水銀転生   作:卵かけ御飯用醤油

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えー、更新が遅れた理由ですが…
すみません!ずっとゲームにハマってました!
FGOでガチャ引いたら

師匠来たーー!♪───O(≧∇≦)O────♪ってずっとやってました。
いまジャックちゃん来てるから当てたい!
サンタオルタ欲しい!
因みにパーティーは師匠、青王、破壊娘です。レベルが足らんから船長が入んねえ!

…更新頑張ります



蛇は静かに牙を研ぐ

 各々の自己紹介を終えた頃、十六夜が苛立たしげに言った。

 

「で、呼び出されたはいいけど何で誰もいねえんだよ。この状況だと普通説明する人間が出てくるもんじゃねえのか?」

 

「そうね。なんの説明もないままじゃ動きようがないもの」

 

「……この状況に対して落ち着き過ぎているのもどうかと思うけど」

 

(全くです)

 

 十六夜たちが現状に対して愚痴っているのを聞いて黒ウサギはこっそりツッコミを入れた。

 予想外の来客や招待した者たちがこれまた予想を外れ落ち着き過ぎていた為出るタイミングを完全に逃していたのだ。

 

(まあ、悩んでいても仕方が無いデス。これ以上不満が噴出する前にお腹括りますか)

 

 怖気づいてしまいそうな自分を鼓舞し、姿を現そうとした瞬間。

 

「ふむ、ならば其処の草むらにいる者がそうではないかな?」

 

 水銀の発した言葉に心臓を鷲掴みにされたように飛び跳ねた。余りの動揺に黒ウサギの素敵耳は伸び切り、その様は正に直立不動。

 其れに十六夜たちも続く。

 

「へえ、アンタも気付いてたのか」

 

「寧ろ貴方が気が付いてるとは思わなかったわ、十六夜君」

 

「俺はかくれんぼじゃ負けなしだぜ?お嬢様。そっちの猫を抱いている奴も気付いていたんだろ?」

 

「風上に立たれたら嫌でも分かる」

 

「……へえ?面白いなお前」

 

 軽薄そうに笑う十六夜の目は全くと言っていいほど笑っていなかった。

 水銀を除く三人は理不尽な招集を受けた腹いせに殺気の籠った冷ややかな視線を黒ウサギに送る。

 水銀はただ一人、見定めるように目を細めた。彼の目に映る感情は期待と興味。

 

「や、やだなあ御四人様。そんな狼みたいに怖い顔で見られると黒ウサギは死んじゃいますよ?ええ、ええ、古来より孤独と狼はウサギの天敵でございます。そんな黒ウサギの脆弱な心臓に免じて此処は一つ穏便に御話を聞いて頂けたら嬉しいのですヨ?」

 

 お道化た様子で少しでもこの状況を緩和させようとするが、

 

「断る」

 

「却下」

 

「お断りします」

 

 問題児たちに一刀両断されてしまった。間髪入れずに帰ってきた応答に少しだけへこむが、主導権を奪われないよう笑顔を貼り付ける。

 

「あっは、取りつくシマも無いですね♪」

 

 バンザーイ、と降参したようなポーズをとる黒ウサギ。しかし、その目は十六夜たちが己、いや自分たちの悲願を叶えるのに足る人物なのかしかと値踏みしていた。

 

(肝っ玉は及第点。この状況でNOと言える勝気は買いです。まあ、扱いにくいには難点ですけど…後此方を凝視している方そんなキラキラした目で見ないで下さい!)

 

 そんなことを考えながら四人とどう接するべきか冷静に考えを張り巡らせていると耀が不思議そうに黒ウサギの隣に立ち、ウサギ耳を根っこから鷲掴み、

 

「えい」

 

「フギャ!」

 

 力いっぱい引っ張った。深く考え込んでいたのか全く気付かず不意打ちの痛みに思わず涙目になってしまう。

 

「ちょ、ちょっとお待ちを!触るだけならまだしも、まさか初対面で遠慮無用に黒ウサギの素敵耳を引き抜きに掛かるとはどういう了見ですか!?」

 

「好奇心の為せる業」

 

「なに?このウサギ耳って本物なのか?」

 

 耀が掴んでいた耳とは逆の右側を掴んで引っ張る十六夜。黒ウサギの悲鳴に耀は無表情で誇らしげに胸を張る。

 飛鳥も己の好奇心に耐え切れなくなったのか耳を触ろうと黒ウサギに近づく。

 

「ちょ、ちょっと待——— !」

 

 黒ウサギは最後の期待を込めて水銀の方へ救援の視線を送った。しかし、帰ってきたのは、

 

「私も良いのかね?では其の好意に肖ろうか」

 

  ニタリという顔と死刑宣告。至高と尊ぶものの一つである未知に対して自重という文字はこの男の辞書には存在していなかった。

  いや、在ったとしてもそんな物何処かの宇宙の最果てに投げ捨て、銀河ごと焼き尽くして何食わぬ顔で帰ってくるだろう。

  その顔表情から分かっていて言っているだろうと叫びたいが今にも引き抜かれそうな勢いで引っ張られる耳を護るのに必死な黒ウサギにそんな暇など無い。

 黒うさぎの悲鳴は森を震わせ辺りに木霊した。

 

  此れは余談だが黒ウサギは少しの間、背後から足音がすると目にもとまらぬ速さで逃げ出す様になったという。

 

 

 *

 

 

 

「あ、有り得ない。有り得ないのですよ。まさか話を聞いて貰う為だけに小一時間も費やしてしまうなんて。学級崩壊とはこのような状況を言うにちがいないデス」

 

「いいからさっさと進めろ」

 

 半ば本気の涙を浮かばせ、耳の痛みという対価を払ってやっと話を聞いて貰える状況を作ることに成功した。

 問題児三人が『聞くだけ聞いておこう』という程度に耳を傾けていることに少し文句を言いたいが一人『速く聞かせろ』と催促するような目をしてるので良しとしておこう。

 

「それではいいですか、皆さま。ようこそ"箱庭の世界"へ!我々は御四人様にギフトを与えられた者たちだけが参加出来る『ギフトゲーム』への参加させていただこうかと召喚いたしました!」

 

「ギフトゲーム?」

 

「そうです!既に気付いていらっしゃると—―—」

 

 此れより黒ウサギの長い説明があるが要約すると

 

 曰く、恩恵(ギフト)とは修羅神仏から精霊など数多の要因から生まれ与えられ行使するモノ

 曰く、ギフトゲームは恩恵を用いて競い合うゲームであり、箱庭は強大な力の保持者がオモシロオカシク生活する為のステージである

 曰く、『主催者(ホスト)』という存在が『ギフトゲーム』を開催し、チップには己の持ちうる全てを。

 曰く、勝者こそが正当であり総取りのシステム

 

 中々に愉快で自分好みなシステムだと水銀は思った。

 己の持てる全て。富も名声も知慧も権能も、総てがゲームを盛り上げる舞台装置でしかない。

 奪い奪われ、鎬を削る盤上世界。言うなれば弱肉強食。

 弱き者は強者を打ち倒さんが為に牙を研ぎ、強き者は其れ等を封殺する壁で在り続ける。

 苦難と逆境。試練というものが身近に存在している様は英雄が闊歩していた神代を思わせた。

 胸の躍るような話だった。早く探求したい、語らいたい。思考が興味で埋め尽くされていく。

 そして、主催者(ホスト)とは条件さえ満たせば誰でも成れるという。

 ならば、

 

 

 —-私が指揮棒を振る(ゲームを開く)のも悪くない

 

 

「この世界は……面白いか?」

 

 十六夜の放った問いは此処にいる召喚された者たち全員の心を代弁したもの。

 一人は空虚な世界に潤いを、一人は何人にも縛られない自由を、一人は他者との繋がりを。

 そして、もう一人は——

 

「——YES。『ギフトゲーム』は人を超えた者達が集う神魔の遊戯。箱庭は外の世界より数段面白いと保証致します♪」

 

 召喚された者は歓喜の表情で黒ウサギの言葉を飲み込む。此処には自分を満たすものがあると信じて疑わない。

 上機嫌な黒ウサギや問題児たちは落下中に目視した正体不明の巨大都市に足を向ける。だから彼の表情に気付けなかった。

 

 水銀は笑う。嗤う。ワラウ。心象に巣食う飢えた獣を宿して

 

 

 

 ——今宵、私は渇望を謳う。箱庭よ、君たちの魂の煌きで私の世界を震わせてくれ。何処までも色褪せぬ感動を与えてくれ。でなければ……

 

 

 

 

 其の者、咒を第四天・水銀の蛇

 ある時は傍観者として、またある時は魔王として白銀の双蛇は高みにて勇者を待つ

 前の世界で手にした至高の物語(dies irae)に次ぐ新たな英雄譚を求めて

 

 

 

 




箱庭に住まう全種に告ぐ。課されし試練を超克し己が輝きを彼に示せ。

立ち塞がるは回帰の理。廻り続ける円環の世界を打倒せよ

超えし者には最大の祝福を、敗れた者には次なる試練を

富、力、智慧、持ちうる全てを解放するのだ

ギフトゲーム『永劫回帰』

その遊戯、最悪にして最難関の命題


水銀がギフトゲームなんて開いたらとんでもないことになりそうですね
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