転生伝記   作:斎藤 恋

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遅くなりましてすみません。
書く時間が全く取れず、投稿がかなり遅れてしまいました。
本当に申し訳ない。

ちゃんと完結させますので、長々とかかるでしょうが、楽しみに待っていてください。


第四話 第一火星人との接触

カラミティモンキーズ事変から、およそ、30年。

 

 

 

俺は成長限界に達していた。

 

 

 

 

 

「……登れない……。階段は見えているのに………!!」

 

 

 

 

 

登れない原因は理解している。

 

 

 

 

 

簡単だ。

 

 

 

 

ーーーーー此処には、俺にとっての脅威が無いーーー

 

 

 

 

 

 

 

壁がなくては、何も乗り越えられはしない。

 

 

乗り越えるべきものが、子供の腰掛椅子程度、いや、それ以下では、乗り越えたという実感すら湧かない。

 

 

まして、実力もつかず、進化への道筋も垣間見ることは不可能だ。

 

 

 

 

故に、

 

 

 

此処が、私個人の限界点なのだろう。

 

 

 

 

「………なら、どうすればいい…………?」

 

 

 

 

俺は行き詰っていた。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

長い年月を私は、自身の進化へと捧げてきた

 

 

 

"人間"としてのありとあらゆる脅威に対し打ち勝ってきた。

 

 

 

 

だが

 

 

その脅威はもう、脅威では無い、無害なモノへと成り果てた。

 

 

 

今の私は、かつてのような"ヒト"とはいえないだろう。

 

 

 

よく言って"化け物"悪く言って"神"とでも言ったところか………

 

 

現状を見つめ直して思うが、あり得んな……。

 

 

 

 

まぁ、望んでなったのだ、悔いなどあり得ん。

 

 

ただ、地球の連中には知らせたくは無いな。

 

 

アレらはこれで戦争しか起こさんだろうしな。

 

 

 

 

平和利用される風景は思い浮かばんよ。

 

 

 

 

 

 

まぁ、そんなことは置いといて、だ。

 

 

 

私は、すでに一人での限界に至ってしまった。

 

 

 

もしシャノンが生きていたのなら、彼も至っているのだろうか?

 

 

 

 

 

分からない。

 

 

 

彼は"ヒト"であった時から十二分に化け物だった。

 

 

そんな彼が、マーズサイトを手にすればどうなる?

 

 

確実に階段を見つけ、登っているだろう。

 

 

 

そして、私は彼が死んだとは、とてもじゃないが思えない。

 

 

 

 

これは、確信だ。

 

 

 

 

あの化け物を殺せる生物が思いつかないのだ。

 

 

マーズサイトを手にしていたとなれば尚更だろう。

 

 

 

だが、ここ数十年、彼を見かけたことも、彼の痕跡を発見したことも無い。

 

 

 

砂で消えてしまった可能性も高いが、生きて、私のように生活していたとしても、数十年間も私と出会わないのはおかしい。

 

 

 

 

如何に火星が広いと言っても、我々は超人である。

 

 

同種族を感知できないなどということがあり得るだろうか?

 

 

否、であろう。

 

 

故に、あの開拓団壊滅のとき、

 

 

 

何かがあったのは確かだ。

 

 

 

恐らくだが、ドミトリやシャノンは、何処かへと飛ばされたか、封印でもされているのでは無いだろうか?

 

 

マーズサイトの力には不思議が多い。

 

 

 

その能力は多岐に渡るようだし、他者を封印する能力程度なら、存在する可能性はなくは無い。

 

 

何処かへと飛ばす、というのもそうだろう。

 

 

何処ぞの革命軍のクマさんのように、ヒトを飛ばす能力も存在する可能性は高いし、もしかすると、何か予想もつかない能力を使用された可能性もある。

 

 

 

マーズサイト装着直後の事だ、シャノンでも不意を打たれれば、封印の類であればされてしまう可能性はあるだろう。

 

 

 

 

「……探すべきか、探すまいか………………」

 

 

悩む。

 

 

 

探して、終わりにしてやるべきか、或いは、放置して出てくるまで待つか……

 

 

 

・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・うん、面倒くさいな。

 

 

 

 

探してやるとか、面倒。

 

 

いちいち、この火星の大地を引き剥がして探すとか、無理難題だ。

 

 

下手すれば、星ごと解体(バラ)してしまう可能性がある。

 

 

そればかりはマズい…………。

 

 

さすがの私も、宇宙空間では無力だ。

 

 

酸素の補給は、頑張れば不可能では無いが、大気圏突入は、命にも関わってくる……不可能とは言わないが…………。

 

 

 

それに、火星解体が周囲の天体に与える影響が読めない。

 

 

 

それに手を出すのは、もっと進化してからでなければ無理だろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

てなわけで、探すのは諦める。

 

 

 

 

 

 

今の私が進化するのに必要なのは好敵手だ。

 

 

シャノンは確かに好敵手になり得るだろうが、探すのに手間がかかりすぎる。

 

 

 

 

 

なら、答えは1つだ。

 

 

 

""私に匹敵する者を育てればいい""

 

 

 

 

何も難しく無い。

 

 

単なる真理である。

 

 

 

では行こう。

 

 

ーー洞窟に隠れ住む蟻ん子たちを探しにーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

見つけた。

 

 

 

見つけてしまった。

 

 

 

というか、あれから、1週間と経っていない。

 

 

 

ーー彼らは、街を作っていたーーーー

 

 

 

 

 

 

「いつの間に……?」

 

 

 

30年の月日は長かったようだ。

 

 

蟻ん子達が、街を作るまでに至っていようとは………!!

 

 

ちょっと感動した。

 

 

 

まぁ、それでも蟻ん子に変わりは無いのだが。

 

 

 

「では、第一村人でも探しに行きますかね(」 ̄▽ ̄)」」

 

 

 

 

 

「………ん?なんだ、ありゃ?…………機械兵どもか……!?」

 

 

村人Aがこちらに気づいたようである。

 

 

「って言ってる間に、到着……!」

 

 

村人A「……!な、なんだ?あんたは?いきなりで驚いたぞ?外で何やってるんだ?!」

 

 

「何やってるって………散歩?だけど?」

 

 

村人A「さ、…散歩って………機械兵のいる中をか………?!何考えてるんだ!死ぬ気か!今は厳戒態勢中だぞ!近くには機械兵どもがウヨウヨしてるんだぞ!?」

 

 

 

「そりゃ、あんただって御同様でしょうが。一人で行く気なのかい?」

 

 

村人A「俺は斥候だ!!即座に戻るための能力も持ってる!だがあんたは違うだろうが!!」

 

 

「まぁ、そんな能力じゃぁ無いな。」

 

 

村人A改め斥候A「だったら早く街に戻るんだよ!」

 

 

 

「わあったわあった。さっさと街に入ってるよ。」

 

 

 

斥候A「いくらパッチがあるからって、一人じゃ限界があるんだ!ったく、最近の若い奴は……。」

 

 

ー最近の若者扱いかw そういや、俺の顔ってどうなってんのかね………?昔のまんまか?

 

 

 

 

 

斥候Aさんに言われるまま、街へと入っていった。

 

 

 

「ぅぉー・ ・ ・ ・ ・、スゲぇー……………」

 

 

もう、何十年ぶりかの"街"に"家"だ。

 

 

ちょっと、泣ける…。

 

 

 

 

 

 

「おい、アンタ。何してるんだ?戦える奴は全員、市庁舎へ集まれと言われているだろう。早く行け!敵は待ってくれんぞ!」

 

 

「あー、市庁舎っていうのは何処なんだ?そこには、代表者のようなのがいるのか?」

 

 

「?何を言ってるんだ、お前は?当たり前だろう?というか、市庁舎を知らないだと?どういうことだ!貴様、何者だ?」

 

 

 

「いつの時代のセリフだよ…。俺は、斎藤恋。元第一開拓団 調整役 兼 顧問だよ。代表者と話がしたいのだが…。面会は受け付けておらんのかね?」

 

 

 

 

「………なに……?よく分からんが、話に聞く反乱分子とやらか………?」

 

 

「…………反乱分子って……orz」

 

 

せっかくの名乗りが台無しだよ!全く。

 

 

「まぁ、いい。市庁舎はこっちだ、付いて来い。」

 

 

取り敢えず、案内はしてくれるようだ、安心安心。

 

 

 

 

しばらく歩いて着いて行く、と、デカイ建物が見えてきた。

 

 

 

つか、国会議事堂ぐらいのサイズがあるんだが……??

 

 

 

マーズサイトは偉大である。

 

 

 

 

 

 

見回りA「代表を呼ぶ。ここで待っていろ。」

 

 

「あぁ。」

 

 

応接室の様な、ソファとテーブルのある部屋へと案内される。

 

 

 

ーなんか、システムが出来てないなぁ。こんな簡単に代表に会えるとか、権限の移譲が出来てないのか?国家としても組織としてもまだまだだな……。

 

 

 

 

コンコン

 

 

斥候A「防衛軍警備部、ミライ=カザミです。外部偵察班からの経過報告に参りました。」

 

 

代表リエナ=スミス「入って。」

 

 

 

ミライ「失礼いたします。」

 

 

ガチャ

 

 

 

ミライ「警備部所属、ミライ=カザミ、報告のため帰還いたしました。」

 

 

代表リエナ=スミス「では、報告を」

 

 

ミライ「はっ!本日、ヒトヨンマルナナ時にて、所属不明の人物を発見。当街へと誘導の後、尋問したところ、第一開拓団顧問、などと名乗っており、代表への面会を求めておりましたので連れてまいりました。

 

この時期に、一人で外界から、それも一人でやってくるなど、正気の沙汰では有りません。地球であった"スパイ"である、とまでは申しませんが、厳重な注意とともに、詳細を調べ上げる必要があると考え、連行いたしました。」

 

 

 

 

代表リエナ「・ ・ ・ ・ 。分かりました、会ってみましょう。真贋判定能力者と、あなたにも、警護として同行してもらいましょう。」

 

 

ミライ「はっ!連絡ののち、私も警護としての任に着きます。」

 

 

代表リエナ「宜しくお願いします。」

 

 

 

 

 

 

コンコン

 

 

「構わないよ、入ってくれ給え。」

 

 

ガチャ

 

 

ミライ「代表をお連れした。」

 

 

代表リエナ「初めまして、私は、この街の代表としての責務に着いております、リエナ=スミスと申しますわ。」

 

 

「ご丁寧にどうも。初めまして、私は 火星開拓団 顧問兼調整役、斎藤恋と申します。」

 

 

代表リエナ「………かせ…い、かいたく……だん………?」

 

 

斥候ミライ「…………!!巫山戯るな!!火星開拓団など、とうの昔に壊滅している!生存者などいるはずが無いだろうが!」

 

 

「ココに、現におりますが?」

 

 

代表リエナ「………………し、証明できるものは有りますか?」

 

 

 

「……ふむ。証明ですか。この身この名で十分であると認識していたのですがね。だが、まぁ、証明とおっしゃるのなら、第一開拓団の物資や名簿などは頭に残っております。それが証明になりますかな?」

 

 

 

代表リエナ「い、いえ、それは、こちらでの確認が取れませんので、そ、それ以外で何かありませんか?」

 

 

「無茶をおっしゃる。あなたのおっしゃり様では、証明は不可能に近いということではないか。何なら、心を読める能力者でも呼んできなさい。それで十分でしょう。」

 

 

 

代表リエナ「あっ……、そうでした!コナー、彼の言っていたことに偽りは有りましたか…?!」

 

 

真贋パッチユーザー

コナー「い、いえ、すべて真実でした……。」

 

 

 

ミライ「………!」

 

 

代表リエナ「……………………」

 

 

 

「宜しいですかな?私の身元は証明されたということで?」

 

 

 

代表リエナ「え、えぇ………、構いません。」

 

 

 

「あぁ、良かった。それでは、お話に参りましょうか。」

 

 

リエナ「……話……………ですか?」

 

 

「えぇ。私は、この30年40年の間にも、自己研鑽に努めておりましてな。あなた方のことも、時折では有りますが、観察しておりました。」

 

 

リエナ「か、観察………?なぜ……?」

 

 

「えぇ、観察です。あなた方と合流する気持ちなど欠片もなかったのですよ、今までは。」

 

 

リエナ「………………。では、何故、今になってこちらにいらしたのですか?合流する気がなかったということは、その必要性すらもなかったということですわよね?何故、今になって?」

 

 

 

「……ふふっ。簡単なことです。見ていられなくなったからですよ。余りのずさんさにね。」

 

 

 

リエナ「………………そうでしたか。ではあなたは、この街の戦力、或いは執政に加わりたいという考えであると認識して宜しいのですね?」

 

 

「いやいや、それは違う。思い違いをしてもらっては困るのですよ。今の私は、敵では無いが味方のつもりも無い。単なる第三者だ。私が望むのは、あなた方と対等な同盟、ただこれだけですよ。」

 

 

リエナ「同盟?カラミティモンキーズは生き残っていたの?!」

 

 

「まぁ、何人かは生きているでしょうが。そうでは有りません。私個人とあなた方、火星政府とでもいいましょうか、との同盟関係を私は求めているのですよ。」

 

 

 

リエナ「………それは、いくら何でも無理では無いかしら?あなた個人と我々とでは、力に差が開きすぎると思いますけれど?」

 

 

「えぇ、確かに。だからこそ、私が譲歩しているのですよ。」

 

 

 

リエナ「……………。」

 

 

 

ミライ「如何にカラミティモンキーズの方とはいえ、聞いていると図々しすぎるのでは有りませんか?まるであなたが、我が軍、我が政府を上回っていると聞こえるのですけれど。」

 

 

「事実でしょう?たかだか、羽虫の駆除にも命を懸けねばならぬ様な脆弱さで、いったい何を成すのです?対等でも有り難いと思って頂きたいのに、もしや、私を格下として置く気なのですかな?それはそれは……。いくら何でも驕りが過ぎましょうに。」

 

 

リエナ「なら!貴方ならできるとおっしゃるおですか!?」

 

「えぇ、できますよ。なんなら、潰しましょうか?1分も掛からないでしょうし。」

 

リエナ「……出来るものなら、お願いします。もし出来たなら、同盟の件も飲みましょう。」

 

「言を翻すことまかりなりせんよ?」

 

 

 

 

「では。」

 

 

……………ドゴーーーーーン………

 

リエナ「……え?何?」

 

 

 

ミライ「……!見てまいります!」

 

リエナ「待って!……私も行くわ。」

 

ミライ「(もしかしてもしかしてもしかして…………!!本当に……?)」

 

 

 

「(……忙しないことだ。羽虫を潰しただけでここまで騒ぐとは……ガキか……。代表としての自覚が足らん。)」

 

 

 

 

 

 

リエナside

 

 

燃え盛る鉄の山

 

 

我々が捨てざるを得なかった文明の臭い

 

 

単なる鉄塊と化した機械兵達が、地を這うモノも空を舞うモノも関係なくただ燃えている

 

 

どれほどの数、いたのだろう………?

 

 

潰れてしまいほとんどが原型を留めていないモノばかりなので分からない。

 

しかし、分かる。

 

最低でも20万はいる…………。

 

残った鉄塊の量から見てもそのくらいだろう。

 

リエナ「(………一体、どうすればこんなことが出来るの………………?)」

 

 

 

 

 

 

外で、機械兵の軍勢が発見されたのが始まりだった。

 

アリス事件の後、再建されたばかりの軍に出動を要請することになった。

 

敵規模確認のための斥候が放たれたが、その報告は想像を絶していた。

 

 

""オーガタイプ・フェアリータイプ、合わせて10万以上""

 

 

今の人類で支えきれるものではないだろう。

 

我々人類の総人口は、現在数千人程。

 

ここ30年で増えたと言ってもコレだ。

 

一人一壊どころではない。

 

10倍以上………いや、確認できていないモノも含めれば、100倍に匹敵するかの知れない。

 

たとえ、戦闘パターンの決まり切った機械といえども、数は暴力だ。

 

現在の人類に支えきれるものではないだろう………。

 

 

 

その時、軍の斥候であるガーエルさんから、念話で連絡があった。

 

「外部にて、正体不明の人間を発見」と。

 

とりあえず人類である以上、敵ではないだろうし、今は少しでも戦力が欲しい。

 

僅かでも戦力になるのなら、と、この方を受け入れることとした。

 

この時私は、機械共に勝てるかどうかで頭がいっぱいで、その人物の危険性についてなんて欠片も考えていなかった。

 

だって、そうでしょう?機械兵を駆逐しなければ、人類は滅びてしまう。そこに例外はありえない。

 

保護を求めてきたなら、戦闘参加を条件に受け入れることとし、それ以外の可能性を考慮すらしなかった。

 

それが、全くの見当違いであったとも知らずに………。

 

 

 

 

 

 

そして、その結果がこれだ。

 

彼は、第一開拓団の顧問を名乗った。

 

それは、私たちの親や祖父母の世代である第二開拓団の前身でもある。

 

 

 

 

滅びた、と。

 

機械兵の反乱によって、もう既に亡いのだと、そう思われていた。

 

だが、彼は名乗った。

 

真贋パッチユーザーを連れている私の前でーー

 

この街の者なら……、いや、それ以外のものでもそんなことはしないだろう。

 

真贋パッチの前に偽りは通用しない。

 

それは、誰にとっても当たり前のことだからだ。

 

それ以前に、彼にもそのことを事前に通告している。

 

であるにも関わらず、彼は、第一開拓団の名乗りを上げ、しかも、それが真実だと、

 

真実なのだと、証明された。

 

 

 

どこをどう見ても、そこまでの年齢に見えないにもかかわらずーーー

 

開拓団顧問であれば、最低でも60は超えているにも拘らずーーー

 

 

 

目の前の残骸を見て……

 

私は、認めざるを得ない…………

 

 

 

彼との対等な同盟を。

 

 

ーーー一国家と、個人の対等な関係をーーー

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

彼女らが確認を終えて帰ってきた。

 

羽虫の残骸などを見てなにが楽しいのか。いや、別に楽しそうな面をしているわけではないが。

 

私の能力、力をようやく認めたのだろう。

 

今までは単に、第一開拓団の生き残りという希少性(レアリティ)のみでの評価だったようだが、このことで、力に関しても認めるだろう。

 

この火星では、力があればほとんどのことが出来る。

 

超能力が、全員に存在するこの星で、力不足による苦悩など、比較による以外のそれは存在すらしないだろう。

 

天災のないこの星は、機械兵がいなければ、単なる植物、いや、ウイルスと変わりない。

 

ただ、繁殖するだけの生き物だ。

 

そして、其処に発展はない。

 

 

 

彼らには想像が欠けている。

 

彼らにはアイディアが欠けている。

 

彼らには力に対する渇望が欠けている。

 

 

 

 

 

彼らはヒトとして劣っている。

 

 

ヒトは、人類は、そのアイディアによって発展を遂げてきた。

 

新しい発想が進歩を生み、発展を生んだ。

 

彼らは、頭脳を、人類が人類たる知恵を活用していない。

 

命を賭けて、アイディアを搾り出そうとする気概が足りない

 

正に、

 

『力は有っても知恵は無い』を地でいっている状態だ。

 

そんなもの、其処らの獣とどう違う?

 

まぁ、ココの獣は人類と同様の知恵を得ているようだが………。

 

 

 

 

 

 

リエナ「…………見てきたわ。アレがあなたの力……?」

 

「ただの掃除です。どうせまだ湧いてきます。」

 

リエナ「掃除…………。あなたにとっては、簡単な掃除程度の手間しか掛かっていないと、そういうことなのね?」

 

にこっ

 

適当に微笑んでおく。

 

 

リエナ「っ…………!(怖い……、本当に怖い……。アレを見るまではここまでの威圧感は感じなかったのに………!!)」

 

 

リエナ「(彼は今までどうしてたんだろう?何故、私たちと合流しなかったんだろう?どれだけの力を持っているんだろう?彼は、何のためにここに………?……………!)」

 

「それでは、改めて。同盟条件でも詰めますか?」

 

リエナ「(なにが目的?何が目的なの??………!まさか!)」

 

「(街ごと食い物にされる、とでも考えてるんだろうなぁ。まぁ、間違いとは言い切れんが。)」

 

「まず、私が望むのは、この街に大使館……、というより住居ですね。それを用意してもらいたいこと。そして、それは和風であること。これが一つ。

 

次に、何かしらこちらが提供できるものと、この街で流通している貨幣との交換ですね。これで二つ。

あとは、必要以上にこの街での私の活動を妨害しないこと。これで三つ。

 

以上が、私の要求です。

で?そちら側は?」

 

リエナ「(……思ったより少ない…。)私たちからの要望は、機械兵、あのバーバリアンが来た際には、この街を守るために戦ってもらいたい、というのが一つ。

 

あとは、この街で、執政にも関わって行ってもらいたい。」

 

「なるほど……。ですが、最初の、"街を守るために戦う"という項目は取り消してもらいたい。私は便利屋ではないですからね。執政に関わるというのも、こちらの気が向いたときのみと、追加で条件を入れてもらいたい。

まぁ、『色々』と提供はしますので、そこは飲んで頂きたい。」

 

 

リエナ「………くっ…!わ、かりました。」

 

 

「(ふふふ、なかなかに度胸のある御仁だ。私に強要できないことは分かっているはずなのに、この一文を盛り込んでくるとは…。まぁ、これからは貴様らを限界を超えて鍛えてやるのだ。これからもその調子でいてくれよ…………。)では、これで合意、ということでよろしいですな?」

 

リエナ「……えぇ」

 

 

 

 

 

 

火星国家ミドガルド・元カラミティモンキーズ斎藤恋

通称:人間同盟

同盟要項

一、国家ミドガルドと個人斎藤恋は、対等な関係であることとする。

一、個人斎藤恋は国家ミドガルドに対し、知識・技術・労働力・教育等、様々な面で援助を行う。

一、国家ミドガルドは上記の見返りに、個人斎藤恋に対し、その領域内外で法的・人的・物的な面での便宜を図る。

一、この条項を改訂、又は追加する場合、双方の事前協議を必要とする。

一、なお、個人斎藤恋は国家ミドガルドの戦争・戦闘行動に対し、攻勢・防衛を問わず、個人的判断によってのみ参戦を決定する。

一、国家ミドガルドは、上記に対し、個人斎藤恋への強制力を持たず、又、参戦要請等も、これを認めない。

一、この同盟要項の実施は、同盟発表後、10日後とする。

 

 

 

 

基本条項は、上記で決定され、改訂や追加は、今後も協議を続けることとなった。

 

そして、同盟は明日朝より発表される。

 

つまり、今日から11日後、この要項が効力を発揮するのだ。

 

教育は私にとっての娯楽だ。

 

退化しきった人類に喝を与えてやろう。

 

 

「あぁ、施行が待ち遠しいですね。リエナ殿。」

 

リエナ「………………………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

風が強くなってきた

 

砂嵐が近いのだろう

 

この第二の連中を育ててもたかが知れるだろうが、階段の先に至るためには致し方ない

 

シャノン、ドミトリ

 

お前たちはどこにいるんだ……

 

死んだのか、それとも生きてるのか……

 

今の世界はつまらんよ

 

お前たちがいないとつまらない

 

だからよぉ

 

待ってるぞ

 

とろとろするんじゃねえぞ?早くしねぇと置いてくからな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがでしたでしょうか?
感想あれば、また宜しくお願いします。

今日はもう寝ます。

テストテストで辛い。
この歳になってから、色々詰め込むのは本当に大変です。

それでは、おやすみなさい。
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