水銀転生   作:卵かけ御飯用醤油

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更新長引いてすみませんでした
最近土日に休みが取れなくて辛い
今月も今日しか休みがないze!(錯乱)
合間にちょくちょく書いていこうと思います



遂にやって来たそうですよ?

「わっ」

「きゃ!」

 

 転移に身を任せ眩い閃光に呑まれた後、水銀の視界は直ぐに開けた。そして感じる浮遊感。急転直下、彼らはどうやら上空4000mほどの所から落下中の様だ。

 水銀と同じく召喚されたであろう少年少女は落下に伴う圧力に顔を顰めながらも眼前広がる光景に唖然としていた。

 

 

 世界の果てを彷彿させる断崖絶壁の地平線

 

 巨大な天幕に覆われた未知の都市

 

 

 少年たちが落ちていく中、水銀はその場に留まりその光景を眺めていた。

 その目は高価な玩具のショーケースを見つめる幼子の様に爛々と輝き、口角は吊り上がっていた。

 

「素晴らしい」

 

 自然と口に出していた賞賛の言葉。至高の既知を捨ててまで召喚に応じた水銀。全くの未知、完全なる異世界である光景に胸を躍らせる。

 地平線の先には何が有るのか、あの天幕の中はどうなっているのか。

 そして、

 

 この世界の人々はどんな輝きを秘めているのか

 

 己が至高に届きうるモノなのか

 

 はたまた矮小で淡いモノなのか

 

 

 見渡せば見渡すほど『初めて』であるこの状況に水銀は狂喜していた。知りたい、味わい尽くしたい。そんな事が頭に浮かぶ。

 人生とは未知を既知に変える作業、と彼は言ったことがあるが既知の呪いを疎ましく思うことは無かった。

 呪いについては自分の渇望の性質上受け入れていたことである。そして、水銀にはある信念のようなものがあった。

 未知の感動を味わうには先ずそれに触れなければならない。例え其れによって事象が既知変わろうと其の瞬間は何にも勝る幸福を与えてくれる。

 大事にし過ぎて遠ざけるなんて愚の骨頂。知りたいなら、絞り粕すら出なくなるほど知り尽くす。そして、その既知を背負いまた未知を探す。

 彼はどちらも愛していたのだ。両方とも自分に感動と幸福を与えてくれるから。

 此れは彼の友である獣殿にも伝えたこと。其の末に黄金は自らの愛を謳い、流出まで至った。

 この二人が仲がいいのは性質が似ているからかもしれない

 

 

 此れから知るであろう未知に思いを馳せていると、したからボチャン、と水音が聞こえる。水銀はすっかり彼らの存在を失念していた。

 下に居る者たちを追いかけるように降って行く。

 彼らの事も気になる。自分と同じく召喚された者たち。普通でないことは確実だが、中でも金髪の学ランでヘッドホンを付けていた少年は素晴らしい素質を備えていると感じた。他の二人も其れに準ずる可能性を感じる。

 水銀はまたも爛々と目を輝かせ彼らの元へ向かった。

 すぐそばの草むらにいる者(・・・・・・・・・・・・)を横目に…

 

 

 

 _____________

 ____

 

 とある草むら、一人?の兎が頭を抱えていた。彼女は只今絶賛混乱中である。

 

(なんか神格と霊格がトンデモない人来ちゃったのですよおおおおお!!!???)

 

 拝啓 ジン坊ちゃん

 黒ウサギ、現状を打破する起爆剤どころか勢い余って周りを消し飛ばす核兵器級の人召喚しちゃいました

 

 

 

 _____________

 _____

 

 

 

「し、信じられないわ!まさか問答無用で引き摺りこんだ挙句、空に放り出すなんて!」

 

「右に同じだクソッタレ。場合によっちゃその場でゲームオーバーだぜ。石の中に呼び出されたほうがまだ親切だ」

 

「……。いえ、石の中呼び出されては動けないでしょう?」

 

「俺は問題ない」

 

「そう。身勝手ね」

 

「此処……どこだろう?」

 

 水銀が降りてきてみたのはそんな光景だった。全員が五体満足、ただずぶ濡れになっているだけと言うのに目を疑った。普通、人はあんな上空から落とされたら即死モノだ。

 何かしらの特殊な力を持っているのは確実だが、あんな高さから落ちて無事という理由づけにはならない。特に赤いリボンを付けた少女は明らかに身体強化系ではないと踏んでいた。

 疑問に思い、湖を凝視すると幾重にも緩衝材の様な水膜が張ってあった。

 

(なるほど、安全は確保されていた訳か)

 

 天空からの落下とは何ともスリリングな召喚だと半ば呆れていた。何の説明もなければ動揺し、酷ければ失神する者もいるだろうに、と

 

(だがこの程度難なく受け入れる胆力が無ければどの道生きていけないと言うことなのだろう)

 

 しかし、呆れと同時に此れは最初の度胸試しでもあるのだろうと召喚者の意図、の様なモノを感じていた。

 そして、此れが序の口であるということから、この世界は壮絶な変化に富んだ場所だと期待が更に膨らんだ。

 

「で、其処の空を飛び、さっきから湖を見つめている軍服の貴方は……」

 

 ふと、後ろから声が掛かる。どうやら皆自己紹介が終わり、残すは自分だけの様だ。

 

「ああ、すまないね。何しろ『初めて』の光景だったもので。良ければ名を聞いても?」

 

「あら、人に名を訪ねる時は先ず自分からではなくて?」

 

「此れは失敬。……ふむ、サン・ジェルマン、パラケルスス、メルクリウス。様々な呼び名があるが、愛着のあるものでカール・クラフト。カールとでも呼んでくれ」

 

 水銀にとって名前など記号の様なものなのだが、此れと女神の呼ぶ『カリオストロ』には不思議と思い入れが有り、かなり気に入っていた。

 彼らは多くの名を持つと言うところに疑問を感じたが其れよりも何も持たずに空を飛んでいたことに興味津々だった。

 

「私は久遠飛鳥。よろしく、カールさん」

 

「…春日部耀。以下同文」

 

「逆廻十六夜だ。よろしくなカール」

 

 ケラケラと笑いながらもその目は確りと水銀を観察する十六夜。純粋な興味を見せる飛鳥と耀。

 その様子を見ていた黒ウサギは

 

(うあぁ…なんか問題児ばっかりみたいですねえ……)

 

 此れからの将来を考えて、陰鬱そうにため息を吐いたのだった

 

 




核兵器級と言うか水銀は単一宇宙するぶっ壊しますけどね
取り敢えず水銀はカール呼びでいきます
既知の中から未知が生まれる可能性だってありますから
この水銀は既知も未知も大好きマンになりました〜

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