注意:オリジナルアクションカードあり。
追記:《
「1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない」
の一文を忘れてました。
デュエル構成もそのようになってます。
2015.10.21.修正しました。
デュエルの準備を終えた頃、遊矢は柚子を連れて戻ってきた。
素良、コナミは既にデュエル場にて待機中。いつでも始められる状態だ。
「ごめん塾長、勝手に席を外して。それより、どうして二人がデュエル場に?」
「確かめたいんだそうだ。コナミ君が本当に転生した人間かどうか」
「じゃあ素良は、なんだかんだ言って疑ってるのか? キメラとか言っちゃったのに」
「素良自身は単にデュエルがしたいだけだと思うけどな。だが、これではっきりするだろう。今の小波ユウは一体どういう
修造は険しい目つきでコナミを観察する。
遠目に見ただけでも分かるだろう。立ち振る舞いや纏う気配。今のコナミは、昨日までの小波ユウとはまるで違う。
「どちらって……コナミはコナミでしょう?」
「いいや、柚子。今のあいつはコナミであってコナミじゃない。俺達とは違う高次元の存在、転生者になったんだ。
そして、だからこそ迷っている。前世に遺してきた者達と、“小波ユウ”として築いてきた現在。そのどちらかを切り捨てなきゃいけないと」
「切り捨てるって、どうしてそんなことしなきゃいけないのよ」
「両立できないから、だろうな。いっそあいつがデュエルの神様だったら、迷わずに済んだかも知れないけどな」
修造は立ち上がり、デュエル場の二人に聞こえるよう声を張り上げた。
「そろそろ始めるぞー! 準備はいいか二人共ー!」
「いいよー!」
元気よく答える素良と、控えめに頷くコナミ。前世の記憶がフィードバックされた影響か、どこかぎこちない。
「では行くぞ! アクション・フィールドオン! 《スウィーツ・アイランド》!」
修造がマシンを起動すると、専用のフィールド魔法が展開された。
《スウィーツ・アイランド》は名前の通りお菓子の国。巨大な飴玉やチョコレート、ケーキにプリンが出現する。
「わぁ、お菓子の国! 前に遊矢とデュエルしたフィールドだね! それじゃあ、準備はいい?」
「ああ、大丈夫だ」
「よぅし、行っくよー! せーの、戦いの殿堂に集いし
「う……」
アクション・デュエル特有の口上に抵抗を覚え、コナミは吃る。
だが言わなければ始まらない。コナミは控えめかつ興味なさげに、続きの口上を綴った。
「……モンスターと共に地を蹴り、宙を舞い」
「フィールド内を駆け巡る! 見よ、これぞデュエルの最強進化系! アクショ~ン――」
「「デュエル!」」
◆
コナミ
LP:4000
素良
LP:4000
「俺の先行。手札から《
《
星1/闇属性/ドラゴン族/攻 0/守 0
「そして効果発動。このカードをリリースすることで、デッキからレベル7以下の《レッドアイズ》モンスターを特殊召喚する。
俺が喚び出すのは、《
《
星7/闇属性/ドラゴン族/攻2400/守2000
卵が割れ、紅い輝きと共に黒龍が誕生した。紅い瞳と漆黒の肉体。シンプルな外見だからこそ、そのインパクトは他のモンスターを凌駕する。
コナミにとっては現世の象徴。切り札として長く愛用してきた一枚だ。
「カードを一枚伏せて、ターンエンド」
「コナミお得意のレッドアイズだね。なんだ、いつもと変わらないじゃん。僕のターン!」
素良はドローしたカードを確認し、ニヤリと笑う。
「
悪魔の爪よ! 野獣の牙よ! 神秘の渦で一つとなりて、新たな力と姿を見せよ!
融合召喚! 現れ出ちゃえ、すべてを切り裂く戦慄のケダモノ、《デストーイ・シザー・ベアー》!」
《デストーイ・シザー・ベアー》
星6/闇属性/悪魔族/攻2200/守1800
ぬいぐるみの各部位が裂かれ、身体の骨組みが鋏で再構成された。融合召喚されたそのモンスターには可愛さと怖さが同居しており、独特な雰囲気を漂わせている。
「だが、攻撃力は2200だ。俺のレッドアイズは倒せないぞ」
「慌てない慌てない。忘れたの? これは普通のデュエルじゃなくてアクション・デュエルなんだよ? だったら――やっぱり、これを使わないとね」
素良は足元に落ちていたカードを拾い、自慢げに見せつけた。
裏面には大きくAの文字。
「
《デストーイ・シザー・ベアー》
攻2200 → 攻2600
「攻撃力2600か」
「お菓子の力は凄いんだ!
よぅし、このままバトル! 《デストーイ・シザー・ベアー》で、《
コナミ
LP:4000 → LP:3800
ぬいぐるみのパンチを受け、《
それだけではない。レッドアイズは《デストーイ・シザー・ベアー》に捕縛され、鋏で裂かれた腹部に吸収されていく。
「《デストーイ・シザー・ベアー》のモンスター効果、発動! 戦闘で相手モンスターを破壊し墓地に送った時、そのモンスターを攻撃力1000ポイントアップの装備カードとして、このモンスターに装備する!」
《デストーイ・シザー・ベアー》
攻2600 → 攻3600
「さあ、これでレッドアイズは封じたよ。コナミは一体どうするのかな?」
「どうしようかな。まあ、退屈はさせないさ」
「余裕だね」
「余裕だからな」
「……ふうん。だったらいいけどね。僕はカードを一枚を伏せて、ターンエンドだ」
「待った。ターン終了前に、この
永続
《
星1/闇属性/ドラゴン族/攻 0/守 0
「またそのカード? 君のデッキには《デストーイ・シザー・ベアー》を倒せる《レッドアイズ》はもういなかったと思うけど?」
「ああそうさ。ただし、昨日まではな」
「じゃあ見せてもらおっかな。君の本当の力ってやつをさ。僕はこれでターンエンド」
《デストーイ・シザー・ベアー》
攻3600 → 攻3200
素良のターンが終了すると同時に、両者の目つきが少しだけ変わった。 全員が確信する。このデュエルは、ここからが本当の戦いなのだと。
「俺のターン! ここで、《
現れろ、レベル6! 《
《
星6/闇属性/悪魔族/攻2500/守1200
コナミのフィールドに、雷光を司る上級悪魔が降臨した。瞳は血のように紅く、何より禍々しい。
「更に装備魔法《スーペルヴィス》をエビル・デーモンに装備! このカードを装備されたデュエルモンスターは、再度召喚された状態になる。
そして、エビル・デーモンのデュアル効果発動! 一ターンに一度、このカードの攻撃力より低い守備力を持つ相手モンスターを、全て破壊する!
「やるね、でも残念!
「ならこちらも、手札から速攻魔法《サイクロン》発動!」
「ええっ!?」
互いの場に全く同じカードが現れ、竜巻を発生させた。コナミの《サイクロン》は《
「装備カードがなくなったことで、《デストーイ・シザー・ベアー》の攻撃力は元に戻る」
《デストーイ・シザー・ベアー》
攻3200 → 攻2200
「そして、《スーペルヴィス》第二の効果。表側表示のこのカードがフィールドから墓地に送られた時、自分の墓地から通常モンスターを一体特殊召喚する。
俺が特殊召喚するのは、今《サイクロン》で破壊した《
《
星7/闇属性/ドラゴン族/攻2400/守2000
コナミの場に二体の
「《レッドアイズ》が二体並んだ!」
「あいつ、本当に強くなってるぞ」
観戦していた修造達は、上級モンスターを並べたその戦術に驚嘆した。
エビル・デーモンは《スーペルヴィス》の効果によって再度召喚された状態になっていた。逆に言えば、《サイクロン》などで《スーペルヴィス》が破壊されてしまえば、エビル・デーモンの効果は不発に終わってしまう。
しかしコナミはそれを逆手にとり、《サイクロン》で装備カードとなっていた《
「バトル! まずはエビル・デーモンで《デストーイ・シザー・ベアー》を攻撃! “ライトニング・ストライク”!」
悪魔の雷撃が《デストーイ・シザー・ベアー》の全身を貫き、粉砕した。
ライフが減り、素良のフィールドからモンスターが消える。
素良
LP:4000 → LP:3700
「くっ……!」
「続いてレッドアイズ、素良にダイレクトアタック! “黒炎弾”!」
間髪入れず黒龍の口から大玉の火炎が放たれる。
素良に回避する術はなく、火球は火柱となって燃え盛った。
「うわぁぁ――――!!」
素良
LP:3700 → LP:1300
年相応の少年の絶叫が響き渡る。
削られたライフは合計で2700。決して無視できる数値ではない。
「っ……ちょっと、油断しすぎたかな」
「その代償が2700だ。お前の悪い癖だな」
「あっはは、ごめんねコナミ。正直言って舐めてたよ、君のこと。でも安心して。
――ここからは、本気でやるから」
「なら期待させてもらおう。カードを一枚伏せて、ターンエンド」
目つきが一層険しくなる。余裕がなくなってきた証拠だろう。
素良は新しい飴玉をくわえ、
「僕のターン!
そして、墓地の《エッジインプ・シザー》の効果発動! 手札を一枚デッキの一番上に戻し、このカードを特殊召喚する!」
《エッジインプ・シザー》
星3/闇属性/悪魔族/攻1200/守 800
「永続魔法《トイポット》発動! 一ターンに一度、手札を一枚捨ててドローし、そのカードを確認する。それが《ファーニマル》モンスターだった場合、手札からモンスターを一体特殊召喚できる」
「なるほど。つまり、今のデッキトップは《ファーニマル》か」
「そういうこと! ドロー!」
素良はカードをドローし、互いに確認する。
「引いたのはさっき手札に戻した《ファーニマル・ベア》。《トイポット》の効果により、攻撃表示で特殊召喚!」
《ファーニマル・ベア》
星3/地属性/天使族/攻1200/守 800
「更に僕は、《ファーニマル・マウス》を通常召喚!」
《ファーニマル・マウス》
星1/地属性/天使族/攻 100/守 100
「《ファーニマル・マウス》の効果により、デッキから新たに二体《ファーニマル・マウス》を特殊召喚する!」
《ファーニマル・マウス》×2
星1/地属性/天使族/攻 100/守 100
「……参ったな、これは」
加速度的に増えていくぬいぐるみ達に、コナミは溜息をついた。
素良のフィールドには《ファーニマル・ベア》、《エッジインプ・シザー》、そして《ファーニマル・マウス》が三体。更にこの次にはまだ《融合》がある。
「さあ行くよ! お楽しみはこれからだ!
悪魔の爪よ! 鋭い牙よ! 神秘の渦で1つとなりて、新たな力と姿を見せよ!
融合召喚! 現れ出ちゃえ、すべてを引き裂く密林の魔獣! 《デストーイ・シザー・タイガー》!」
《デストーイ・シザー・タイガー》
星6/闇属性/悪魔族/攻1900/守1200
二体のモンスターが一つとなり、巨大な虎のぬいぐるみが召喚された。
《デストーイ・シザー・ベアー》同様腹部は裂かれており、融合前のぬいぐるみとは打って変わった凶暴さが見え隠れしている。
「《デストーイ・シザー・タイガー》の効果。このモンスターの融合召喚に成功した時、素材になったモンスターの数までフィールドのカードを破壊できる! 君のレッドアイズ達は破壊させてもらうよ!」
巨大な鋏が刃を向き、コナミのレッドアイズ二体を一閃した。
上級モンスターは一瞬にして全滅し、今度はコナミのフィールドががら空きとなる。
「これで厄介なモンスターは消えたね。《デストーイ・シザー・タイガー》の攻撃力は、自分の《ファーニマル》または《デストーイ》一体につき300アップする。僕のフィールドにはシザー・タイガーも含めて四体。よって、攻撃力は1200アップする」
《デストーイ・シザー・タイガー》
攻1900 → 攻3100
「そういえば君、さっきから
「それはどうかな。俺は手札から、《
《
星4/闇属性/ドラゴン族/攻1700/守1600
「そして、破壊された《レッドアイズ》達を可能な限り、破壊された時と同じ表示形式で特殊召喚する!
さあ甦れ! 我が
《
星7/闇属性/ドラゴン族/攻2400/守2000
《
星6/闇属性/悪魔族/攻2500/守1200
時が遡り、切り裂かれた二体が再び出現した。
《
「へえ、思ったよりやるね。でも、僕のターンはまだ終わっちゃいないよ。
墓地から《ファーニマル・ウィング》の効果を発動! 墓地のこのカードと他の《ファーニマル》モンスターを除外し、《トイポット》を墓地に送ることで合計二枚ドローする!
更に《トイポット》の効果! このカードが墓地に送られた時、デッキから《エッジインプ・シザー》か《ファーニマル》モンスターを一体手札に加える!」
《トイポット》、《ファーニマル・ウィング》のコンボで、素良は合計三枚のカードを手札に加えた。
……ここまでして何も来ないはずがない。そう考えたコナミは、
「《ファーニマル・ベア》の効果発動! このカードをリリースして、墓地から《融合》を手札に加える!」
「っ、また《融合》か!」
「勿論! 僕はもう一度《融合》を発動! 手札に加えた二体目の《エッジインプ・シザー》、そして《ファーニマル・マウス》二体を融合!
悪魔の爪よ! 鋭い牙よ! 神秘の渦で1つとなりて、新たな力と姿を見せよ!
融合召喚! 現れ出ちゃえ、《デストーイ・シザー・ウルフ》!」
《デストーイ・シザー・ウルフ》
星6/闇属性/悪魔族/攻2000/守1500
「まだまだ続くよ!
《デストーイ・シザー・ベアー》
星6/闇属性/悪魔族/攻2200/守1800
「装備魔法《フュージョン・ウェポン》をシザー・ウルフに装備! レベル6以下の融合モンスターに装備することで、攻撃力と守備力を1500アップさせる!
そしてシザー・タイガーの効果で、《デストーイ》達の攻撃力は一体につき900アップする!」
《デストーイ・シザー・ウルフ》
攻2000 → 攻3500 → 攻4400
守1500 → 攻3000
《デストーイ・シザー・タイガー》
攻3100 → 攻2800
《デストーイ・シザーベアー》
攻2200 → 攻3100
「さあ、お待ちかねのバトルだよ! 《デストーイ・シザー・ウルフ》で、エビル・デーモンを攻撃!」
悪魔の牙がエビル・デーモンを食いちぎり、粉砕する。
その余波に紛れ、コナミは
コナミ
LP:3800 → LP:1900
「《デストーイ・シザー・ウルフ》は、素材になったモンスターの数だけ攻撃できる! 今度は《
「
《
「まだまだ終わらないよ! シザー・タイガーで《
「
《
星7/闇属性/ドラゴン族/攻2400/守2000
「だったらなにさ! バトル続行だ! シザー・タイガーで《
「っ――!」
《デストーイ》達の総攻撃を受け、コナミのモンスターは全滅した。
怒涛の連続召喚からの連続攻撃。その威力は、
……だが同時にそれは、化けの皮が剥がれつつあることを意味していた。
「あっはは、凄いねコナミは。今の攻撃を全部耐え切るなんてさ。でも、そろそろ終わりだね。ここから逆転なんてどう足掻いても無理だよ」
「どうかな。最後まで何が起こるか分からない。それがデュエルだろう?」
「ふーん……以前と違って随分強気だね。まあ、それでもいいよ。僕はこれでターンエンド」
「俺のターン、ドロー。
――《マジック・プランター》を発動。表側表示の永続
取り残されていた永続
「素良。今から見せてやる。お前にとっての
「え――……?」
唐突な告白に、素良は言葉を失った。
敵。その意味を問うより早く、コナミはデュエルを続行する。
「
《
星1/闇属性/ドラゴン族/攻 0/守 0
「このモンスターをリリースすることで、デッキからレベル7以下の《レッドアイズ》を特殊召喚できる!
現れろ、《
《
星7/闇属性/ドラゴン族/攻2400/守2000
「更に永続
もう一度甦れ! 《
《
星7/闇属性/ドラゴン族/攻2400/守2000
二体の黒龍が首を並べる。
方や漆黒の竜。方や炎を纏った黒竜。その風格たるや、並の竜の比ではない。
「――まさか」
素良はコナミの次の手を見切り、身構えた。
同レベルのモンスターが二体。即ちエクシーズ召喚。ここまでなら誰でも分かるだろう。
だが、コナミの正体となると話は別だ。“エクシーズ召喚”と“敵”。これらの単語から、素良が思い当たる節は一つしかない。
「俺はレベル7の《
コナミの足元に渦が現れ、黒龍達は吸い込まれる。
圧倒的なエネルギーを間近にして、素良は息を呑んだ。
「鋼鉄の四肢持つ龍よ。転生の炎をその身に宿し、新たな力をここに示せ!
エクシーズ召喚! 現れろ、ランク7! 《
《
ランク7/闇属性/ドラゴン族/攻2800/守2400
鋼鉄の身体。荒ぶる火炎。
紅き眼を持つ可能性の黒竜、その一端がここに顕現した。