私立グリモワール魔法学園~Another story   作:風飛の丘

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独自解釈、独自設定により原作を大切にされている方はご遠慮下さい。主人公はオリ主 不定期投稿
各専門用語については後書きにて補足
誤字、脱字等ありましたらご了承下さい。

遅れて完成しました!
こちらをお読みいただく前にtype 'A' を先に読んで下さい。話の内容が交差します。

では、どうぞ~



グリモア 番外4 March 14th is White Day 'B'

カーテンの隙間から太陽の光が差し込み始め、眩しくて目が覚めてしまった。

 

「うーん…… まだ眠い…… 4時ぐらいに寝たような気がするよ……」

 

「は! 智花、ファイト!」

 

自分を励ましながら眠い目を擦り、朝の身支度を始める。

鏡を見ながら髪をとかしていると…… 昨晩の寝不足が仇となり、目の下にくまが出来ている。

 

こんな顔、銀河君に見せられないな…… ファンデーションで誤魔化せるかな?

 

今日は3月14日 ホワイトデー

 

先月、銀河君にチョコレートを渡し、告白するつもりが言えずにチョコレートだけ渡してしまったのは、今でも後悔している。

 

「銀河君、優しいからお返しは貰えると思うけど……」

銀河君から貰えるなら何でも嬉しいんだけどな~

ちょっと期待している自分がいる。

 

朝の身支度を済ませ、学園に登校すると教室前の廊下で大きなリュックサックを背負った銀河君を見つけた。

 

あ!思わず隠れてしまった…… 廊下の曲がり角からこっそり銀河君を見ると…… 萌木ちゃんと楽しそうに話している!

あれ? いつの間に…… 萌木ちゃんと仲が良くなったんだろう…… あ! リュックから小さな箱を取り出して渡している。

 

「えええ! 銀河君…… 萌木ちゃんに渡すんだ…… いいな」

 

その後も気になるので、隠れて後をつけてしまうが後悔してしまった。

あの大きなリュックサックには沢山のプレゼント? お返し物が入っていて、次々に女の子達に渡していく。

 

「夏海ちゃんから沢山の貰ってたと聞かされていたけどあんなに……」

 

「何? 智花、呼んだ?」

後ろを振り向くと、いつの間にか夏海ちゃんがいた。

 

「て言うか、智花は何やってるの? そんな所でコソコソと…… 成る程ね~」

「智花、気をつけなさいよ! ストーカーと間違われるから!」

と言って夏海ちゃんは何処かに行ってしまった。

 

「夏海ちゃんにだけは、言われたくないよ……」

 

そんな調子で昼休みにも銀河君はプレゼントを渡していた。

 

「はぁ~ あんなに沢山…… 私から貰ったのも忘れてしまってるかもしれないな……」

 

放課後になるまで、色々考えてしまい疲れてしまった。

 

「駄目だな~ こんな時は体を動かさないと!」

 

部活でおもいっきり走ろう! 考えると嫌な事ばかり考えてしまいそうだ。

 

全力で走り汗を流す! まだまだ足りない!

もう少し走ろうとすると、遠くに銀河君が見える。

あ! 手を振ってくれている。なんだかそれだけで嬉しくなってしまう。

 

「どうしたんだろう…… あ! 痛ったた……」

気を取られ、足を絡めて転んでしまった。

すごく恥ずかしい……

 

部活が終わり銀河君の所に駆け寄る。

「あははは みっともない所を見せちゃったね」

 

「そんな事は無いけど大丈夫?」

 

「うん、怪我とかもしてないから! それでどうしたんですか?」

 

「あ、うん…… この後、少し時間があれば市内の方に一緒に出掛けないかなと思って……」

 

「うんうん、大丈夫です! 急いで着替えて来るから待って下さい」

急いで部室の方へ戻り着替える。

 

 

□□□

風飛市内

 

部活終わってから来たので時間的には、もう夕暮れになっていた。しかし風飛の街はバレンタインDayの時も思ったけだけど、街総出でホワイトDayの飾り付けがしてある。いつも賑やかでそんな雰囲気が好きだった。

 

「いつも通りだけどカラオケ行ってその後、ゲームセンターに寄って見よう」

 

「はい、確かにいつも通りてすね 銀河君と一緒ならどこでも……」

 

「うん?」

 

「な、なんでも無いです! 早く行きましょう」

 

たまに息抜きを兼ねて銀河君と来たり、夏海ちゃんや怜ちゃん、自由ちゃん達と一緒に来る事がある。定番のコースだった。

 

二人でカラオケで熱唱して、ゲームセンターでは音ゲーなどでおもっきり楽しんだ。

 

「楽しかったね~ 夕飯時だし、ちょっと食べていこう」

 

銀河君について行くと、フレンチのレストランを案内される。

 

「け、結構高そうな所じゃないですか? ここにするんですか?」

 

「外観と中は立派だけどそうでも無いよ。ドレスコートとか必要無いし、料理の価格も高く無いから安心して」

 

「本当、お洒落な雰囲気のお店ですね しかも値段も手頃……穴場ですね」

 

「気にいってくれて良かった」

 

「ふ、普段は誰と一緒に来てるんですか?」

気になって聞いてしまった……

 

「え! 誰とも来てないよ。たまたま見つけただけだから!」

 

「それならいいんですけど……」

本当は誰かと来てるんだうろな……嫌な子だ私は……

 

その後も二人で軽く食事をしながら世間話をしていく。

 

「美味しかったです! 私ももっと料理頑張らないと!」

銀河君が喜んでもらえる料理を沢山作りたいなと思った。

 

「会計はいいよ。バレンタインのお返しと言うことで奢るから」

 

「え?…… 」

そう言えば、私は何も貰えてない…… みんなは何か貰っていたようだけど……

 

「気にしないでいいよ。本当、気持ちだから」

 

「はい…… お言葉に甘えさせてもらいます」

銀河君、優しいから気をつかってもらえるだけましかな…… でもわがままを言えるなら…… 何か形のある物が欲しかった。贅沢だとは分かっているけど……

 

銀河君がこちらを見て、何か考えている様だけどわたし顔に出てた?

 

銀河君が会計の支払いを済ませ聞いてくる。

 

「暗くなって来たね。まだ時間大丈夫?」

 

「大丈夫です」

 

「ちょっとついて来て欲しい所があるんだ」

 

銀河君に街の中心にある展望台まで連れて来られる。

 

展望台といっても、どちらかと言うと防災センターに近い。戦国時代の城壁様な物と屋敷、そして場違いな塔が中に建っている。

緊急時、魔物に襲われた時の避難場所になっていて、普段は公共施設としてコンサート会場になったり、展望台として使われている。

 

展望台は平日で夜になりかけている為、貸し切り状態だった。

 

「ん~っ! 気持ちいいですよね。展望台の風は」

ちょっと肌寒い風が今の自分には心地良い。

 

「銀河君 こっちこっち、見て! 綺麗だよ」

 

展望には上下2枚張りの窓があり、上の窓には春をイメージした桜が映像として写しだされ、下の窓からは現実の夜景が見える仕組みになっていた。

 

もうすぐ春の季節がやってくる。

 

「……あ、ごめんなさい 私だけ、はしゃいじゃって……」

 

「駄目ですね、怜ちゃんや夏海ちゃんにもよく言われます もうちょと落ち着けって!」

 

「俺は普段から元気があって良いと思うけどな」

 

「えへ、そうですか~」

 

「うんうん、普段通りの智花だよ」

 

「私、思うんです 普段? 普通ってすごい事ですよね?」

 

「勉強とか部活とか友達と笑いあったりとか、す、好きな人ができたりとか!」

 

「そういうのって当たり前じゃなくて、色々な偶然が重なって出来ていると思うんです!」

 

「私たち魔法使いだから……」

 

「私は魔法使いに覚醒した時、すごく不安でした」

 

「もう普通の学生生活を送れないのかと……」

 

「そう思ったから余計に嬉しいです! だって今すごく充実しているから」

 

「魔物は怖いし、訓練は大変だし、楽しい事ばかりじゃなけですけど……」

 

「なので、一日一日を大切にしなくちゃって思うんです」

 

「卒業したら自分達がどうなるか? 想像がつかないですけど……」

 

「きっとつらいことも多いから、それに負けないくらいの思い出を作りたいです!」

 

「怜ちゃんや夏海ちゃんと…… 銀河君とそしてみんなと……」

 

「このまま時が止まって欲しいぐらいです」

 

「な、なんか、らしくなかったですかね? あはは……」

 

「そんな事は無いよ。智花は色々と考えているんだね」

 

「俺もこれからも智花と一緒に、楽しい想い出を作っていきたい。好きだ! 俺の彼女になって欲しい!」

 

え! 何? 銀河君に私、告白されているの?

私でいいのかな?

でもこんなチャンスは二度と無いはず! バレンタインの時に言えなかった気持ちを今、ここで伝えないと…… また後悔する!

 

銀河君を見つめながら

「わ、私もバレンタインの時に、言い出せなかったけど銀河君の事が好きです」

 

言ってしまった!どうしよう……

 

すると銀河君が急に抱き締めてくる。

あ! キス……されてしまった。でもすごく嬉しい。

恥ずかしいから目を閉じて銀河君の想いに答える。

 

突然、意識が遠くなって来る……

あれ? ここはどこ? 暗くて良く分からないけど、私は倒れているの?

遠くで、夏海ちゃんや怜ちゃんの声が聞こえる気がする。

「智花! しっかりして…… 死んじゃ駄目……」

あれ? 私、死んじゃうのかな? 死ぬ前に彼と一緒に、もっと楽しい想い出をたくさん作りたかったな……

 

 

……?! 急に目から涙が流れているのを感じた。

今のは何だったんだろう? 夢かな? 良く思い出せないし……

 

「ごめん 嫌だった?」

 

「ううん 違うの…… キスしたらすごく心の奥からこみ上がる感情があって…… 嬉し泣きかな? ……大丈夫です」

 

「それなら良かった、いきなりキスして初日から嫌われてしまったのかと心配したよ」

 

「あははは、そんな事は無いですよ~ だって銀河君が入学してきて、一緒にクエスト受けた時ぐらいから銀河君の事を好きだったから」

 

「そんな前からか~ もっと早く告白すれば良かったな」

 

「そうだ、これを……」

綺麗にラッピングされた小さな長方形の箱を渡される。

 

「バレンタインに貰ったチョコのお返し」

 

「あ、ありがとうございます!」

嬉しい過ぎて、跳び跳ねてしまいそうになる。

だって貰えないと思っていた分の反動で……

 

「開けて見て」

 

「うん!」

丁寧にラッピングを剥がすと、箱の中からはシルバーのネックレスを現れる。

 

「可愛いい~ ハート型です すごく嬉しいです! 大切にします」

 

「智花にお願いがあるんだ。いいかな?」

 

「はい なんでしょうか? 銀河君のお願いなら何でも聞いちゃいます」

 

「俺に敬語はいらないよ。夏海達と話す時みたいに……」

 

「頑張ってみます!」

「あ、頑張ってみる!」

 

 

「そろそろ門限の時間が来る、学園に帰ろう」

銀河君が手を差し出しくれる。

 

この大きくて暖かい手を離さず、ずっと一緒に過ごして行きたいと願った。

END




いつもお読みいただき、ありがとうございますm(__)m
まさか、文章を考えている内に寝落ちしてしまうとは……

さて、いつも通り番外編なので色々と作風を試しています。今回はオリ主と智花の視点変更の交差になります
楽しんで頂けたら幸いです。
また、次回も色々と試して見たいと思っています。

2016/11/4 一部加筆、修正済み

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