鎌倉伝の方に更新ばかりしてました。
では、第六話、どうぞ。。
なんか知らんが、火星の英雄になった件のついて。。。
この間、火星の英雄とやらになったらしい"斎藤 恋"です。
よろしく。
最近思うのだが、斎藤 恋斎藤 恋と、私はフルネームで毎度毎度語りすぎなんじゃ無いか?と思う。
まぁ、昔よく斉藤という同期がいたせいなんだが、、、
もう、あれから30年40年も経ってるし、場合によっちゃあいつも死んじまってるだろう。
わざわざ、フルネームで名乗るのも選挙みたいで反吐が出るしな…。
だいいち、この火星には今、1000人しか居らず、ましてその中に含まれている日本人は100人ほどでしか無い。
苗字の被りも、高橋と田中、あとは鈴木に橋本くらいのものだ。
それでさえも、男女の違いや年齢の差があるために、区別できないということは無い。
(ちなみにだが、斎藤という苗字に被りはいなかった。)
「だからこそ、私が火星唯一の斎藤!始祖 斎藤である!!」といったところで、問題は出ないだろう。
だが、この件はいずれ問題が顕在化する恐れがあると思う。
まぁ、問題とはいっても、所詮、対象の取り違えくらいだろうが。
それでも、問題には違い無いし、何より、彼らの間には血縁関係があるわけでも無いのに、同じ名字を名乗らせているというのは、この火星と、地球との間に繋がりがあるようで何か気持ち悪く感じる。
政府として管理しやすくするためにも、国民全員に苗字改変の権利を与えてみては?と思うのだ。
「というわけでリエナ。みんなの苗字、こっちじゃファミリーネームか?一斉に変えてみねぇか??」
リエナ「……………何が、"というわけで"ですか……。そんなものいきなりできるわけ無いでしょう。それに、いちいちFamillyNameを変える必要なんて無いでしょうに。」
「いや、あるぞ?地球との決別という意味もあるし、全員の識別としても有効だ。今のままだと、人種、国家による差別も残る。色による差別なんて無価値なもの、とっとと消滅させるに限る。」
リエナ「FamillyNameを変えるだけで、それができると?」
「それだけだと無理だな。だが、切っ掛けにはなるし、第一、混血化が進めば色の差なんて無くなるだろう?そうすると、名前で識別するしか無くなるが、名前すらごちゃごちゃになっていればどうだ?そういう目に見えない差別は消えるんじゃ無いか??」
リエナ「・・・・・・。考えてみる価値もあるかもしれませんね………。」
「だろう?」
リエナ「いいでしょう。やってみましょう。具体的な方法については任せてください。」
「あぁ、頼……「しかし!」……!お?」
リエナ「実務に関しては、貴方にも手伝っていただきますからね?他人に面倒ごとを持ち込んで置いて、逃げられるとは思わないでください。」
「・・・んー、まぁそのくらいならいいだろう。だが、戸籍等に関する資料の閲覧許可だけは先にくれ。今から仕事覚えとくから。」
「・・・そうですね、わかりました。…………………はい、許可は出しましたよ。」
念話で話を通したらしく、リエナ大統領兼市長は、一瞬だけ目を閉じてそう言った。
Family Nameを変えることは、それ自体にあまり効果はない。
本当にただ、地球との決別を意味する、精神的なものだけだ。
リエナには色々と言ったが、彼女もそれは理解しているだろう。
大切なのは、辛い過去との決別だ。
彼らは、その生涯のうちに、地球へと帰還することはもうないだろう。
元々、その予定であったとはいえ、ここでの辛い生活と機械兵の脅威に怯える日々が続けば、彼らも地球での生活を振り返り、それを求める者も多くなるだろう。
それが不満となり、子に孫にと伝染して仕舞えば、火星の一歩は遠くなる。
だからこそ、"過去との決別"が必要なのだ。
そして、
機械兵の大きな脅威を打ち破った今こそが、その絶好のチャンス!
本当に、今しかできないことだといえる。
この、火星の大地に降り立って30余年。
遅すぎるともいえるが、今までの激動を思えば、彼らにとっても良い機会だ。
このささやかなプレゼントが、火星の人々にも届いて欲しいと、切に思う。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
・
・
・
・
・
まぁ、大々的な戒名作業………もとい改名作業を火星全土・・・っつっても、この街一つしかないのだが、行ったわけだ。
それぞれがそれぞれ、FamillyNameを付け替えて、、、
全部終わるまでにひと月ほど掛かっちまったが、火星国民全1278人全員の改名作業が終わった。
個人個人が、適当……って言ったら悪いが、いろいろと付けているので、苗字も名前も西洋東洋全て、ごっちゃごちゃになってる。
少しの間、混乱もするだろうが、マーズサイト・・・いや、パッチが頭脳面についても十分に底上げしてくれているし、1週間もかからずにみんな適応できるだろう。
改名作業は、庁舎に勤めている連中が相談や聞き取りなんかの受付業務を行い、集められた書類なんかをまとめたのは、ほぼ全て、俺とリエナとで行った。
所詮、千人ちょっとくらいしかいないし親子で異なる苗字を選んだものもいたが、そこまでの手間も掛からなかった。
むしろ、それぞれの聞き取り作業に行った、庁舎の職員たちの方が、それぞれの対象者に振り回されて、散々な目に遭ったようだった。
まぁ、過ぎたことはどうでもいい。
大事なのはこれからだ。
とりあえずだが、全ての終わった今日、12月3日をもって
"火星政府の独立の日"とし、
それを祝したパーティーを火星国民全員でもって開くことになった。
「リエナ嬢。火星独立おめでとう。」
彼女にもグラスを渡しつつ、そう声を掛ける。
「あら、斎藤さん。ありがとうございます。」
リエナは、グラスを受け取りそう答える。
「みんな、笑顔だな。」
ついこの間まで、人類存亡の瀬戸際にいたとは信じられないほどだ。
「・・・斎藤さんのおかげです。貴方があの機械兵の軍団を倒してくれたからこそ、こうして笑っていられるのですから。」
「・・・・・・。だが、いつまでもこのままでいることはできない。それは彼らにとっての停滞を招くだろう。」
「かもしれません。しかし、それもこれも生き残ったからこその悩みであり苦悩です。ですから・・・、今は笑顔で、今日という日を祝いませんか?」
そう言って、彼女は私に向かってグラスを傾ける。
「・・・・ま、そうだな。いずれ人が増え、街ができ、国が生まれ、人同士の争いが起こったとしても。私は、彼らの笑顔を忘れることはないだろう。
・・・・・・・ん、本当に綺麗な笑顔だよ。心の底からの笑みというものは、・・本当に綺麗だな…………。」
リエナも私も、静かな笑みを浮かべつつそれを眺める。
彼女は私と違い、彼らの笑みに共感もできるのだろう。
まだ一歩。
私にとっては、まだ一歩。
あと何年掛かるかも分からない大事業だ。
『私に打ち勝てる可能性を持った人類を生み出すこと』
「(・・・・・彼らに、それが可能なのか…………?)」
今はまだ、分からない。
しかし、私に匹敵する程の者を育て上げなければならない。
どれだけかかるか分からないが、100年でも200年でも掛けてやる。
「私は歴史の観測者であり、体現者。」
だからこそ、私はやり遂げる。
「人の果ては、何処にあるのか?如何に果てまで至るのか……。」
ー私は死なない。
ーーこの疑問が消えるまで。
ーーー人類の終わりをこの目で観測するまでは