東方混沌記   作:ヤマタケる

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お互いボロボロの状態のガイルゴールとエリュシオンはお互いの信念のために戦う。


第183話 ガイルゴールvsエリュシオン②

と、エリュシオンがスタートを切った。彼女に続いてガイルゴールも一気にエリュシオンとの距離を詰める。そのまま2人は再び斬り合いを始める。刀と剣が擦れ合う度に辺りに衝撃が走る。だが、先に血飛沫を上げたのはガイルゴールだった。と、九十九が2人の戦いを見て歯を食い縛りながら言う。

 

「あんのババァ、千年殃禍で傷を覆った場所ばっかり狙ってやがる!!」

 

「しかし、なんで奴はダメージを覆った場所を正確に攻撃出来るんだ?」

 

彼女の言葉に楓が疑問を問いかける。そんな中、2人の斬り合いを見ていた紫が目を細めて心の中で語る。

 

(奴はガイルゴールの一つ一つの動きを見てほんの僅かな反応の遅れを見てそこが傷と判断して攻撃している・・・?さっき刺された腕の箇所を正確に打ち込めたのはそれが理由だからなのかしら・・・。)

 

そんな中、エリュシオンが攻撃を緩めることなくガイルゴールに言う。

 

「どうしたのガイルゴール。動きがどんどん鈍くなってるわよ?全能神が聞いて呆れるわね。」

 

「チッ!」

 

そう言うとガイルゴールは勢いよく刀を振り、彼女を振り払った。大きく後退したエリュシオンにガイルゴールが刀を鞘に収めて言う。

 

「随分と余裕そうな口を開くなエリュシオン。いいだろう、貴様がその気ならば余はこの場を持って貴様を永遠に復活することが出来ぬよう燃やし尽くしてやろう。」

 

そう言った瞬間、辺りにガイルゴールの霊力による圧力が霊夢達に降り注ぐ。

 

「な、なんなのこれ!?」

 

「これが全能神ガイルゴールの力・・・。」

 

霊夢と琥珀が声を上げる中、ボロボロの状態のマスターハンドとクレイジーハンドが霊夢達の周りにドーム上の青い結界を張り巡らせた。と、クレイジーハンドが冷や汗を流しながら口を開く。

 

「結界があるからと言って油断するな。我々でも抑えきれん。」

 

そんな中、エリュシオンがガイルゴールを見て口を開いた。

 

「ちょちょ、何そんなムキになってるのよ?ちょっと煽っただけじゃない。」

 

「黙れ、貴様に一切の容赦などいらん。神の炎で滅してくれる。」

 

そう言った瞬間、ガイルゴールの体がゆっくりと宙に浮かぶと左手を上げる。左手から灼熱の炎が現れ始めたかと思うとそれは一瞬にして辺り一帯を包み込まんと言わんばかりの大きさまで膨れ上がった。それを見たエリュシオンは目を見開いて口を開く。

 

「ちょ・・・嘘・・・。」

 

「神の業火に焼かれるがいい!!!」

 

そう叫ぶとガイルゴールは超巨大化しか炎の球をエリュシオンに向けて放った。

 

「完防『イージス』」

 

咄嗟にエリュシオンはスペルカードを発動して防御体制に入る。そんな彼女にガイルゴールが言う。

 

「無駄だエリュシオン。いくら貴様の絶対的な防御技があったとて余の放つ業火を前にしては何の意味もなさぬ。すぐに壊れる。」

 

そう言った瞬間、エリュシオンが解放したイージスの防御壁がピシピシと音を立ててヒビが入り始めた。

 

「え、嘘でしょ・・・?」

 

その瞬間、ガラスが割れたような音が辺りに響き渡ったかと思うとそのままエリュシオンはガイルゴールの業火をモロに受けてしまう。

 

「がぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

エリュシオンの断末魔が辺りに響き渡ったかと思うと業火はそのまま勢いよく爆発を起こした。その爆発はあまりにも大きく強く、マスターハンドとクレイジーハンドが作った防御結界を容易くヒビを入れさせ、破壊するレベルだった。

 

「うわぁぁっ!!」

 

「きゃぁ!!」

 

思わず声を上げる霊夢達。だがマスターハンドとクレイジーハンドの活躍により霊夢達は最低限のダメージで抑えられた。そんな中、爆炎の元へガイルゴールがゆっくりと降りてエリュシオンがいたであろう場所を凝視する。そこには彼女の姿はどこにもなく、辺りを覆っていた紫色の空間も消えていた。その瞬間、ガイルゴールが息を切らしながら口を開く。

 

「終わった、か・・・。」

 

それを聞いた霊夢達の顔に安堵の表情が浮かび上がる。

 

「よ、よかった・・・。これで奴との戦いが終わるのね・・・。」

 

そう一言漏らす霊夢は思わず涙を流す。彼女に続いて他の人達も笑顔を浮かべる。この戦いが終わった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と思われている中、1人セコンドは辺りを見回しながら心の中で語る。

 

(なんだこの胸騒ぎは・・・。奴はガイルゴールによって燃やし尽くされた。なのにこれっぽっちも安心出来ぬ。まさか・・・。)

 

「・・・あら帝さん?一体どうしましたの?」

 

幽々子たが彼に声をかけた瞬間、セコンドがガイルゴールに向かって突然大声を上げる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「後ろに気をつけろ、ガイルゴール!!!!奴はまだ生きてるぞ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼の大声を聞いた瞬間、安堵の笑みを浮かべていた霊夢達の表情が一瞬にして代わり、驚きの表情を浮かべる。それはガイルゴールも同じで彼の言葉を聞いて辺りを見回しながら口を開く。

 

「馬鹿な、生きているだと!?そんなわっ!!?」

 

その瞬間、ドスッという鈍い音が辺りに響いたかと思うとガイルゴールは腹に痛みを感じてその箇所を見る。そこには彼の腹を一本の剣が貫いていた。その瞬間、ガイルゴールは多量の血反吐を吐く。と、背後から1人の影が現れ、口を開いた。

 

「アンタの考えは悪くなかったわ、私を業火で消し去ろうとするの。でも対策不足だったみたいね。とても残念よ、ガイルゴール。」

 

背後に現れた影は先程消し炭にした筈のエリュシオンであり、彼女は剣を持つとそのまま腹を切り裂き、なんとその勢いのままガイルゴールの右腕を切り落としてしまったのだ。腹を裂かれ、腕を切り落とされたガイルゴールは無言のまま地面に崩れ落ちた。

 

「ガイルゴール様!!」

 

咄嗟にマスターハンドとクレイジーハンドがガイルゴールの元へ行き、身柄を回収する。エリュシオンはそれを止めることなくただ剣を眺めていた。

 

「う、嘘だろ・・・。なんで生きてんだよ・・・。」

 

「さっき全能神が跡形もなく燃やし尽くした筈・・・。」

 

「それに、なんで傷が治ってるんだよ・・・。」

 

「ありえない・・・!!」

 

思わず絶望の声を上げる妹紅、レミリア、勇儀、ルシファー。そんな中、琥珀が汗を流しながら口を開いた。

 

「君は本当に厄介な存在だねぇ。禁断の果実の力で細胞のどれか1つでも残ってさえいれば君はどんなに体が変なことになっても蘇ってくるし体の傷が完治してしまう。」

 

「そうよ、私はガイルゴールが業火で私を消し炭にして完全に滅ぼそうとしてたのは分かってたから敢えて完防イージスを弱く展開してた。そしてガイルゴールが最も油断した時に時間を止めて私の体の一部を奴の懐に入れておいたってわけ。」

 

エリュシオンの生存、全能神ガイルゴールの敗北。事実これは霊夢達の敗北を意味していた。彼女を見て多くの人達は絶望の表情を浮かべる。そんな彼女達にエリュシオンが不気味な笑みを浮かべて口を開いた。

 

「さ、今ならまだ許してあげる。私に降伏して大人しく負けを認めなさいな。」

 

彼女の言葉を聞いた霊夢達は思わず舌打ちしてしまう。降伏したくなくても現状誰もエリュシオンに抗える者がいないのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「彗星『ブレイジングスター』!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突如スペルカードを発動する音が辺りに響き渡ったかと思うと箒に跨った少女が勢いよく突っ込んできたのだ。そんな彼女を見たエリュシオンは咄嗟に攻撃を躱す。と、エリュシオンが少女に向かって口を開く。

 

「随分と起き上がってくるのが早いのね、霧雨魔理沙。」

 

エリュシオンの言葉を聞いて箒に跨って宙に浮いていた少女、魔理沙は地面に降りて言う。

 

「へへん、私があんなので倒れると思ったのか?大間違いだぜ!」

 

「へぇ、いいわねぇ(ああは言ってるけど多少流れてる汗、それに今のブレイジングスターはさっきよりも威力も落ちてるしスピードも遅い。まだ完全に治りきってない様子ね)。」

 

そう言いながらエリュシオンは冷静に魔理沙の現状を把握する。と、魔理沙が口を開いた。

 

「へへへ、復活してきたのが私だけだと思うか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「剣符『アームストライク』!」

 

「激竜斬!!」

 

「雷切!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3人の声が聞こえてきたかと思うとエリュシオンに向かって雷を纏った弾幕、龍の形をした弾幕、複数の剣が彼女目掛けて飛んできたのだ。それを見たエリュシオンは真顔のまま攻撃を避ける。

 

「俺も忘れんなよ!!」

 

そう聞こえたかと思うとエリュシオンに向かって銃弾が数発どこからか放たれたのだ。

 

(これは避けれないか。)

 

そう心の中で語ったエリュシオンは剣で銃弾を全て弾いた。そして口を開いた。

 

「とんだ医療技術ね、幻想郷と現世が手を組むとこんなに早く終わるなんてね。また私に半殺しにされたいの?八意百合姫、西田悠岐、魄麗暁、影裏破紡。」

 

魔理沙の横に怪我から復帰したユニ、悠岐、暁、影裏の4人が隣に並ぶ。それを見た九十九が口を開いた。

 

「ちょっ、みんな大丈夫なのか!?」

 

「大丈夫って言いたいけどそうもいかないんだよなぁ。」

 

「私も辛うじでよ。」

 

「俺も止血しただけだからあんまり激しく動けないな。」

 

「喉の痛みは治りましたが正直話しずらいです。」

 

「首まだいてぇよ。」

 

5人が話している中、エリュシオンはキョロキョロと辺りを見回していた。その様子はまるで誰かを探しているようだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こんな時に誰かお探しかしら?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その声が聞こえた瞬間、エリュシオンの背後から声が聞こえたかと思うと何もない場所からスキマが開かれたかと思うと中から紫が一つの空箱を抱えて現れた。そんな彼女を見たエリュシオンは彼女の持っている箱を見て目を見開いて口を開いた。

 

「八雲紫!!その箱一体どこから!!それにあの子は!!?」

 

「安心して、あなたの娘には一切手を出してないわ。その代わり、これを盗ませてもらったけど。」

 

「・・・?」

 

焦るエリュシオンを見て霊夢は目を細める。そんな彼女に琥珀が口を開いた。

 

「パンドラの部屋から一つ箱を盗んで開けたんだよ。多分あの箱の中に入っているのは絶望じゃなくて記憶。そして紫が盗んできた記憶の持ち主は・・・。」

 

そう言うと彼はユニ達の背後に目を向ける。彼に続いて霊夢、楓、九十九はその方向を見る。そこにいた少年を見たエリュシオンが目を見開きながら口を開いた。

 

「・・・百々・・・。」

 




ガイルゴールの敗北の前に現れたのはなんと百々だった。そして百々が言った義母さんの意味とは!?
次作もお楽しみに!
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