前の土日に更新しようと思ったんですけど、まさかの講習が入るというハプニングがあり、更新できませんでした。
今回は短めです。
次の更新は土日に出来る…………といいなー
--漂っている
マルグリットや友に看取られた後、水銀はまるで水に浮かべられた葉船の如くユラユラと暗い闇の中に浮いていた。前も後ろも分からないほどの暗闇だが自然と不快感などは感じなかった。寧ろ女神の抱擁の様な心地良さまで感じる。彼は疑問に思った。
此処は何処なのか?
水銀は禁術の副作用により、魂までもが傷ついたため消滅した。つまり、霊核の傷つき過ぎた彼は輪廻の輪にも乗れず文字通り世界から消えたのだ。
消滅、其れは回帰し続けてきた彼にとって全くの未知。ふと浮かぶのは自分があの世界に来た時の事だが、期待はしていなかった。
このまま自我すらも消え去り、メルクリウスという人物は泡沫の如く無くなると思っていた。しかし、現実は彼の予想を外れ死んだ時と同じ状態のまま、自我を残しこの空間に居た。
水銀が此処に来てから多少の時間が経った。
常人なら発狂するほどの時間を回帰してきた彼に取っての多少なので、人の一生が軽く三回終えるほど時が経過しているのだが、自分の記憶を反芻し感動に浸ることに夢中だったため少し経った、位の感覚だった。
(やはり最後が一番素晴らしかった。近しきものは幾つかあったがあれ程のモノは無かった。だがあの回帰の時はまた違った___)
思い返す度に、頬が緩む。
傍から見れば四肢に下半身が吹っ飛び、首が千切れかけの男が何も無い処でにやけているという不気味極まりない絵面なのだが生憎其れを指摘する者は此の空間には居なかった。
また幾何かの時が経ち、そろそろ暗闇に飽きてきた頃彼の体に有る変化が訪れる。
ボロボロだった身体は元に戻り、傷ついた魂も修復され全盛期と何ら変わらぬ状態へと変貌した。
其れに伴って、黒一色だった世界はリバーシの駒を反転させたように真っ白に変わった。海を漂っている様な感覚から打って変わり、足がしっかりと地を捉えている感覚がする
暗闇に目が慣れていた為、眩しくて目が開けられない。少しの間、白磁の如き世界に苦しんだが、やっと目を開けられた。
やはり辺りを見渡すと自分以外誰もいない。味気の無い気分になりながらも足元に落ちている封書を手に取る。
此れは空間の変化したときに落ちてきたものだ。好奇心から迷わず封を切る。
『悩み多し異才を持つ少年少女へ告げる。
その
己の家族を、友人を、財産を、世界の全てを捨て、
我らの"箱庭"に来られたし』
書いてあったのは数行の文章。
その中で水銀は『箱庭』という自分の知らない場所にとても興味を惹かれた。もしかしたら其処ではまた自分の尊ぶ『輝き』を見ることが出来るのではないかと期待も膨らんでいた。
しかし、前の世界への未練も有る。女神の治世を見たいという想い、友や息子にまた逢いたいという想いが
未来と過去。至高の既知と欲する未知。悩みに悩んだすえ天秤は未知へと傾いた。既に役目を終えた身というのも有るが、彼ら、特に獣殿は次元など容易く超え、逢いに来るかもしれないという淡い希望もあったからだ。
そして、箱庭に行こうと思った瞬間、身体が何処かへと引っ張られる様な感覚に襲われる。
「ふむ、私に再び生を歩ませるとは外なる神も趣味が悪い。此度の御業にどんな思惑が有るかは察しかねるが……まあ輝きをまた味わえるのだ、礼は言っておこう。だがな、」
誰も居ない空間に言葉を投げ掛ける。聞く人も返答も無い一方的なもので、所詮は独り言のなのだが水銀は続けた。
「私は決して少年という枠に当て嵌まる程若くはないよ」
やれやれと肩を竦め、苦笑しながらそう言い放ち完全に転移した。しかし、この男。果たして老人ともいえるのだろうか?もはや、通り越しすぎてUMAだろう。
____同時刻、三人の問題児が同じく箱庭に招かれた
「貴方の歌劇、とても素晴らしいものでした。神々にも大好評でしたよ?ですので、次の世界でも期待しています
………………と言いたいところですが、何なんですか!あの霊核の傷つき方!!直すのにどれだけかかったと思ってるんですかーー!!!
もう働きません、疲れました。ああ其れと
…………次また同じようなことしたらカクゴシテオケヨ?」
とある一柱の独自