「お前は私が止めてやる。」
先陣を切ったのはルシファーだった。ルシファーは右手に青い光を溜めるとそれをホーミング弾へと変化させてエリュシオンに放った。それを見たエリュシオンはどこからともなく銃を取り出して彼女の放ったホーミング弾を全て撃ち抜いた。
「まだだ!」
そう言いながらルシファーは追撃のホーミング弾を次々と放っていく。ホーミング弾を放ちながらルシファーは徐々にエリュシオンとの距離を詰めていく。彼女の目の前まで来たルシファーは右手に握り拳を作り、
「くらえ!!」
渾身の一撃をエリュシオンに放つ。
「予備動作が大きすぎるし、そんな大振りじゃ当たらないわよ。」
虚しくも彼女の放った攻撃はエリュシオンに躱され、空を切る。大振りで拳を振り下ろしたルシファーにエリュシオンがカウンターの一撃を放つ。
「さぁ、中身出してみなさいな!」
「ぐぅぅぅぅっ!!!」
カウンターの剣の一撃はルシファーの脇腹を捉えてしまう。
(・・・反応的にそこまでのダメージじゃなさそうだし臓器が飛び出てこない、浅かったか。)
エリュシオンが心の中で思っている中、脇腹から血を流しながらルシファーは右手の指に紫色の光を溜めていた。
「同じ搦手が私に通用するとでも?」
「ぐっ!?」
そう言ったエリュシオンはなんとルシファーの右手を蹴り抜いたのだ。その一撃によりルシファーの右手の人差し指が180度折れ曲がってしまったのだ。
「く、クソッ・・・。」
思わず声に出してしまうルシファー。そんな彼女にエリュシオンが悪魔のような笑みを浮かべて口を開く。
「さぁどうするルシファー。また新たな戦法でも考える?」
「フン・・・。」
鼻で笑うとルシファーは折れ曲がってしまった人差し指を無理矢理直した。そして心の中で考える。
(近接戦では武器を持たない私の方が不利、だからといって一度見せているホーミングやエナサーで攻めようにも一瞬の隙を見て攻撃を仕掛けてくる。更に搦手も奴には通じない。どうすれば奴の牙城を崩せる・・・?)
「何ボサっとしてるのよ、堕天使さん?」
その声が聞こえたかと思うとルシファーの背後からゆっくりと歩み寄りながら幽香が日傘を持って隣に立ち、彼女の肩を組んだ。そう言う彼女は先程のエリュシオンとの戦闘により鼻がへし折られて鼻血が止まらず、更に腹に手刀による一撃を食らっていておりなんと止血していないのだ。そんな幽香を見たルシファーが口を開く。
「お、お前その傷は大丈夫なのか?」
「大丈夫な、ゴフッ・・・訳、ないでしょう?止血してない、し。でも、それよりもあの凶神を倒したい欲の方が強くて傷なんてどうでもいいのよ。」
「そうか(太陽の花畑の妖怪、風見幽香。クレイジーハンドから少し話を聞いていたが噂通りの凶暴さだな)。」
血を吐きながら狂気を顕にするルシファーは内心幽香の恐ろしさを実感した。そんな2人のやり取りを見ていたエリュシオンが口を開く。
「いいわねぇ、ルシファーに風見幽香。ストライクワールドと幻想郷が手を組むなんて愉快な話よ。」
そう笑いながら言う彼女を見てルシファーが幽香の耳元で言う。
「奴を倒せる手段は何かないか?いや、倒せなくていい、少しでも動きを抑える策は?」
「奴の戦いっぷりをずっと見ているけれど、どうにも崩せそうにないのよね。撃ち合いはなんとか互角に渡れるけれど。」
「それでいい、少しでもいいから奴の動きを抑えて欲しい。」
「了解したわ。」
そう言うと幽香は日傘を構えてエリュシオンに向かっていく。エリュシオンは幽香の攻撃を迎え撃つように剣を構えて彼女に向かっていく。そのまま激しい撃ち合いを始める。
「何度やっても同じよ、私には勝てないってね!」
「ぐぅぅぅ、それはどうかしらね?」
体を徐々に斬り刻まれながら幽香は撃ち合いを続ける。その間にルシファーがエリュシオンの背後に立ち、右手に青い光を溜めてホーミング弾を放とうとしていた。
「見えてるわよルシファー。」
エリュシオンがそう言うとなんと幽香を撃ち合いながら空いている左手に銃を持ち、銃口をルシファーに向けていた。
「なにっ!?」
思わず声を上げるルシファー、だがその時だった。突如エリュシオンの横から人影が現れたかと思うとそのまま彼女の左腕を殴りつけたのだ。
「ッ!!?」
その一撃はエリュシオンの左腕を明後日の方向へと曲げたのだ。その一瞬の隙を見て幽香が日傘を構えて先端を彼女に突き刺した。日傘の先端は見事エリュシオンの右腕を捉えていた。
「チッ!」
思わず舌打ちをしたエリュシオンは思わず後退する。だがその後退した場所の地面に大きく『爆』の文字が浮かんでいた。
「なっ!」
エリュシオンがその文字を踏んだ瞬間、文字が赤くなりだしたかと思うとそのまま爆発を起こしたのだ。それでも咄嗟にエリュシオンは爆風から逃れたが右足に爆発による火傷を覆ってしまう。
「夢想封印!!」
「氷界ブリザード!!」
「マグメル・イマージュ!!」
3人の少女の声が聞こえた瞬間、エリュシオンに向かって3つの攻撃が至近距離まで迫っていた。
「ちょいちょいちょい!!」
流石のエリュシオンも目の前までこられた攻撃には対処できず、そのまま攻撃を喰らってしまう。爆風が起こる中、ルシファー、幽香の元へ3人の少女と1人の女性、1人の少年がやってくる。
「たまたま奴の左腕を殴ることができたかと思えば、もう戻ってこれるのかい?霊夢、九十九、楓、琥珀。」
「こんな状況だからずっと寝てるわけにはいないのよ、加奈子。」
「私も忘れちゃダメ!」
そう言いながら3人の元へやってきたのは怪我から復帰した霊夢、楓、九十九、琥珀と加奈子、諏訪子だった。と、楓がルシファーに近寄り、言う。
「大丈夫か?」
「フン、これくらいどうと言うことはない。」
ルシファーがボロボロの状態ながらも強がっていることを楓は理解した。と、幽香が突如膝を地面についてしまう。そんな彼女を見た琥珀が近寄り、言う。
「大丈夫かい?随分とボロボロじゃないか。」
「フフ、ちょっと無理しすぎた、わね・・・。」
そんな中、エリュシオンが不気味な紫色のオーラを漂わせながら霊夢達を見て言う。
「アハハ、どんどん面白くなってきてるわね。そうよ、戦いはこうでなくちゃ。これは異変じゃなくて戦争よ。アンタ達表の連中と裏の存在である私の存続を賭けたね!!」
と、九十九が近くにいた勇儀に言う。
「母さん、幽香を医療班へ連れて行ってくれないか?奴は私達が相手する。」
「分かったよ。九十九、無理すんじゃないよ。」
そう言うと勇儀は幽香を担いで医療班の元へと向かっていった。それを見たルシファーがエリュシオンを再び見て言う。
「お前達、私の足を引っ張るんじゃないぞ。」
「ハッ、ボロボロの堕天使様がよく言うねぇ。」
鼻で笑いながらも加奈子はエリュシオンを睨みながら言う。続いて楓、霊夢、九十九、琥珀もエリュシオンを見ながら言った。
「さぁ行くぞみんな。」
「えぇ、やられた分やり返すわよ。」
「勿論、ユニちゃん達の分もね。」
「私は死んだみんなの分もある。絶対に負けられない!」
ルシファー、諏訪子、加奈子、霊夢、楓、九十九、琥珀の7人がそれぞれ得物を構えて一斉にエリュシオンに向かっていった。
復帰した霊夢、楓、九十九、琥珀はルシファー、加奈子、諏訪子と共にエリュシオンへ向かっていく。だがこれから霊夢達はエリュシオンの更なる絶望を味わうことになる・・・。
次作もお楽しみに!