エリュシオンが言った瞬間、彼女の頭上から巨大な紫色の空間が現れたかと思うと中から全身紫色で4足の馬の足、所々に目があり、背中から生える翼に青い顔と赤い腕を持ち禍々しい姿をした何かが現れた。
「な、なんだ。あいつ・・・。」
あまりの禍々しい姿に思わず震え声を上げる悠岐。と、巨大な何かがエリュシオンの背後に降りた瞬間、地響きが辺りを伝う中、エリュシオンが笑みを浮かべて言う。
「この子はアカシャ。記憶を
クスクスと笑いながら言うエリュシオン。と、ユニがアカシャを見て言う。
「こいつ、私会ったことあるわ。過去に幻想郷の空を飛んでた・・・。」
「確かにいたね。僕も一部始終を見ていたよ。」
ユニの言葉に反応して言う琥珀。と、九十九がアカシャを見て言う。
「久しぶりだな、アカシャ。私を覚えているか?」
「・・・お前は、誰だ?」
「なっ!?」
アカシャの一言に目を見開く九十九。と、エリュシオンが口を開く。
「フフフ、アンタみたいな友を守れない子のことなんて覚えてる暇なんてないのよ星熊九十九。」
「チッ・・・。」
思わず舌打ちする九十九。と、エリュシオンがユニ達に背を向けて言う。
「私はここで失礼させてもらうわ。まだやることがあるからね。任せたわよ、アカシャ。」
そう言ったエリュシオンはただ呆然としていた百々を見て言う。
「楽しみに待っててね、百々。私とあなたが一緒に過ごせる日々をね。」
フフッ。そう笑みを浮かべて笑うエリュシオンとは別に百々は呆然としたままだった。そのままエリュシオンは霧のように消えていった。その瞬間、アカシャがユニ達を見て言う。
「我はお前達人間の記憶を奪う存在。この戦いでお前達の記憶を奪わせてもらおう。」
「僕は人間じゃないんだけれどね。」
「・・・そこは言うところではない。」
「あ、反応してくれた。他の闘神と違って。」
琥珀の言葉に思わず突っ込んでしまうアカシャに百々が呟く。
「では改めて言おう。この戦いでお前達の・・・。」
「それはもう言っただろうがポンコツがぁーっ!!」
その声が聞こえた瞬間、アカシャの顔に一人の大男が飛び蹴りの一撃を食らわす。
「ヌオッ!?」
飛び蹴りを食らったアカシャはそのままバランスを崩してしまい、倒れる。それを呆然と見るユニ達の元へアカシャの顔に飛び蹴りをした大男が降り立つ。男を見た瞬間、九十九が言う。
「ニ・・・いや、タマちゃ・・・。」
「そんな下りは飽きたぜ、九十九。」
そう言うとニルヴァーナはゆっくりと起き上がるアカシャを睨む。と、アカシャが言う。
「何の真似だ?ニルヴァーナ。まさか、お前は母を裏切るつもりか?」
「母さんを裏切るつもり?それはこっちの台詞だぜアカシャ!!」
そう言うと彼は二丁の銃を取りだし、アカシャに向かって発砲する。
「タ、タマちゃんは何をしているの!?」
「わ、分からないぜ。どうしてエリュシオンの奴を攻撃しているんだ?」
ユニと魔理沙が戸惑っている中、ニルヴァーナがユニ達の前まで後退し、言う。
「知ってるんだぜ、アカシャ。テメェが母さんを裏切ることをナァ!!」
「!!?」
ニルヴァーナの発した一言にユニ達は目を見開きながら驚愕の声を上げることしか出来なかった。
「な、何を言うか。この我が母を裏切るだと?そんなのあり得るわけ・・・。」
「あり得るんだよ!!俺が母さんと話をしてドゥームと暇潰ししようとした時に、テメェがドゥーム、メメントモリ、カルマに母さんを裏切る計画を話していたことをナァ。」
少し慌てながら話すアカシャにニルヴァーナがすかさず口を開いた。
「ニル、どういうことなんだ?」
「百々、今のお前は記憶を奪われて分からねぇがあいつは昔っから母さんに反抗的な奴でな、俺はその母さんに対する態度が気にくわなかった。そして、いずれ母さんを倒す計画も立てるんじゃないかって思ったのさ。そしたら案の定、こいつは計画を立てていやがった。しかもそれをドゥーム達に話したんだぜ。」
「それってただの馬鹿じゃ・・・。」
「黙れ!!」
ニルヴァーナ、百々、九十九が話していると機嫌を悪くしたアカシャが怒鳴った。そんなアカシャに怯むことなくニルヴァーナは再び銃を構えて言う。
「百々、可愛い子ちゃん達を連れて遠くに逃げな。こいつの相手は俺がやる。」
「正気かニル!?あいつは闘神の産みの親なんだぞ?」
「それが何だってんだ?産みの親だからといって俺がアイツに勝てない道理でもあんのか?」
「でも・・・。」
「ホラ、分かったならさっさと逃げろ。」
「ダメだニル、俺はお前を見捨てられない!!」
「私もだニルヴァーナ。お前を見捨るわけには行かない!!」
百々と九十九の言葉を聞いた瞬間、ニルヴァーナは大きく溜め息を吐いた。そしてユニを見て言う。
「可愛い子ちゃん、頼みがあるんだ。」
「わ、私?」
「あぁ、そうさ。百々と九十九を連れて遠くに逃げてくれないか?二人がいるとどうも戦いに集中出来なくてな。」
「でも、タマちゃんは大丈夫なの?あなたはアカシャと戦って死なない?」
「俺を誰だと思ってるんだ。俺はお前達の助っ人だぜ?死ぬわけねぇだろ。」
「・・・分かったわ。また後で会いましょう、タマちゃん。」
そう言うとユニは百々と九十九の方へ目を向ける。と、ニルヴァーナがユニに向かって再び口を開く。
「最後に1つ。可愛い子ちゃん、お前って優しい心の持ち主なんだな。本来敵である筈の俺に対しても百々や九十九と同じように接する。お前ならきっといい男に出会えるぜ。」
「・・・タマちゃん?」
「さぁ行きな。」
そう言った瞬間、ニルヴァーナはアカシャに向かって走りながら発砲していく。それを見た瞬間、悠岐と魔理沙と暁は目を合わせて頷いた。
「魔理沙、楓を頼むぞ!」
「任せるんだぜ!」
そう言った瞬間、魔理沙は楓を自信の箒に乗せ、飛び上がった。そんな彼女とは別に暁は百々を肩に担ぎ、悠岐は九十九を肩に担いで走り出した。
「なっ、暁!?」
「悠岐!!何をするんだ!」
百々と九十九は必死に暴れるも、悠岐と暁は黙って逃げるユニ達の後を追う。
「待てよ悠岐!!まだニルヴァーナが!!」
「暁止まってくれ!ニルを見捨てるわけには・・・。」
「いつまでもクヨクヨしてんじゃねぇぞ百々に九十九!さっさと逃げやがれ!!」
ニルヴァーナの怒鳴り声に百々と九十九は目を見開く。そんな二人とは別に悠岐がニルヴァーナに言う。
「・・・生きて、帰ってこいよ。」
「・・・出来たらな。」
そう言った瞬間、悠岐と暁はそのまま走っていってしまった。それを見たニルヴァーナは再び銃を構え、アカシャを睨みながら言う。
「さぁ、さっさと終わらせてやるぜ。このクソアカシャめ!!テメェを倒して百々達の元へ帰ってやる!」
ニルヴァーナがアカシャと戦っている中、百々と九十九は黙ってその様子を遠くなりながらも見ていた。掴まれて地面に叩きつけられようと、光線を食らっても彼は何度も立ち上がり、アカシャに勇敢に挑んでいた。そして彼の戦いが見えなくなくなった瞬間、百々はポツリと呟く。
「ニル・・・すまねぇ。俺が・・・俺が一緒に戦わなきゃなりねぇのに・・・。」
そんな彼の目には涙が零れていた。それに気づくのは九十九彼女一人だけであった。と、突然辺りに今まで聞いたことのないような大きな銃声音が響き渡った。
ユニ達を逃し、一人勇敢にアカシャに挑むニルヴァーナ。彼の運命は!?
次作もお楽しみに!