞ったり、行動が極端だったり…‥」

「魔法使いにはよくある事なの。多感な時期に、強力な力を得る」

「それはとても危険な事なの。無理もないと思うけれど 解決しなければならないわ」

 

言われて、思いつく生徒が多数いるのも事実だった。でも個人的には個性がはっきりしていて、良いとも思っていたが実は深刻な問題だったらしい…‥

 

「私は意識的にしようとしたけれど、来栖君は無意識に人を助けている」

 

「そうなのかな…‥」

 

「自覚は無いのは分かってるわ。だから少なくとも私にとっては…‥」

「私にとっては、あなたは希望なの。この機会に伝えておこうと思ってね」

「だから死なないで欲しい。学園にいてちょうだい!」

「あなたが居なくなると…‥ 学園はきっと駄目になるわ」

 

「無駄に死ぬ気は無いよ。勿論、死なない様に慎重に慎重を重ねる」

そこまで、はっきりと言われ凄く嬉しかった。自分が必要とされると言う事が嬉しかったのだ。

 

「だいぶ、奥の方まで来たわ。そろそろ霧が濃くなるエリア。強い魔物が出て来るかもしれないから注意…‥ 前方の通路から巨大な影が見えるわ!」

 

「あれが本体、ボスだな。気合い入れて行こう!」

 

「気合いで強くなるとは思えないけど…‥」

 

「モチベーションの問題だよ!」

非科学的だと言わんばかりに突っ込みが入る。

 

「分かった。あと魔力供給もお願いするわ。全力で魔法を放つから」

 

前方から現れたのは、やはり宇宙人の様な形をした魔物だったが、大きさは通常の3倍ぐらいはあった。

先手で宍戸が球体から光線を放ち、魔物にダメージを与えるが流石に雑魚とは違い、一撃でという訳にはいかなかった。

魔物もお返しとばかりに、口を開いと思った瞬間に光線の様な物をこちらに向けて放って来た。

 

「危ない!」

宍戸を庇う様に身を投げたして、地面を転がる。

 

「大丈夫か?」

 

「ええ、問題はないわ。まさか、遠距離攻撃をして来るとは思わなかったわ。注意しましょう」

「後、そろそろ手を退けてくれるかしら…‥」

 

自分の手を見ると…‥宍戸の胸をしっかり掴んでいた。柔らかい感触が伝わって来る。

 

「ごめん!」

急いで手を退ける。

 

「減る物では無いから。先に、目の前の敵を倒しましょう」

宍戸の言う通り、目の前の敵に集中する。

 

「来栖君、魔力供給をお願い。その後、魔物動きを止めて。私は大きい、一撃を撃つから」

魔力供給した後、クラビティシェルを最大数、撃ち出し魔物に向けて放つ。目標は大きいので簡単に当たり動きを止める。

 

「動きは止めたぞ!」

 

「ありがとう」

宍戸の方を見ると、浮いている球体をさらに2体増やし、4体を出現させていた。

敵を囲む様にそれぞれ球体は飛んで行き、各方向から光線を撃ち込む。それと同時に、銃を取り出した宍戸は魔物に向かって引き金を引く。銃からは細く高密度な魔力光線が放たれ、魔物の体を貫きそのまま霧散していった。

 

「予想より大きい魔物が出て来たら心配したけど、何とか片づいたわ。戻りながら魔物が残って無いか? 確認しながら戻りましょう」

 

□□□

出口付近

 

「これで一通り回ったかしら? 霧も払ったわね」

「今日を開始地点として、また現れ出すまでの時間を計測するわ」

宍戸は携帯端末にデータを入力していく。

 

「帰る前に、私の目標を言っておきたいの。あなたへの信頼の証として」

真剣な眼差しでこちらを見て来る。

 

「魔法は素晴らしい力。突然変異といえ、人類が得た新たなる力」

「魔道科学のお陰で、様々なものが進化したわ。でも…‥」

「扱う人達を不幸にしてしまう。それが魔道科学の発展を妨げる可能性がある」

「私はそれを無くしたい。魔法を人類が進むべき道にしたいの」

「だから、ちゃんとお願いするわ。私に協力して欲しい」

宍戸の熱意が伝わって来た。普段の宍戸からは考えられないぐらいに。

 

「俺が協力出来る限りの事はするよ」

「でも、まぁ…‥ あれは勘弁して欲しいけどな」

宍戸に出会った頃、実験の手伝いで防御システムのテストをさせられたのだが…‥ 自動で打ち出されるレーザー光線が正しく標的を感知するか?とかで、的にさせられた事があったのだ。もちろん当たると痛いので全力で逃げ切ったのだが…‥ 本気で死ぬかと思ったのだった。

 

「あれは、もうしないわ。来栖君のお陰でシステムは完成したし、さっきも言ったけど来栖君の重要性は、あの時より格段に上がってるわ」

 

「なら問題は無いな。そろそろ戻ろう」

 

「今の話は、恥ずかしいから内緒にして。帰ってレポート提出しましょう」

END

 




いつもお読みいただきありがとうございますm(__)m

話のスピードが遅い事に気がつきました。投稿ペースは変わらないと思いますが話自体のペース上げて本編を終了させたいと思います。
これからもよろしくおねがいします。

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