東方混沌記   作:ヤマタケる

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最終話 約束と別れ

───あの日から、2ヶ月が経った。時間というのはあっという間に過ぎてしまう。全員の傷の手当てを終え、私達は現世の空を眺めていた。

 

「・・・終わったらのね、全てが。」

 

「えぇ、これで母さんの仇も取れたわ。」

 

「でもなんだか実感湧かないぜ。こんなあっさり終わってしまうなんてな。」

 

「だがあの期間、千年殃禍と表裏戦争で俺達は多くの人達の命を失った。どれもかけがえのない命だ。」

 

「だがその彼らの犠牲があったからこそ私達は生き延び、異変や戦争を終わらせることが出来た。無駄な犠牲なんてない。」

 

「エリュ・・・俺は強く生きてるからな。どこかで見守っていてくれな。」

 

「アルカディア、蓬莱、マグ、メル、エルドラド、カナン。みんなの仇、取ったぞ。アタシは頑張って生きてくよ。」

 

「しばらく平和な日常が戻ってきそうですね。ようやく幻想郷でのんびり出来そうです。」

 

「俺も俺でクソ上司と色々話しようかな。なんかこの戦争で色々知れた気がする。」

 

私、霊夢、魔理沙、悠岐君、楓ちゃん、百々君、九十九ちゃん、暁君、影裏君が言うと琥珀君が目を細めて語り出した。

 

「いや、まだ平和が訪れるには遠そうだね。」

 

「・・・?」

 

「確かにエリュシオンは完全消滅し、僕の呪いが解けて彼女の名を口にしても問題なくなった。でもね、苦難を乗り越えた僕らの先に待ち構えるのはそれを超える苦難。しばらくすると千年殃禍によって封印されてきた強い霊力を持つ者達が現れると思う。それは幻想郷だけじゃなく現世や四角世界(マインクラフト)、そして裏の世界にもね。」

 

「いや、それは問題ないぜ。」

 

琥珀君の言葉にそう言ったのは魔理沙だった。そのまま魔理沙は話しだす。

 

「たとえどんな敵が出てこようとな、私達は絶望的存在(エリュシオン)を乗り越えたんだ。怖いものなんてないぜ!」

 

「・・・それに関しては、魔理沙に同意かもな。」

 

そう言って楓ちゃんは優しく微笑んだ。そんな中、九十九ちゃんが真剣な顔で口を開いた。

 

「・・・琥珀の言う通りだな、まだ脅威が去ったわけじゃない。幻想郷にはあまりの力欲しさ故に封印された大妖怪の話もあるし現世では数千年前に圧倒的な力を持っていた伝説の吸血鬼の存在もあるからな。」

 

「伝説の吸血鬼って、それどこで聞いたんだ九十九?」

 

「ああ、優里香さんが教えてくれた。」

 

悠岐君の問いに九十九ちゃんはすぐに答える。と、影裏君が突然口を開いた。

 

「そういやここ2ヶ月で兵士さんの一部が謎の病死を遂げたって聞いたんだが本当なのか?」

 

その言葉を聞いた私達は黙り込む。そう、エリュシオンとの戦いが終わってすぐに私含む多くの人達、妖怪、月人達は原因不明の高熱に魘されていた。幸い私達はすぐに体調が回復したものの、中にはまだ寝込んだままの兵士さんもいる。そんな中、霊夢が言う。

 

「本当みたいよ。医学が発達している帝王軍の医療班ですら原因を突き止められないし、妖怪や鬼達の中には自我を失って暴れ回ってるのもいるみたい。それも原因が分からないんですって。」

 

「どれも体の至る所に紫色の模様が浮かび上がっているとは聞きました。」

 

霊夢に続いて暁君が言う。と、悠岐君が突然スマホを取り出したかと思うと画面を立ち上げて口を開いた。

 

「おっと、そろそろお別れの時間だな。ビオラ女王陛下からお呼び出しだ。」

 

そう言うと悠岐君はゆっくりと立ち上がる。彼に続いて楓ちゃんも立ち上がる。と、楓ちゃんが口を開いた。

 

「私達は陛下から今後の方針のことを話されるだろう。しばらくはみんなとおさらばかな。」

 

そう言うと楓ちゃんは私、霊夢、魔理沙、九十九ちゃんの前に立ち、手を差し出して口を開く。

 

「またなら次会ったら手合わせ願うよ。」

 

「あぁ、それまで修行サボるんじゃねぇぞ楓。」

 

そう言って九十九ちゃんは楓ちゃんの手を取る。霊夢と魔理沙は笑みを浮かべて頷く。一方で悠岐君は百々君、琥珀君、暁君の前に立って言う。

 

「じゃあな。八雲さんによろしく伝えておいてくれ。」

 

「君と会えてよかったよ悠岐君。さよならは言わないよ、また一緒に戦える日が来るだろうからね。」

 

「また会った時には是非とも魔王との一騎打ちやカオス軍との戦い、千年殃禍の話を聞かせてください。」

 

「俺も強くなるからよ、俺以外に負けんじゃねぇぞ悠岐!」

 

「上等だ百々。次会ったら5秒で手合わせな?」

 

そう言うと悠岐君と百々君はお互いの拳をぶつけ合う。そんな中影裏君が悠岐君達の中に混じり、口を開いた。

 

「俺は!?俺への別れの言葉はないのかよ!?」

 

「うるせぇ、お前はどうせ会うし今度は姉さん(・・・)連れて絞めてもらうからな?」

 

「げっ、あの人はダメ!!クソ上司に会いたくねぇ!!」

 

「姉さん?」

 

「あぁ、義理の姉さんがいてな。今は訳あって遠くに行ってる。」

 

「国のために戦う姉さんはすごいぞ。」

 

暁君の言葉に悠岐君、楓ちゃんが言う。そして気づいたら私は楓ちゃんに抱きついていた。

 

「おおっと、ユニ?」

 

「元気でね、楓ちゃん。また会おうね、約束だよ?」

 

意識していないのに私は涙を溢していた。そんな私を見て楓ちゃんは優しい笑みを浮かべ、優しく抱いて口を開いた。

 

「あぁ、勿論だ。約束する。」

 

楓ちゃんからゆっくり離れると私は悠岐君に言う。

 

「悠岐君、楓ちゃんや影弦隊のみんなと仲良くね!」

 

「ゲッ、影弦隊のことを忘れてたな。あぁ、勿論さ。」

 

「みんなお別れは済ませたみたいだし、行くか。達者でな、みんな。」

 

そう影裏君が言うと悠岐君と楓ちゃん、影裏君1人、私、霊夢、魔理沙、百々君、暁君、九十九ちゃん、琥珀君に別れてそれぞれの場所へと向かっていった。




9年という長い年月が経ちましたがこれにて東方混沌記は終了でございます。
今まで読んでくださりありがとうございました!!
後に最後のキャラ設定を公開しようと思います。
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