艦隊これくしょんーー雨名の少女と双頭鎮守府ーー 作:-rita-
真新しい白い制服を着た男女が海岸沿いを男が前を、女が後ろを歩くような構図で、歩いていた。
「おい葵、なぜ私が貴様と一緒に任務をしなければならないのだ」
「知ったこっちゃない、あれは上のお偉いさんからの命令だ、従わないと何をされるか」
二人は新しい配属先、双頭鎮守府と名付けられた鎮守府に向かうため、バスの最寄り駅から歩いている途中であった。
「では葵、私らは何故!移動も!荷物の運搬も!自分たちでやらされているのだ!」
「茜はそのバックを引きずっているだけだろ、大半を運んでいるのは俺だ」
全くふざけた話である、お偉いさんは漁港にて島に連絡を入れたら運搬係が来るだろう、それで荷物を任せると良い、と言っていた。
・・・近頃は近海ですら奴らの目撃情報があるってのに、海から荷物を運ぶだと?話にならない。
「貴様が陸から運ばねば奴らに攻撃をされると言ったのだ、ずべこべ言わずに早くはこべ」
早いところ鎮守府に向かわねばならない、時刻は昼に差し掛かっていた。
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「う~ん、私たちの司令官ってどんな人たちなんでしょうね~」
サラサラとしたとても長い青髪の少女が栗色の髪をした可愛らしい学生服のような服装の少女に意見を求めた。
「はわわわっ、私は今回着任する人は二人、それと男女ということだけ聞いているのです」
「それって!それってもしかしてリア充的な何かなんですかねぇ」
ピンク色の髪をし、少し幼さが残る少女が二人の間に入り込んでどこか黒いオーラを漂わせている。
「あんたたち、少しは落ち着いたらどうなの、どうせ荷物運びで私たちは顔を合わす訳だし、はしゃがなくてもそのうちわかるわよ」
白髪と頭の上の耳のような浮遊物が特徴的な少女が3人が少しうるさかったのか、注意をした
「それにしても連絡遅いですね~そろそろバス停に着く頃だとおもうのですけど....」
そして連絡のための電話の前で張り付いている黒髪の少女がそう呟いた。
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最寄りのバス停、しかし、新しい鎮守府は島をまるごとひとつ鎮守府にしたようなものとなっていた。
そのため、目と鼻の先にあるような島ではあるが、渡るためには橋を渡らなければならなかった。
「葵、私は先に行くぞ、私も早いとろころ休みたい、先に言って迎えでも連れてこよう」
「貸しは作りたくないが、この度だけはすまん、よろしく頼む。」
「ああ、足を止めるな、進み続けろ、部下に威厳がないと思われるような事はまずいからな」
「さっさと呼んできてくれ・・・」
現在時刻は昼時を少し過ぎた位となった。
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「ねぇ~、リア充提督達おそくな~い~?いちゃついてるんじゃないの~!」
「迎えに行ってみますか?」
「はい、行ってみるのです~」
三人の少女が待ちきれないと言わんばかりそんな意見を出した。
「あ、じゃあ私も準備しないとですね」
「馬鹿ね、あんたまで行ったら誰が連絡受けるのよ、私たちは待つわよ」
白髪の少女は呆れたような顔をし、軽いチョップを黒髪の少女の頭に落とし指摘をする。
「あ~そうですね、3人で行ってきてもらっていいですか?」
「なのです!」「あいあいさー!」「わかりました!」
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・・・俺はもうダメかもしれない、
葵は海に落ちたかのように汗で服を濡らし、大量の荷物を背負い、両手に持ち、引きずりながら橋にたどり着いた、橋の長さは目視1キロ時刻は日が傾き始めたほどである。
先はまだまだ長い
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「さてぇ!出撃ー!」「なのです~」「まってくださぁ~い!」
鎮守府では3人の少女が鎮守府の施設の一つ【母港】の海に向かって降りているスロープから海に向かって滑り降りた、
不思議なことに少女たちは水に沈むことなく、あたかも船が水の上を走るかのような動きで海に駆け出した。
「さ~て、着任予定初日からイチャイチャしてるような人たちにはお仕置きが必要かもしれませんね~」
「相手は司令官さんなのです~、そんなこと言ったらだめなです」
「うう、こける、こけるぅぅぅ」
「ほらほら~、はやくいきますよ~」
「ああ、まってくださ~い!」
3人の少女が新しい提督がどんな状況かも知らず、風を切って進むように本土を目指し始めた。
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「ここか、」
茜はようやく鎮守府の玄関と思わしき場所ににたどり着いた
「お~い、だれかいないか~!」
「だれよ、うるさいわねぇ」
奥からだれかが出てきた。
「ん?あんたが司令官?」
白髪の少女が茜に問いかける。
「貴様、ここにいるということは・・・お前が艦娘か?」
「ええ、そうよ、私は【吹雪型駆逐艦5番艦 叢雲】、ところであなたはどこの誰なのかしら、司令官は二人と聞いているのだけれど」
「私は氷月茜、今日からここに着任することになった司令官の一人だ」
「せいぜい頑張りなさい」
茜はいままで海軍の軍人として育ってきたためにどうしても気に障ることがあり指摘した。
「貴様さっきから上官に対してなんたる口の利き方だ」
「私たちはあなたたち海軍の人間ではないからよ、私たちは艦娘、船の魂の生まれ変わりのような物、知ってる?船には船霊って呼ばれる女神が宿っているっておはなし」
「何の話だ...?」
聞いたこともない話を出され不信感を感じる。
「知らなくてもいいわ、私たちはその船霊が海から人間の体を授かり、憑依した、そんな感じの認識でもしていてちょうだい」
「つまり自分は女神だから指示は受けないと、そういうことだな」
茜は自分が何故このような奴がいるようなところに配属されたかがわからず、理解に苦しむ、しかし、叢雲からの否定が入った。
「勘違いしないで、私たちはあくまでも船霊の生まれ変わり、軍人ではないだけであって司令官の命令を受けないわけじゃないわ、司令官の配属を求めたのは私たち、それも、お堅い軍人さんではなく物分りの良さそうな低階級の人という指定をしてね」
「叢雲ちゃん、だれとはなしているの?ってあれ?あなたは?」
「ここに着任する司令官の一人だってさ」
「えぇ!失礼しました、はじめまして、【吹雪型駆逐艦1番艦 吹雪】です。よろしくお願いいたします!」
「貴様は礼儀はなっているのか、では、叢雲お前の常識がないのではないのか?」
「ふふっ、個人差ってものなんじゃないかしら?」
「貴様いい性格をしているな、気に入った」
「ま、当然の結果よね」
話をしているうちにお互い相手が自分のような性格だと理解し、打ち解けていた。
「では、早速指示をしてすまないが、橋の上で私の弟・・・いや、もう一人の提督が荷物を運んでいる、つまりは荷物運びを手伝って欲しい」
「.....え?」「......何をしているの?」
二人は何を言っているのか少し理解するのに時間がかかった。
「橋の上で瀕死の提督がいる、荷物運びを援護せよ」
「本土の漁港から連絡をいれてくれたら輸送をするという報告入っていないのかしら?」
呆れた叢雲はたまらず質問をした。
「あいつに言ってくれ、陸を通るといったのはあちらだ」
叢雲は隠すことない苦笑いをしている。そして、本当にこれから大丈夫なのかが心配になってきた。
「....あ、駆逐艦吹雪!出撃します!」「叢雲...出るわ....」
「ところで、この鎮守府には後3人いるときいたのだが」
「あんたたちが遅いから迎えに行ったわよ、吹雪、連絡して橋に呼んでちょうだい」
「あ~そうですね、吹雪より各鑑へ伝令、鎮守府に提督がお一人着任されました、もうお一人はつなぎ橋にて荷物を運搬中、初めての任務です!」
【各艦、つなぎ橋にて瀕死状態の提督を輸送支援せよ】
初めての任務は威厳の欠片もない内容となった。