戦場へ赴くとそこには既に戦車が数十台破壊されており、炎が舞い上がってていた。と、百々が口を開いた。
「世話になったんだ、俺が止めなきゃならねぇ!」
「えぇ、私も同じよ。ここでみんなの仇を取る!」
続く九十九はいつの間にかドリームランドへと姿を変えていた。そんな中、楓と悠岐は馬に乗り、準備を整えていた。
「私たちは地上で何か違和感がないか見よう。悠岐、迎撃は任せる。」
「あぁ、任せときな。」
2人が話していると霊夢が魔理沙、暁、ユニ、琥珀を見ながら言った。
「さぁ行くわよ。魔理沙、暁、ユニ、琥珀。遅れるんじゃないわよ。」
「勿論だぜ。こんなに手に汗握る戦い、久しぶりだぜ。」
「全力でサポートします、姉さん。」
「うん、私達の世界のためよ。命を賭けるわ。」
「僕も全力で行くよ。世界を滅ぼされては今後支障が出てしまうからね。」
「あぁ、俺もあのクソ上司のためにやっていかねぇとな。」
彼女たちに続いて影裏も刀と銃を構えてエリュシオンを見る。エリュシオンは立て続けに来る戦車の大砲をものともせずただユニ達を黙ってその場で見つめる。と、馬に乗った悠岐が口を開く。
「俺達は地上で何か違和感がないか調べる。」
「・・・みんな、死ぬんじゃないぞ。」
楓がそう言うと馬を操縦し、エリュシオンの方へ向かっていく。それを見たユニは霊夢達を見て口を開いた。
「さぁ、私達も行こう!」
ユニの一声と同時に霊夢、魔理沙、百々、九十九、琥珀、暁はふわっと飛び上がり、エリュシオンの元へ向かっていった。ユニ達が向かう前に既に紫率いる妖怪達や萃香率いる鬼達、そして依姫、豊姫率いる月人達がエリュシオンに攻撃を続けていた。だがそれらを食らってもエリュシオンはピクリともしない。と、百々が口を開いた。
「みんなが引き付けている間に俺達は上からあの姿のエリュに何かないか探してみよう。」
「それは賛成ねお兄さん。けど・・・。」
そう言って九十九はエリュシオンに目線を向けて再び口を開いた。
「あの巨体よ?全部見て回るのはほぼ不可能に近いわ。」
「えぇ、話に聞く全能神の魔獣化の10倍以上の大きさであろう巨獣を全て回るのは不可能です。手分けして探しましょう。」
「地上は悠岐、楓、影裏が見てくれる。私達は手分けして探そうぜ。」
「暁、私と一緒に行動するわよ。」
「分かりました、姉さん。ほんの少しの違和感があれば報告します。」
「私は琥珀君と一緒に行動するわ。」
「よろしく頼むよ、ユニちゃん。」
「そんじゃ私は1人で探ってみるぜ。何かあったら一旦集まって話そう。」
「おっしゃ行くぜ九十九。」
そう言ってユニ達はそれぞれ別れてエリュシオンの周りを飛び始める。ユニと琥珀はエリュシオンの背後の様子を見ていた。その時、ユニが口を開く。
「琥珀君、何か違和感は感じられる?」
「・・・いや、特に何も。とゆうかこんな姿の奴は初めて見たよ。僕の中の知識にはなかった、未知なところが多いんだ。」
「やっぱりそうだよね、私もこんなの初めて見た。エリュシオンがあの姿になってから辺りが紫色に染まってるし、もう完全に奴のテリトリーになってるみたいね。」
「僕の予想だけど、多分この裏の世界だけじゃない。表の世界にも彼女の影響が出ていると思うよ。」
「表まで!?なら呑気に観察している余裕ないじゃない!」
「そうなんだけど、どうすればいいか分からないんだよ。王様の攻撃も全く効いてなかったし、現代兵器による一斉射撃も効いてないし。」
「うーん、とにかく今は違和感を探すしかないわ・・・?」
その時、ユニは言葉を詰まらせる。それを見た琥珀が彼女に言う。
「どうしたの?ユニちゃん。」
「あれ、見て。」
そう言うとユニはエリュシオンの右翼の方を指差す。そこにはうっすらと右翼の中を見ることができ、泡のようなものに包まれて抜け出そうと必死に抵抗するモンスター、ナイトメア達の姿が映し出されたのだ。それを見た琥珀が目を細めて口を開く。
「あれは・・・吸収されていったモンスター達?生きてはいるみたいだね。」
「ナイトメアも混ざってるわ。奴は吸収したやつを取り込んであの姿になったってこと?」
「いや、おそらく霊力を吸収することをメインにして肉体はおまけみたいなものだと思うよ。それに見てよ、死体や木々までも流れてきてる。あれらはほんの少しだけ霊力を宿してるから一緒に吸収したんだよ。」
「・・・純狐の放った弾幕も形を失って吸収したのよね。」
「さぁて、僕らは奴をどう倒すか・・・。」
場面は変わって楓と悠岐。2人は馬に乗ってエリュシオンの下の様子を伺っていた。
「奴の懐に潜り込みたいが、戦車の射撃で中々行けそうにないな。」
「あぁ、何かあるかも知れねぇってのによ。」
そう言いながら楓は悠岐を乗せたまま馬を操る。と、楓がエリュシオンの足を見て口を開いた。
「悠岐、あれは何だ?」
「あれ?奴の爪だが・・・?」
「・・・何か変な違和感を覚える。悠岐、試しに何か攻撃を放ってみてくれ。」
「分かった。」
そう言うと悠岐は馬に乗ったまま刀を振り上げ、炎を纏わせる。
「炎斬!!」
炎の月牙は勢いよくエリュシオンの爪に命中した。その瞬間、爪にヒビが軽く入り始めた。それを見た楓が少し笑みを浮かべて言った。
「さっきは全く効いていなかったのに、少しヒビが入った!」
「奴の弱点は爪か!!」
悠岐が言った時だった。先程まで戦車の方をじっと見つめていたエリュシオンの顔がゆっくりと2人の元へと向けられたのだ。それを見た悠岐が汗を流しながら口を開く。
「なぁ、楓。あれ、こっち見てるよな?」
「あぁ、完全に見てる・・・。」
その瞬間、エリュシオンは口から紫色の光を溜めるとそのまま楓と悠岐に向かって放ったのだ。
「やべぇぇぇぇ!!!」
咄嗟に楓は馬を走らせてその場を離れる。悠岐と楓が離れた場所に放たれたエリュシオンの攻撃は地面を抉り、そのまま強い爆風を起こした。
「危ねぇ!今のはやばかった!!」
「だが、これで奴の弱点は爪であることが分かった。すぐにみんなに伝えよう。」
そう言った瞬間、馬の影からぬっと影裏が現れたかと思うと2人に話しかけた。
「待て2人とも。まだ弱点だと分かった訳じゃないだろ?」
「なっ、影裏お前いたからそこに!?」
「さっき来たわ!!お前らが俺を置いていくからだろうが!!!」
「ごめん、影薄くて気が付かなかった。」
「・・・ったく、見てみろよ爪の箇所。ヒビが入ってるだけにすぎない。たまたまなんじゃないのか?」
「たまたまなら、何で奴はこっちを見ているんだ?」
そう言うと楓は空に向かって指を指す。影裏はその方向を見るとエリュシオンの顔が3人をじっと見つめていた。と、悠岐が汗を流しながら言う。
「ほら、やっぱり弱点だと思わないか?」
「うん、そう思う。」
影裏が言った瞬間、エリュシオンは再び口に紫色の光を溜めるとそのまま球状の攻撃を放った。その瞬間、3人の前に巨大な長い影が現れたかと思うとそのままエリュシオンの放った攻撃を防いだのだ。
「な、なんだ?」
思わず声を上げる影裏。3人の前にいたのは数百メートルはあるであろう長い緑色の体に小さな手足、そして長い髭を生やした龍だった。それを遠くで見ていた霊夢が思わず口を開いた。
「あ、あれは龍神様!?」
「龍神様?あれが・・・。初めて見ました、姉さんは知ってたんですか?」
「一回だけ魔理沙がパチュリーからパクってきたであろう本で龍神様に関することを読んだのよ。世界の破滅が訪れる際に最も危険な場所に姿を現すって。まさか本当だとは思わなかったわ。」
2人が話している中、2人の背後から3方向に分かれる紫色のレーザーが音を立てて突如放たれたのだ。
「うわっ!?」
「何だ!?」
咄嗟に2人はレーザーの間に潜り込み、避ける。そのレーザーは3本ともエリュシオンに命中する。2人の背後からはゆっくりと王冠を被り、胴体から離れる手、そして中央には青い光の玉を宿すモンスターがいた。それを見た暁が目を見開いて口を開く。
「あ、あれはバベル!?」
「バベルって暁が言ってた、
「えぇそうです。まさかここに現れるなんて・・・。」
2人が話している中、エリュシオンをじっと見つめるバベルの隣に龍神が飛んでくる。と、バベルがエリュシオンに向かって口を開く。
「我らの神域を侵す邪神に、神の裁きを下さん。」
バベルがそう言うと煙からエリュシオンがじっと睨んで2体の神を見つめる。先程バベルが放った攻撃はエリュシオンの顔には一切傷がついてなかった。それを見た百々が舌打ちして口を開く。
「クソッ、神様の攻撃も効かないのかよ!!」
「でも、神様2体は私達にとって最高の戦力よお兄さん。」
そう九十九が言う。そのまま2体の神とエリュシオンが睨み合う。
裏の世界までやってきてエリュシオンと対峙する龍神とバベル。
次作もお楽しみに!