私立グリモワール魔法学園~Another story   作:風飛の丘

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独自解釈、独自設定により原作を大切にされている方はご遠慮下さい。主人公はオリ主、不定期投稿、各専門用語については後書きにて補足。
誤字、脱字等ありましたらご了承下さい。

また、この時期がやってきましたのでUPします。
今回は、彼女に決めました~

1話限定恋物語の番外編



グリモア番外26   2019 Best rainy day

この時期、雨の降る日が多くなって来た。

 

「今年も、もう梅雨入りか~」

今朝のニュースでも、本格的に梅雨入りしたと言っていた。

 

個人的には、雨の日は好きだった。雨の音、雨の独特の匂いが感じられ、心が穏やかになるのだった。

 

残念なのは、これから雨の中を学園に行かなければならない事だった。流石に雨が好きだと言っても朝から濡れると下校するまで耐えられない。

制服は特殊素材で出来ているので、魔力を流せばすぐ乾くのだが…… それ以外の部分は、どうにもならなかった。

 

「そろそろ時間だな。頑張って通学するか~」

 

□□□

 

傘を差し雨の中を通学していると、後ろから声を掛けられる。

 

「来栖君。おはようー」

声がする方を振り向くと浦白七撫がいた。

 

「おはよう…… しかし、なんと言うか……」

 

「え? 私、何か? 変だった?」

 

「変と言うか…… 重装備だなと……」

浦白は厚手の白いレインコートに、同じく白のアーミーブーツの出で立ちだった。

 

「え? 凄く便利だよ? 雨に濡れないし……」

迷彩色が白なだけマシなのか…… 青森方面軍は雪深いから…… などど思わずにはいられなかった。

 

「まぁ、便利そうだけど、それなりに重いだろう?」

 

「慣れれば平気だよ!」

浦白ならそう言うと思った!

 

「そうだ! 今週末、一緒に風飛市に行って普通の雨具でも見に行かないか?」

 

「うんうん。まだ、あんまり市内の方に行った事か無いから行きたいし、お願いするよ」

 

「……やっばりこの格好は、普通じゃ無いんだ……」

小さな声が聞こえたが、聞かなかった事にしよう。

 

しかし、雨の日はやはり良い日だった。

朝から浦白に会えたし、スムーズにデートに誘う事が出来た。同じ時期の転校生同士、話す機会が多くあり話している内に徐々に惹かれ、いつの間にか好きになっていたのだった。

 

□□□

風飛市

 

学園近くにあるバス停で待ち合わせし、バスに揺られながら風飛市に来ていた。

 

「やっぱり、街は良いよね。活気があって色んな物が並んでいるんだもん。美味しい物も食べて見たいよ」

少しテンションが高い浦白だったが、喜んでくれただけでも良かった。

 

「なら最初、駅周辺にある商業施設を見てみよう。色々とあると思うから」

 

「うんうん。お任せするよ」

 

普段使いするカジュアル服、靴、雑貨などを見て回りながら二人であれでも無いこれでも無いと、ウインドショッピングしていた。

彼女と一緒に居られるだけでも幸せなのに、一緒に同じ物を見て回れるなんて…… 幸せの時間を過ごして行く。

 

□□□

郊外の施設

 

駅前をブラブラしながら、目的地の一つでもある施設にやって来た。

 

「来栖君。ここは、何の施設なの? アトラクションぽい感じはするけど……」

 

「入って見れば分かるよ」

何の施設か? 中に入ってからのお楽しみとする。

 

「これは…… 凄い、色々とあるよ!」

「ベレッタM96R? ワルサーMPK?」

 

「そんな感じだけど、流石! 電動式だけど見て分かるんだな」

電動式の本物ぽいウォーター銃が、カウンターの後ろに飾ってあった。

 

「えへへ。現物は見た事ないけど、資料とかで見た事はあるよ」

軍に所属していただけの事はあるな~ と改めて思った。

 

市内の外れにある施設で、ウォーターサバイバルが出来ると聞いて、ウインドショッピングだけじゃつまらないかな? と思って連れて来た見たのだった。

 

「ここで、遊んで行こうと思って。やってみる?」

 

「もちろん。やってみたい!」

浦白は、やる気満々の様子だった。

 

施設内から外のスペースに出ると、ちょっとした公園みたいになっていた。

 

立看板

ルールは、とてもシンプルで覚え易いものだった。

・ポイを手などで隠してはいけない。

・給水所で給水しているプレイヤーへの攻撃はNG。

・悪質行為はレッドカードで即退場になります。  

・高圧洗浄機のような常識の範囲外の強力な武器の使用禁止。

どれも基本的な事が、ルールとして書かれていた。

 

「高圧洗浄機は無いだろうけど、勿論、魔法は禁止だぞ!」

 

「負けないから!」

意気込む浦白が本気だ……

 

「真剣勝負! 負けた方が、1だけ何でも言うことを聞くと言うことでいいな!」

 

「分かってる! 絶対負けないからね」

 

やるからには真剣勝負と浦白が言い出し、今日限定で1つだけ相手の言う事を聞くと言う流れになってしまった。

 

「それじゃ、スタート!」

お互い100mほど離れてから開始する。

 

「先手、必勝! 逃げるが勝ちだ」

 

「え? ちょっと!」

 

浦白に背を向け、ダッシュで自分の後ろにある小屋の方に逃げ込み、建物を障害物として迎え撃つ作戦だ。

 

浦白もその事に、気付いたのか? 慎重に近寄って来る。

 

「これで、どうだ!」

建物の陰から半身だけ出して、浦白の頭に付いているポイを狙う。

 

「甘いよ!」

まだ距離があり、余裕で避けられてしまった。

 

「お返しだよ」

体を左右に動かしながら的を絞らせない様、こちらに近寄りながら攻撃して来る。

 

こちらも、慌てず建物の陰に身を潜める。

 

次に、こっそり顔を出すと…… 浦白がいない?!

 

あちらも建物に取り付いたか?

お互い良く見えない…… どうする?

左? 右? どちらから来る?

 

分からないなら……

着ていたジャケットを建物の隙間に挟み。急いで反対側に回る。

 

「そこ、服が見えてる! これでお終いだよ!」

浦白が建物の陰から勢いよい良く飛び出し

銃を向ける。

 

「あれ? 服だけ? まさか陽動?!」

その隙を突いて背後からポイを狙い見事に命中し、ポイに穴が空く。

 

「ええぇ、残念。負けちゃったよ。」

「まさか、服を脱いでまで陽動するとは思わなかったよ」

 

「負けたく無かったからな。結構、楽しいな」

 

「うんうん。まだポイがあるから時間まで楽しもうよ」

 

「よし、第2ランド開始だな」

 

その後、ポイを何度か交換しながら楽しく遊んでいった。

 

「結構、濡れたね」

浦白の方を何気に見ると、ブラウスが濡れて下着の色と胸の大きさが目に飛び込んで来た。

 

「でも凄く楽しかった。体、動かすの好きだから本気になっちゃったよ」

 

「浦白…… これ使って、服透けてるから……」

正直に言い出し、大きなタオルを渡す。

 

「え? ええぇ!」

タオルで体を隠しながら顔を赤らめている姿が、いつも以上に可愛かった。

 

「本気になり過ぎて、気付かなかったよ……」

施設内に戻りレンタルしていたドライヤーを使い、濡れた髪や服を乾かす。

 

□□□

専門店

「ここが、今日の最終目的地だよ」

連れて来たのは雨具専門店、2階建ての建物だった。

 

「凄いねー。雨具だけでもこんなにあるんだ」

 

「大きさ、色とか選べるから自分に合ったバリエーションで作ってもらえるよ」

 

「オーダーメイドも出来るんだね。じゃぁ、早速」

色々と見て回り、青色の傘を注文する事になった。

 

「作ってもらっている間、2階の方に行ってみよう」

2階に上がり店内を見渡すと、靴が中心に置かれていた。

 

「ここも、靴だけでこんなにあるんだ~」

浦白が感心した様に言う。

 

「アーミーブーツじゃぁ、物々しいからどう?」

 

「うん、そうだね。長靴かな? 青森だと普通にみんな履いてるし」

流石! 青森は雪が多いからな…… と考えずにはいられなかった。

 

「これなんかどう? スニーカータイプ、完全防水で滑り難いみたい。色も選べるよ」

 

「普通の靴ぽいね。うん、これにするよ。色は傘に合わせて青色にするね」

 

□□□

帰宅途中

 

「でも、本当に良かったの? 傘と靴を買って貰って……」

何度目か? のやり取りになるが今日、自分が誘った手前もありプレゼントする事にした。

 

「うん。気にしないで、それより雨が降って来そうだ。急ごう」

 

「ありがとう」

 

しかし駅前のバス停までは、まだ距離があり本格的に雨が降って来てしまった。

 

□□□ 

公園

 

「一旦、あそこの公園に避難しよう。ちょうど雨が凌げる所があったはずだから」

公園に入ると入口の直ぐ傍に、木で出来た屋根、テーブル、椅子、自動販売機がある休憩スペースに逃げ込んだ。

 

「急に降ってきたね。でも空が明るいから直ぐに止むと思うけど」

浦白は空を見上げながら言う。

 

「うん。雨が止むまで休んで行こう」

 

木の屋根に雨が落ちる音、水溜まりに雨が落ちる音、2人だけの静かな雰囲気が、気持ちを落ち着かせてくれる。

 

「そう言えば、例の勝負の件、今言ってもいいかな?」

 

「くっ、負けたからには仕方がないよ。なんでも来て!」

 

「実は…… 前から浦白の事が好きで、俺と付き合って欲しい!」

思い切って告白をする。

 

「……ずるいな~ 勝負に負けたからには断れないよ?」

 

「きっかけが必要と言うか、勢いと言うか…… そんな、つもりで言った訳じゃないから! 嫌なら断っていいよ……」

 

「ふーん。断っても良いんだ」

 

「う、うん……」

 

「私も来栖君の事が好きです。どちらと言うと、大好きです!」

顔を真っ赤にさせた浦白が真っ直ぐこちらを見つめる。

 

「俺も七撫が大好きだ」

「でも良かった…… 駄目かと思った。これからは、彼女としてよろしく」

 

「うん、よろしくね。彼氏君」

 

七撫の傍に近寄り、腰に手を回し抱きしめる。

 

「本当のお願い…… キスしてもいい?」

 

「ほんと、ずるいな~。断れないよ? 何でも言う事、聞かなくちゃいけないからね」

七撫はそっと目を閉じる。

 

「七撫。好きだよ」

唇を重ね合わせる。どれぐらいの時間をそうしていたか? 分からないが、幸せな気持ちに満たされていた。

そっと唇を離し、空を見上げるとさっき程の雨が嘘の様に晴れていた。

 

「そろそろ帰ろうか」

 

「うん。また一緒にデートしようね」

 

七撫の手を取り手を繋ぎならバス停に向かって歩き始める。

 

やっぱり雨の日は、最高の日だった。

 

               END




いつもお読みいただきありがとう御座います。
m(_ _)m

未だ多忙につき作品を慌てて投稿している状態です。
次回も期間が空くかも知れませんが、その時はよろしくお願いします。
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