「ガハッ!!」
腹を撃ち抜かれた寳はその場で吐血し、地面に倒れる。そんな中、霊夢がエリュシオンに言う。
「どうして!?どうして仲間である筈の寳を!!」
「仲間?それは間違いよ、博麗霊夢。私に仲間なんていない。いるのは、大切な子供達とペット。つまり寳は私の家族でもなければ仲間でもない、ただの協力者よ。」
「お、おい。エリュ、シオン・・・さんよ・・・。」
「?」
エリュシオンが言ったのと同時に倒れていた寳が彼女に言った。それを見た彼女は見下すような目をして言う。
「へぇ、あのクレイジーハンドでも一撃で倒れたという爆裂徹甲弾を食らっても喋っていられるなんてね。」
「よく、聞きやがれ・・・エリュシオン・・・。」
「私を呼び捨てに?」
「そうやって・・・誰も殺すか、ら・・・結局あんた1人なん・・・だ、ぜ・・・。」
「・・・フフッ。」
寳の言葉を聞いたエリュシオンは不気味な笑みを浮かべる。そして再び口を開く。
「アンタ、よくそんなことが言えるわね。私の過去の辛い出来事を知らないくせに!!私はずっと1人だった。エデンから追放されてから数億年も、ヨナやレーム達が死んでからも数年間ずっと・・・。私の頼りになるのはあの子達だけ。」
「・・・。」
ユニ達は何も言わなかった。世界の破壊者とはいえ、辛い過去を持つ彼女の言葉に共感出来たからだ。と、エリュシオンが寳を見て言う。
「もう、アンタに用はないわ。」
そう言うと彼女は空いている左手に青い光を漂わせた。そして口を開く。
「おいでなさい、
そう言った瞬間、彼女の背後から紫色の扉のようなものが現れた。
「な、なんだあれは!!」
思わず声を上げる魔理沙。そんな彼女とは別に扉の中から巨大な手が出てきたかと思うと筋骨隆々で右半身が透明化していて胸に青い勾玉がついている巨大な男が姿を現した。そして男はゆっくりと寳に近づく。
「だ、誰だ……?」
寳の問い掛けに男は答えず、ゆっくりと近づいていく。それを見た瞬間、寳は地面を這いながら言う。
「や、やめろ。来るな、来るな!助けてくれエリュシオンさん!頼む!頼む!」
助けを求める寳とは別にエリュシオンは笑みを浮かべて言う。
「・・・あら、今更命乞い?豚や牛の命乞いに耳を傾けたことのないアンタ達人間の命乞いなんて何の意味もない。」
そう言った瞬間、男の手が寳の胴をがっしりと掴み、そのまま宙に浮かせた。そして口へと彼を運んでいく。そんな中、涙目になりながらも寳はエリュシオンに言う。
「助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて。」
「死になさい、飽星寳君♪」
エリュシオンが言った瞬間、男は寳の下半身と上半身の境目の部分に噛みついた。噛みつかれた箇所からは鮮血が飛び散る。
「ぎゃぁぁぁぁぁっ!!痛い痛い痛い!!助けて助けて助けて助けて助けて。」
命乞いをする寳とは別にユニ達はただ唖然となって彼を見つめるだけだった。それに対してエリュシオンは顔に飛び散る血を舐めていた。
「助けて助けて助けて助けて・・・。」
徐々に寳の声が小さくなっていくかと思うとそのまま彼は男に呑み込まれてしまった。と、エリュシオンは男の肩に乗り、布で顔に付いた血を拭きながら言う。
「ちょっと、食べ方が汚いわよ。アンタのお顔に血が付いてるわよ。ちゃんと舐めておかないと。」
「・・・すまない、母上。」
「いいのよ、これくらい。」
男の顔を吹き終わると彼女は男の足元へ降りる。と、霊夢がエリュシオンに言う。
「あんた、さっきそのデカ男に子供のような扱いしたわよね?」
「ん?したわよ。だってこの子は私の息子だもの。」
「え、えぇぇぇぇぇぇ!?」
彼女から告げられる衝撃な一言に三人は思わず声を上げる。そんな彼女達とは別にエリュシオンは男の腰に手を当て、言う。
「知らないなら教えてあげるわ。この子の名前はドゥーム。世界に仇なす闘神の1人で水の闘神よ。こう見えてもドゥームは真面目で私の頼み事は大抵やってくれる。」
と、ユニが何かを思い出したのか、口を開く。
「私、こいつ知ってるわ!」
「なっ、ユニ知ってるのか!?」
「・・・けど、思い出せない。思い出そうとしても思い出せない・・・。」
「なんじゃそりゃ~。」
ユニと魔理沙が話している中、大男のドゥームが口を開いた。
「当然だ。貴様らの記憶は我々闘神が消したのだ。」
「えっ!?」
思わず声を上げる三人。そんな三人にエリュシオンが口を開く。
「性格には、表の世界から消して裏の世界へ記録したと言うべきね。表の者達の記憶を奪い、私の望む世界を作る。そのために邪魔なアンタ達や星熊九十九、琥珀・イーグナウスや悪魔のガキと小娘には消えてもらうわ。」
そう言うと彼女はドゥームの後ろへ行き、ユニ達に背を向けて言う。と、ユニが霊夢と魔理沙の前へ行き、言う。
「待って、エリュシオン。あなたに1つ聞きたいことがあるの。」
「?」
「・・・あなたは、これから何をするつもり?」
「私は闘神とは違って記憶を奪うことは出来ないから力を知らしめるだけね。もし行くのならば、レミリア・スカーレットか八坂神奈子かもね。」
そう言うとエリュシオンはドゥームを見ながら言う。
「私にはやることが沢山あるからアンタ達の相手はまた今度ね。まぁ、生きていればの話だけれど。ドゥーム、任せたわよ。」
「承知した、母上。」
ドゥームが言った瞬間、エリュシオンは霧のように消えていった。エリュシオンが消えたのと同時にユニ達はドゥームを見て言う。
「エリュシオンを倒す前にまず息子を倒さないとね。」
「勘違いするでないぞ人間達よ。闘神はこのドゥームだけでない。」
「何ですって!?」
「まだいるの?面倒ね・・・。」
「まぁ、まずはこいつを倒そうぜ。でなきゃ話にならない。」
「貴様らごときに負けるほど闘神は甘くないぞ!」
そう言った瞬間、ドゥームの前に空間が現れたかと思うと彼はその中に拳を入れた。その瞬間、三人の背後に空間が現れ、中からドゥームの拳が飛んできてユニ達に命中する。
「ぐはっ!」
「きゃぁ!」
声を上げながら吹っ飛ぶユニ達。と、ユニが顔を上げるとドゥームの回りには沢山の紫色の空間が漂っていた。
「な、何よあれ・・・。」
「気をつけて二人とも。あれはワープよ。私達へのダメージはないけれど動きにくくなるわ。」
「ワープなぁ、そんなもんは適当に入ればなんとかなる筈だぜ!!」
そう言うと魔理沙は箒に股がり、ワープの中へと入っていく。
「あれれ?」
魔理沙がワープから飛び出したのはドゥームの近くではなくユニのいる場所だった。それを見たユニが汗をかきながら言う。
「ランダムワープね。魔理沙が突っ込んだ方向とは別の方向へ向きを変えられてる。」
ユニの言葉を聞いたドゥームが彼女を見て言う。
「理解が早いな小娘。だが対応出来なければ意味はない!!」
そう言うと彼は再びワープの中に拳を入れた。
「気をつけて霊夢に魔理沙。またあの攻撃がくるわ。何処から来るかも分からない!」
ユニが言った瞬間、霊夢と魔理沙は避けられる体勢を取る。その瞬間、霊夢の背後にワープが現れた。それを見た魔理沙が霊夢に言う。
「気をつけろ霊夢、後ろだ!!」
「くっ!」
魔理沙の言葉を聞いて霊夢は上に飛び上がった。ドゥームの攻撃を避けることが出来た。と、魔理沙とユニの背後に突然として2つのワープが現れた。
「ユニ、魔理沙!!後ろよ!!」
「なっ!?」
霊夢がユニ達に言った瞬間、ワープの中からドゥームの両腕が出てきたかと思うとユニと魔理沙を掴み、ワープの中へ引きずり込んだ。
「ユニ!魔理沙!」
二人の名前を呼ぶ霊夢。そんな彼女とは別にワープの中にいる二人にドゥームが拳を構えた。
「受けるがよいわ!!」
そう言った瞬間、ドゥームはワープの中へ連続でパンチを叩き込んだ。
「きゃぁ!」
「うわぁっ!」
ドゥームの攻撃を食らった二人はワープから出て来て霊夢の近くで倒れる。
「ユニ、魔理沙!大丈夫?」
二人に駆け寄る霊夢。そんな二人の体は既にドゥームに殴られた傷でいっぱいだった。と、ドゥームが霊夢達に近寄りながら言う。
「貴様ら人間にこのドゥームを倒すことは出来ぬ。母上から生まれた我々は貴様ら人間に負ける筈ないのだ。」
「クソッ、たまげた力だぜ・・・。」
「早く貴様らとの戦いを終わらせてやる。」
その時だった。ドゥームが台詞を言ったのと同時に彼に何処からか飛んできた弾幕が命中した。
「えっ!?」
思わず声を上げる三人。と、ユニが咄嗟に後ろを振り返る。そこには息を切らしながら一人の少女が立っていた。彼女を見たユニが嬉しそうな表情をして言う。
「輝夜!!目が覚めたのね。」
「当たり前よ。エリュシオンのババァに散々やられたんだから。すぐにやり返してやるわ。」
そう言うと輝夜はドゥームを見る。彼は輝夜の攻撃を巨大な右腕で防いでいた。それを見た輝夜が口を開く。
「そう容易く倒せる筈はない。けどさっさとあのデカ物を倒すわよ。エリュシオンに復讐を果たしたいんだから。」
ドゥームとの戦いで苦戦するユニ達。そこへ輝夜が目を覚め、反撃を開始する。
次作もお楽しみに!