私立グリモワール魔法学園~Another story 作:風飛の丘
各専門用語については後書きにて補足
誤字、脱字等ありましたらご了承下さい。
何とか間に合いました!クリスマス編
恋愛短編1話限定です。
この季節なので、書いて見たいと思い…… 勢いだけで書いてありますm(__)m
グリモア 番外1 クリスマス2015 編
朝起きて、呼吸すると息が白かった。窓から外を見ると昨晩、降り続いた雪で外は白銀の世界になっていた。
「今日はホワイトクリスマスか~」
12月24日
今日の予定は、お昼過ぎまでは皆で食堂に集まりクリスマスパーティーをする事になっているが、午後からは市内のファミレスの店長に呼ばれていているので、そちらに向かう予定だ。
以前、助けたお礼をそろそろしたいと申し出があり、無下に断る訳にも行かず、午後からの予定を空けているのだった。
さて、準備をして食堂に向かうか。
食堂に着くと、すでに沢山の人達が集まって居た。
クリスマス飾り、お菓子や料理やらがところ狭し並んでいる。流石、学園女性比率が高いだけの事はある。女子力の高さは半端ない。
食堂でのパーティーは、皆で騒いだりプレゼント交換したりと大いに盛りあがった。
そろそろ時間だな……
タイミングを見て、こっそり抜けだし市内へ向かう。
そうでもしないと、ずっとパーティー会場から抜け出せない気がしたのだった。
□□□
風飛市内
街並みはクリスマス一色で飾られ、いつもとは違い華やかで楽しい雰囲気を感じる。
復興が早いな? 魔物に壊された場所も見当たらない。こんな出来事に風飛市の人達は慣れているかな?
辺りに気をとられている内に、ファミレスの前まで来ていた。
扉を開け中に入ると
「いらっしゃいませ~ ようこそ……」
「ひゃわぁ!? な、なんで先輩が来るんですか!」
「え?」
「あ! そうじゃなくて突然でしたし、嬉しくてちょっとびっくりしちゃいましたよ」
ここでアルバイトしている桃世ももがいた。
一瞬、来ては行けないのか? 嫌われてるのか? 思ってしまったが…… 良かった。
「今日は店長に呼ばれて来たんだ。居るかな?」
「え?」
「わたし、何も聞いてないですよ? ちょっと店長に聞いて来るので、どうぞこちらにお座りになってください」
テーブル席を案内され、店長が来るのを待つ事にした。
すぐにももが、店長を連れて戻って来た。
「やぁ、こんにちは。よく来てくれたね」
「今日はあの時、助けてくれたお礼をしたくて、忙しい日に悪かったね。でも今日しか渡せない物もあるから」
「いえいえ、大した用事もないので大丈夫です」
あの事件の事を店長と話しながら、改めてお礼を言われる。そしてお礼の話しになりプレゼントを渡される。
「大きな箱ですが、中身を聞いても良いですか?」
「ああ構わんよ。中身は一羽丸ごとのローストチキンだよ、後で食べてくれ」
クリスマスらしいプレゼントをもらい礼を言う。
「さて、後は…… ももちゃん、今日の勤務はそろそろ終りだね。少し早いがもう上がっていいよ」
「え? いいんですか? これから忙がしくなるのに……」
「店長命令だ! 早く銀河君と一緒に、遊びに行くといい」
「て、店長。なにを言ってるんですか…… 先輩に迷惑が……」
その後、店長ともものやりとりは続いた……
先輩とはまだそんな関係ではないとか、勤務時間はかなり残っているとか……
結局、ももが根負けして一緒に帰る事になったのだ。
店長は笑いながら、してやったりと! サムズアップをしてくる。
どうやら店長の本当のプレゼントはこれのようだった。
ファミレスのバイト衣装から、いつもの制服姿に紺色のダッフルコート着たももが現れた。
「お待たせいたしましたぁ~ では、ご一緒しましょう」
「あ、そうだ。ちょっとそこのブティックを覗いてもいいですか?」
夕暮れまでは、まだ時間もあるので問題ない事を伝える。
服やアクセアリー、時計など色々と店を回って見ることにした。
「先輩、どこへ行っても彼氏彼女の組合せばかりですね」
「うん、流石はクリスマスだ! 普段より人も多いね」
「私たちも端から見たらそう見えますかね?」
「うーん、親子には見えないと思うよ」
「えええぇ、何ですかそれは…… もぉーいいです!」
ももをからかいながら店を見て回ったお陰か? 気兼ねなく、ウィンドウショッピングを楽しんだ気がする。
ももと一緒だからかな?
□□□
市内カフェ店内
だいぶ歩いたので少し休憩することにして、喫茶店でコーヒーと紅茶を頼み、まったりとしていた。
「はふぅ~ いやいや、久々にウィンドウショッピングを楽しみましたよ」
「今日はお付き合い、いただいてありがとうございます」
「どういたしまして、楽しんでもらえたなら一緒にまわった甲斐があるよ」
他愛もない会話をしながら突然、ももは顔を赤くしながら聞いてくる。
「そ、そういえば、先輩は彼女とか気になる女の子とかいるんですか?」
「え? うーん。そうだね……」
「学園にいる皆は可愛いよ。ももを含めてね! みんな魅力的だよ」
さらに顔を赤くした、ももは言う。
「なんか上手く誤魔化された気がしますが、いいです!」
「可愛いと言ってくれたので……」
下を向いて照れている姿は、本当に可愛いと思いながら袋を取り出す。
「そういえば、それ何を買ったんですか?」
「うん、これはももへのクリスマスプレゼント」
「メリークリスマス!」
袋から小さな箱を取り出して渡す。
「あ、ありがとうございます! 開けてもいいですか?」
「どうぞ、大した物でも無いけど」
「いえいえ、先輩からもらえるならどんな物でも嬉しいですよ」
包み紙を丁寧に剥がして箱を開けると、中から腕時計が出てくる。
さっき時計屋の前でももがずっと見ていた商品で、フォリフォ○のエレガントなピンク色の時計だ。大きく刻まれた英数文字に4つのクリスタルガラスがあしらわれている。ちょっと大人向けの時計をこそっり購入していたのだ。
「え、先輩、これ高いですよ。確かに欲しいと思っていましたけど……」
「うん、さっきずっと見てたからそうだと思って、値段は気にしなくて良いよ。これでもクエストの数はかなり多いからね」
他の人より、多くクエストを受けているのでお金は持っている方だと思うが、使い道が余り無いのも事実だった。
考えると悲しくなるので、それ以上は考えるのを止める。
「うーん…… 分かりました! お言葉に甘えさせていただきます」
「いつもバイト、バイトで時間を気にしていると思うから役に立つと思う。その時計で、時間を見たら俺の事も思い出して欲しい」
「えええっ それってどういう意味で……」
笑いながら、冗談だよと伝える。ももをからかうのは本当に楽しいなぁ。
さて、時刻は18時を回ったところでこの後どうするか?聞いてみる。
「そうですね…… もう一軒、お店に行きたいです。買い物したいです」
「了解~ じゃ、行こうか」
店の場所は近くにあり、すぐに到着する。
「すぐ終わるので、先輩は待っててもらえますか?」
そう言われ外でクリスマスの雰囲気を楽しみながら待つ。
10分ほどで、ももは紙袋をもって出てきた。
「すみません、お待たせしちゃって」
「先輩! これをプレゼントします!」
手に持っていた紙袋を渡される。
「気にしなくても良かったのに、でもありがたくもらうよ」
「開けて、着けて下さい」
紙袋を開けると中からは、赤い毛糸の手袋が出てくる。
「寒くなって来ましたし、実用性は抜群です!」
「値段がつりあわなくてすみませんが…… 気に入ってもらえると嬉しいです」
「ありがとう、とても嬉しいよ」
値段よりも自分の為に、用意してもらえた事が嬉しい事を伝える。
「せ、せ、先輩! 1つお願いがあります! いいですか」
「うん? なんでもこい!」
ももは、もう1つ持っていた紙袋から手袋と同じ色のマフラーを取り出す。
「こ、これを一緒に巻いて、歩いてもらえませんか!」
「いっちゃいました! でもやっばり何でもないです」
マフラーをよく見ると、通常の物より長めになっているタイプだった。
やっぱり何でもないと言われてもな…… そこまで言われて断る訳にも行かない。
「うん! 一緒にマフラーを巻いて歩こうか!」
顔を赤くしながら、ももは自分と俺にマフラーを巻いていく。
マフラー自体は長いが、離れて歩く程は長く無いので必然的に寄り添うような形で歩く。
ももの体温が伝わって来る様な気がする……
「先輩ありがとうございます。帰り道の近くに大きな広場があって、そこにはすごく大きなクリスマスツリーがあるんですよ! 最後に見てから帰りましょう」
□□□
広場
広場に着くと、大きなクリスマスツリーが赤、青、黄色、緑など様々な光で輝いている。
「綺麗だね」
「はい、とても綺麗ですよね。一緒に見れて良かった」
周りを見ると、どこもカップルだらけな気がする。
そんな時、近くを通った人達の話が聞こえてくる。
このクリスマスツリーを一緒に見た2人は、幸せなカップルになると言う都市伝説があると言う。
「ももは知ってた? そんな話があるの?」
「さぁ~ は、は、初めて聞きました」
動揺がミエミエなので、絶対に嘘だなと思ったが敢えて何も言わない事にしよう。
でも、そんなももがとても可愛いと思う。いつも明るく元気で、その元気にいつも励まされている気がする。
本当にいい子だよな~ 気を張らずにいられるし……
「そろそろ、時間も遅くなって来たから帰ろうか」
そう言いながら、ももの手を握る。
「え! 先輩…… 手温かいですね」
ちょっと驚いたようだけど、素直に握り返してくれた。
「行こうか」
2人で寄り添い手を繋ぎながら学園への道を辿る。
2人で他愛もない話をしながら歩いていると、いつの間にか学園が見えて来た。
「もうすぐ、この楽しい時間も終りますね」
「そうだね。流石にこのまま敷地入ると風紀委員が飛んで来て、不純異性交遊だ! って言われそうだよ」
「あはは、ありそうで恐いですよ」
この坂を登れば、もう着いてしまうのか……
そう思うと突然、寂しさが込み上げて来る。
「あ!!」
日が暮れて、路面が凍っていたのか? 考え事をしていた事もあり、足を滑らせて転んでしまった。
マフラーと手が繋がっていたので、ももを巻き込んで派手に転んでしまった。
「!!」
ももが自分の上に覆いかぶさり、そのまま抱きしめていた。
そして転んだ勢いで、口と口が重なる…… キスしてしまった……
その状態で、どれだけ時間がたったのかも分からないが…… ももの体温が伝わって来る。
ももが先に起き上がり、顔を真っ赤にしながら言う。
「先輩、強引ですね」
「じ、事故だよ。わざとではない……」
ももは笑顔で照れながら
「最後に嬉しい、プレゼントを頂きました!」
と言いマフラーを外して、学園に向かって走り出す。
突然の出来事で呆然としている内にももは、どんどん見えなくなって行った。
見えなくなってから考えていた事があった。
2人で買い物して、お喋りして、ツリー見て、手を繋いで…… すごく楽しかった。
笑顔が可愛いくて、照れ屋で優しい心の持ち主に惹かれている自分がいると……
後でメールでもしよう。
空を見上げると、小さな雪が舞い落ちてきた。
END
前書きで話した通り、勢いだけで書いてしまいました。
今回のヒロインは彼女に任せました。
来年は誰にしようかな~
その前に、その時まで書いているのか!分かりませんが、本編の方も頑張って行きたいと思いますのでよろしくお願いしますm(__)m
2016/11/4 一部加筆、修正済み