私立グリモワール魔法学園~Another story   作:風飛の丘

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独自解釈、独自設定により原作を大切にされている方はご遠慮下さい。主人公はオリ主 不定期投稿
各専門用語については後書きにて補足
誤字、脱字等ありましたらご了承下さい。

時期は夏です。今回はタイトル通り彼女に頑張ってもらいます。


グリモア 第8話 東雲 アイラ編

1時限の授業が終わり、一息ついているとデバイスが急に鳴る! 急いでクエストを確認すると、指定クエストが表示されていた。

内容を確認すると東雲アイラと2人で、魔物討伐に行く事なっていた。

魔物のタイプは『さわがに』と書かれている。

あの沢にいる 『沢蟹』か?

しかもクエストの発行元が生徒会では無く、執行部からの依頼だ。珍しいと思いながらデバイスの位置情報で東雲アイラを探す…… どうやら既に校門前に居るようだ。

 

□□□

校門前

「ぶはぁぁぁぁぁぁ!! よく来たな少年」

 

「妾と共に討伐クエストに向かうぞ!」

 

「執行部からの依頼で、ちときな臭いが少年の訓練を兼ねて妾の力を見せてやるぞ」

 

「この真祖たる妾がおれば無敵じゃ、安心せい」

 

魔法に関してアイラさんは凄いからな~ 知識も豊富だし頼りになるはずだ。

 

「妾に任せろ! さて討伐に対象はなんじゃったかの? まぁ なんでも良い! 何処に行けばいいんじゃ? 案内せい!」

 

覚えて無いのか…… 言うと怒りそうだしな。

 

「えっと討伐対象は『さわがに』です。場所は俺が案内しますのでついて来て下さい」

 

実はアイラさんを心の中で師匠だと思っているので、敬語で話す事にしている。

魔法を使える様になったのも師匠のお陰だ。

 

□□□

学園近くの山の中

 

「着きました! この辺りです」

 

「……なぜじゃ! こんなにも川があるんじゃ!」

 

「え!『さわがに』は沢に居るものでは? 魔物ですけど」

 

「えぇぃー 問題はそこでは無い! 川があることじゃ」

「妾の唯一の弱点である。流れる水があるではないか! 」

「真祖たる妾は流れる水を越えられん!」

 

「え? 先程も真祖っていってましたけど?」

 

「そうじゃ、妾は312歳。吸血鬼の真祖であるぞ! このぷりてぃな容姿に騙されて、ほいほいついて来ると眷属にするぞ!」

 

「そんな訳で、流れる水は吸血鬼は越えられん! と言うか越える気がしない! 真祖もそこは変わらん。理屈は知らんがそう言う設定じゃ」

 

今!設定って言ったぞ。師匠に話を合わせるしかないか……

 

取り敢えず、話を合わせて行こうと…… その時、少し離れた場所に魔物の姿が見えた。

 

「あ! 師匠、あそこに魔物がいます」

 

「なに! よし、あやつが川を渡る前に倒すぞ。吸血鬼の戦い方をしっかり見とけ!」

 

師匠は駆け出しながら

「Thunder ball」と唱える。

 

自身の周りに、稲妻の球体を10個ほど出現させる。

魔物に近よりながら、10個の球体を完璧にコントールして前後左右上から同時に攻撃する。

 

凄い! さすがだ!逃げ場が無い攻撃だった。

 

『さわがに』に全弾命中するが倒し切れていない。

 

今度は立ち止まり「Lighting Lancer」と唱える。

 

稲妻槍が10本、師匠の周囲に展開される。

 

「とりぁー!」

 

稲妻の槍が10本、真っ直ぐ魔物に向かって飛んで行くが『さわがに』が横に高速で動き、外れてしまう。

 

稲妻の槍が魔物を通り過ぎて行く……

 

その時「Turn」と叫ぶ声が聞こえる。

すると外れた稲妻の槍が急に反転し戻って来た。

 

次々に『さわがに』の背中にあたり、体を突き抜ける。

 

「これで終わりじゃ!」

今度は大きな火球が飛んで行き、あっさりと倒してしまった。

 

凄い! いやそんな物じゃないな…… 威力は調整した? 完璧に魔法を自由に制御して、コントロールしているのを見せてもらった。

 

「少年見たか! これが真祖たる妾の魔法じゃ」

「どうじゃ 妾に惚れたか? なら血を飲ませろ」

 

血を飲ませろとか? また冗談を…… 冗談だよね?

 

「血は駄目です…… 魔法の制御力、凄かったです! 感動しました」

 

「そうじゃろう、そうじゃろう。妾は最強じゃからな」

 

「それでじゃ、少年の課題は分かったな? その銃で攻撃が当たれば最強じゃ。しかし銃をイメージして、撃つ仕組みゆえに真っ直ぐしか飛ばん。これはどうにもならん事じゃ」

 

本来、銃の弾は曲がったりはしない。銃をベースと魔法式が生成されているので、たぶん弾を曲げようとしたりすると、魔法式が上手く作動ぜすに発動すらしないだろうと思う。

 

「課題は、新しい魔法を覚える事と制御する事ですね?」

 

「そうじゃ、ただし新しい魔法は無理じゃろう。そこで球体を銃で撃つのでは無く。妾と同じ様に自分の周囲に出せる様にするんじゃ」

 

難しい…… 出来るかな?

 

銃で撃つイメージと、その魔法式には慣れて来ている。

それを今度は自分の周りに、展開し制御しろと師匠は言っている。

 

「最初は1つ。それを制御出来るようになったら、また1つと段階的にやるのじゃな」

 

「自分に出来ますか?」

 

「出来ぬ事は言わんが、努力は必要じゃ」

 

手本を見せてもらったので後は特訓するしかない!

 

「後で制御のコツを教えてやる! 魔物を倒すのが優先じゃ」

 

その後、『さわがに』を探して移動を続ける。

 

「少年よ。川は越えられんから妾を肩車しろ」

「見ての通り、こんぱくとなぼでぃだから軽いぞ!」

 

師匠の頼みだし、魔法を教えて貰えるなら仕方がない

半ば諦めて、恥ずかしいが肩車する事にした。

 

「おお! 少年よ。見晴らしが良いぞ 中々、快適じゃのう」

身長も低いし、細いから重さも気にならないが……

 

ヤバい! 太もも感触が気持ちいい…… ダメだ、ダメだ。ロリコンにはなりたくないぞ!

 

そんな事を考えて歩いていると、川の中にある苔に足を取られ後ろ向きに倒れる!

 

『バッシャ バッシャ!!』

 

「痛てて、ばかもん! 急に後ろに倒れるんじゃない。危ないでは無いか!」

 

よかったぁ。声からしてどうやら怪我はなさそうだ。

 

起き上がりアイラさんを見ると、ある問題に気付いてしまった!

 

完全にずぶ濡れなってしまったアイラさんの

白いブラウスが透けて、小高な胸が見えてしまっている。

 

ブラはしてないのか?……

 

そして捲れ上がったスカートからは、桃色と白の縞パンが見える……

美少女の濡れた髪、体の水滴が光に反射し、さらに欲情的な感情が増す……

 

す、すごく危険だ…… 変な事を考えないよう意識を……

 

それに気付いた師匠は

「少年、欲情したのか? 若いな! もっと見たいなら血を吸わせろ」

 

うぅ、ロリコンになっても良いかな…… は! ダメだ! 」

 

ひとまずその件は無視して、なるべく見ないようにお姫様抱っこしながら川から脱出する。

 

日光が強いので、少し経てば服が乾くかな? と思っていると今度は……

 

「少年~ 妾の唯一の弱点の日光がきつい~」

「お主の陰に隠れるから、あまり速く動くな!」

 

あれ? 川が唯一の弱点とか? 言って無かったかな?

 

突っ込みたいが我慢して、ゆっくりと動きながら残りの『さわがに』を探して行く。

 

30分ほど歩き探して行くと、5体の『さわがに』が一緒にいた。

 

「よし! 少年 妾に魔力を注ぎ続けろ! 一気に妾の最強の魔法で仕留めるぞ。今日は佃煮祭じゃ」

 

「では、いくぞ! 少年、秋の味覚は我らにありじゃ!」

 

言われた通り魔力を注ぎ続ける。

 

師匠が「Tempest」と唱える!

 

辺りの空が急に曇って暗くなったと思うと

空から大量の雷が暴風を伴って、魔物に降り注ぐ。

 

……辺り一面、焼け野原状態になり魔物の姿も無い。

一撃で消滅してしまった。

オーバーキルもいい所だけど、魔法の凄さを目の辺りにした瞬間だった。

 

「どうじゃ 少年、妾の魔法は!」

 

「凄いとしか言いようが無いぐらい凄いです」

「あと、佃煮祭は出来ませんでしたね」

 

「妾を食いしん坊キャラにするな! 霧になることぐらい知っとるわ」

 

「しかし、少年から魔力吸い取りながら撃ったからの~ 気持ちいいのぉ。お主は疲れとらんのか? 想像以上に魔力量が多いな…… 人類史上初の体質じゃ」

 

「まだまだ、大丈夫です」

体の調子も良く、まだ疲れると言う感じも無いのでまだ戦える。

 

テバイスのアラームが鳴りクエスト完了を告げる。

今ので最後の魔物だったようだ。

 

「少年、クエスト完了で報告するだけじゃ。ここで少し特訓して行くか? 幸い、辺りは焼け野原で何も無いぞ 安心して少年の魔法が撃てる」

 

その提案に乗り特訓を開始する。

 

「最初のコツは、撃つ時と同じイメージで丸い球体を意識する。銃から放つのでは無く、銃の先端に貯めるような感じで魔力を注ぎ込むんじゃ」

 

言われた通りに、先端に風船を作る感じを意識するが球体を作る前に壊れてしまう。

 

「まぁ、そんなもんじゃろ。何度か練習して見るんじゃ」

 

思考錯誤を繰返し魔法式のイメージを作る。段々と型なり銃の先端から球体を出すことが出来る。

 

「おおぉ、何とかなったようじゃな。次はその球体を制御する為に、見えない糸が付いていると意識して引張ったり回したりするイメージを作るんじゃ」

 

ヨーヨーを回す感じで球体を動かす。これ自体は難しくは無く、数回練習すると出来る様になった。

 

「後はその応用で上下左右に動かす練習じゃが、もう終わりじゃ」

 

時間を確認すると、かれこれ3時間ほど経っていた。

クエスト完了の報告にも行かなければならないので、特訓を止め報告に向かう。

 

「少年、後は自己鍛練じゃ。3つぐらい出せて、制御出来れば良かろう。どれぐらい時間がかかるかはお主次第じゃな」

 

クエスト完了後、その日の授業は免除になるので、忘れない内に練習しようと思う。

 

「少年。妾が暑い中、訓練に付き合ったのじゃから購買部でアイスクリームを買ってくれ。お主の驕りじゃ」

 

クエスト報告前に、先に購買部へ向かう事になるのだった。

 

その途中に小声で言われる。

「のぅ少年。さっきもクエスト中に言ったが、お主の体質は人類史上初の体質じゃ。ある意味、危険じゃ」

 

魔物が現れて以来、人類は魔力の貯蔵や受け渡しの運用、装置など作ろうとしてきたが、今も尚そんな技術は無いと言われる。

そして特に、魔導科学研究所 通称科研には注意しろと。

その名の通り魔導科学を研究していて、研究の為なら人権など無視。解剖や人体実験はお手の物と言う機関あると教えてもらう。

 

「様々な機関がお主を狙って来るかも知れん。注意しておけ!」と言われる。

 

そう言えば宍戸さんにも、人類を変える力があると言われたが…… 今度は狙われるとか想像もつかないな……

 

は! もしかして、今日一緒にクエスト受け魔法を教えてくれた理由なのか? 自分の身を守れる様に?

 

「少年、立ち止まっておらんでいくぞ!」

 

難しい事は後して、アイスクリーム買わないと。

 

「待って下さい~ 今行きます! 置いてかないで下さい」

 

人類の存亡とアイスクリームを天秤に掛ける少年の物語でした。

 




いつもお読みに頂きありがとう御座います。

さて、8話目まで何とか執筆できました。
文字数をもう少し増やして行きたいと思いますので、投稿遅れましたらすみません。

2016/10/21 一部修正完了済み

東雲アイラ
自称、吸血鬼
5ヶ国の言語を話すことができる
魔法の知識にも長けており、魔法で学園屈指の魔法使い。さらには歴史についてもその辺の学者には負けないぐらいの知識がある。



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