東方混沌記   作:ヤマタケる

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戦いに復帰した霊夢、楓、琥珀、九十九はルシファー、加奈子、諏訪子と共にエリュシオンに挑む。


第181話 悲しき悲劇 神と神

「封魔針!」

 

「ホーミング弾をくらえ!」

 

手始めに霊夢とルシファーがエリュシオンに攻撃を放った。エリュシオンはそれを容易く避けると2人に紫色の攻撃を放つ。

 

「フッ!」

 

「よっと!」

 

2人は咄嗟に左右に分かれて避ける。だがその紫色の攻撃は2人のいた場所に落ちるとそのまま左右に分裂し、爆発を起こした。

 

「ぐぅっ!!?」

 

「きゃあ!!!」

 

分裂して爆発は想定しておらず、そのまま2人は左右に勢いよく吹っ飛ばされる。その間に楓と九十九が氷竜の剣と鉤爪を手にエリュシオンに向かっていく。

 

「こんなので私を倒せると?思い上がるな!!!」

 

そう大声をあげるとエリュシオンは一枚のスペルカードを取り出して発動した。

 

「『凶神破滅砲(カコテオス・カタストロフィ・カノニ)』」

 

その瞬間、エリュシオンの持つ銃の銃口が紫色に輝きだしたかと思うと一瞬にしてレーザーと化して2人を襲った。

 

「ぐあっ!」

 

「があっ!!」

 

そのまま2人は勢いよく吹き飛ばされる。その間に加奈子に諏訪子が彼女に弾幕を放ち、琥珀が『爆』の文字を彼女に放つ。エリュシオンはそれらの攻撃を全て避けると上空に飛び上がり、一枚のスペルカードを取り出していた。

 

「焦っているのかい?君がそんな頻繁にスペルカードを使うなんてね。」

 

「焦ってはいないわ、アンタら全員殺したいだけよ。」

 

ニタニタと笑う琥珀にエリュシオンは余裕の笑みを浮かべながら言った。そしてスペルカードを発動した。

 

「凶滅『ひとつの唄』」

 

その瞬間、エリュシオンの持つ剣の先から先程銃口から輝いたのと同じ光が現れた。それは先程の光の倍以上に大きさになった。

 

「これはマズイかな。僕は最後の希望を取りに行くからみんな後はよろしく。」

 

そう言うと琥珀は「消」の文字を浮かべるとそのままその場から消えてしまった。そんな彼に気にせずエリュシオンは剣先の光をレーザーへと変えてそれを薙ぎ払うかのように地面に放った。その攻撃は辺りを紫色の爆発を起こした。

 

「きゃあ!!!」

 

「ぐはぁっ!!」

 

様々な人達の断末魔が辺りに響く。そんな中、エリュシオンはゆっくりと地面に降り立ち、辺りを見る。そこには彼女の攻撃を受けて立ち上がれない者もいればなんとか踏ん張って立ちあがろうとする者達がいた。

 

「やっぱりアンタは倒れないか、星熊九十九。」

 

苛立ちながら口を開く彼女の目線には白いスマホを手に睨む九十九の姿があった。

 

「こんなん、じゃ、倒れないわよ・・・。みんなの、仇を取らなきゃ、ダメなんだから。」

 

そう言う彼女はドリームランドに変身しているものの、先程の攻撃を受けて立っているのも一苦労な様子だった。それを見たエリュシオンは表情を変えることなく銃口を九十九へ向ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「チョットマッタァ!ツクモチャンニハテダシサセナイ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その声が聞こえたと同時にエリュシオンに向かって1人の影が拳を振り下ろした。咄嗟にエリュシオンは反応し、明後日を向いている左腕を出してガードしようとする。だがあまりのパワーにエリュシオンの左腕が体から千切れたのだ。

 

「!!」

 

自身の体から腕が千切られたことに驚いたエリュシオンはゆっくりと後退する。その影は全身黄色で190cmほどの大きさで頭に耳を生やしていた。それを見た九十九が目を見開いて口を開く。

 

「あ、あなたはピン!?ユニの土人形さん!?」

 

「ソウダヨ、ボクハユニチャンニオネガイサレテキミタチヲタスケニキタンダ。」

 

そう言うピンは顔を赤らめて嬉しそうだった。だがそんなピンに紫が大きな声を上げる。

 

「ダメよ!!!奴にそれが1番逆効果よ!!」

 

「エ、ナニヲイッテ・・・」

 

ピンが続きを言おうとした時だった。ドスッという鈍い音が聞こえたかと思うとピンの腹を何者かの腕が貫いていた。

 

「ナ、ナニコレ・・・」

 

状況を把握できず困惑するピン。そんな中、九十九が思い出したかのように口を開いた。

 

「・・・そう、だったわね。あなたは腕をもぎ取られても、頭を吹っ飛ばされても意味がないんだったわね。」

 

「せいかーい 」

 

愉快な声がピンの背後から聞こえた。ピンの腹を貫いたのは他の誰でもない、エリュシオンだった。背後にいた彼女は先程受けてきた傷が全て完治しており、これを見た霊夢達は絶望の表情を浮かべた。

 

土人形(ゴーレム)、アンタは確か熱に弱いのよね?だったらアンタは私が特別な炎で炙ってこの世から抹消してあげる。」

 

そう言った瞬間、ピンの腹を貫く腕から紫色の炎が燃え上がり始めた。それを見たピンが慌て始めた。

 

「アワワワ、ナニコレナニコレ!!」

 

「大丈夫、アンタは焦げることなく溶けてそのままこの世から消えていくから。」

 

そう言うとエリュシオンは慌てるピンに炎を宿したまま腕を引き抜いた。

 

「ピン!すぐ助けるわ!」

 

そう言うと九十九は水色のスマホを手に取り、蓬莱に似た姿へ変わると水をピンに掛ける。だがいくら彼女が水を掛けてもピンの体にまとわりつく紫色の炎は消えそうにない。

 

「どういうことですの・・・?こんなに水を掛けてるのに消えないなんて!!」

 

「そんなちっぽけな水じゃこの炎は消えはしないわ。」

 

驚く九十九にエリュシオンが口を開く。そんな中、ピンが体にまとわりつく炎を腕で払おうとしながら叫ぶ。

 

「アツイアツイ!!ヤダヤダ!!マダミンナトイッショニイタイ!!」

 

「ピン!!ぐっ・・・。」

 

すぐにピンを助けようとする霊夢。だが先程の彼女の一撃により霊夢はその場から動けずにいた。そんな中、エリュシオンが口を開く。

 

「呆気ない最後になりそうね。カルマのアイデンティティであるオブリビオンを破壊する他、カオスの手下であるアヌビスやペルセポネが手を焼くって聞いてたから少しは期待してたんだけれどね。」

 

そんな中、ピンが燃えながらゆっくりとエリュシオンの方へ体を向けたかと思うとそのまま彼女に向かって走りながら叫んだ。

 

「ドウセキエルナラ、オマエモミチヅレニシテル!!」

 

「ピン!?何を言って・・・。」

 

突然のピンの一言に驚きを隠せない楓。そんな彼女とは別にピンが走りながら再び叫ぶ。

 

「ボクハユニタチャンタチヲデアエテホントウニウレキカッタ。ハジメテボクヲミテコワガルハズナノニユニチャンハコワガルドコロカボクニハチミツヲクレタココロヤサシイヒトダ。ソンナヒトノタメニボクハ・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うるさい、目障りだしもう消えてくんない?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう言ったエリュシオンの一言で辺りが一瞬にして凍りついた。彼女の言葉及び表情には誰も見せたことのない殺意が込められていた。その瞬間、ピンの体がドロドロと溶けていき、最終的には跡形もなく消えてしまった。こうしてユニ達と共に戦い続けてきた土人形ピンは呆気なく消滅した。と、我に返ったかのようにエリュシオンが口を開く。

 

「あらいけない。私、久しぶりにこんな殺意マシマシの表情しちゃった。まあいいか、これで1人削れた訳だし。」

 

「・・・さない。」

 

「?」

 

「お前だけは!!!絶対に許さない!!!」

 

そう言いながら楓が勢いよくエリュシオンの元へと向かっていった。

 

「楓!?」

 

思わず声を上がる諏訪子。そんな中、楓は刀を勢いよく振り、エリュシオンの剣と撃ち合いを始める。だが優勢なのはエリュシオンであり、楓の体が徐々に斬り刻まれていく。

 

「ぐぅぅ!!」

 

声をあげなら必死に抗う楓。そんな彼女にエリュシオンが言う。

 

「愚かねぇ、絆や怒りで力が増強するとか思ってるの?逆よ、怒りは動きが乱れてしまい余計に隙を生んでしまうのよ。」

 

「ぐっ!?」

 

その瞬間、エリュシオンは楓の剣を軽く蹴り飛ばして楓の上体を背らさせて体勢を崩す。その瞬間にエリュシオンは楓の懐に潜り込み、言う。

 

「怒りに身を任せてるからこうやって懐に入られるのよ!」

 

「ぐぁぁぁ!!」

 

そのままエリュシオンの横薙ぎの斬撃は楓の顔を捉えてしまった。と、エリュシオンが軽く目を見開いて心の中で言う。

 

(傷が浅いし、何より狙った眼球を捉えられてない。咄嗟に身を屈めて眼球の損傷を逃れたか。)

 

楓はエリュシオンに斬り裂かれる寸前に身を屈んで眼球へのダメージを避けることに成功していたのだ。だが目の上を斬られてしまっている為、楓は流血により両目を閉じたままエリュシオンと対峙することになってしまっていた。

 

「楓!」

 

すぐさま加奈子が彼女の側までより、守るように抱える。それと同時に諏訪子と九十九がエリュシオンの前に立つ。と、エリュシオンが服の中から何かを取り出そうとしながら言う。

 

「そろそろ、いい頃合いかもね。」

 

そう言うと彼女はリンゴのようなものを取り出すとそのまま上空に再び飛び上がる。そのまま彼女はリンゴを上にあげる。その瞬間、リンゴから緑色の光が霊夢達に放たれた。

 

「ぐぅっ!?」

 

「力、がっ!!」

 

「抜けていく・・・!?」

 

光を浴びた霊夢達は苦しみに悶え始める。そのまま数秒後に光が消えたかと思うと霊夢達は全員その場に倒れてしまう。そんな中、エリュシオンが緑色に不気味に光るリンゴを見て口を開いた。

 

「ククク、どうやら時は満ちたようね。」

 

「ゆる、さねぇ・・・。」

 

そんな中、みんなが倒れる中1人元に戻った九十九がヨロヨロと立ち上がりながら一枚のスペルカードを手に口を開く。

 

「よくも・・・よくもみんなをこんな目にあわせたな!!お前だけは、絶対に許さない!!」

 

「アハハハハ、よく言うわねぇ。その体でどう私と戦うつもり?」

 

「コイツを使うのさ。」

 

そう言うと九十九は一枚のスペルカードを上に掲げて言う。

 

「ユニ、勝手に持っていって悪いが使わせてもらうよ。奴を倒せる希望の一つなんだ。」

 

その瞬間、辺りに雷雲が漂い始めたかと思うと青い稲妻が音を立て始める。その瞬間、先程の笑みはどこへやら、エリュシオンの表情が焦りの表情に変わる。

 

「星熊九十九!!まさかアンタ!!!」

 

「極符コールザゴッド!!!」

 

九十九がスペルカードを発動した瞬間2人の間に一際大きな青い雷が落ちた。その勢いに耐えられず九十九は吹っ飛ばされるがエリュシオンはそのまま唖然としてその様子を見る。雷が落ちた場所の煙が晴れるとそこには長身で腰まで伸びる金髪、そして貴族を思わせる服を着た大男が立っていた。と、男が倒れる九十九を見て言う。

 

「愚行な・・・。殃禍に終止符が打たれ、2万年の眠りについた筈の余を世に再び権限させるとは。」

 

「へへ、悪いな神様。奴を倒せるの、あんたぐらいしか考えられなくてな。」

 

そう笑う九十九に対して男はフッと鼻で笑う。そのまま大男はエリュシオンへ体を向けると何処からともなく取り出した刀を手に口を開いた。

 

「お前の所業もここまでだ。ここでお前とこの世界を悉く滅ぼしてくれよう。」

 

「・・・いいわ、やってみなさいよ。ガイルゴール。」

 

ため息を吐いて口を開いたエリュシオンは右手に剣を、左手に拳銃を添えて九十九によって呼び寄せられた全能神ガイルゴールと対峙する。




ユニのスペルカードを借りてガイルゴールを裏の世界に降臨させた九十九。遂に神と神が対峙してしまう。
次作もお楽しみに!
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