その日の喫茶店内は、平均年齢が高めだった。
というのも今日は店長曰く「学割デー」だそうだ。
そんな騒がしさ2割増しの店内の様子を、今日は覗いてみよう。
カウンターに腰掛ける二人の高校生。一人は髪をオールバックにしており、もう一人はストレートに下ろしている。
「はぁ……なァ、加藤」
「?なんだ、計ちゃん」
「俺っていちおー主役だッたんだよな?」
「一応じゃなくて、バリバリ主役だろ?計ちゃん」
「いやでもさぁ……どっちかッつーとお前の方が主役っぽいじゃん。リーダー気質じゃん」
「いやいや、計ちゃんに憧れてこーなッたんだってば」
「それでもすげぇよ、加藤は。それに新作でも主役決まったんだろ?俺なんて戦死済みだぞ戦死済み」
「いやぁ、あれは時期が悪いしさ」
「もう加藤に主役ポジゆずろーッかな…」
「ええ……困ったな……」
別のテーブルには、白い制服を着た青年と、黒の上着に黒ズボンの黒目黒髪の青年、パーカーの上に制服と思わしき上着を着た茶髪の青年が談笑していた。
「もう、あの時はビックリしたよ!だって画面消したのにそこからゲームの中のエネミーが出てきたんだよ?しかも転校生がゲームの中と同じ姿で戦ってんだよ?もう頭が追いつかなかったよ」
「まさしく”こんなVRは嫌だ”だな、橘」
「アハハ……所で桐ヶ谷くん、君の場合は?」
「ああ、俺か?んっとな、2年間ゲームオーバー=現実でも死のVRMMOに閉じ込められたな」
「うぇ⁈」
「なんだよそれ……無茶苦茶じゃないか⁈」
「そう言う苗木は?」
「……記憶奪われた上で学校に閉じ込められて、出たければ同級生殺せって言われたよ、はは」
「……悪りぃ、聞いちゃいけねぇ事だった」
「大丈夫だよ。こうやって生きてる訳だし」
「苗木くん、強いなぁ。すぐ調子乗るオレなんかとは大違いだよ」
先ほど二人の高校生が居たカウンターから少し離れた席には、白マントに銀の鎧、更には金髪という目立つ外見の青年が、外国人の青年と話している。
「……って訳で僕は、ニューヨークを守るヒーローになったのさ」
「へぇー、にしてもあんたの伯父さん、すげぇかっこいい事言うな!ええと、大いなる力には……」
「大いなる責任が伴うだよ、コウタ」
「そうそう!正直羨ましいぜピーター、そう言うことを教えてくれた大人がお前の周りにいたってのがさ。俺らなんて最初、こいつをダンス場の縄張り争いに使ってたんだぜ?」
「それは頂けないな、力は正しく役に立つ使い方をしなきゃ」
「全くだぜ」
「騒がしいな」
『ああ、全くだ』
「だけど偶には、こういうのも悪くないだろう?」
『……エミヤ、貴様はどう思う』
「さぁな」
だが、と心中でエミヤは思う。
(……世界は中高生に重荷を背負わせ過ぎていまいか?)
自身の青春も朧げに思い出しながら、まだ温かい紅茶を啜るエミヤと『仮面』であった。
誰か……画期的な……ネタ……を…ガクッ