東方混沌記   作:ヤマタケる

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裏の世界へやって来たユニ達はエリュシオンとの決戦に挑む。


第148話 廃帝都と幻獣

エリュシオンの元へと進軍を開始したセコンド率いる表の世界の者達。と、悠岐と楓の乗る馬の辺りを飛んでいたユニが口を開いた。

 

「変ね・・・。エリュシオンのことだから最初から私達に何か仕向けてくるのかと思ったけれど、何もしてこない。」

 

「彼女らしくないね。僕の知ってるあのババアなら最初から僕達に何か向けてくる筈なのにね。」

 

彼女に続いて琥珀も口を開く。そんな中、九十九が口を開いた。

 

「油断はしないで。急に幻獣達を出現させて私達に襲いかかってくるかもしれないわ。」

 

「そうですね、それなら油断出来ませんね。」

 

九十九に続いて暁も言う。と、楓が悠岐を見て言う。

 

「悠岐、確かお前の能力で敵の居場所を把握出来たよな?」

 

「あぁ、出来るさ。けど、馬に乗っている状態じゃ出来そうにない。セコンドの言う、帝都に着いたらやってみよう。それで幻獣達の居場所を把握する。」

 

悠岐が言った瞬間、百々はセコンドの所まで飛び、彼に言う。

 

「なぁ、セコンドのオッサン。あとどれくらいで帝都って場所に着くんだ?」

 

「うむ、約数分で帝都に着く。恐らく裏の世界の人もいるだろう。」

 

「そうか、分かった。ありがとな、オッサン。」

 

「おや、君が来るとは以外だな、伊吹百々よ。」

 

ユニ達の元へ戻ろうとした彼を引き留めたのはセコンドの近くで馬に乗っているメルト・グランチだった。

 

「そうか?俺は自分から来たんだけどよ。」

 

「私はてっきり博麗の巫女かモルトの妹君が来ると思っていたのだがね。まぁ、君にだから少し話そうと思ってね。」

 

そう言うと彼はクスクスと笑いながら再び口を開く。

 

「君は確か、星熊九十九の兄的な存在だったのかな?」

 

「あ、あぁ。そうだ。それがどうかしたのか?」

 

「ククク、君を見ていると彼を思い出すよ。」

 

「彼?」

 

「黒き刀と出野楓の兄のような存在だった彼のことだよ。彼は妹のような存在の彼女のために全力を尽くしていたよ。もう彼はいないがね。」

 

「そうか・・・。」

 

「君には彼と同じ素質があるようだな。この戦いでも妹を死ぬまで守る覚悟を感じられるよ。」

 

「俺は死なねぇけどな。」

 

「・・・それを言わなければ素晴らしい少年だったのだがね、少々落胆したよ。」

 

「がっかりするなよ・・・。」

 

「まぁ、精々頑張ることだな。調子に乗った口調で申し訳ないがね。ハッハッハッ。」

 

「・・・。」

 

何も言わずに百々はユニ達の元へと戻る。ユニ達の戻ってきた百々に魔理沙が言う。

 

「百々、あとどれくらいで着くってセコンドは言っていたんだ?」

 

「あと数分で着くらしい。人もいるってさ。」

 

「人もいるのか・・・。帝都で幻獣に出会ったらどうするってんだ。」

 

思わず口を開く悠岐。そんな彼に霊夢が言う。

 

「建物とかが壊れているのはセコンドも分かってる筈よ。人のことも大事だけれど今はエリュシオンを倒すことに集中するわよ。」

 

「・・・あぁ、そうだな。」

 

しばらくすると明かりのない街が唐突に現れた。その瞬間、セコンドが辺りに響くような声で口を開いた。

 

「皆の衆!これより帝都に突入する。ある程度は身を引き締めよ!!」

 

彼の言葉を聞いてはっ!と兵士が声を上げる。帝都に入るとそこには多くの建物が壊れており、とても人が住んでいるようには感じられなかった。そんな中、多くの兵士が馬や戦車から降り始める。それに続いて悠岐と楓も馬から降りる。

 

「これ、本当に人がいるのか?まるで廃帝都じゃないか。」

 

「変だね・・・。何かがいる気配はするんだけれど人の気配が感じられない。」

 

辺りを見回して口を開いた楓に続けて口を開く琥珀。そんな中、ユニが悠岐に言う。

 

「悠岐君、敵の居場所を把握出来る?」

 

「あぁ、そうだな。とりあえずやってみる。」

 

そう言うと彼は刀を地面に二回つついた。

 

「・・・?」

 

悠岐は刀を見回し、首を傾げ始めた。それを見たユニは彼に言う。

 

「どうしたの?悠岐君。」

 

「何も反応しねぇぞ。もしかしたら息を潜めてじっとしているのかもしれない。俺のこの力じゃ無理だな。」

 

「動いているもの全てに反応する小さな波動を感じ取るなんてね。エリュシオンは一体幻獣に何を入れたのかしらね。」

 

悠岐の言葉を聞いて多少エリュシオンの計画を推測する九十九。

 

「慎重にいかないと不意を衝かれて殺られる。エリュシオンはそれを狙ってやっているみたいなのかしら?」

 

「さぁな。少なくとと私達を確実に殺すつもりでいる。奴の所に行くまでは死ぬわけにはいかない。」

 

そう言うと彼女は辺りに広がる光景を再び見る。と、悠岐が口を開く。

 

「ここからは手分けして行動しよう。百々は俺と行動。楓は九十九と行動して暁は霊夢と行動し、ユニは琥珀、魔理沙と行動してくれ。」

 

「了解だぜ!」

 

「よっしゃ、やるか!」

 

気合い十分な魔理沙と百々。そんな二人とは別に琥珀が悠岐に言う。

 

「文句は言うつもりはないけれど、どうしてこんな組合せになったんだい?」

 

「何故こんな組合せかって?何となくに決まってんだろ。」

 

「・・・何となく察してたよ悠岐。お前のことだから何となく以外の理由なんて考えられない。」

 

溜め息を吐きながら言う楓。そのままユニ達は悠岐が(適当に)選んだメンバーで行動をすることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらは悠岐&百々ペア。二人な壊れた建物の中の様子を見ていた。

 

「静かすぎるな。兵士達のひそひそ話しか聞こえやしねぇ。」

 

「しかしここは何もねぇな。悠岐、そっちに何かあったか?」

 

「何もねぇな。何か手掛かりになりそうなのは・・・ん?なんじゃこりゃ。」

 

「なんかあったのか?」

 

何かを見つけた悠岐の元へと寄る百々。悠岐が見つけたもの、それは30cmほどある何かの巨大な生物の牙のようなものだった。それを見た百々は鳥肌を立たせながら言う。

 

「お、おい悠岐。それは何だ?」

 

「形的には狼の牙だな。けど、大きすぎるな。推定だが体長4m以上あるぞ。」

 

「てことはテルヒのか?」

 

「かもしれねぇな。こんなところで人を襲っていたんだな。」

 

その時だった。突然辺りにズシン、ズシンと大きな足音が響いた。

 

「百々、隠れるぞ。」

 

「ああ!」

 

二人は咄嗟に近くにあった家具に身を潜める。ズシン、ズシンと足音が窓の外から響く。それを聞いた悠岐はそっと顔を出し、様子を伺う。窓には巨大な目がギョロギョロと獲物を探すように動いていた。

 

「・・・!!」

 

なるべく声を出さないように悠岐は再び家具に身を潜めた。しばらくじっとしていると足音がピタリと止んだ。それを確認した悠岐は再び慎重に様子を伺う。そこにはもう巨大な目はなかった。

 

「なぁ、悠岐。外に何がいたんだ?」

 

「かなりデカかったな。20mくらいあるやつだった。多分あの目はワニだ。エリュシオンの幻獣の一体か?」

 

「多分な。まさかここまで巡回しているとはな。」

 

「けどおかしくないか?あそこまででかい足音を立てていたのにも関わらず帝王軍の兵士や月の都の奴ら誰も気がつかない。」

 

「まさか・・・。」

 

「急いで知らせに行くぞ!!」

 

「あぁ!」

 

そう言うと二人は勢いよく建物から飛び出し、帝王軍や月の都の者達のいる場所へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

変わって楓&九十九ペア。二人は多くの椅子が並んでいて天井が一部落ちている建物を見回っていた。

 

「ここは教会だったのか?かなり荒れてしまっているな。」

 

「恐らくそうでしょうね。テルヒ率いる幻獣達に襲撃された。」

 

と、何かを感じた楓がある方向を見る。それを見た九十九が口を開いた。

 

「楓、どうしたの?」

 

「今微かにだが何かの雄叫びが聞こえた。多分幻獣だな。方向的にセコンド達のところだ。」

 

「セコンドのおじさまのところ?それじゃあ・・・。」

 

「悠岐達も近い。急いで向かおう。」

 

そう言った瞬間、二人はセコンド達のいる場所へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

変わってユニ&琥珀&魔理沙。三人は空から廃帝都の様子を見ていた。と、ユニが口を開いた。

 

「妙に静かね・・・。本当に幻獣なんているのかしら?」

 

「セコンドのオッサンが言うんだ。いるに違いないぜ!」

 

彼女の言葉に即答する魔理沙。と、琥珀がある方向を見て言う。

 

「・・・あそこ、何か見えるね。」

 

「え、どこなんだぜ!?」

 

そう言うと魔理沙は辺りをキョロキョロし始めた。そんな彼女とは別に琥珀がある方向を指差し口を開いた。

 

「あそこだよ。なんか赤い光が沢山見える。」

 

彼の言葉を聞いた二人は指差す方向を見る。そこには無数の赤い光が徐々に近づいているのが見えた。

 

「な、なんだありゃ!?」

 

「・・・幻獣の群れ。」

 

ボソッと呟くユニ。彼女の言葉を聞いた魔理沙は目を見開き、言う。

 

「ヤバくないか?こっちに近づいてきてる。」

 

「みんなに知らせなきゃ行けないね。急ごう。」

 

琥珀が言った瞬間、三人は帝都へと降りていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

変わって霊夢、暁ペア。二人は既に幻獣達の存在に気づき、これをメルト・グランチに知らせていた。

 

「成る程・・・。もうやって来ていたのか。分かった、知らせてくれてありがとう、博麗の巫女にその弟よ。二人は黒き刀やモルトの妹達と合流し、エリュシオンの城まで先に向かってくれたまえ。」

 

「分かりました。グランチさんも気をつけてください。」

 

「うむ。我々は幻獣達の相手をする。卿らだけで倒せる相手だとは思わぬが・・・。十分に気をつけたまえ。」

 

「えぇ、分かってるわ。」

 

そう言った時だった。突如辺りにズシン、ズシンと地響きが鳴り響いた。それを聞いた瞬間、辺りに男の声が響いた。

 

「総員、攻撃開始!!」

 

その声が聞こえた瞬間、兵士達がウォーと声を上げながらある方向へ走っていった。

 

「今の声は!?」

 

「剛岐が指示を出したのだな。さ、行きたまえ。」

 

「分かったわ。あんたも気をつけてね。行くわよ、暁。」

 

「はい、姉さん。」

 

そう言うと二人はメルト・グランチの指差した方向へと向かっていった。それを見た彼は剛岐の声のした方声を見て言う。

 

「さぁ、始めようか。狩りの時間だ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

霊夢と暁がエリュシオンの元へ向かっている中、様々な方向から声が聞こえた。

 

「霊夢!!」

 

「暁!!」

 

二人が振り向くと後ろから馬に乗ってくる男とその隣で飛ぶ男二人に上から飛んでくる二人の少女と一人の少年、走ってくる一人の少女と飛ぶ一人の少女がやってきた。

 

「ユニ、魔理沙、九十九、楓!」

 

「悠岐さん、百々さん、琥珀さん!」

 

それぞれの少年少女の名前を叫ぶ霊夢と魔理沙。と、馬に乗る悠岐が楓に近づき、言う。

 

「楓、乗れ!」

 

「あぁ!!」

 

そう言うと彼女は悠岐の手を握り、そのまま彼の後ろに乗った。と、百々が口を開いた。

 

「幻獣達が来たらしいな。グランチのオッサンらは大丈夫なのか?」

 

「メルト・グランチの軍事力なら問題ないだろう。少し不安なところもあるが。」

 

「今は私たちはエリュシオンの元へ向かいましょう。おじさま達も心配だけど私たちはおじさま達から命令を受けたのよ?やるしかないじゃない。」

 

「・・・あぁ、そうだな。」

 

楓、九十九の言葉を聞いた百々は納得した声を上げる。そんな彼に琥珀が口を開いた。

 

「心配性なのは君らしいね。けど大丈夫だろう。グランチ君の軍事力は現世最強の軍隊と言われているくらいだからね。なんとかなるんじゃないかな。」

 

「今はアイツらを信じるしかない。俺たちは先を急ごう。」

 

悠岐が言った瞬間、ユニ達は急いでエリュシオンの元へと向かった。




メルト・グランチの言葉を信じ、鋼鉄城へと向かうユニ達。その頃、エリュシオンはあることを企てていた・・・。
次作もお楽しみに!
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