私立グリモワール魔法学園~Another story 作:風飛の丘
誤字、脱字等ありましたらご了承下さい。
今年のホワイトデーは彼女にしました。
1話限定恋物語の番外編
では、どうぞ~
3月に入ると少しづつ暖かくなり、春を感じさせる風が吹いていた。そして来週には、ホワイトデーのイベントが待ち受けていた。
部屋の窓を開け、外の風景を見ながらバレンタインのお返しをどうするかを一人考えていたのだった。
定番通り映画を見て、ホテルのディナーを予約して、最後は美味しいデザートを食べるか? それとも高級なチョコレートを購入して渡す? 意表を突いて手作りにするとか? どれも間違いでは無いのだろうが…… 悩むな……
でもバレンタインのお返しと言う事を口実にして、なんとか彼女をデートに誘いたいと思っていた。
「よし、悩んでいても仕方が無い。決めた!」
「デートしながら彼女の欲しい物をその場で買おう」
□□□
翌日
彼女を学園内でデートに誘っても人目があるので、彼女は絶対にOKしてくれないはず。タイミングは放課後しかないな…… 放課後、体育館の裏で待つ事にした。
「あら? どうしたのですか? こんな所で…… まさか! 誰かと不純異性交遊する為に、人気の無いここに居たという事ですか?!」
「違う! 氷川を待っていたんだ。用事があるんだよ!」
この時間、風紀委員の氷川なら体育館裏を通ると知っていて、待っていたがまさかそう来るか!慌てて否定する。
「え、わたしをですか? な、なにか御用でしょうか?」
「先月、バレンタインの時にチョコをもらったからそのお礼で来週、一緒に出掛けないかと思って誘いに来たんだ」
「あ、あれは! そう、義理ですよ! そんな改まって誘われる程ではないです!」
突然、顔を赤くして断られてしまった。
「ダメかな…… 高そうなチョコだったし、日頃のお礼だと思って、どうかな?」
簡単に諦められないのでさらに粘ってみた。
「……そうですね。そこまで言うのならいいですよ! 来週ですね。分かりました」
「良かった。なら後で待ち合わせ場所を連絡するから! 楽しみにして」
いい返事をもらえた。後は当日まで具体的なプランを考えないと思いながらその場を後にする。
□□□
ホワイトデー当日
「お待たせしました。申し訳ありません。遅刻してしまいました」
珍しく、時間には厳しい氷川が息を切らしながら慌てて駆け寄って来た。
「10分ぐらいしか遅れて無いから気にしないで。でも、どうしたの?」
「中々、着る服が決まらなく……って、な、何でもありません。そ、そうです! バスが遅れてただけですから!」
「そ、それなら仕方がないな」
氷川も今日の日を楽しみにしてくれたって事かな? 内心、すごく嬉しかった。
「まずは、商店街の方を歩きながら色々と見て回ろう」
ホワイトデーと言うこともあり、風飛市の商店街は白、青を基調した飾りがあちらこちらに取り付けられ賑わっていた。
そして商店街を歩きながら事前に調べていた、店に足を向けて歩いて行く。
「あれ、なんかどうかな? お返しに最適だと思うけど」
「どれですか? ……まさか! 直ぐに行きますよ!」
氷川はいきなり走り出し、店先に向かって行ったので慌てて後を追いかける。
「急にどうしたんだ?」
「こちらのお店は利用した事は無かったのですが、まさか限定商品、ロンドンの生スコーンがここに! しかもチーズ、チョコ味もありますよ! 中々、目にする事はない貴重な一品です」
「これ以外ありえません。もうこれ決めます! 生タイプはダメですが、冷凍タイプならまとめ買いしたいぐらいです!」
「そ、そうなのか? ならここでお返しのプレゼントを買って行こう」
即決で決まってしまった…… 彼女がスコーンを大好きな事は知っていたが、まさかここまでだったとは…… あんなに嬉しそうな顔をした氷川を見た事が無かったので、彼女の以外な一面を見れて自分も嬉しくなってしまった。
そして彼女はスコーンに余り詳しくない俺に、熱くスコーンについて教えてくれた。
「すみませんでした…… ちょと、はしゃぎ過ぎたかもしれません…… でも本当にこのスコーンは貴重な物なんです。滅多に買えない物なんです」
沢山のスコーンが入った袋を抱え、やっと落ち着いた彼女が謝って来た。
「ん、氷川の嬉しそうな顔を見れて良かった。調べたかいがあったよ」
「やはり…… 偶然では見つけられない物なので、あらかじめ調べていたのですか?」
「今日はホワイトデーで、限定品とかあるかな? と思って、色々と調べてみたんだ」
もちろん好きな人の為だとは、まだ言えなかった。
「ありがとうございます。しかもこんなに買って頂いてしまって……」
「さっきも言ったけど、お礼の気持ちだから。それじゃ、次に行ってみよう」
「次ですか? お返しは頂きましたよ?」
「それは今日のお昼、食事の代わりだよ。本当はどこか? お洒落な所で食事をとも考えたけど、形式ばっても楽しくないかな? と思ってね」
「それで、何か欲しい物あるかな? 俺が決めて渡しても良かったけど、本当に欲しい物をプレゼントしたいから氷川に選んで欲しいんだ」
「急ですね。私はスコーンさえあれば十分ですが…… そうですね…… それであれば、身に付けられる物がいいかな? と思います」
「分かった、問題ないよ。探しに行こう」
□□□
アクセサリーショップ
「どんな物でもいいよ。好きな物を選んで欲しいな」
「はい。ではお言葉に甘えさせてもらいます。一緒に見て回りましょう」
彼女は、ブローチ、ネックレス、指輪等を手に取り真剣な表情で選んでいた。
「これが良いと思いますが、似合いますか?」
手にしていた銀のネックレスを胸元に運びなから確認して来る。
「凄く似合ってる」
銀のネックレスで先端はプレート型。そのプレートには、小さなアメジストが埋め込めれていて、淡く光り輝いていた。クールなイメージがある彼女には、とても似合っていた。
「そうですか! ありがとうございます。では、こちらにしますね」
□□□
公園
購入したネックレスは本人の希望により、ラッピングはせずに、その場で彼女に付けてあげた。その彼女は何度もネックレスに触れながらとても嬉しそうに歩いている。
「な、なんですか? !」
俺の視線に気付いた彼女は、悪戯が見つかった子供の様な顔をする。
「凄く嬉しそうにしていたから、喜んで貰えて良かったのかな? と思って」
「え、そんなに顔に出てましたか…… アクセサリーの様な物を頂くのも男性の方から頂くのも初めてだったので……」
「そうなんだ。なら安心した」
「うん? 安心ですか? 何がですか?」
ここで言うしか無いな。自分の気持ちを伝える決心をする。
「プレゼントをもらう様な相手が、まだ居ないって事だよね?」
「な、な、たしかにそうですが……」
「前から氷川の事が好きなんだ! バレンタインチョコをもらった時は凄く嬉しかったんだ。好きな人からもらえて…… 俺と付き合って欲しい」
「え? 私ですか? あの日、あくまで風紀委員として見てましたけど、沢山の女の子からチョコ貰ってましたよね? なのに私なのですか?」
「は、まさか!……不特定多数の一人なのでは! 不潔です!」
「違うから!」
「そ、それは確かにいろんな人から貰ったけど、好きなのは氷川だけなんだ。普段は風紀委員として厳しいけど、本当は凄く優しくていつも皆の事を心配して気を配っている所が好きなんだ。後、ちょっとドジな所なんかも可愛いいけど」
「ドジは余計です! でも…… 告白されて凄く嬉しいです。もちろん不特定多数や不純異性交遊はダメですが、清くお付き合いするのは問題ありません」
「本当? 俺と付き合ってくれる?」
「私も以前から来栖君の事が、す、好きでした…… 実はバレンタインチョコも本命でした。義理って言ったのは嘘です。恥ずかしくてつい……」
「お互い両想いだったのかな? これからよろしく」
「はい。こちこそ」
お互い照れてしまい、次の言葉が見つからなかった。
「そ、そうだ! せっかくなので、先程のスコーンを食べてみませんか? 美味しいですよ」
「紗妃のお勧めを貰うよ」
彼女になってくれたので、思い切って氷川を下の名前で呼んでみた。
「さ、紗妃って…… 皆の前では、いつも通りでお願いします」
顔を赤くしながら紗妃は、お勧めのスコーンを渡して来た。
公園のベンチに座りながら二人で仲良く食べる。彼女は幸せそうに食べていた。
「こちらのも美味しいですよ」
食べていたチョコ味のスコーンを俺の口元に差し出して来る。
「け、けして破廉恥行為ではありませんから。ただ食べさせているだけですからね!」
再び顔を赤くした彼女が可愛いかった。一口、貰って食べるとチョコの味が口に広がり確かに美味しかった。
そのまま思い切って顔を彼女に近づける。
「ちょ、ちょと顔が近いで……!」
その後の言葉を塞ぐ様にキスをした。
「……するなら言って下さい。不意討ちはびどいです」
「ごめん、次から気をつけるよ」
聞いたら聞いたで、破廉恥行為だと言われ兼ねないので不意討ちにしたのだが…… 初めてのキスはチョコの味がした。
「まったく、仕方がない人ですね。今日は特別ですからね。普段からそんな事しては駄目ですよ」
そう言いながら今度は彼女の方から顔を近付けて、キスをしてくれた。
「…………」
「恋人同士になった記念ですからね。特別です!」
照れた顔をしながら言われる。
改めて、そんな彼女が可愛いいと思いながら幸せに包まれていった。
END
いつもお読みいただき、またこんな所まで見て頂きありがとうございますm(__)m
一日で仕上げた為、おかしい所あってもスルーして下さい。
しかし恋愛に使える年齢の人達が少なくなってきました…‥ 同じキャラを使うのを避けてはいるのですが、色々と試して行きますので、よろしくお願いします。