私立グリモワール魔法学園~Another story 作:風飛の丘
誤字、脱字等ありましたらご了承下さい。
2020.1.1
今年、最初の投稿です。お正月編もこれで4作目となりました!
本年も何とか続けて、書いて行きたいと思いますのでよろしくお願い致します。
今年のお正月は彼女にしました!
1話限定恋物語の番外編
では、どうぞ~
楽しかったクリスマスが過ぎ、今年も残り僅かとなっていた。
今年の年末年始は実家には帰らず、このまま学園の寮に残り、のんびり正月を迎える予定だった。
……本当の所は好きな人がいて、その人と一緒に正月を過ごせたらといいなと思っていたので、実家に帰らないと言った方が正しかったかもしれない。
□□□
学園内
年末に入り、殆どの生徒は実家に帰省してしまい、暇を持て余していたので人の少なくなった学園内をぶらぶらと散歩していると、噴水のふちに一人座っている桃世ももの姿を見かける。
まさしく、そこに座っている彼女は…… 自分の好きな人だった。
「よし、このチャンスに元旦、一緒に居られるか? ダメ元で聞いてみよう」
勇気を出して、噴水の方に向かって歩き始める。近づくにつれて胸の鼓動が、どんどん激しくなっていった。
「もも。今、いいか? 話があるんだ」
返事は無く、下の方をずっと見ている?
「むにゃ…… はにゃ……」
「はぅ?! ……あれぇ。来栖先輩だぁ…… えへへ。嬉しいな~ 夢の中に先輩が……」
寝起きと言うか? 寝ぼけているのか?
「おーい。夢じゃ無いぞ!!」
「……え? 夢じゃない…… は、はわぁぁぁ?!」
目が覚めたのか? 急に慌て動き出す。
「え?! のわわわわぁ!」
慌てた拍子に、噴水の方に倒れ込みそうになるので腕を掴み引っ張る。
「引っ張ってもらわなかったら、あたし噴水に落ちてました……」
「すみません。つい眠くてうっかり…… 天気もいいし、バイトまで時間があるのでここで座っていたら寝てしまった様です……」
「こんな所で女の子が…… 寒くないのか?!」
「えへへっ。寒いのはへっちゃらです! ちゃんと着込んでますよ」
「今は年の瀬ですから…… 掛け持ちのバイトがどこも忙しくて、それで寝ても寝たり無くて……」
「それなら仕方がないけど、こんな場所でどうかと? 思うぞ」
「……うっ、そうですよね。噴水前でうたた寝は良くないです。気をつけます」
そう言う問題では無いのだが……
「そうしてくれ。心配しているんだから」
「はい。あ! そうだ来栖先輩。あたしが働いているファミレスなんですけど【年越しカレー】【年越しラーメン】【年越しオムライス】を始めたんですよ。是非、食べに来て下さい」
中々、他には無いようなメニュー名を聞いた気がする。
本題に入ろう……
「そう言えば、大晦日はバイト休み? もし、よかったら一緒に初詣に、出掛けないか?」
思い切って誘ってみた!
「凄く嬉しいお誘いですけど、ごめんなさい! 夜遅くまでファミレスの方のシフトに入っちゃてるんですよ……」
思い切って誘ってみたけど、轟沈してしまった……
「そうかぁ…… それなら仕方が無いよな……」
「そうだ! それなら…… 疲れていなかったら元旦の朝、初日の出を見に行かないか?」
なんとか、一緒に過ごしたかったので粘ってみた。
「それなら平気です! 是非、一緒に行きたいです!」
「俺は凄く嬉しいけど、無理しないでね?」
「はい! 大丈夫です!」
「OK! それじゃ、詳しい事は後でメールするよ」
「はい。分かりました。あたし、そろそろバイトなので行ってきますね」
「うん。無理しないで、頑張って!」
頷いた、ももは小走りに走り去って行った。
□□□
駅前
始発の電車に乗り、近くの海岸まで出掛けそこで初日の出を見る予定だった。
「来栖先輩、お待たせしました!」
声がする方を見ると厚手の服装で、しっかり着込んできたももが駆け寄って来る。
「うん。普段は制服姿だから私服姿を見ると新鮮で、可愛いいね」
モコモコした感じが凄く小動物みたいで可愛かった。
「ありがとうございます。元旦から褒められて、得した気分になりました」
「それじゃ、電車に乗って移動しよう」
□□□
海岸
「寒くない?って、少し前にも同じ事を聞いた気がするけど」
「もちろん。準備は万全です!」
「風邪引かないようにしないと」
「はい。そう言えば、どっちの方から日の出が見られるんでしょうか?」
「あそこに小さな鳥居があるだろう? あの鳥居の方角から日が上がるみたいだ」
海の方を指差すと、岩の上に鳥居が取り付けられていた。
「時間の方は…… 30分後だね」
デバイスを使い日の出の時間を調べる。
「もうすぐですね。そう言えば、初日の出を見るの初めてです! いつもは寝てましたね…… あはは……」
年末のバイトで疲れているから仕方が無いと思いながら彼女を見つめる。
「そ、そうだ。初日の出ってどんな意味あるんですか?」
見つめ過ぎたのだろうか? 気づかれて慌てさせてしまった。
「うん。そうだね…… 意味って程じゃないけど確か……」
「一年の計は元旦にあり! とよく耳にするよね? 元旦の字の意味からも【日の出】を表した大切な日なんだ。
漢字だと日の下に【一】があるけど、地上を現すらしいよ。
後は、新年最初の【初日の出】と共に【年神様が降臨】されるからって話もある」
「へぇー。先輩、物知りなんですね! 尊敬します!」
褒められて嬉しいものの、実は何かの話のネタになればと思って予め調べていたのだった。
「今日は、直接「初日の出」を目にしてこの一年の健康と幸運を祈願しよう」
そう話している内に辺りが徐々に明るくなって来た。
「日の出だ!」
鳥居の方から日が上り始めたので、二人で手を合わせ祈願する。
桃世ももと付き合える様にと、日の出に向かって祈願する。
「そろそろ体も冷えて来たし、帰ろうか」
名残惜しいが、ももに風邪を引かせる訳には行かないと思い、早めに切り上げる事にした。
「そうだ! ちょっと待ってて」
帰り道の近くに、屋台が出ていて温かい飲み物を配っていた。
「はい、これを飲んで、温まると思うよ」
紙コップに入った白い飲み物を手渡す。
「これって、甘酒ですか? 今まで飲んだこと無いです。これも初めての体験です」
そう言って、ももは飲み始める。
「美味ですよ! 体も凄く温まります」
早速、自分も甘酒を飲む…… 寒かったので良く体が温まる…… うん? アルコールの匂いが鼻につく。
アルコールのが入っていないのを頼んだはずだけど……
「もも! 飲むのちょっと待って!」
慌てて止めるものの…… 既に全部飲み終えていた。
「大丈夫? 変な感じにならないか?!」
「どうしたんですか? 平気ですよ?」
何とも無ければいいけど…… まぁ、甘酒だから大丈夫だろうと思った。
「いや、何でもないよ。体も温まったし、帰ろう」
その後……
「先輩! 手を繋いでくださいよぉー」
「先輩! おんぶしてくださいよぉー」
駄目だった! 歩いている内にアルコールが回ったのか? 顔を真っ赤にして歩くのも大変な様子だった。
完全に酔ってしまっている……
「もも。少し休んでから帰ろう」
最初は手を繋いでいたのだが、今は腕にしがみ付いている状態だった。厚手の服越しだが、ももの体温が伝わって来ていた。
「はーい! どこにでも付いていきますよ~」
近くにあったバス停の小屋に入って寒さと風を凌ぐ事にした。
「先輩ぃ~ ちょっとあたしの話を聞いてくださいよ!」
腕にしがみ付いて離れない彼女は言う。
「わたしと付き合ってくださぁい!」
「うん? 本気で言ってる? 酔ってるのか?」
急に告白されて鼓動が速くなる。
「あたし、酔ってませんよぅー??」
なぜに疑問形なのか…… 酔ってるな。
「あたしは、本気です!」
本来であれば好きな子に告白されて、嬉しいに決まっているのだが…… この状況では、酒の勢いに便乗している気がするので、気か引けてしまう。
「先輩はあたしの事、どう想っているんですかぁー」
素直に好きだと言うべきか……
「黙っているので…… 嫌いなんですね!」
いやいや、そんな事は1㎜も考えた事は無い……
変な方向に行きそうな予感がしたので正直に答える。
「俺は、ももの事が好きだよ。ずっと前から好きなんだ」
「本当ですか?!」
照れて顔を赤くしているのか? 酔って赤くなっているのか? どちらしにても顔が真っ赤になっていた。
「……本当ならここでキスして下さい!」
好きな人だから、言われなくてもしたいが…… 流石に不味いだろうと思った。もし、酔ってるだけなら尚更、不味い。
「本当だけど、今はしないよ。後でも出来るから今は駄目だ!」
「先輩の意地悪ぅ……………… スゥー」
腕にしがみ付いたまま、急に寝てしまった。バイトで忙しかった様だし、甘酒を飲んで体が温まったからなー。寝ても仕方が無いと思った。
噴水に時みたいに、一人で寝ないだけマシだな。しかしバイトで疲れている所、無理させてしまったと感じた。
そのまま腕を貸しながら彼女が起きるのを待つ事にした。
「ううぅんー あれ? あたし寝てた……?」
「ひゃぁぁ、先輩の腕にしがみ付いて…… ごめんない! よだれとか大丈夫ですよね?!」
「大丈夫だよ。ずっと寝顔見てたから」
「寝顔…… ひゃぁぁ、見ないで下さいよ!」
そんなことを、今さら言われても見てしまった後だし、なによりとても可愛かった。
「ごめん、ごめん。でさっきまでの事、覚えてる?」
「……全部は思い出せないですけど、先輩があたしの事、好きだって…… 夢だったかも! あははは……」
全く覚えていないって事でも無いらしい。それならば、する事は一つだと思った。
「改めて俺はもものことが、ずっと前から好きなんだ。俺と付き合って欲しい」
今度は自分から告白する。
「え? 夢じゃない…… はい! とても嬉しいです。こちらこそよろしくお願いします」
想いを寄せていた彼女と付き合う事が出来て凄く嬉しかった。
「後はさっきお願いされた事もしないとね?」
「え?」
腕に抱き付いている彼女は、ちょうど俺を見上げる様に見ていたので、そのまま顔を近付けてそっと唇にキスをする。
「……その事も覚えていましたよ。本当に、彼氏になってくれたんですね。嬉しいです」
「うん。俺も嬉しいよ。それじゃ一旦、市内まで戻ってゆっくり休んでから帰ろう」
今年は元旦から良い事がありこの一年も、ももと一緒なら幸せになる年だと思った。
END
明けましておめでとう御座いますm(_ _)m
そして、いつもお読みいただきありがとう御座います。
多忙で中々、投稿出来ていませんが今年も頑張って行きますのでよろしくお願いします<(_ _)>