東方混沌記   作:ヤマタケる

196 / 202
絶望的な状況に姿を現したガブリエル。


第191話 表裏戦争④ 希望

空から降り注ぐ黄色い光はゆっくりと緩やかにユニ達の元へ落ちていく。それは瓦礫の中に埋まっている月人の兵士や妖怪達、五大王の兵士達に止まらず、紫や加奈子、レミリアに幽香、更にはメルト・グランチやルシファーの元にも落ちてくる。

 

「これは・・・。」

 

一言溢したユニはその光を掌に乗せる。その瞬間、光の中から2人の男女の顔が浮かび始めたかと思うと彼女に言った。

 

「ユニ!僕だよ、分かるかい?」

 

「あなたは・・・お父さん!?それにお母さん!!?」

 

思わず声を上げるユニ。そんな彼女に気にせず光の中の男女、ユニの父と母が言葉を続ける。

 

「ごめんなさいユニ、あなたを娘って嘘ついてしまって・・・。」

 

「それに、エリュシオンの刺客に勝てず、君を放っておいてしまってすまなかった。」

 

「・・・ううん、いいの。」

 

「ユニ、私達からあなたに、力を送るわ。」

 

「僕達の残された力を使って世界を守るんだ、ユニ!!!」

 

彼女の父がそう言った瞬間、ユニの体に光がすっと入っていった。その瞬間、ユニは目を見開いて口を開いた。

 

「何、この感覚。さっきまで身体中痛かったのにもう痛くない。それに、力が湧いてくる感じがするわ。」

 

彼女がそう言う中、悠岐と楓は肩を並べてそれぞれよ光を凝視する。

 

「・・・悠岐、楓、元気にしておるか?」

 

「・・・爺ちゃん!!?」

 

「よぉ、楓。俺の力を貸してやる。負けてあの世であったら承知しないからな?」

 

「なっ、啓介!!?」

 

悠岐と楓がそう言ったのも束の間、光は2人の中へ入っていった。その瞬間、悠岐と楓は体に力が湧いてくるのを感じた。それを見た琥珀が口を開いた。

 

「どうやら死者の言葉を力と化して僕達に届けに来てくれたみたいだね。」

 

そんな中、霊夢と暁が1つの光を見つめる。

 

「久しぶり、霊夢に暁。元気にしてる?」

 

「「母さん!!」」

 

「2人同時に声を上げるとは、相変わらず変わらないね。聞いてるよ、世界の危機を守るんだってね?私の力を2人に貸してあげる。ちゃんと解決しなさいよ?」

 

その光の中にはかつて幻想郷を恐怖に陥れた先代巫女の姿があった。光の中の先代巫女が手を振った瞬間、光が二つに分裂したかと思うとそのまま霊夢と暁の中へと入っていった。そんな中、影裏は一つの光を見ていた。影裏の光の中から1人の男の姿が浮かび上がってきたかと思うと彼は向かって語り始めた。

 

「随分と見窄らしい姿になっているじゃないか、影裏。」

 

「ゲッ、クソじょ、アラヤ!!?」

 

「今私のことをクソ上司と言おうとしたな?戻ってきたら絞めてやろう。」

 

「おいおい、勘弁してくれよ〜。俺あんたの為に命賭けてんだぜ?」

 

「勿論お前の活躍くらい認知しているとも。私の力を少しばかり貸してやる、すぐに終わらせてこい。」

 

そうアラヤと言う男の光が影裏の体の中へと入っていった。それを見た琥珀が驚いた声を上げる。

 

「なんと、生きてる人にも!?」

 

「はい!私1人では到底無理なので、ミカさんやウリエルさん、ラファエルさん達に手伝ってもらったんです!」

 

そうガブリエルが言うと空から8人の天使が降りてきたかと思うとそのままユニ達の元へと降り立つ。彼女達を見た暁が声を上げる。

 

「ミカエルにラファエル、ウリエルにカマエル。ラミエルにザドキエルにメタトロンにサンダルフォン、何故あなた方天使がここへ?」

 

暁の言葉にザドキエルが口を開いた。

 

「我ら天使は神の使いのマスターハンド様、クレイジーハンド様のご命令により世界中から希望を集めてここへ参りました。」

 

「すっごい疲れたんだよ?10人で手分けしてすぐにここに来いって、化身様方も神様も無茶言うんだから!」

 

「・・・サンちゃんと一緒に頑張ったなの。」

 

ザドキエルに続いてサンダルフォン、メタトロンが口を開いた。そんな中、魔理沙は自分の光と何かを語り、口を開いた。

 

「・・・あぁ、分かってるぜ。私に任せてくれ。香霖。」

 

そう言い終えると魔理沙は光を自身の中に取り込んだ。そしてユニ達の元へ行き、天使達を見て口を開いた。

 

「こりゃすげぇな。天使達が勢揃いだぜ。」

 

「ボク達は他にも任務を与えられてるんだ。それはキミたちを助太刀すること。そうだよね、ウリ君。」

 

「えぇ、その通りね。」

 

「1人1人ずつ天使が付くんだね。でももう1人は?」

 

「それはご安心を。既にみなさんと戦ってくれてる、堕天の王ですよ♪」

 

琥珀の問いにラファエルが言った。

 

「まさかまた共に戦えるとは思ってなかった。」

 

そう言いながら楓の肩を組んでルシファーが一言発した。それを見た楓はニッと笑みを見せる。彼女を見てルシファーもまた笑みを見せる。と、その時だった。エリュシオンの目から11の光が突然飛んできたかと思うとそれは百々と九十九の目の前で止まったのだ。

 

「こ、これは!?」

 

「安心して。奴の攻撃じゃないわ。奴に取り込まれた人達が、力を貸してくれるみたい。」

 

百々の言葉にウリエルが言った。と、九十九の周りを漂う6つの光の中から6人の男女の顔が浮かび上がる。

 

「九十九!聞こえるか!?」

 

「九十九、私達ですわ。」

 

「この声、アルカディアと蓬莱!?」

 

「何その顔、相変わらずあなたは変わってないようね。」

 

「でもそれが九十九らしい。」

 

「メルにマグも!?」

 

「久々の再会だってのに、情けない声だ。」

 

「でもこの前夢の中で会ったわよ?」

 

「エルドラドにカナン!みんな!!」

 

そう言うと九十九は目に涙を浮かべて始める。そんな彼女を見て蓬莱が口を開いた。

 

「私達の力を、あなたに託します。」

 

「私達の無念を晴らすのよ。」

 

「負けたらただじゃおかないんだから!!」

 

彼女に続いてメル、カナンが言った。続いてエルドラドが口を開いた。

 

「この想い、君に託すよ。」

 

「頼んだぞ。」

 

「必ず勝てよ、九十九!!」

 

続けてマグ、アルカディアが言った瞬間、6つの光が九十九の中へと入っていった。一方百々の方は、5つの光が闘神の形となって彼の前に現れた。

 

「ドゥーム、ニル、メメ、カルマ、アカシャ・・・。」

 

「いつからあなたは私に馴れ馴れしくその名を呼ぶようになったの?」

 

「いや、今はそれを気にする場合ではない。母上を止めねば我らはおろか、世界まで消え失せてしまう。」

 

「アカシャの言う通りのようだな。ここは1つ、我々闘神が百々に力を託す時。」

 

「僕はあんまり気が向かないけどね。」

 

「クヒヒ、頼んだぜ相棒。」

 

メメントモリ、アカシャ、ドゥーム、カルマ、ニルヴァーナの5人が再び黄色い光へと形を変えるとそのまま百々の体の中へと入っていった。そんな中、五大王5人が集まって二つの光を見ていた。

 

「みなさん、頑張って・・・。」

 

「セコンド様、メルト・グランチ様、モルト様、マーグル様、剛岐様、どうかご武運を・・・。」

 

2人の女性の声が響いた瞬間、2つの光は5つに分裂し、5人の中へと入っていった。その瞬間、メルト・グランチとモルトが一声漏らす。

 

「必ず帰るよ、優里香。」

 

「待ってろよ、ビオラ。」

 

そう言った時だった。次々と光が降り注ぎ始めたかと思うとそれは想いとなり、言葉となってこの場にいる者たちに力を与え始めたのだ。それを見たラミエルが口を開く。

 

「全ての世界を回ってきたの。現世、幻想郷、四角世界全て。」

 

「9人で苦労しました。でも、これでいけるはずです。」

 

そう言うとラファエルは暁の側に寄り、口を開く。

 

「よろしくお願いしますね、ガイアの守護者さん。」

 

そう言って手を差し出した。それを見た暁は笑って彼女の手を取り、言う。

 

「えぇ、こちらこそよろしくお願いします、ラファエル。」

 

と、ミカエルが勢いよく悠岐よ背中に飛び乗り、口を開いた。

 

「キミはボクと一緒だよ!黒き刀さん!」

 

「おおっと!あぁ、頼むぜミカエル。」

 

そう言った瞬間、ザドキエルが影裏の元に寄り、軽くメガネを動かして口を開いた。

 

「私があなたと共に戦います、アラヤの守護者。」

 

「えぇ〜、ラミエルかサンちゃんかメタちゃんが良かった〜。」

 

「うるさい!」

 

「ブベッ!!?」

 

わがままを言った影裏はザドキエルの強烈なビンタを1発喰らう。一方で霊夢と魔理沙の元にはサンダルフォン、メタトロンが寄ってきていた。

 

「よろしく、博麗の巫女さん!」

 

「・・・よろしくなの、魔法使いさん。」

 

「えぇ、サポート頼むわよサンダルフォン!」

 

「よろしく頼むぜメタトロン!!」

 

4人で話している中、カマエルとウリエル、ラミエルが百々、九十九、琥珀の元へと寄っていた。

 

「サポートは私に任せてください、百々さん。」

 

「気合い入ってるの九十九?全力で行くよ!」

 

「互いにみんなのサポートしよう、琥珀さん。」

 

「頼もしいよ、ウリエル。よろしくな。」

 

「気合い十分さカマエル!」

 

「勿論、そのつもりだよラミエル。」

 

そして、残ったガブリエルがユニに言う。

 

「行きましょう、ユニさん!」

 

「うん、行こうガブリエル!」

 

ユニ達と天使達が手を取り合っていた時だった。突如エリュシオンが大きな咆哮を上げると紫色の光の攻撃をユニ達に放った。

 

「防ぐぞマーグル!!」

 

「任せろ!!」

 

その声が聞こえたかと思うと桜と光の一撃がエリュシオンの放った紫色の光に命中したかと思うと空中で爆発した。その攻撃を見たユニが声を上げる。

 

「ありがとうございます!剛岐様、マーグル様!!」

 

ユニが言った瞬間、空中で発生した煙から勢いよくレミリア、紫、妹紅、アリスが飛び出してきたかと思うと空中でスペルカードを発動していた。

 

「紅魔『スカーレットデビル』!!」

 

「幻巣『飛行虫ネスト』!!」

 

「フジヤマヴォルケイノ!!」

 

「戦符『リトルレギオン』!!」

 

4人の放たれた攻撃は同時にエリュシオンに命中した。その瞬間、エリュシオンは悲鳴のような咆哮をあげて苦しみ始めたのだ。それを見た紫が口を開いた。

 

「効いてるの!?」

 

「これがみんなの力?」

 

続けて声を出すレミリア。その瞬間、幽香、純狐、依姫、豊姫、萃香の5人が一斉に弾幕を放った。それらが命中すると再びエリュシオンが悲鳴のような声をあげてその場で暴れ始める。

 

「これが、みんなの力・・・。」

 

思わず声を出すユニ。そんな彼女にガブリエルが口を開いた。

 

「表の世界だけじゃないんですよ?裏の世界でエリュシオンに反対するモンスター達の想いや力も含まれているんです。」

 

彼女が話している中、ドラゴンに乗ったメルト・グランチがエリュシオンの頭上まで飛び上がる。彼に続いて加奈子もエリュシオンの頭上まで飛び上がる。

 

「フン!!」

 

「これでもくらいな!!」

 

2人がそう声を上げるとメルト・グランチはエリュシオンの左の角斬り落とし、加奈子は右の角を蹴り砕いた。その瞬間、またエリュシオンが悲鳴のような叫び声を上げる。と、紫がユニ達に向かって口を開いた。

 

「行きなさい、ここからはあなた達の番よ。」

 

「ここからは、其の方ら選ばれし者の使命だ。」

 

彼女に続いてセコンドも口を開く。それを聞いたユニ達と天使達は頷き、エリュシオン元へと歩み始めていった。




全ての世界の人達、亡き人達の想いを胸にユニ達はエリュシオンとの最終決戦に挑む!!この戦いの行く末は!?
次作もお楽しみに!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。