東方混沌記   作:ヤマタケる

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触手から逃れられたユニ達は紫と共に大規模な会議へと赴く。


第187話 闇に包まれる世界

スキマから出るとそこは五大王の緊急治療室の横にある大きなテントの中だった。その中には既に触手から逃れてきた妖怪達や兵士たちが集っていた。と、悠岐が辺りを見回しながら口を開いた。

 

「・・・人数が少なってる気がする。」

 

「あぁ、おそらくあの触手に呑まれたんだろう。」

 

悠岐に続いて楓が口を開く。と、部屋の中心に立っていたセコンドがユニ達を見て口を開いた。

 

「皆の者、全員揃ったな。では今後について話そうか。」

 

そう言うとセコンドは全員が取り囲めるような巨大な机に全員を集合させる。と、メルト・グランチが影裏を見て口を開いた。

 

「卿は確か・・・アラヤ殿のところにいた使いだったかな?」

 

「あぁ、そうさ。あんたはあのクソ上司を知ってるみたいだな。なら俺がここへきた理由は言うまでもない。」

 

「凶神の討伐か。我々と同じだな。」

 

2人がそう話している中、紫が突然口を開いた。

 

「みんな聞いて、さっきのあの触手について分かったことがあるの。」

 

「えっ!?」

 

「あんなパニック状態になってたのに、すごいね紫。」

 

皆が驚く中、1人感心する琥珀。そんな彼とは別に紫が隣にいる幽々子を見て口を開いた。

 

「さぁ幽々子、説明してあげて。」

 

「えぇ。さっきのあの触手なのだけれど、最初は命ある者を対象に狙っていってたのかと思っていたけれど、違うの。あれは、霊力を吸収していってるのよ。」

 

「霊力!?」

 

彼女の言葉にまたその場にいる者が声をあげる。そんな中、魔理沙が彼女に言う。

 

「幽々子、どうしてわかったんだ?それに死体や木々に霊力は・・・。」

 

「私も最初はそう思っていたの。けれど違うの。生きとし生けるもの全ては必ず微量ではあるものの霊力を宿しているの。それが人であれ妖怪であれ木々であれね。」

 

と、紫が九十九に目線を向けて口を開いた。

 

「そしてそれは、霊体もね。」

 

「・・・どういうことだ、紫。」

 

「さっき見ていたのだけれど、悠岐君と楓には2本の触手、霊夢と暁には1本の触手、そして九十九と百々には6本の触手が襲い掛かろうとして止まった。意味わかる?」

 

その言葉を聞いた瞬間、九十九がハッとした表情に変わる。それを見た琥珀が察し、口を開く。

 

「九十九ちゃんと百々君の元へやってきた触手は6本、九十九ちゃんの失った大切な友達の数と一致しているね。」

 

「まさか、みんなが!?」

 

「そう、かつて凶神に戦いを挑んで無念にも命を落とした爆絶級の高校生達の亡霊達があの触手に飲み込まれてしまったのよ。」

 

紫がそう言った瞬間、楓が口を開いた。

 

「私と悠岐のところへきた触手は2本。まさか、悠岐の爺さんと啓介が!?」

 

「私と暁のところへは1本。お母さん!?」

 

彼女に続いて霊夢が大きな声を上げる。と、九十九が勢いよく外へ出ようとする。そんな彼女を見たセコンドが彼女に言う。

 

「友よ、助けに行くつもりなのだろう?」

 

「・・・分かってるなら止めないでもらえるか?アタシがみんなを助けないと・・・。」

 

「無論其の方が友を救いたいという気持ちは分かる。だが今はアレに近づけんのだ。」

 

「どういうことなんですか?」

 

その言葉を聞いたユニが思わず口を開いた。彼女の言葉を聞いてセコンドがどこからかモニターを配下に持って来させたかと思うとモニターを指差した。モニターに映し出されていたのは先程エリュシオンがいた場所に紫色の半球の形が出来ており、そこへカメラがゆっくりと近づいていく。

 

「これは・・・。」

 

「小宝軍が開発した、無人カメラ移動車さ。」

 

その声と同時にセコンドの背後から身体中に包帯を巻いている小宝剛岐が姿を現した。彼を見た楓が言う。

 

「剛岐、怪我は大丈夫なのか?意識不明の重傷だと聞いたが。」

 

「あんな怪我どうってことないさ。それよりこれを見るんだ。」

 

そう言うと剛岐はモニターを指さす。モニターには紫色の半球の中身が見えそうになった瞬間、謎の音と共に砂嵐が映し出された。

 

「映像はここで終わってる。あそこには機械も生命も近づけはしない。」

 

「そうだったんですね・・・。」

 

暁がそう言うと霊夢がセコンドに向かって口を開いた。

 

「で、結局会議って何するのよ?あの球体の対処法を考えるわけ?」

 

「あぁ、それは・・・。」

 

セコンドが続きを言おうとした時だった。突如地面が地震が起こるかのように揺れ始めたのだ。

 

「な、何!?」

 

思わず声をあげるユニ達。と、揺れが続く中テント内でブーブーと赤いサイレンの光が発光し始めたかと思うと辺りに音が鳴り響き始める。その瞬間、テントの中に1人の兵士が勢いよく入ってきたかと思うと大量の汗を流しながら口を開いた。

 

「緊急事態発生!!!あの球体のエネルギー反応が一気に上昇、更に巨大化する可能性があります!!」

 

「なんだと!?」

 

それを聞いたユニ達は驚きの声をあげる。そのままユニ達はテントの外へと飛び出した。エリュシオンのいた場所の半球は更に紫色に怪しく輝いており、夜なのに昼と錯覚するほどの明るさをしていた。と、琥珀が何かに気づいたかのように声を震わせながら口を開いた。

 

「ガイルゴールがあの時テレビ越しに言っていたあの隠された力が本当ならあれはまさか・・・完全体!?」

 

「・・・琥珀君?」

 

ユニが彼にそう言った時だった。突如紫色の球体が勢いよく形が変わったかと思うと巨大な翼に4本の強靭な脚に2本の腕を生やした超巨大な化け物へと姿を変えたのだ。その大きさは鋼鉄城を容易く踏み潰してしまいそうなほど巨大で頭は天に届く勢いの高さを誇っていた。

 

「キィヤァァァァァァァ!!」

 

その瞬間、巨大な化け物と化したエリュシオンは女性の悲鳴のような咆哮を上げる。その辺りに響き渡る咆哮を聞いたユニ達は思わず耳を塞いでしまう。その瞬間、暗い夜空に紫色の靄のようなものが空を覆い始めた。それは彼女の咆哮と共にどんどん広がっていっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わって現世。そこでは決戦へ向かったユニ達を城の中で無事を祈る優里香とビオラがいた。と、紫色の靄が空を覆い始めた。それを見たビオラが城の中から空を見ながら口を開いた。

 

「こ、これは一体!?」

 

「・・・世界が、闇に包まれている。グランチさん、皆さん・・・。」

 

不安そうな表情を浮かべながらビオラと優里香が空を見上げる。そんな中、街の人々が紫色に染まる空を見て声を上げ始める。

 

「うわぁぁぁなわだこれぇぇぇ!!」

 

「世界の終わりなの!?」

 

「俺達はここで死んだまうのかぁ!!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わって幻想郷。そこでも紫色の靄が空を覆いつくしていた。それを見ていたさとりと白蓮が空を見ながら口を開く。

 

「この靄、一体・・・。」

 

「みんなが、戦っていらっしゃいます。私達は彼らを信じるしかありません。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

更には四角世界(マインクラフト)。その世界の空にも紫色の靄が覆っており、モンスターや住人達が慌てていた。そんな中、私作町(マイクラシティ)の長老のジョブスが口を開く。

 

「あぁ、世界が終わってしまう・・・。我々の未来も・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は戻って裏の世界。超巨大な化け物と化したエリュシオンは咆哮を上げるとユニ達のいる場所を見下ろす。と、ユニが目を見開きながら口を開く。

 

「な、何よあれ。大きすぎる・・・。」

 

「この距離であの大きさ。恐らく魔獣と化したガイルゴールの5倍以上はあるぞ。」

 

彼女に続いて悠岐が口を開く。と、魔理沙が汗を流しながら口を開いた。

 

「へへっ、何ビビってんだお前ら。」

 

「魔理沙!?」

 

「いいか、弾幕はパワーだぜ?いくら奴がデカくなろうが倒せば関係ないぜ。それに、あれだけ大きくなったから動きもだいぶ遅くなるし攻撃が人の時より当てやすくなるぜ。」

 

「そうね、魔理沙の言う通りね。」

 

彼女に続いて霊夢が口を開く。そして2人はスペルカードを取り出して発動する。

 

「一気に終わらせるわ。『夢想天生』!!」

 

「魔砲『ファイナルスパーク』!!」

 

「魔理沙さんお借りします。ファイナルスパーク!!」

 

 

霊夢と魔理沙に続いて暁が全身全霊の一撃を放つ。3人の攻撃はそのままエリュシオンの顔に命中する。命中した箇所からは煙が上がる。だが間も無くして煙が晴れたかと思うと3人の攻撃を受けたエリュシオンはなんと無傷で先程と変わらぬ表情でユニ達を見ていた。

 

「なっ!?」

 

「効いてない!?」

 

「そんなバカな!!?」

 

思わず声を上げる3人。そんな中、悠岐、楓、百々、九十九が咄嗟にスペルカードを発動していた。

 

「龍の波動!!」

 

「氷龍斬!!」

 

「悠岐借りるぜ!龍の波動!!」

 

「アルカディア・ミメーシス!!」

 

4人が放った攻撃は同時に再びエリュシオンの顔面に命中し、煙を上げる。だが程なくして煙が晴れた場所には先程同様、平然とした表情のエリュシオンがユニ達を見つめていた。

 

「何っ!?」

 

「これも効かないかよ!!」

 

楓と九十九が声を上げる中、エリュシオンが両手を前に出すとそのままうっすらと見える衝撃波をユニ達目掛けて放った。

 

「避けろ!!」

 

マーグルの指示でユニ達は一斉に攻撃を避ける。だがその衝撃波の衝撃が激しく、近くにいたユニ達はそのまま勢いよく吹き飛ばされた。

 

「うわぁぁぁっ!!」

 

「きゃぁぁぁ!!」

 

声をあげて吹っ飛ぶユニ達。そんな中、セコンドとメルト・グランチ、ルシファーと紫がすぐに反撃をしていた。

 

「爆暗闇のフレア。」

 

「道揺大地の刃。」

 

「ダブルエナジーサークル!!」

 

「んじゃ僕お手伝いしようかな。文字よ。」

 

「ありがとう師匠。魔眼ラプラスの魔!!」

 

琥珀が4人に『強』の文字を宿し、力を強化させた。そしてそのまま4人の攻撃は再びエリュシオンの顔に命中する。その衝撃でユニ達に少し強い強風が襲う。そんな中、セコンドが口を開いた。

 

「これが余とグランチ、そして(ともがら)の最大出力だ。」

 

「効いてくれればよいのだがね・・・。」

 

「フン、あの妖精に増強してもらってるのだ。ただでは済ままい。」

 

「えぇ、そうね。これでくたばって欲しいわ。」

 

紫がそう言った時、エリュシオンの顔に舞う煙が晴れたかと思うとそこには琥珀による強化を得た4人の攻撃を受けてもなお無傷で平然としているエリュシオンがユニ達を見ていた。

 

「なっ!?」

 

「そんな!!僕のバフがあるのに!?」

 

琥珀も思わず声を上げてしまう。そんな中、剛岐が大きな声を上げる。

 

「全軍、放てー!!」

 

そう言った瞬間、いつの間にかユニ達の背後からガタガタと音を立てながら数百台の戦車が一斉にエリュシオンに向かって大砲を放った。数百発の攻撃を脚に食らってもエリュシオンはびくともせずただユニ達を見つめている。と、剛岐が再び大きな声を出した。

 

「お前ら一旦退け!」

 

剛岐の言葉を聞いたユニ達は一斉に剛岐の元へ行く。全員が集まったのを確認した剛岐は皆に聞こえる声で口を開いた。

 

「いいか、奴には俺達の攻撃は一切通じない。とんでもねぇ防御力を備えている。だがな、それでも奴には一つや二つ弱点がある筈だ。それを攻撃しながら模索していく。いいな?」

 

「それは分かったんだけれど、見つけてどうにかなるの?」

 

「見つけるしかないんだよ紫。何か違和感を感じるような場所を見つけたらすぐに俺達に報告してくれ。これはもう異変って言えるもんじゃねぇ、戦争だ。俺達表の存在と奴の裏の存在、存続をかけた表裏戦争だ。」

 

剛岐がそう言った瞬間、辺りに爆発音が響く。何台か戦車が破壊された音だとユニ達はすぐに察した。と、剛岐が口を開いた。

 

「さぁ行くぞ。俺達の帰りを待つみんながいるんだ。」

 

その言葉を機にユニ達は一斉にエリュシオンの元へと向かっていった。

 




超巨大な姿へと変貌したエリュシオン。あらゆる攻撃が効かない中、ユニ達に勝機はあるのか!?
次作もお楽しみに!
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