私立グリモワール魔法学園~Another story   作:風飛の丘

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独自解釈、独自設定により原作を大切にされている方はご遠慮下さい。主人公はオリ主、不定期投稿、各専門用語については後書きにて補足。
誤字、脱字等ありましたらご了承下さい。

多忙で投稿が出来ていませんでした! 久々なので練習も兼ねて、番外編を投稿します。
短めですがどうぞ~ 今回は彼女に決めました!



グリモア 番外13 Rain goots 編

夏だ! 海だ! 山だ! そして梅雨だ!!

……と言う訳で、夏はすぐそこまで来ているが、梅雨に入り毎日が雨で憂鬱だった…… そんな中、憂鬱を吹き飛ばす出来事が舞い降りて来た。それは、週末に想いを寄せている彼女と買い物に出掛ける事になっていたのだった。

 

□□□

学園の廊下

 

「来栖君、ちょっといいかな? 週末、買い物に付き合って欲しいんだけど空いてる? 別に荷物係をしてとは言わないからさぁ。どう? 駄目かな?」

 

誘って来たのはクラス委員長であり、保健委員の椎名ゆかりだった。

17歳 身長161㎝ 体重55㎏ B89 W60 H92 趣味 読書

特技 応急手当

いつも明るく、面倒見の良いお姉さん的な感じの彼女だった。

 

「せっかくのお誘いだし、行かせてもらうよ」

想いを寄せている彼女のお誘いを断る理由は、まったくなかった! 心の中でガッツポーズを決める。

 

□□□

風飛市内

「ごめん、待たせちゃったかな?」

ピンク色のワンピース姿で現れたゆかりの私服姿は新鮮で思わず目を奪われる。

 

「い、いや、大丈夫だよ! 今日は晴れて良かったね」

夏が近いせいか? 日差しが普段より強めな気がした。

 

「うん、買い物日和だね。じゃ、さっそくお目当ての店に行こう」

 

「そう言えば、聞いてなかったけど今日は何を買う予定なんだ?」

 

「最近、雨ばっかりでしょ。それで新しい傘でも買おうかなと思って……」

 

「傘かぁ~。寮から学園まで、それなりに距離あるからな~」

 

「うんうん。それに、気分転換をする意味でもいいかな? と思ってね」

 

「気分転換?」

 

「あ! うん。その話はまた後でね。先に買い物しよう。こっちだよ。案内するから」

 

「了解」

 

二人で商店街を歩きながら、他愛ない話をしつつ目的の店を目指す。

 

「ここだよ」

ゆかりが店を指差して教える。

 

一見、店を見るとパスタ屋? ワインショップ? にも見えるおしゃれな洋風な店舗だった。

扉を開け中に入って見ると、所狭しにカラフルな洋傘がたくさん並んでいて圧倒させられる。

 

「凄いな……」

 

「でしょ。見てるだけでも楽しいんだよ」

「しかも、傘の長さや房、手元なんかはその人に合わせてカスタマイズも出来るんだ。まぁ、ちょっと傘にしては値が張るけどね」

 

確かに店内の案内紙を見ると、カスタマイズ可能と…… 奥様や彼女への贈り物に最適だと書かれてあった。

 

「これどうかな?」

薄い水色に、アクセントで花模様が付いた傘を差したゆかりが聞いて来る。

 

「うん。良い色だと思う。似合ってるよ」

 

「えへ。服じゃ無いけど、そう言って貰えるとやっばり嬉しいもんだね」

ちょと顔を赤くして、照れたゆかりを見て改めて可愛いと思った。

 

「じゃぁ、これにするね。長さは…… もう少し広い方が良いかな?」

「頼んで来るから少し待っててね」

 

ゆかりは店員に色々と相談していた。端から見ても楽しそうで何よりだ。

それにしても、確かにプレゼント品には良いかも…… 今度、何かの機会があればゆかりにプレゼントしようと思った。

 

……でも、今回は別な物を用意していてプレゼントする予定だった。

 

「ごめん。お待たせ~ 買ってきたよ」

「凄く満足したぁ~。久々の買い物だったからね!」

 

「いい買い物が出来て良かったね」

 

「うん。でもごめんね。こんな事に付き合わせちゃって…… さっきの話だけど。気分転換と言うか……ストレス発散でもあるんだ」

「私ってクラス委員長の上に、保健委員だから。ちょっとお堅いのよ。日常がね…… 皆を助けたり引っ張ったりするのが役目だらね」

「それで、肩凝っちゃうって言うか…… そんな所だよ。だからこうして買い物とかで、ストレス発散する時があるんだ」

 

いつも笑顔で、皆に優しく接している姿を思い浮かべる……

 

大変な仕事だと改めて思い知った気がする。何せグリモア学園の生徒は、一癖も二癖もある人が多いからなぁ。

 

「愚痴まで聞いてもらってごめんね。もう帰る? それとも、もうちょっとゆっくりして行く?」

「私は、もうちょっと一緒に居たいかなぁ。たまには、あなたを独り占めしてもいいじゃない? 私にだってそんな権利ぐらいあるよね…… なんってね。どうする?」

 

一瞬、ドッキとさせられたけど、ゆかりは俺の事をどう? 思っているのだろうか……

 

「俺も見たいショップがあるんだ。一緒に行こう」

 

「うんうん。どこにでも着いて行くよ~」

 

□□□

古風な店舗

 

さっきの店とは違い、市内の外れにある古風なショップ前に辿り着いた。

店内に入るとアンティークな商品が色々と置いてあり、ゆかりも色々と見て回っていた。

 

「へぇー、色々と置いてあるね。よく来るの?」

 

「今日で2回目だよ。頼んでいた商品を取りに来たんだ。ちょっと待ってて、先に支払済ませて来るから」

急いで支払を済ませ、店外にあるカフェテラスに移動する。

 

「何を頼んでいたのかな? 聞いてもいい?」

 

「平気だよ。これなんだけど……」

長方形の箱を開けて、中身を見せる。

 

「え?! これは…… アスクレピオスのペンナント? どうしたの? これ、しかもレプリカじゃ無いよね?」

 

ゆかりの言う通りギリシャ産で銀をベースにしたペンデュラム型になっている。紛れもなく本物だった。

 

「ゆかりに受け取って欲しくて…… プレゼントだよ」

 

「……これって…… だって高いよ! 理由も無く貰えるわけ無いよ」

 

「理由ならあるんだ。どんな物だったらゆかりが喜んでくれるかずっと考えていて、これに決めたんだ」

「俺と付き合って欲しい。前からゆかりの事を好きなんだ!」

 

「えっ?…… 私? 私で良いのかなぁ…… 学園には魅力的な女の子達が沢山いるよ」

 

「ゆかりが良いんだ。いつも皆に気配りして、優しいゆかりを見ていて好きになったんだ」

 

「あ、ありがとう。そう言って貰えて、見てくれている人がいるだけで報われるかな…… 嬉しい」

 

「うん。私で良ければ、彼女にして下さい」

 

「こちらこそ、これからよろしく頼むよ」

 

「これ、このままここで着けて見ていいかな? 回復力とか上がらないかなぁ。そんな訳けないけど、凄く嬉しいよ」

銀色のペンナントを嬉しそうにゆかりは身に付ける。

 

「喜んでくれたなら何よりだ。それと似合っているよ」

 

「照れるね…… あ、ありがとう」

 

嬉しそうな顔をしている彼女に見惚れていると……

 

「あ、雨だ! 学園に帰ろう。本格的に降って来た」

急に空が暗くなったと思ったら強い雨が降って来た。

 

「来栖君。こっち来て」

先程、買った傘を広げゆかりが手招きをしていた。

 

「せっかく買ったんだから使わないとね。来栖君、この傘を持って」

広めの大きい傘を渡され傘を差すと、ゆかりが隣に近寄って来て一緒の傘に入る。二人で一緒に入っても十分な広さがある傘に感じた。

 

「広いね。一人で使うには大きい?」

疑問に感じたので聞いてみた。

 

「うん。一人用だけどカスタマイズして、広いタイプにしたの…… いつか彼氏と一緒に使えたら良いなと思って…… まさか、こんなに早く使う日が来るなんてね」

 

照れた顔でそう言うと、傘を持っている腕にゆかりは自分の腕を絡めて来た。

 

ボリュームがある胸が押し付けられる。感触が凄く柔らい…… 薄手のワンピースのせいか? 体温もしっかり伝わって来る……

 

「彼氏、彼女らしいでしょ? これらよろしくね。彼氏君」

「いい忘れたけど、私も前から来栖君の事を好きでした」

そう言うと、彼女は背伸びをしてキスをして来た。

広めの傘のお掛けで、他の人からは見えないかも知れないと思い、少しだけ傘を前に倒し長くキスを交わした。

 

雨ばっかりでウンザリしていたけど、こんな日もあるなら雨も悪くはないと思いつつ、学園行きのバス停まで腕を組みながら二人で楽しく歩いた。

 

END




用語解説:アスクレピオス
ギリシャ神話に登場する名医アスクレピオスが持っていた蛇が巻き付いた杖で医療のシンボルとしても使われている。

いつもお読みいただきありがとうございますm(__)m
日常が多望だったのとwi-FIが無い環境にいて、更新が出来ませんでした。
何とか復活しましたので、頑張って更新して行きますのでよろしくお願いします。

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