東方混沌記   作:ヤマタケる

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牢屋で少女から様々な話を聞いたユニ達はオスカーの部屋と呼ばれる場所は向かった。


第161話 オスカーの部屋

部屋の中に入るとそこには広々とした空間が広がっており、四方にはそれぞれ絵が一つ描かれていた。それを見た楓が口を開いた。

 

「これは、さっきの部屋の大仏の絵?どうしてこんなところに・・・。」

 

他の絵を見て霊夢も口を開く。

 

「となるとこのドラゴンの絵はゼローグってことね。」

 

2人が話している中、暁が四方の絵を見て口を開いた。

 

「・・・ウルガストにワルプルギスの夜、ゼローグ。あの大仏はダ・イルオーマ?全部アニメやゲームの存在・・・。エリュシオンは次元に干渉できる?」

 

「こんな能力、私の世界を侵略した時には使わなかった。」

 

「エリュシオンの力は未知なところが多すぎるぜ。これはメルト・グランチのオッサンの言う通り、厄介な戦いになりそうだぜ。」

 

彼に続いて九十九、魔理沙が口を開く。と、影裏が何かを思い出して口を開いた。

 

「それにあの女の子が言ってた、『オスカー』って存在も気になるな。もしかしたらこの部屋の何処かにいるかもしれねぇ。」

 

「確かにな。急に私達に襲いかかってきてもおかしくはないな。」

 

影裏と楓が話している中、ユニが辺りを見回しながら言う。

 

「それよりみんな、1つ聞きたいことがあるんだけれど・・・。」

 

「何だ?」

 

「どうかしたのか?」

 

「どした?」

 

彼女の言葉に悠岐、影裏、百々が反応する。3人の後にユニが再び口を開く。

 

「扉がないの。この先へ続く道も扉もこの部屋のどこにもないのよ!」

 

「なんだって!!」

 

彼女の言葉に驚きの声を上げる、1人を除いては。

 

「押してダメなら引いてみろ。上がダメなら下を見ろ。ってね。」

 

そう言うと琥珀は地面を指差した。それを見たユニ達は地面を見て何かないか探し始める。

 

「ちょっとみんな、これを見て。」

 

そう言って霊夢はある場所を指差した。彼女が指差す場所へユニ達も歩み寄る。そこには人5人ほど入れるくらいの水溜りがあった。水の中は少し暗くて分かりづらいが相当の深さがあるようだ。それを見た楓が言う。

 

「水溜り?にしては深いな。」

 

「ほら、道があったじゃないか。」

 

「まさか、水の中から行くって言うのか!?」

 

「大正解。花丸とあげようかな・・・っと!!」

 

魔理沙の疑問に答えながら琥珀は魔理沙を水溜りへ叩き落とした。

 

「うわっ!?」

 

ポチャン、という音と共に魔理沙は水溜りに落ちた。

 

「あ。」

 

「落ちた。」

 

「いや誰か助けにいけよ!」

 

呆然と見る悠岐と霊夢とは別に百々は魔理沙を追うように水の中に飛び込んでいった。と、楓が首を傾げて言う。

 

「そういえばアイツら、泳げるのか?」

 

「少なくとも俺の知る限りでは俺と楓以外泳げない気がするんだが。」

 

「あ、百々は泳げるよ。百々"は"。」

 

いつの間にか、水溜りへと入っていた九十九がそんなことを言った。と、彼女の様子がおかしいことに気がついた悠岐が彼女に言う。

 

「お前、溺れてる?」

 

「うん。正直助け・・・。」

 

トプン。という効果音と共に九十九は水溜りの中に沈んだ。

 

「あっ九十九ちゃん!!」

 

沈んだ九十九の名前を言うユニ。そんな中、悠岐と楓がため息を吐いていた。そして楓が言う。

 

「はぁ、仕方ないな。悠岐、息は持ちそうか?」

 

「なんとかな。まずは百々、九十九魔理沙の救出だ。ユニ、霊夢、暁、琥珀、影裏はそこで待ってろ。」

 

「分かったわ。」

 

「早く帰ってこいよ。」

 

「お気をつけて。」

 

霊夢、影裏、暁の言葉を聞いて悠岐と楓は水溜りの中に飛び込んでいった。と、琥珀が水溜りを見ながら言う。

 

「その必要はないんじゃないかな?」

 

「どうして?」

 

琥珀の言葉にユニが問いかける。彼女の問いに琥珀はすぐに答える。

 

「僕はさっき言ったはずだよ。ここが、次の道だって。」

 

「確かにそうかもしれないけれど泳げるのは悠岐と楓二人よ?どうやって行くっていうのよ。」

 

「想像力が足りないね、ユニに霊夢は。ここはあの年層ババァの居城。何が起こるか分からないんだ。沈んだ先に道があっても不思議じゃないはずだよ。」

 

琥珀が話している中、魔理沙を担いだ楓が、百々、九十九を担いだ悠岐が水溜りから出てきた。

 

「悠岐君、楓ちゃん!」

 

ユニが2人の名を言う。水溜りに沈んだ3人を先に上がらせ、2人は後に続いて水溜りから上がる。と、九十九が咳き込みながら言う。

 

「し、下から光が・・・。」

 

「光?」

 

「なんて言えばいいんだ?沈んでたらうっすら光が見えたんだ。確認する前に息が危なくなって分からずじまいだけどな。」

 

息を整えた百々が影裏の疑問に答える。その言葉を聞いたユニが首を傾げて言う。

 

「うーん、何の光かしら?全く想像できないわ。」

 

悩むユニとは別に悠岐が皆を見ながら口を開く。

 

「一応聞くが、この中で泳げる奴は手を上げてくれ。」

 

彼の言葉を聞いて真っ先に手を挙げたのは楓で他の皆は手を挙げなかった。と、暁が霊夢を見て言う。

 

「姉さんは泳げないんですか?」

 

「幻想郷には海ってのがないから泳げないわよ。」

 

「まぁ博麗ちゃんは水の常識から浮けばいいもんね。」

 

3人が話している中、影裏が水溜りを見ながら口を開く。

 

「けどよ、これ浮くスペースないぞ?結局は潜るしかないのか?」

 

「見た感じ、潜るしかなさそうね・・・。」

 

ユニと影裏が話している中、楓が琥珀と暁に言う。

 

「そういう二人は泳げるのか?」

 

「僕は知識の妖精だよ?もちろん泳ぎ方なんて知ってるさ。」

 

「現代人舐めないでください。」

 

「なら問題ねぇな。」

 

悠岐がほっとしている時だった。

 

「まぁ、泳げないけれどね。」

 

「泳げるとでも?」

 

二人の言葉を聞いた瞬間、楓は二人の頭に拳を叩きつけた。叩きつけられた場所からはぽっこりと大きなコブが出来てしまう。涙目になりなぎら琥珀と暁が口を開く。

 

「本体が紙な妖精に何を期待しろと?水は天敵さ!!」

 

「現代人、泳げなくてもやっていけます。」

 

二人の言い訳を聞いた悠岐は顔に手を当て、がっかりしたテンションで言った。

 

「はぁ、二人に期待した俺がバカだったようだな。ユニわロープを出してくれないか?これでみんなを繋いで水の中を通っていくぞ。」

 

「う、うん。分かったわ。」

 

「あの、私がどうにかしようか?」

 

話す二人に声をかけたのは九十九だった。彼女の言葉を聞いて悠岐が口を開いた。

 

「どうにかするって、どんな手段を使うんだ?」

 

「うん、蓬莱になったら泳げるようになるしアクアドラゴンたちに任せればみんなを引っ張っていけるよ。」

 

「そうなのか?んじゃあ任せる。」

 

「任せて。」

 

楓の頼みを聞いた九十九は懐から青いスマホを取り出し、それを掲げた。

 

「模倣開始『蓬莱』」

 

スマホから溢れた光が九十九を包み、それがなくなるとそこには学生服を身に着け、オッドアイとなった九十九がいた。

 

「いらっしゃい、アクアドラゴン!」

 

その号令を合図に彼女の持つスマホから青き竜が数体飛び出した。

 

「ほー、それが蓬莱の力でこいつらがアクアドラゴンってやつか。」

 

それを見て一人感心する影裏。そんな彼とは別に琥珀が口を開いた。

 

「学生服なのは突っ込まないであげるよ。・・・まぁ少しお腹の丈が少し足りないみたいだけれどね。」

 

琥珀の言葉に、暁が察したかのように呟いた。

 

「蓬莱・・・九十九・・・胸部装甲・・・なるほど。」

 

「・・・暁?」

 

呟く暁に霊夢が反応する。

 

「いえ、なんでもありませんよ姉さん。」

 

「そう・・・。」

 

と、九十九がみんなを見て言う。

 

「みなさん、アクアドラゴンに乗ってください!」

 

彼女の言葉を聞いてユニ達はアクアドラゴンに乗る。と、九十九が皆を見て再び口を開く。

 

「みなさん、掴まりましたか?では、いきますよ!」

 

「うん!」

 

「いつでもいいぜ!」

 

「僕だけ両腕をガッチリとロックされているのは嫌がらせかい!?」

 

ユニ、魔理沙とは別に琥珀はいつの間にかアクアドラゴンの体に両腕をロックされていた。そんな彼に九十九が言う。

 

「女の敵ですので。では、アクアドラゴン、行きなさい!」

 

彼女の合図と共にユニ達を乗せたアクアドラゴン達は雄叫びをあげて水溜りに潜っていく。

 

「うわっ、結構勢いよく行くな!」

 

多少驚く影裏とは別に琥珀は涙目にはなりながら口を開いた。

 

「待って腕がイク腕が。」

 

そう言った瞬間、ぶちり。という音と共に琥珀の右腕が引きちぎれた。

 

「僕の腕ぇぇぇ!!」

 

そんな彼を無視してアクアドラゴン達は水溜りの奥へと進んでいった。1匹の巨大な影にも気がつかずに。




オスカーの部屋と呼ばれる場所で見つけた絵と謎の水溜り。その先に待ち受けるのは一体!?
次作もお楽しみに!
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