私立グリモワール魔法学園~Another story   作:風飛の丘

49 / 65
独自解釈、独自設定により原作を大切にされている方はご遠慮下さい。主人公はオリ主、不定期投稿、各専門用語については後書きにて補足。
誤字、脱字等ありましたらご了承下さい。

今年のハロウィンは彼女に決めました!
1話限定恋物語の番外編
では、どうぞ~



グリモア 番外15 Halloween編 2017

例年より早く、肌寒くなり紅葉の季節がやって来ていた。

そしてハロウィンの時期も差し迫っていた。

皆でワイワイ騒ぐパーティーでも良かったが、今年は想いを寄せている彼女と、一緒にデートしたいと考えていた。

 

「さて、誘いに行くか!」

口に出す事で勇気に変える。 放課後、校門近くで待っていれば会えるはずだ。

 

夕暮れ時に、部活を終えた彼女がやって来た。

「来栖さん。どうしたんですか? こんな所で」

 

「冷泉、土曜日空いてないかな? もしなにも予定が無ければ、一緒にハロウィンを見に行かないか?」

 

「ええと、はろうぃんとは、あのカボチャが沢山あるお祭りですか?!」

「もし、そうでしたら是非、ご一緒させて頂きたいです! わたくし、恥ずかしながら一度も見た事が無くて…‥」

冷泉 葵は政界に幅を利かせている冷泉家の箱入り娘で、本来なら高嶺の花だった。

冷泉 葵 17歳 身長152㎝ 体重52㎏ B82 W56 H84

趣味 お話 特技 書道・茶道

 

「良かった。土曜日、バス停前で待っているよ」

断られるか心配だったが、快くOKしてもらえ安心した。

 

「承知しました。それでは後日、よろしくお願いします」

深々と頭を下げられ恐縮するものの、すでに心の中は嬉しさで溢れていた。

 

□□□

ハロウィン当日

 

「お待たせしました。ちょっと出掛ける準備に時間が掛かり遅れてしまいました」

薄い緑のワンピース姿に肩からストールを掛け、どこのパーティーにでも参加出来そうな服装だったがいつも見慣れている制服姿とは違い、とても素敵だった。

 

「時間には間に合ってるから平気だよ。その服、凄く似合ってるよ」

 

「あ、ありがとうございます。どういった服装が正しいのか? 分からず無難な物を選んで来ました!」

ハロウィンを見に行くだけなのだが、世間の常識に疎い葵らしかった。

 

□□□

商業施設

 

バスに乗り風飛市から離れた場所にあるアウトレットモールにやって来た。

期間限定で施設内は、全てハロウィンの飾りやイベントを開催する告知をインターネットで見つけ、デートにピッタリだと思い、この場所を選んだのだった。

 

「来栖さん、見て下さい。通路のあちらこちらに沢山のカボチャの飾りがあります! これが、はろうぃんなのですね。わたくし、初めて見ました」

葵は、ひたすら感動しながら辺りを見渡していた。

 

冷泉家の一人娘で超が付くぐらい過保護に育てられ、一般常識、教養は全て、専属の家庭教師から学んだらしい。その為、世間一般常識が分からない事が多い。ある意味、天然では無いかと疑う時もある。

でもそこが、葵の可愛い所でもある。

 

「せっかく来たんだし、色々と見てみよう」

 

「はい、お供させて頂きます!」

 

色々な顔をしたカボチャ達が飾られている通路を進み、最初に向かったのはハロウィン衣装が買える店だった。

魔女、フランケンシュタイン、狼男、悪魔など沢山の衣装が所狭しと並んであった。

 

「冷泉、何か欲しいのあるか?」

 

「これなんかは、どうでしょうか?」

手にしたのは魔女の帽子とマントだった。

 

「いいんじゃないか。せっかくだから身に付けて歩こう」

自分ようにバンパイアの牙、羽セットと一緒に冷泉の分も支払いを済ませて来る。

 

「ありがとうございます。衣装を買って頂けるとは…‥」

 

「大した金額でもないし、こういう時は雰囲気も重要だろ。楽しもう!」

 

魔女とバンパイアの衣装をそれぞれ身に付けて、ハロウィンの雰囲気を満喫して行く。

 

□□□

「そろそろ、お昼にでもしよう。お勧めの店があるんだ」

事前に調べておいた店舗に向かう。

 

店の前にある看板には「ハロウィンモンスター舞踏会」と書かれていた。

 

「舞踏会とは凄いですね。何があるのか? 楽しみです」

 

中に入るとデザートブッフェの為、様々なデザートが数多く並んでいた。

翼を広げ飛んで行きそうなコウモリタルト、棺桶ティラミス、ひと思いに切って目玉のタルトなる名前の物など、多数のフォトジェニックなスイーツがあった。

 

「うん? 冷泉、大丈夫か?」

それらを見た葵が固まっていた。怖くは無く、可愛い姿ばかりだが…‥

 

「来栖さん。わ、わたくし、ただ今…‥ もの凄く感動しております」

「こんなに可愛い形をした食べ物を初めて見ました! 食べるのがもったいないです。取り敢えず茶道部の皆様にも教えなければなりません。たくさん写真を撮って行きます」

凄く喜んでくれた上、葵の笑顔を見れてこちらまで嬉しくなって来た。

 

それぞれ違うデザートを数点ほど選ぶ。またハロウィン衣装で来たカップルには、ドリンクをプレゼントと言うことでもらったそのドリンクは、色が変色する不思議なドリンクだった。

二人で席に着き、デザートやドリンクを見て楽しみながら食べていった。

 

「来栖さん。お願いがあります! はしたないと思うかもしれませんが、ぜひその食べている物を分けてもらえますでしょうか?」

 

「全然、はしたないと思わないよ。せっかく、それぞれ違う物を頼んだ訳だし、シュアしなから食べよう」

 

「はい! ありがとうごさいます。やはり来栖さんはお優しいですね」

 

「そ、そうかな? 」

好きな人から正面向かって言われたので、凄く照れてしまった。顔…‥ 赤くなってないよな? そんな事を心配しながら一緒に食事を楽しんでいった。

 

□□□

お化け屋敷エリア

 

食事を済ませ、次はイベントエリアに足を運んだ。

お化け屋敷エリアと書いてあるが…‥ 施設と施設を繋ぐガラス張りの通路を改装してハロウィン仕様になっていた。

通路の左側は、オレンジ、紫のレザー光線の様な物で照らされ、怪しげなオーロラが立ち並ぶ。

反対の右側のガラスには時折、日本のお化け、西洋の悪魔などが突然、写し出される場所だったが…‥!

 

「こ、こちらに来ないで下さいませ!!」

お化けに驚いた葵が魔法を発動させ、弓を具現化させる。

 

「悪しきものは、この弓矢で!」

 

「葵、待て! それは違う!!」

慌てて葵を取り押さえ、急いで説明する。

 

「来栖さんは怖くはないのですか? わたくしは、まだ少し怖いです」

怯えている葵も可愛いと思いながら、そのままと言う訳に行かないので腕を差し出す。

 

「あ、ありがとうございます」

差し出した腕に葵も腕を絡めて来たので、柔らかな感触が腕越し伝わって来る。

お化けが出る度に、怯える葵を横に見ながらお化け屋敷エリアを抜けて行く。

 

「はぁ~ やっと抜ける事が出来ました。凄くリアルで迫力がありましたね」

「わたくし、また一つ、最新の映像という物を勉強する事が出来ましたわ」

 

□□□

展望エリア

寒くなるにつれて、日が落ちるのも早くなり辺りも薄暗くなって来ていた。遠くには風飛市の街灯りが見える。

 

「今日はとても楽しく、勉強する事が多くあった、一日となりました。これも来栖さんのお陰です」

 

「楽しんでもらえたなら誘ったかいがあったよ」

 

「また、何かありましたらお誘い下さい」

 

このタイミングしか無いな、告白しよう…‥

 

「冷泉、話があるんだ…‥ 実はずっと前から好きで俺と付き合って欲しい」

 

「付き合って欲しいと言うのは、今日みたいに一緒に出掛ける? と言うことでしょうか?」

 

「それもあるけど、俺の彼女になって欲しいと言う事なんだ」

 

「わ、わたくしが来栖さんの彼女にですか?!」

「ええと、ち、ちょっとお待ち下さい。心を落ちつかせますから…‥」

何度か、大きく深呼吸して気持ちを落ち着かせようとしていた。

 

 

「お、お待たせしました。いきなり好意を向けられて焦って取り乱し、申し訳ありませんでした」

 

「う、うん。で返事は…‥」

 

「わたくし、世間常識に疎くご迷惑お掛けする事が多いと思いますが、こんな、わたくしで良ければ喜んで交際をお受けいたします」

 

「よ、良かった…‥」

思い切って告白して、良かったと思った。

 

「いつもお優しくして頂いて、助かっております。わたくしも、前から来栖さんに好意を抱いておりましたから…‥ 嬉しいです。これからは、葵とお呼び下さい」

「そう言えば先程、お化け屋敷エリアで葵と呼ばれた時は、凄く嬉しかったですよ」

そう言われて思い出してみると…‥ とっさに叫んだ気がする。

 

「わたくしも、銀河さんとお呼びしますね。それで彼女として何をしたら良いのでしょうか?」

こういう時の葵は、天然なのでは? と思うこともある。

 

「いつも通りで良いと思うけど…‥ キスしてもいいかな?」

 

「き、キスでございますか? わ、分かりました。 初めてで…‥…‥どうしたら良いものか…‥」

声がどんどん小さくなっていった。

 

葵の腰と背中に手を回し、自分の方に引き寄せ思い切って唇にキスをする。

 

「…‥」

 

「…‥キスとは、こういう物なのですね…‥ 凄く幸せな感じがしました」

顔を真っ赤にさせた、葵はとても可愛らしかった。

 

「そろそろ、暗くなってきたから帰ろう」

葵の手を取り指を絡める。

 

「キスして、手を繋いで…‥」

「こ、これが彼女なのですね! また一つ勉強になりました」

 

「あはは…‥」

 

夕暮れ時、手をつなぎながら幸せな気持ちになっていると…‥

 

「銀河さん。その内、是非とも家族に紹介させて下さい」

 

「う、うん」

 

「えっと…‥ それで…‥ わたくしの実家なのですが…‥ びっくりなさらないで下さいね! 怖くありませんから! ほんの少し厳しくて、堅苦しいだけですので!」

 

冷泉家は、政治家の家とは聞いていたが…‥

 

「うちのお父様は政治家なので、事務所や講演会に勧誘されると思いますが…‥ 嫌だったら断って下さいね」

「他にも、失礼な事を言うかも知れませんけど…‥」

「例えば葵と付き合っているなら身辺調査をさせて頂く! とか…‥」

「葵と結婚するならそれなりの覚悟は出来ているのか!とか…‥ そう言った事を言うかも知れませんが、ほ、本当にお気になさらなず!!」

 

「あはは…‥」

乾いた笑いしか出ないが、葵に惚れている以上、乗り切るしかないと決意する。

 

             END

 




いつもお読みいただき、ありがとうございますm(__)m
一日で仕上げた為、おかしい所あっても無視して下さい。
そろそろ、恋愛話に使える年齢の人達が少なくなってきました…‥ 同じキャラを使うのを避けてはいるのですが、色々と試して行きます。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。