私立グリモワール魔法学園~Another story   作:風飛の丘

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独自解釈、独自設定により原作を大切にされている方はご遠慮下さい。主人公はオリ主 不定期投稿
各専門用語については後書きにて補足
誤字、脱字等ありましたらご了承下さい。


グリモア 第5話 神凪 怜編

今日は休日で、一人で神社にやって来ていた。

学園から山の上にあるのが見えていて、以前から気になっていたので立ち寄って見たのだ。

 

長い石階段を登りながら、辺りの風景を楽しんで行く。

最近、魔法の特訓ばかりしていたので良い気分転換になればと思っていた。

 

階段を上がりきると、そこには巫女装束を身に纏った髪の長い女性が箒を持って境内を掃除していた。

あちらも気付き、こちらに近寄ってくる。

 

「初めてまして、来栖君かな? 違ったらすまん」

 

「え、合ってますが…… どちら様ですか?」

 

こんな巫女装束が似合う、美人な知り合いはいないぞ。

 

「急にすまんな、私は神凪 怜だ。魔法学園の生徒で智花や夏海の親友だ」

 

「智花がよく来栖君の話をしているものでな。写真も見せてもらった事もある。それで、もしやと思い話かけた次第だ」

 

成るほど納得だ。写真は撮られた記憶が無いが…… 夏海の隠し撮りか?。

 

「改めて、来栖銀河です。よろしく」

 

「今日は何か用かな? ここの神社は私の実家なんだ」

 

道理で巫女装束の着こなしや凛とした喋り方に納得する。

 

「今日は用事は無くて、なんとなく立ち寄って見ただけだよ」

学園から見えいて、気になっていた事を伝える。

 

「せっかく来たのだからお参りでもしたらどうだ。分からなければ教えるぞ」

 

「よろしく頼みます」

教えてもらいながら、正しい作法でお参りをする。ついでにおみくじを引いてみる……『吉』と書いてある。

 

何か良いことがあればいいな~。

 

神凪さんにお礼をいい、神社を後にして学園に戻る。

 

□□□

翌日、放課後

 

放課後、昨日の出来事を智花に話をする。

 

「今度、紹介しようと思ってたけど先に会っちゃったか~ 仲の良い親友なんだよ」

 

智花の話によると智花、夏海、神凪さんは入学が一緒の日でクラスは3人とも違うけど、仲良くしていると言う。

 

その時、急に智花と自分のデバイスが同時に鳴る。緊急のクエストアラームだ!

 

クエストを確認すると、神凪神社で複数の人面樹が出現! 境内の人達は避難中だと書かれている。

 

「怜ちゃんの実家だよ…… どうしよう。大変だよ」

智花はかなり焦っていた。

 

突然、クラスに夏海と神凪さんが飛び込んで来た。

 

「来栖君。突然ですまないが、クエストを手伝ってくれないか? 家の人達が心配なんだ。父が居るから大丈夫だと思うが……」

 

「自分の家族、知り合いを守れずして誰を守れると言えるか? しかし人面樹は数が多い! 君の魔力の多さは、智花や夏海から聞いている。どうか力を貸してくれないか」

 

断る理由も無い! 当然、協力するつもりだった。

「なんでも協力するよ」

 

夏海も智花も一緒に行くと言っている。

 

「みんなありがとう。恩にきる」

 

直ぐに行動開始だ! 4人でクエストを受けパーティーを組む。

時間が勿体ないから移動しながら打ち合わせしようと、伝え行動を開始する。

 

移動しながら神凪さんのデータを確認する。

身長165㎝ 体重54㎏ B85 W56 H82 趣味 修行 特技 剣技

と完全に剣一筋の人だ。

 

移動中に智花が疑問に感じていた事を言う。

「前回の街に現れたスライムといい、今回の神社といい

人が多い所には、魔物は現れ難いのになんで? 実体化する前に見つかり討伐されるはずなのに……」

 

夏海も頷く。

「確かに不思議よね。偶然にしては不自然だって、うちの部長も言ってたよ。しかもスライムは実体化したばかりなのに強かったし」

 

 

「今回も普段より、強いかも知れないから気を付けよう」

「前衛は神凪さん、皆より先行して敵を引き付けて欲しい」

指示は後衛の自分がすることになったので、簡単な戦術を決める。

 

「承知した。任せろ! あと私も皆と同じく呼び捨でかまわない」

 

「了解!」

「夏海は中衛で怜の支援と機動力を生かして、敵を翻弄してくれ」

 

「了解~ この私に任せなさい!」

 

「智花は後衛で遠距離から魔法で皆を援護! そして俺の護衛も頼む」

 

「分かりました! 頑張ります」

 

「最後に俺は皆への指示と後方から来る敵をこの新しい武器で撃退する。後は状況に合わせて、対応して行こう!」

全員が頷いて答えてくれる。

 

□□□

境内に通じる森の中

 

「階段付近は、敵が待ち受けている可能性がある。迅速に境内に向かうならこっちからの山道で行くぞ。任せろ! この辺りは庭も同然だ」

家族が心配で、焦っているはずの怜だが確実な方法を選択する。

 

知性が無いはずの霧の魔物だが何があるか? 分からない以上、ベストな選択だった。

 

「前方に魔物1体発見! 攻撃開始するぞ」

みんなに指示を出す。

 

「神凪怜、いざ推して参る!」

怜が抜刀しながら人面樹に近づき、魔力を帯びた刀で斬つけて行く。

 

夏海も上手く、人面樹の側面や後ろに回りながら攻撃を仕掛け魔物を翻弄して行く。

 

そしてある程度ダメージを与えた所で、2人とも離脱する。

 

その瞬間、智花の炎の魔法が飛んで行き、人面樹を焼き払う。

流石、仲良し3人組は息の合ったコンビネーションを見せる。

そのまま勢いで、さらに奥に進ながら数体ほど同じ流れで倒して行った。

 

今の所は順調だ。このまま行けば大丈夫か?

 

「やはり変だ……」

急に怜は疑問に感じている事を口にする。

 

人面樹は自身の魔力を近くの木に流し込み、新たな人面樹を作るので、必ず本体が近くにいるはずだが見当たらない。

見当たらないが、分身の人面樹が強く硬くなってきていると言う。

 

確かに不自然だが、倒す事には変わりは無い。注意だけは怠らないようにしようと思った。

 

「この道をまっすぐ行けば、後少しで境内に出るぞ」

怜が皆に確認するように伝える。

 

しかし、それを阻むように5体の人面樹が奥から現れて来た。

その中の1体が、ひときわ大きい個体が混ざっていた。どうやらあれがボスのようだ。

 

「参る!」

怜は焦っているのか? 単身、斬り込んで行くが5体の魔物が相手では、相手の手数が多く攻撃を避けるので精一杯になっていた。

 

状況を変えなければ……

 

突然、怜が後退して戻って来た。。

「来栖くん、何体か引き付けてくれ! 奥義で確実に倒してみせる!」

 

怜が言う奥義とは、単体攻撃だが威力もあり、距離が離れていても問題は無いと言う。

 

周囲の状況を確認しながら指示する。

「人面樹は単体では強くはない! 分散して、各個撃破しよう」

 

「夏海は、1体を上手く左翼に引き付けて倒してくれ」

 

「智花は逆に、1体を右翼に引き付けながら倒して」

 

「正面の3体は、俺と怜で何とかする!」

 

各自、行動を開始する。

 

夏海と智花は上手く魔物を牽制しながら、人面樹をそれぞれの方角へ引き連れて行く。

 

バスターカノンを構え、怜に言う。

「正面3体! 先に雑魚2体を倒す!」

 

怜が中距離から奥義を放つ。

 

「神戯一刀流、居合抜刀術 退魔一式!」

 

剣に魔力が宿り、弧月の斬撃を飛ばす! 1体の人面樹を一撃で簡単に真っ二にする。

 

こちらもバスターカノンのトリガーを引き、黒い球体が人面樹の顔の部分に命中。空間ごと削り取り1体を倒す。

 

残りはボス1体!

左右を確認すると、夏海も智花も後少しで人面樹を倒せそうだった。

 

その時、怜の「離せ!」と言う声が聞こえてきた。

 

見ると地面から飛び出てきた、蔦に右足を絡み取られそのまま逆吊りにされていた。

 

ヤバい、助けないと! しかしバスターカノンの砲撃では、怜に当たる可能性もあるので安易には撃てなかった。

 

さらに人面樹は、怜を逆吊りのまま振り回し始めた。

 

振り回した事により、怜の袴が捲れ上がり白くて長い脚が見える。

また胸元もあらわになり、上下ともに白い下着が見え始める……

 

思わず見惚れてしまったが、そんな場合ではない

何とかしなければ、そうだ! 接近して撃てば……

 

接近戦でバスターカノンを撃てば、確実に人面樹だけに当たるはず!

 

人面樹が怜に気を取られている隙に側面に回り込み、一気に距離を詰める!

銃口を人面樹の体に当てながらトリガーを引く。

 

当てた箇所から空間を削り取り、魔物が消える。

 

「うわぁ!」

 

その瞬間、怜が空中で放り出される。危ない!

 

何とか滑り込みながら怜を受け止め、地面に倒れ込む。

 

間一髪だった!……が怜の柔らかい胸の谷間に、顔を埋めている体勢で受け止めてしまった。

 

飛び跳ねるように離れ、土下座して謝る!

 

「すいませんでした」

 

怜は顔を赤らめながら

「気にする事は無い…… こちらこそ助かった」

 

安堵するもつかの間、智花と夏海の方は?!

 

急いで回りを見渡すと、2人とも後ろに居た……

 

どうやら2人とも、無事に人面樹を倒していた様だった。

 

「く! もう少しで、スクープ写真を撮れる所を撮り損ねたわ」

夏海が本気で悔しがっている。

 

智花は、冷たい目線で射ぬいてくる……

 

その時、クエスト完了のアラームが鳴る。

 

どうやら討伐完了のようだ。デバイス情報を確認すると避難も上手く行き、怪我人も無いようだ。

 

「皆、ありがとう。家族も無事な様だ感謝する」

 

このお礼はいつかしたいと怜が言うが、誰もそんな事は期待していない。

家族が無事ならそれで良いとみんなが思っている。

 

「念の為、家族を見に行ってくる! 皆は先に学園に戻っててくれ! すぐに追うから」

今回も何とか討伐出来たけど、もっと上手くやらなければ…… と思いながら学園の帰路につく。

 

END

 




いつもお読み頂きありがとうございます。

何とか5話を執筆する事が出来ました。
6話まで間があるかも知れませんがお待ち下さい。

2016/10/18 一部修正完了済み

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