私立グリモワール魔法学園~Another story   作:風飛の丘

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独自解釈、独自設定により原作を大切にされている方はご遠慮下さい。番外編も不定期投稿しています。
誤字、脱字等ありましたらご了承下さい。

夏物として、タイトル通り花火大会を背景に恋物語を1話短編恋物として投稿します。

番外編は恋物しか無いですが…… 番外編は5月以来の投稿です。

今回は彼女に頑張ってもらいました。
では、どうぞ~



グリモア 番外7 花火大会 編

「……よし、行くか!」

 

「エミリア、ちょっといいか?」

 

「はい、大丈夫です。何かご用意でしたか?」

 

「今週末、隣街の花火大会を俺と一緒に見に行かないか?」

勇気を出してエミリアを誘う。

 

「……2人で? と言う事でしょうか?」

 

「う、うん。そうだよ」

 

「……分かりました。お誘いありがとうございます」

「御一緒させて頂きます」

 

「良かった! 待ち合わせの時間は、後でデバイスに送るから!」

 

「それじゃ、またあとで!」

 

以前から想いを寄せていたエミリアを誘う事が出来た。後は花火大会中にタイミングを見て、告白出来れば……

時間はあるようで無い! 急いで部屋に戻り、下調べをしなければならない。

 

部屋に戻り、さっそくデバイスを使い情報収集を開始だ!

まずは駅からの道順…… ルート確保が重要だ。

後は…… 休憩スポットにトイレの位置、夜店の位置…… そしてビューポイントの場所だな。海の見える公園がいいかな……

彼女をエスコートする為には、これぐらいの事前準備は必要だろう。場合によっては、現地の下見も必要だ。

 

後は彼女に喜んでもらえそうな服装は…… 甚平しかないな! 花火大会にはもってこいの服装だ。

 

いつもの討伐クエストより、念入りの下調べになってしまったが気がするが…… 問題ないだろう

 

花火大会、当日まで下調べは続くのだった……

 

□□□

花火大会 当日

 

「お待たせしました。今日は2人きりなので、敬語は無しにしますね」

 

「なんといっても脱敬語! 男子1号君ですからね」

以前、エミリアと2人でドーナッツを食べた時に、気兼ね無く話せると言うことで言われた言葉だった。

実はその頃からエミリアを意識し始めていたのだ。

 

「もちろん、2人の時は敬語は不要だよ」

「エミリア、その浴衣に凄く似合ってる」

 

「……あ、ありがとう。あやせさんに、花火の話をしたら是非にと…… 浴衣を貸してくれて、着付けまでしてくれました」

 

あやせ、グッジョブ! そして…… 後日、噂になるんだろうな……

 

「それじゃ、会場に行こうか」

 

「はい、楽しみです。日本の花火を見るのは、初めてなんですよ」

 

「なら期待してて、凄い花火見れると思うから」

何気ない会話を楽しみながら会場に足を向ける。

 

「履き慣れない草履だから、足痛くなったら言って」

彼女は歩き難そうな感じだったので、歩く速度を彼女に合わせる。

 

「はい、心配してくれてありがとう。銀河君はいつも優しいね」

 

「そんな事は無いよ。花火まで時間があるから先に屋台でも見て行こう」

 

「はい、しかし人の数が凄いね。会場に近付くにつれてどんどん増えてますよ」

 

確かに彼女の言う通り、混雑が始まったようだった。

 

「エミリア、どうぞ」

恭しく礼をし、手を差し出し彼女をエスコートす旨を伝える。

 

「では、お願いします」

顔を赤くしながら彼女は、手をつないでくれた。

 

彼女が人にぶつからない様に、少し前に出で一緒に歩く。

 

手の平から彼女の温もりが伝わって来る。

 

「銀河君! 凄いです! いっばいお店が並んでますよ」

彼女は屋台の列に感動しているようだった。

 

「沢山、屋台があるからこの機会に色々見てみようか」

彼女の手を引き、屋台を見て回る。

 

「銀河君、あれは? イギリスのガイ・フォークス・デーでよく見かけるtoffee appel(りんご飴)似ていますが……」

 

「ちょっと待ってて、すぐに戻るから」

リンゴ飴の屋台に行き2人分を購入して来る。

 

「はい、どうぞ。食べて見て」

 

「ありがとう。でもこのまま立ったまま、食べるのですか?」

「行儀悪い様な気がして……」

 

「それは、日本の文化だと思って試して見ればいいよ」

 

「では…… 甘い…… そしてリンゴの酸味と凄く合います! イギリスのとは、また違いますね」

「でもまさか日本のこんな場所で、イギリスと同じ食べ物があるなんて驚きました」

 

流石に歩きながら食べるのは止めて、次の目指す屋台を探す。

彼女にはこの機会に色々と見て欲しくて、買う買わないは別として色々と屋台を見てまわる事にしていた。

射的、わたあめ、お面、金魚すくなど見てまわり2人で楽しんだ。

 

「凄く楽しかったですし、勉強になりました」

「日本の特有の文化を感じる事も出来ましたよ」

 

「そっか、なら連れて来た甲斐があった」

 

「そろそろ、花火が始まる時間だから場所を確保しよう」

 

「はい」

 

事前に調べていたポイントに移動し、花火が始まるのを2人で待つ。

 

「そろそろ時間だよ」

海の方から花火の上がる音が聞こえたと思ったら、夜空に1発の花火が広がる。そして連続で花火が上り始まる。

 

「うわぁ~ 凄い。綺麗です」

日本の花火を初めて見た彼女は空を見上げ続ける。

 

そんな彼女の横顔を見て改めて思う。

やっぱりエミリアは綺麗だな…… ちょっと天然ぽい所も好きだし…… 何とか告白しなければ……

 

「銀河君? どうしたの? 私の顔に何か付いてる?」

「ずっと私の方見てるから……」

顔を赤くしながら照れた様子で言われる。

 

「な、なんでも無いよ! それよりあれ! あれが大柳だよ」

 

「え? あ! 本当に柳の形しているんですね」

 

危ない、危ない、何とか誤魔化せた。

その後は時折、横目で彼女を見ながら花火を楽しんだ。

 

「最後はスターマインだよ」

仕掛け花火が始り、花火の最後を飾る。

 

「ふぅ、花火に見とれてしまいました」

「あっと言う間でした。凄く綺麗でした!」

 

「うんうん」

エミリアの方が綺麗だよ、などとは言えないが……

 

「皆、一斉に帰り始めているから、この公園で散歩しながら人混みが落ち着いたら帰ろう」

彼女の手を取り、2人で夜の公園を散歩する。

 

「あっちに見える明かりが、風飛市のある方ですよね?」

 

「そうだよ」

風飛市の街明かりが海に映り込んでいた。

 

「エミリア……」

 

「はい?」

 

「今日は楽しかった。来年も再来年もずっと俺と一緒に見に来て欲しい」

 

「え?……」

 

「優しくて、がんばり屋のエミリアが好きです」

 

 

「でも…… 私は……」

 

「……私は、ご存知の通り留学生です。卒業と同時に故郷に帰らないと行けないです。いつかは離ればなれになるんですよ?」

 

「そんな私でも良いのですか? 日本の文化や習慣もまだまだ勉強不足です…… 魔法使いとしても、まだまだ半人前。そんな私ですよ?」

 

「それは気にしないし、何とかなる…… 付き合って欲しい」

 

「でも…… ごめんなさい……」

 

エミリアに断られてしまった。

 

「……帰りましょう」

彼女はそう言うと、駅に向かって歩き出す。

そんな彼女の後ろ姿を見ながら諦められずにいた。

 

「いたぁ……」

彼女は急にしゃがみ込んでしまった。

 

「どうした? 大丈夫か?」

急いで駆け寄り、彼女を見ると足の指から血が出ていた。どうやら履き慣れない草履で、歩き過ぎたようだった。

 

「かなり酷いな…… あれほど足痛くなったら言って欲しいと……」

 

「銀河君に心配掛けたく無かったし、経験した事のない事ばかりで、楽しくてつい無理しちゃった…… 心配掛けてごめんなさい」

 

「いいよ、それなら仕方がない」

 

彼女の前でしゃがみ、背中を差し出す。

 

「ほら、背負うから乗って。痛くて歩けないでしょ」

 

「え、え、でも……」

 

「これぐらいはさせて、最後までエスコートするよ」

 

「では…… お願いします」

彼女を背負い駅を目指す。

 

「重くないですか? 最近、ふ、太ったかも…… 何でもないです!」

 

「そんな事はないし、日頃から鍛練してるから平気だよ」

それより浴衣の生地が薄いので、背中に彼女の胸の柔らかさと温もりを感じる。こっちの方が問題だった。

 

「やっぱり銀河君は優しいね。歓談部の皆も言ってるよ」

「銀河君の話をしてる時の皆の顔、すごく素敵で……」

「笑顔が絶えないと言うか…… 」

彼女は言いかけて言葉を止める。

 

「うん? そうなのか?」

人の居ない所で皆、何を言っているのか気になるが……

先にもう1度、自分の気持ちを伝えないと。

 

彼女を背負ったまま言う。

「エミリア…… やっぱり君の事を諦められない」

「帰国の事を考えても…… それでもエミリアの事が好きだ」

 

「…………」

 

「イギリスと日本の懸け橋になりたいと言う。エミリアの手伝いを一緒に出来たらいいなと思ってる」

 

「……」

 

「……もぉ! 分かりました。そこまで言われたら、ブルームフィールドの名にかけて、覚悟を決めます!」

(歓談部の皆には悪いけど…… 銀河君って人気者だからな…… 他の人にも悪い気がするけど……)

 

「うん? 覚悟?」

 

「銀河君は同じ転校性で、私より後から入学して来たのに、もう皆の輪の中にいるじゃないですか! 私なんか…… まだ歓談部の皆ぐらいしか、話できていないのに……」

 

「それで銀河君の事が気になって…… 一緒にクエストして、食事していつの間にか好きになっていました」

 

「私も前から、銀河君の事が好きでした!」

 

「まだまだ、日本の事や色々な人と話をして見たいので、一緒に懸け橋になって下さい」

 

「良かった…… 駄目かと思った。でもそれなら初めからOKしてくれれば良かったのに……」

安堵して彼女に思わず、愚痴をこぼしてしまう。

 

「女心は色々あるんですよ」

明日から歓談部や皆には何て言おうかな……

 

「そうだ! さっそく懸け橋になってもらいますね」

 

「ちょっと降ろして下さい」

「せっかく浴衣と甚平を着てるんですから、一緒に写真撮りましょう」

 

「え? 問題ないないけど」

 

デバイスのカメラ機能を使い2人で並んで写真を撮る。

 

「これで…… こうして、良し!」

彼女は何やらデバイスを操作している。

 

「イギリスにいる親友に写真を送りました。彼氏が出来ましたと。コーディ、驚いてくれるかな?」

 

「そう言う事か」

彼女と一緒に、これから小さい事からでも懸け橋になれればいいな。

 

「楽しかったけどそろそろ帰ろう。門限には間に合うと思うけど……」

再び、彼女を背負い帰路に着く。

 

END




いつもお読みいただきありがとうございますm(__)m

登場人物
エミリア・ブルームフィールド
17歳 身長159㎝ 体重51㎏ B84 W56 H85
特技 剣術 趣味 乗馬

ガイ・フォークス・デイとはイギリスの古くからある収穫祭の事。

toffee apple=タフィーアップル
リンゴ飴 イギリスの呼び方
フランスではポム、ダムールと呼び直訳すると【愛のリンゴ】と言う意味で登場させました。


夏!なので海か山かプールか!
とか考えましたが花火になりました。
次も何かイベント、季節の際は投稿出来たらいいなと思っていますので、その時にまたよろしくお願いします。

2016/11/5日 一部修正完了済み
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