東方混沌記   作:ヤマタケる

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ドゥームの攻撃に苦しむユニ達。そんな中、一人の少年が現れる。


第116話 博麗の弟

突然現れた少年に一同は驚くしかなかった。と、ドゥームが少年を見て言う。

 

「貴様、何者だ?」

 

「僕が誰かなんて、どうでもいいんですよ。水の闘神ドゥーム。」

 

「なんだと?それに貴様、このドゥームのことを知っているようだな。」

 

ドゥームにそう言われると、少年は肩を竦めた。

 

「えぇ。あなたは知らないかも知れませんが、他の闘神のことも、あなた達の母のことも知ってはいます。」

 

「ほう。貴様、中々面白い小僧だ。」

 

ドゥームが笑みを浮かべる中、ユニが少年を見て言う。

 

「あ、あなたは!?」

 

「暁!?」

 

霊夢の声に反応し、少年は顔をそちらに向ける。

 

「久しぶりですね、姉さん。知ってる人によく似た外見の人もいるみたいですが、今は無視します。苦戦してるみたいですね。僕も手を貸しますよ。」

 

「え、姉さん?」

 

「そう、暁は私の弟よ。」

 

「ええええええええ!!」

 

思わず声を上げてしまうユニ。

 

「驚くのも言いですが、今はドゥームをどうにかしましょう。『我が瞳は死を見る』。」

 

魄霊暁。彼の能力は『虚を実にする程度の能力』。彼がついた嘘を真実へと捻じ曲げるものだ。嘘(能力)をついた彼の瞳は青く光っていた。と、ドゥームが口を開く。

 

「昔、母上から聞いたことがある。貴様のような小僧は見た目によらず、面倒なことをしてくるとな。」

 

「面倒なことをするのはあなたも同じでしょう?展開されたワープを用いたランダム移動による奇襲戦法。二個以上もあるから僕は使えません。」

 

「それだけではない。」

 

そう言うとドゥームは左手を上に上げる。その瞬間、ユニ達やドゥームを囲むように青い炎のようなものが現れた。

 

「こ、これは・・・。」

 

炎を見た輝夜は目を見開く。そんな彼女とは暁は青い炎を見て難色を見せた。

 

「……ダメージウォール、ですか。まさかこのように展開されるとは思いもしませんでした。……ですが、こちらにも『点』はあるはずです。」

 

展開されたダメージウォール、その中の1つに彼は近づく。

 

「……ここですね!」

 

そして、その手をある1点に突き立てる。その瞬間、ドゥーム彼の触れたそれは消え去った。しかし彼の手は焼けていた。それを見たユニが口を開く。

 

「い、一体何をしたの!?」

 

「ダメージウォールの『点』を突きました。この世界に存在する全てのものはどこかに『綻び』を持っています。今の僕はその『点』が見える状態となっていますので、ダメージウォールの『綻び』を突いて一面だけ崩させていただきました。……その分、手を負傷しましたが。」

 

右手をプラプラさせながら彼はユニの疑問に答える。それを見た霊夢が暁に言う。

 

「少し無理したわね、暁。」

 

「ナイフを作ることを忘れましたからね。必要経費ということにします。」

 

「けど感謝するぜ。お陰で戦いやすくなった。」

 

「所詮一面だけです!少しでも触るとこのようになるのでお気を付けてください!」

 

魔理沙にアドバイスを送り、彼もまたドゥームに向かっていった。

 

「ムゥ、無駄なことを。」

 

そう言うと彼はワープを再び展開し、ユニ達に向かっていく。

 

「分かっていると思いますが出口を操作出来るのはドゥームだけです!皆さん集まって死角を作らないようにしてください!『我が右手は破壊の腕』。」

 

「了解!」

 

「任せて!」

 

彼の言葉に返事をする輝夜とユニ。そんな彼女達に笑みを浮かべた暁は再びドゥームを見て言う。

 

「さぁ、どこから来ますか……?」

 

と、ドゥームが服の中から再び見覚えのあるカードを取り出した。それを見た霊夢がユニ達に言う。

 

「気をつけて!またあれが来る!」

 

「逃れられぬ破滅を与えてくれるわっ!」

 

「ドゥームズディー・ジャッジメント!!」

 

「す、ストライクショット!?」

 

声を上げる魔理沙と暁とは別にドゥームは走りながらユニ達に向かっていく。それを見たユニがみんなに言う。

 

「避けて!!」

 

「っ!に、逃げ道がほとんど潰されてます!ワープを展開したのはこの為ですかッ!!」

 

「今日が貴様らにとっての、審判の日だ!」

 

そう言った瞬間、ユニ達の元でフレアが放たれた。

 

「きゃぁぁぁぁぁぁ!」

 

「うわあああっ!」

 

「ぐぅうっっ!!?」

 

ユニ達の元を過ぎたドゥームは背を向けたままユニ達の様子を見る。と、ユニが口を開いた。

 

「な、なんて力なの。さっきよりもずっと強い!」

 

「じょ、上方修正……」

 

暁の呟きは誰にも聞こえなかった。と、ドゥームが口を開く。

 

「貴様らがこのドゥームを倒すことなど不可能。我はあいつとの約束を破る訳にはいかぬ。」

 

「約束?」

 

ドゥームが発した『約束』という言葉にユニは反応する。そんな彼女とは別に暁が口を開く。

 

「『我は雷切を振るう者』。今はそんなの気にしていられませんよ。」

 

右手を負傷し、フレアを受けた暁がまた嘘(能力)を重ね、雷を迸らせる刀を左手に持ち、ドゥームの前に立つ。

 

「まぁ、貴様らに話すまでもないがな。」

 

そう言うとドゥームは体に巻きつけていた鎖を外す。それを見た霊夢が目を細めて言う。

 

「ドゥームの奴、本気を出すつもりね。」

 

「こちらも時間がありませんから丁度いいかもしれません。素早く行きましょう、姉さん。」

 

「ユニ、魔理沙と輝夜を少し離れた場所に移動させて。こいつは私と暁でやるから。」

 

「い、いいの?霊夢に暁君。」

 

「私は平気よ。」

 

「僕も大丈夫です。……と言うよりもここに人を来ないように誘導してもらえますか?こんなに騒いでたら誰かが来ると思うので。」

 

「分かったわ。輝夜、魔理沙、行くよ!」

 

「分かったわ。」

 

「がってんだ!」

 

そう言うと三人は何処かへ行ってしまった。それを見たドゥームが二人に言う。

 

「良いのか?貴様らはこのドゥームにハンデをやっているのだぞ?」

 

ドゥームのその言葉に暁は笑って見せた。

 

「それは随分と自信があるみたいですね。あなたの攻略法なんてサイトを見ればそこら中に上がってるのですよ、闘神中最弱のドゥームさん?」

 

「なっ!?」

 

「暁、それはどういうこと?まさか、現実のこと?」

 

「その事は後で話します姉さん。……覚悟してくださいドゥーム。この刀は平行世界であなたを倒した存在、『神威』が使用していた名刀『雷切』です。さぁ、2つに切断してあげましょう!」

 

そう言って暁は雷切を振るい、ドゥームに襲いかかる。

 

「調子に乗るな小僧!」

 

それに対抗すべくドゥームは近くにあった岩を投げつける。

「破壊の右手!」

 

嘘を吐きっぱなしだった『破壊の右手』により、投げつけられた岩はその右手に触れた瞬間崩れ去る。

 

「ええい腹立たしい!!」

 

そう言うとドゥームは持っていた鎖を暁に向かって投げる。

 

「封魔針!」

 

その瞬間に霊夢の放った攻撃がドゥームの投げつけた鎖を捉えた。

 

「ありがとう姉さん!」

 

視線をドゥームへ固定したまま暁は霊夢に対し礼を言う。

 

「どういたしまして。暁、一気に決めるわよ!」

 

そう言うと霊夢は浮いたままスペルカードを取り出す。

 

「直死、発動……。」

 

「ならばこちらも切り札を使おう。ウオォォォォォォォ!」

 

声を上げながらドゥームは全身に力を入れる。それを見た暁が口を開いた。

 

「あなたの『線』は……そこですか。姉さん、スキを作れますか?」

 

「・・・頑張ってみるわ。その代わり、ちゃんと倒すのよ。」

 

そう言うと霊夢はドゥームの方へ顔を向ける。

 

「もちろんです。絶対に倒してみせます」

 

暁もまた、左手の雷切を強く握り直す。

 

「受けるが・・・。」

 

「夢想封印!!」

 

続きを言おうとしたドゥームに霊夢がすかさず攻撃する。

 

「暁今よ!」

 

「行きます、ストライクショット!!」

 

暁はドゥームへと素早く近づき、彼を空へと打ち上げその目でみえる『線』に合わせて斬り裂いた。

 

「ヌァァァァァァァァ!!」

 

ドゥームの叫び声が辺りに響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんだ?この感覚は・・・。何か、懐かしい感覚だ。目の前にいるのは誰だ?あぁ、そうだ。あれは我が母上、エリュシオンだ。だが、何故今になって母上との思い出を思い出すのだ・・・。

 

「アンタは頼もしいわ。闘神の中で一番真面目な子。だからアカシャや私がいない時はアンタがみんなを纏めなさい。なんせアンタは、私にとっめ大切な家族なんだから。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ニルヴァーナ、母上、百々・・・すまぬ。」

 

涙を流しながら小さく呟いた彼の声は霊夢にだけ聞こえていた。

 

「今、あんた百々って・・・。」

 

その瞬間、ドゥームの体が爆発し、そのままドゥームは消えてしまった。

 

「……実際の所、神威はドゥームに適正もってないんです……が……ね……。」

 

言葉を続けながら暁はその場に倒れ込んだ。

 

「暁!?」

 

彼を見た霊夢はすぐさま彼の元へ駆け寄り、優しく頭を抱える。

 

「暁あんた大丈夫?!」

 

「の、能力を同時使用しすぎました……。傷の男スカーの『破壊の右腕』、遠野志貴と両儀式の『直死の魔眼』、神威の『雷切』……。流石に4つは辛いです。姉さん、あとお願いします。」

 

暁はそう言って意識を失った。呼吸はあるようなので、生きてはいるようだ。

 

「ちょっと暁!?全く、聞きたいことがあったのに。あーあ面倒臭いわね、運ぶの。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やぁ、博麗のお二人さん。そんな場所で寝る風邪をひくよ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

声が聞こえたかと思うと唐突に現れた少年を見て霊夢は少し驚いた表情を浮かべて言う。

 

「あら、琥珀じゃない。あんた、生きてたのね。楓の霊力が弱まったのと同時にあんたの気配も消えたから一回休みになったのかと思ったわ。」

 

「はは、回数は1回だったけど時間的には3回くらい休んでるよ。チルノや大妖精に修復を手伝ってもらうべきだったなか?」

 

「そう。それで、楓はどうしたの?楓はそう簡単には倒される奴じゃない筈だけれど?」

 

「僕らも闘神にやられてね。ニルヴァーナという火の闘神さ。」

 

「ニルヴァーナ?さっき、ドゥームが百々と一緒に言っていた奴のことね。そんなに強いの?」

 

「強くは……ないかな。聖さんが相手取っていたらすぐに終わるくらいには弱いけど僕も楓も戦闘スタイルに合わなくて苦戦しただけさ。」

 

「相性が悪かったって訳ね。あ、そうだ琥珀。ちょっと暁運ぶの手伝ってくれいないかしら?私一人じゃ運ぶの大変なのよ。」

 

「これ見た目だけしか再生出来てないんだよね。中身カスカスだから彼を持ったら折れるから無理。」

 

「あー面倒臭い。ならユニ達呼んできなさいよ。」

 

ふむ。と手を顎に当てて少し考え込む琥珀。

 

「それなら僕が手伝うよ。チルノサイズになればどうにかなるから。」

 

「なら早くしなさいよ。全く、今頃悠岐や百々は何してるのよ!」

 

シュルシュルと音が聞こえるような勢いで琥珀はチルノよりも小さいサイズまで縮んだ。

 

「じゃあ博麗は彼の肩側を。僕は足を持つから。」

 

「分かったわよ。」

 

そう言うと彼は暁の肩を持った。

 

「よいしょっと。あ、重……。」

 

「何か言った?」

 

「いやなんでも。」

 

そのまま暁は人里まで連行されて行った。




ドゥームを倒すことに成功した霊夢達。ドゥームが言っていたことに疑問を抱く霊夢。その真相とは!?
次作もお楽しみに!
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