勇者と魔娘の3年間   作:碓氷 修夜

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☆登場人物
ゼード…ピース依頼事務所の所長。過去に勇者として魔王を倒した経験あり。

ミュゼ…魔族の娘。今はピース依頼事務所に住み込みで働いている。


レイグ…街の悪戯っ子。行き過ぎた悪戯はもはやコミュニケーションだと思っている。

シスター…教会で暮らす修道女。孤児院、不動産、司書など多くの職を掛け持ちしている。言葉に毒があるのはご愛嬌。


case:25   凍えそうな日に

今日も夜中に目が覚めた。頻繁にあることなので特に気に掛けることはしないが、大きなため息を吐きながら上半身を起こす。寝癖混じりの髪をくしゃくしゃと掻きながら、重たい瞼を必死に持ち上げようとしていた。

カーテンの隙間から月明かりさえ零れてこないため、部屋はいつも以上に黒と同化していた。外は曇りなのだろう。加えて室内が異様に冷えていたため、一番上の毛布を手繰り寄せて身体に巻き付ける。

こうして夜中に起こされるためにどうしても朝が遅くなってしまう。早起きしたいとは思わないが、しっかりとした睡眠は確保したいのだ。それであるのに"妨害"されてしまうので、悪態の一つくらいつきたくなってしまう。

 

「こちとら日頃の疲れが溜まってんの。邪魔すんじゃねぇよ……」

 

真夜中の自室。事務所の階段を昇って右側がミュゼの部屋。そして左側が俺の部屋だった。当たり前の話ではあるが、今この部屋に居るのは俺だけだ。深夜でなくとも俺の部屋に他人が訪れることは限りなくゼロに等しい。ミュゼでさえ扉の前までは来ることはあっても、中へ招き入れたことは数回あるかどうかだ。だが、俺はやっと暗闇に馴れてきた両目を少し上にやってその言葉を口にした。独り言ではない。まるで誰かに話し掛けるように言葉を向ける。端から見ればおかしなひとだと思うだろう。俺自身おかしいと思っているのだからなおさらだ。

 

俺の声が暗闇に吸い込まれていくのを感じて、仕方なく今度は話し相手の名前を呼ぶ。

 

――あり得ないはずのその名前。

 

 

「なぁ?"魔王"?」

 

俺は鼻から息を吐き、欠伸をしながら返答を待つ。さっきも述べたが俺しか部屋にはおらず、ましてや倒したはずの魔王の名を呼んだのだ。部屋の中には時計の針の音だけが絶え間なく鳴り響いていた。ベッド脇のテーブルに乗った時計をちらりと横目に入れると、現在時刻午前2時20分。草木も眠りこける時間だ。改めてそんな時刻に起こされたことに対して苛立ちが募ってくる。

 

『睡眠を妨げているつもりはないんだけどね。ただの"布教"だよ』

 

聞こえてきたのは確かに魔界の城で会話したことのある男の声だった。紛れもない、魔王のものだ。しかし、視界にはぼんやりとした漆黒以外には何も窺えない。だが、声は少なくとも俺に届いてきた。幻聴ではないかと問われればそれも否定できない。

何故なら、魔王は俺の"内部に存在している"からだ。

 

『それはちょっと違うかな。ボクは"死んでいる"から存在はしていない。けど、死ぬ前に欠片をキミに託したから今聞いているのは記憶の中にあるボクの声だよ』

 

「……何、自然に心の声を読んでんだよ」

 

『ボクは記憶だよ?意識と混ざり合っているようなものだから』

 

「まぁ、お前がどこに居ようが関係無ぇけど。ただ、俺の記憶では魔族の王さまは布教と称して娘を溺愛する夢を俺に見せてくることは無かったと思うんだけど?」

 

『それはボクの表面しか見てなかったからだよ。深層心理を覗いてみればそこにはミュゼしかないはずだからね』

 

さて、魔王とやらはこんな性格だっただろうか。詳しいことはよく分からないが、こいつはとんでもない親バカだということだけは何となく感じ取れた。そして、説明を求めても真意までは絶対に口にすることがないことも。

 

 

ミュゼを恋愛対象として見られないのはこのためである。

過程はどうであれ、異性と同居することになったのだ。初めのころは下心が皆無だったとは言い切れない。俺も一人の男であるからそういった感情を持つことは何ら不思議ではない。

しかし、やましい気持ちだけであったかと言われればそうではない。そもそもミュゼとは敵同士で実際命を賭して戦ったこともある。そして何より、向こうにとっては実の父の命を奪った復讐すべき相手なのだ。

事務所を開いてすぐは、ミュゼに背を向けることすら避けていた。油断しているところを刺されては堪らないからだ。思えば自分の家に居るのにひと時も心が休まらなかった気がする。今とは別件で睡眠不足が続いていた。

だが、依頼をこなしていくうちに敵討ちをする気が無いことを感じ取っていったのだ。そのため、心を開いていったのは俺の方が遅かっただろう。

 

向こうに敵意が無いことが分かってくると、次第に俺の感情は好意的に進んでいった。そんなふうに舵が向き掛けた時、ミュゼの夢と共に枕元に魔王の声が聞こえてきたのだった。

驚き、復活し掛けているのだと恐れすら覚えた。けれども、殺された張本人ですら俺への敵意を持ち合わせていなかったのだ。意味不明で困惑するしかなかったが、魔王の目的が明確になってくるとむしろ俺からの殺意の方が強くなっていった。

そもそも俺が魔王を倒したのは父さんの意志を継ぐこととカルドレアへ目に物を見せてやりたかったからで、魔王本人には何の敵意も存在していなかった。行く先々で悪行は耳にしたが、自己中心的な俺にとっては新聞を眺めているのと変わりなかったのだ。だから、こんなにもマイナスの感情を向けるのが魔王の死後というのは変な話であり、晴らすことができないのであった。

 

魔王の目的、それはミュゼの夢を見させることであった。毎晩毎晩欠かさず、眠りの落ちてから夢にミュゼを登場させる。その内容というのが……タイトルを付けるとすれば『ミュゼの成長記録』であろうか。いや、幼いころの夢は見せないからただのホームビデオか。実際に魔王が経験していたであろうミュゼとの日常会話を延々と見させられるのだ。それに見所やオチは全く無く、本当にただの変哲もない日常を夢で流されるのだ。

しかも厄介なことに、魔王の声が聞こえてくるのはごくたまにしかない。だらだらとくだらない会話を垂れ流しにされて深夜に起こされたとしても、魔王不在で文句を言う相手が居ないのだ。声が聞こえてきた日には溜まりに溜まった不満をぶつけても文句を言われる筋合いはないと思う。

 

そのため向こうに自覚があるはずもなく、俺はミュゼと昼夜ほぼずっと顔を合わせていることになる。三食同じものでも良いという好物でも実際にそうなると飽きが来るものだ。俺も例外ではなく、ミュゼへの感情は好意どころか無感情に近いものになっていった。それどころかむしろ、家族目線になってしまっている。それも父親寄りの。

魔王が見せる夢は刷り込みのようなもので、俺から恋愛感情を奪うには大成功だった。これからどれだけミュゼが魅力的になったとしても、そういう目で見ることは限りなく困難だろう。

 

 

『そんなこと言っても男は信用ならないからね。チャンスがあればすぐモノにしようとしたがるから。ああ見えてミュゼって隙が多いんだよ』

 

「……だから思考を読み取るなって。というか、まず俺に預かるように頼み込んできたのはお前だからな?」

 

これに関しては何も反応が無い。まず姿が無いため、どんな感情なのか反応で感じ取ることもできないのだ。向こうは思考を読み取れるようだが、不公平なことにこちらからは表情すら見えないのだ。

仕方がないので話を変えることにする。まだ半分寝ぼけたままだったので、ゆっくりと身体を伸ばして筋肉を起こしていく。眠る方向へシフトさせても良かったが、どうせまた魔王からの妨害が入るだけだ。

 

「一昨日……いや、もう三日前か。お前の溺愛しているミュゼちゃんを悪者から助け出してあげたんだぞ。もっと感謝してくれても良いはずだろ?」

 

『それに関しては素直に感謝するよ。ありがとう』

 

悪意を込めた台詞であったが、向こうはあっさりと礼を述べた。俺から魔王を感じ取るのは言葉しかない。しかし、何となくでしかないのだがその言葉には一切の雑念が無いように感じられた。娘を思う父の気持ちは嫌というほと夢で見せられているから当然と言えば当然だろう。

 

だが、俺はそれとは別に魔王に対して不可解な部分があった。これはセントクルスへ乗り込むよりも遥か前、一番初めから引っ掛かっていたことだった。

 

「――で、だ。今日はお前に大事な質問がある。魔王はどうして"本気"で人間界を侵略しなかったんだ?」

 

俺の問い掛けに対して魔王は何も喋らない。そうだろうと考えていた俺は構わずに疑問点を挙げていった。

 

「最初に侵攻してきたときに各地を襲ったみたいだが、どうして最大都市のセントクルスを狙わなかったんだ?てっきり俺の中では単純に戦力が足りなかったり、守備が堅かったんだろうって解釈してた。けど、今回の件でそれはないって実感したよ。総力じゃない、魔族四天王だけで簡単に王の元まで行けた。忍び込めるくらい余裕に。お前……あえて狙わなかっただろ?」

 

『…………』

 

「もし総力戦になっても、やりようによっては圧倒的な差がつくはずだ。この腕、城の地下でバッキリ折られたんだがな、魔界で治癒魔法を掛けてもらったら……この通りだ」

 

太ももの上に乗せた左手の指を結んだり開いたりしてみせる。数日前まで肩を動かすだけで激痛が走ったものとは到底思えない。怪我人の自然回復速度を高めて治癒するため過度な使用は肉体そのものに負荷が掛かることと、双方の魔素を大量に消費するため連発は現実的ではないことの観点から永遠に施すことはできないが、それでもかなり便利な魔法であること確かだった。

 

「こんな万能な魔法があって、しかもお前のことだ。もっと良い作戦が浮かばないはずがない」

 

『魔法は確かに万能かもしれない。でも、科学だって不可能を可能にしつつある。ボクには優劣を付けられないよ』

 

「いずれ科学が魔法を凌駕する日が来るかもしれない。けど、今の時点では魔法の方が実現率では上だ。負けるはずがないんだよ、俺なんかに」

 

魔王とはまともに勝負はしていない。だが、発せられていたオーラや威圧感で自分より遥かに格上であると確信していた。そう、俺が今こうしていられるのは運が良かっただけに過ぎない。

俺は言葉を区切ってから、一呼吸して問い掛けの続きをする。

 

 

「……なぁ、お前の本当の目的って何なんだ?」

 

――――――――――――――――――――――――――――――――

 

1月の下旬。新年を迎えてからまだ一月経っていない。にもかかわらず、年明け早々ミュゼの誘拐事件でごたついていたため、体感では長くもあり短いようにも思える不思議な新年である。とにかく忙しかったのだ。身体と神経を磨り減らし、暫くは休養を取りたいとしていた。だが――。

 

「……ったく、何で勝手に依頼受けてんだよ。のんびりしてようと思ってたのに」

 

「良いじゃない。至って簡単な内容なんだから」

 

昼近くになってリビングへ下りていくと、もう既にミュゼが依頼を受け終えていたところだった。迷子の飼い猫を探してほしいという珍しくもない、むしろ全体の半分くらいの割合を占める仕事であった。そのくせ見つけられないことも多く、また飼い主の元へ勝手にペットが帰ってくるケースもあるので成功率も高くはない。徒労に終わることばかりの依頼でもあった。

 

「俺さ、数日前まで腕折れてたんだぞ?心身ともに疲労困憊なの、気力が底をついてるの。分かる?」

 

「あら奇遇ね。私も数日前まで眠らされて、魔力吸われそうになってたのよ。だから、身体が鈍って仕方ないの。分かる?」

 

「よく存じております。運動したいだけならそこら辺アホみたいに走り回ってりゃ――何でもないですごめんなさい。……いや、依頼を受けること自体は何の問題もねぇんだよ」

 

「なら良いじゃない」

 

「問題なのはただ単純に寒いんだよ」

 

目線を落として周囲に散らばっている白い物体を蹴り上げる。それはボフッという詰まった音を立てながら粉になり流れていく。

深夜に感じていた寒気はどうやらこれのせいらしい。夜中ずっと降り続いていた雪は月の光すらも遮断していたようだ。今はもう止んでいるが、厚い鈍色の雲はまた少しでも気温が下がれば氷の結晶を落とすだろう。冬は毎年降雪が見られるが、ここまで積もったのは珍しい。積雪量は膝下15センチといったところか。昼過ぎだからもう少し高かっただろうか。とりあえず言えることは、寒いの一言に限る。

 

「まぁ、別に良いけどさ。お前こそもう身体は平気なのか?」

 

「言ったでしょ、身体が鈍ってるって。アンタと違って暇なときに身体動かさないと逆に疲れるのよ。それに――」

 

「あ?」

 

「……何でもないわ。早く探しましょ!」

 

最後の方だけゴニョゴニョ言っていてうまく聞き取れなかった。聞き返そうとしたが、ミュゼはやけに気合いを入れて先へ進んでしまった。少し気に掛かったが、無理をしている様子は無いので深くは詮索しないことにする。

 

それにしても、今日の依頼はなかなか骨が折れそうだ。俺はポケットから一枚の写真を取り出してため息を吐く。その不満が白い息となって顕現する。依頼人から受け取った写真には目的の猫が写っていた。

猫探しはよく引き受けているが、今回のは普段とは訳が違う。マリーちゃん(二歳♀)は一寸の淀み無く真っ白なのだ。それがこの全面銀世界と同化してしまっていて遠目から探すのが非常に困難なのだ。そして普通に歩きづらい。ここの住民もさすがにこんな大雪の中を歩きたがらないのか、ほとんど人影を見ない。おかげさまで道は最低限の雪かきしかしておらず、俺たちが新しく道を切り開くしかないのだ。

 

「その塀の上登ってくか」

 

「気を付けなさいよ?」

 

「大丈夫だって。つか、猫もこんな寒い中わざわざ外に出るかね?もしかしたら家ん中のどっかに隠れてんじゃねぇの?」

 

「あれだけ真っ白なのよ?必要以上に愛情を注いでるでしょうから、家の中は血眼になって探してるはずでしょ」

 

それもそうだ。放任主義であったらここまでの白さは保てない。むしろ構われ過ぎて嫌になって家出した線が濃厚だろう。この猫にそこまでの自我があればだが。

 

塀の真横まで近付き高さを確認する。今日は雪に足が埋まるので普段よりも力を入れて跳ぶしかない。注意すべきは飛び乗った後に足を滑らせることだ。一応、猫のように四つ足で着地すべきだろう。

そう思いつつ脚に力を込めた瞬間、視界が大きくぶれた。嫌な音を立てながら――いや、これは地面が消えたのだ。

 

「へ?」

 

足場が無くなるより先に塀へ飛び乗ろうと試みたが、雪に埋もれた足は簡単には抜けなかった。そのまま周囲の雪もろとも落下する。だが、真下に落ちるのではなく傾斜を滑るようにして降下していく。

 

頭の位置が完全に地面を下回り暗く感じたときであった、崩れた足場ごと真横へ弾き飛ばされたのだ。予想外過ぎる動きに対してバランスを保てていなかった俺は無抵抗のまま宙へ投げ出される。一秒にも満たずにまた地面が迫ってくる。もう好き勝手されたら堪らないと手をついて着地を試みた。……だが、床が滑りまたバランスを崩して倒れ込む。

 

「あだっ!!――って、うおぉぉぉぉぉ!!?」

 

今度は倒れるだけに留まらず、斜めになっていた地面を猛スピードで滑り落ちていく。これだけ滑るのは雪の影響だけではない。何故だかスケートのリンクのようにピカピカに磨かれていたのだ。そう認識したときにはもう手遅れで、かなりの速度が出ていて抗おうとするだけ無駄であった。ナイフを突き立てようにも一瞬にして遥か後方へ持っていかれてしまうだろう。既に遥か後方で驚きの声を上げているミュゼは点にしか見えない。

 

なすがままスリップしていると遂に終点が訪れた。斜め下へ向かっていたのが僅かに上へ変化したと思うや否や、本日何度目かの浮遊感に襲われる。しかし、残念なことに俺は魔法も使えなければ鳥でもない。自然の理には逆らえず、重力に従って白い世界に飲み込まれていった。落ちた場所はこれまたやけにふかふかな雪溜まり。ズボッと情けない音を立てて俺の身体は純白のクッションに埋まってしまった。

 

 

「よっしゃ!大成功!!」

 

仰向けで大の字になって倒れている俺を囲うようにして四つの影が覆う。ちっこいそれらはこちらを見下ろしながら憎たらしく笑っている。見慣れ過ぎてうんざりする教会のガキんちょどもだ。

 

「……何しやがってんの?お前ら」

 

「いつしかの仕返しだよ。ゼードに完敗してから枕を濡らす日々が続いた僕たちは、こうして絶好のチャンスを今か今かと待っていたんだよ!どう、渾身のトラップは!?」

 

「……どう、と言われたらふざけんじゃねぇよとしか。寒くて怒る気力もねぇけど。……分かった分かった。今回は俺の負けだ。負けを認めるから起こしてくれ」

 

レイグを筆頭とした悪ガキどもは喜びを隠せないようでハイタッチを交わしている。勢い良く雪へ突っ込んだので、尻が埋まり身動きが取れなくなっていた。

もがいているとそこへ置いていかれていたミュゼが追い付いてきた。特に急いでいる様子もないことから、犯人に気付いて仕方なく追い掛けてきたという感じだ。

 

「突然何なのよ。またアンタたちの仕業?下手したら私が引っ掛かってたわよ」

 

「ミュゼさんは絶対掛からないように細心の注意を払っていました!」

 

レイグたちはやけにかしこまって声を張る。以前エノスの丘で目撃した惨状がトラウマになっているらしく、ミュゼには逆らわないと心に決めているそうなのだ。だが、むしろトラウマを負うのはボコボコにされた俺なのであって、まして罠に陥れるのはおかしくはないだろうか。世知辛い世の中に泣きそうになるが、今はそれどころではない。

 

「それなら良いけれど。ところでゼードは?」

 

「えっと……その…………下に……」

 

ミュゼはゆっくりと足元を見下ろす。そこには俺の姿が。……というか、平然と俺の腹の上に立っている。雪なのでいつもよりも底の厚いブーツで踏んでいた。さっきからずっと呻き声を上げていたのだが、無視され続けていたのだ。

わざとらしい反応をしてから靴をどける。

 

「あら、ごめんなさい」

 

「気付かない訳ねぇだろ!!遠目から見てたよな!一回、目ぇ合ったもん!!助け出してやったのに恩を仇で――」

 

そこまで口にしてから慌てて閉じる。あまりセントクルス城での出来事をおおっぴらにしたくはない。正直もう手遅れかと思ったが、横目で確認してみたところ幸いガキんちょたちは気に留めている様子はない。

ミュゼも俺と同意見らしいが、秘密を漏らし掛けた俺への目は見下ろすというよりも見下しているようだった。うっかり口に出そうとしたのはこちらが悪いが、向こうは所詮ガキんちょだ。きちんと理解できるはずもないのだから、そこまで幻滅する必要もないのではないかと頭の中で言い訳をしてみる。

 

ミュゼは一呼吸おいてから右手でうなじ辺りの襟を掴んで、雪から引っこ抜いてくれた。

 

「……サンキューな」

 

「えぇ、お互い様で」

 

物凄い皮肉が込められているように感じたが、あえてそれを無視してガキんちょたちに向き直る。

 

「まぁ、大人だからガキんちょたちの悪戯くらい大目に見てやるけどさ。ってか何?トラップ仕掛けるがためにこんな寒空の下出歩いてんのか?」

 

「せっかくの雪だよ?楽しまない方がおかしいって」

 

薄々気付いてはいたが、人間の子供と大人とでは身体のつくりが異なるのだろう。そもそも別の生き物に違いない。俺もそこまで歳を重ねている訳ではないが、降り積もった雪へ喜んで飛び出していく気力はもう無い。

 

「もはや犬だな」

 

「ゼードたちこそ、そんなに寒いの嫌だったら何で外に出てんだよ?そうは言ってても楽しんでんじゃないの?」

 

「気楽なガキんちょどもと一緒にすんじゃねぇよ。こちとらきちんとした依頼でこの極寒の中で動き回ってんの。奉仕活動に勤しんでんの」

 

運良く落としていなかった写真を指で摘まみ、ひらひらと掲げて見せる。対するレイグは眉間に皺を寄せて難しい表情をしていた。しかし、馬鹿にされたことに憤怒するのとは異なり何かが引っ掛かっているようなそんなもどかしそうな顔。

やがて、はっと思い出した反応を見せると俺の手から写真を引ったくった。返せと告げるよりも先にガキんちょどもは頭を寄せ合い、小さな会議を開き始めた。決議はすぐに出たようで、レイグはこちらに振り返りながら声を大にする。

 

「この猫知ってるよ!」

 

 

「そうですね。その猫ちゃんはよくこちらに姿を見せますよ」

 

シスターは写真を眺めながらうんうんと頷く。教会に足を運んだ俺たちは、ガキんちょどもの保護者であるシスターにも尋ねてみたのだった。しかし、本当に見えているのだろうか。他人からでは細目過ぎて閉じているようにしか思えないその瞳を窺い知ることはできないからだ。

 

「おっ、マジか!やったな、意外と早く事が済みそうだ」

 

素直に喜びの感情を露にしてミュゼに視線を向ける。向こうは少しだけ笑みを見せて髪を掻き上げる。決してミュゼの頑張りのおかげではないのだが、何故だかとても偉そうな態度をしている。

 

「運動にはならないけれど、依頼をこなすことが一番だからね」

 

「だな。じゃあ、目的の猫が来るまで暫く居させてくれ」

 

教会の入り口ですぐに問い掛けていたので結果的に立ち話になっていた。立ちっぱなしというのも疲れるので、奥の部屋で腰を落ち着けて待たせてもらうことにする。しかし、シスターの横を通り抜けたところで背後からガシッと肩を掴まれた。

 

「あら、嫌ですよ?」

 

シスターからの返答に思わず阿呆みたいな声が零れてしまった。だが、これは俺だけではなくミュゼやガキんちょたちも同じようにぽかんとしてしまっている。

 

「え……えっと…………何で?」

 

「何でもなにもゼード君とミュゼさんは部外者ですから。そちらの都合で私有地に居座られては困ります。それに心を開放できるほど親しくもないですから」

 

教会の跡地でなんて心の狭いことを言っているのだと突っ込みたかったが、正論のため言葉を飲み込むしかなかった。

 

「い、いや、部外者ってほど他人じゃないでしょ。人助けだと思ってさ……」

 

「人間、人助けを快く請け負うなんて優しいものではありません。絶対裏が隠されています」

 

仮にも元修道女として迷える子羊を導いていたとは到底思えない。ってか、本当にシスターを名乗っていて良いのか!?

 

「まずは名前とご職業を教えていただけますか?」

 

「あの……ゼードって言います。職業は……一応、依頼事務所って名前の何でも屋みたいなことを――」

 

「あら、何でも屋さん!?あらあら、そうなのですね!」

 

するとどういうことだろうか、よそよそしい態度から一変して今度は俺の手を握って嬉しそうにする。……一見は。

俺はシスターのこの笑顔を知っている。

 

この顔は"悪どい"ことを考えているときの面だ。

 

その証拠に目は笑っていない。いや、細目だから見えないがフィーリングとして小賢しい瞳をしている……はずだ。狡猾な雰囲気に思わず背筋が凍り付く。

 

「ちょうど良かったです。雪が降ったときのために色々と準備してあったものが離れの小屋にあるのです。しかし、積雪のために取りに行くのが困難なのですよ。皮肉なものですね、雪対策の用品が雪で持ち出すこともできないのですから。よろしければ、そちらを持ってきてはいただけないでしょうか?」

 

先程までのおっとり口調が嘘のようにぺらぺらと言葉が溢れ出てくる。勢いに気圧されながらもそれに反論する。

 

「何でも屋とは言ったがタダでやるとは言ってねぇぞ。室内で待つ代わり、ってことだろうがそれはそれでこれはこれだからな?きちんと依頼金は頂くぞ?」

 

「それはそれは、残念です。噂ではピース依頼事務所は幅広く仕事をこなし、貧しい方からは最低限の依頼金しか頂かないという心優しい方々と評判になっていたのですが。けれども、ゼード君たちにとっても悪い条件ではないと思いますよ。猫ちゃんを見付けられないとなると信用問題にもなりかねますし、外で待つにしても風邪をひかれては元も子もないですから」

 

「……チッ。わーったよ、喜んで受けさせていただきます。他人とか言ってるくせに随分と詳しいじゃねーか」

 

「そのように感じましたか?」

 

シスターはわざとらしく人差し指を頬に当て頭を傾ける。イラっとして思わず手を出したくなるが、何とか理性で抑え込むことに成功した。さすがに道徳的な問題としても当然であるし、日ごろから世話になっている部分が大きいためでもあるだろう。

 

「で、離れってどこだよ。近くに小屋なんて建ってたか?」

 

「はい。以前"肝試し"をした墓地から少し外れた道の先に」

 

「…………」

 

「肝試しですよ。覚えていませんか?」

 

何故二回言ったのだろうか。覚えていないはずがない。むしろ思い出したくはなかったが。

あれは去年の夏、教会主催で墓地全体を利用した肝試しを開いていた。無論そこにはガキんちょたちが手掛けたトラップが張り巡らされていたのだった。そこで俺たちは心に深い傷を負ったのだった。

 

「……ま、まぁ?今回は物取りに行くだけだし?変なものも出てこないし?問題ないっしょ」

 

「気を付けてね」

 

「待て待て待て!?お前も一緒に行くんだからな!」

 

「何で私も!?」

 

呑気に手を振って見送ろうとしていたミュゼは心底驚いたような表情でたじろいだ。俺はがぁーっと大声を出しながら詰め寄る。

 

「そりゃそうだろ。そもそもこの依頼はお前が取ってきたんだからな?俺はのんびり平穏な一日を送ろうと思ってたんだ。端からやる気気力その他諸々は持ち合わせてないの。それを仕方なく付き合ってやってんだからな」

 

「……怖いの?」

 

「は……はあああああ!?全然怖くないし。この前のだって作り物でお化けなんて本当は居ないから。つーか、お化け的なものはもう出てこないから大丈夫だから。出てこないけどお前が心配だから一緒に行ってやるって言ってんの。出てこないでしょ?」

 

半狂乱になりながらシスターたちへ顔を向けると、皆難しい顔をして唸っていた。変わらない表情でありながら僅かに困ったように手を頬に当てながらシスターが口を開く。

 

「どうでしょうか。最近、小屋の中から物音が――」

 

「聞きたくなかったなーその情報!評判落としてもいいから諦めて帰ろうぜ。今ならまだ間に合――」

 

 

「さて、小屋の前まで来た訳だけれど。……しっかりしなさいよ」

 

振り向くとゼードが肩を震わせながら何やらぶつぶつと呟いている。ここへ辿り着くまで何回も、木の枝に積もった雪が落ちてくる音に敏感に反応してナイフを抜いていた。私だって以前の出来事を忘れた訳じゃない。幽霊は私も苦手だけれど、実際目にしなければゼードのように疑心暗鬼に囚われることもない。

 

「えっと……何で僕まで?」

 

しんがりを努めていたレイグが追い付いてきて私に声を飛ばしてきた。他の三人とシスターは教会に残してきたから私、ゼード、レイグの三人でここまで来ていた。

 

「私たちじゃ場所分からなかったし、ぞろぞろと大勢で来られてもアレだからアンタだけね」

 

「じゃあ着いたからもう戻っても良い?」

 

「駄目よ。……最悪私たちの骨を拾って帰ってもらわないと」

 

「なに!?何が待ち受けてんの!?俺たち死ぬの!!?お前、また何か仕掛けてんだろ?頼むからお前の仕業だと言ってくれ!!」

 

冷静さをいまだに取り戻せていないゼードは叫びながらレイグの肩を大きく揺する。自分でも何を口走っているのか分からないみたい。大袈裟な表現をすると、目の中がぐるぐると渦巻いている。瞳から光は消え、本気で嫌がっているのが察せられる。

 

「何もしてないよ!だから揺らさ――頭がくらくら――」

 

がくんがくんと揺さぶられているレイは別の意味でぐるぐる目になっている。

私は騒ぎ立てる二人を無視して前へ向き直る。恐怖はあるのだけれど、今は他の感情が心を覆い尽くしていた。目を細めてじっと建物を下から上まで見渡してからその気持ちを強くする。

 

(小屋って言ってたから物置のようなものを想像していたけれど、これはどちらかというと――)

 

そんな考えを脳裏に浮かべながら預かった鍵で扉を開ける。大きな扉を押して中へ入るとほとんど予想通りの内装が現れた。あちこちには普段使わないような荷物が積まれているけれど、薄暗い天井には天使が描かれ、壁の上の方には埃を被ったステンドグラスが並べられていた。

 

――礼拝堂。

 

セントクルスで見たものとは規模が比較にならないほど小さいけれど、これは紛れもなくそれであった。違いといえば女神像が置かれていないことくらいかしら。それと長椅子の代わりに荷物が放り込まれていたり。

 

「おいおいおい、すげぇ雰囲気だな。明かりとかねぇのかよ」

 

「物置だから無いよ。だからこれ持ってきたんでしょ」

 

後から男二人が続いてくる。レイの手には外で灯したのか火の入ったランタンが握られていた。その明るさでぼんやりと内部が照らされる。溢れ返った荷物が大きな影を生み出し、一層不気味さを増していく。

 

バタン!

 

中へ足を踏み入れてからまだ十歩にも満たないうちに、巨大な音を立てて入り口の扉が閉められる。太陽は雲で隠されていたけれど、屋外を完全に遮断されると今までどれだけ明るい中に居たのかを実感できる。音にびくりと反応して振り返る仕草が三人でシンクロした。勝手に閉められた出口に向かってゼードが走っていく。

 

「ぎゃあああああ!閉じ込められた!?おい、開け――――開いてるわ」

 

「風で閉まっただけでしょ。それより早く目当てのものを探しましょ」

 

一々声を上げる情けない所長を適当にあしらいつつ奥へ進んでいく。レイの話では北側に冬物を固めているらしい。進みながら横目で荷物を見ていくと、何に使うのかも定かではない人ひとり分はあるカゴや、山状に積まれた土嚢など様々なものがある。クリスマスに使用したと思われる装飾品や、ハロウィーンの仮装衣装なんかが薄暗い中にぼやっと浮かび上がるので変な意味で雰囲気が出来上がっていた。

 

「居心地は最悪だけれど、特に怪しいものも無いわね」

 

「でも確かにこの前中から音が聞こえてきたんだ」

 

「何も現れずにさっさと持ち出せることに越したことはないけれど。でも、本当に物音が聞こえてきたらそれは幽霊かもね。ね、ゼード?」

 

「……静かに」

 

からかい気味に振り返るとその男はとても神妙な顔をしていた。恐怖や困惑じゃない。これから戦いに挑む戦士――そんな面持ちをしていた。

 

「何か居るぞ」

 

「な、何かってなんだよ……」

 

ゼードに倣ってレイも小声で質問をする。しかし、それには何も答えない。もしかしたら聞こえていないのかもしれない。それくらい集中し切っていた。私たちが静に移ると確かにこの建物内の動に気が付いた。

カタンという床を叩く音――ギィっと床板の軋む音――ズズズという擦るような音――。どれも極小のものだけれど聴覚で感じ取れる。

 

それが不意に消え入るようにしてふっと無くなった。不自然なくらいの静寂が辺りを包み込んでいた。それが再び鳴った瞬間、ゼードが四足歩行するかというくらい低い体勢で走り出した。20メートルほどの距離を三歩で進むと、大きな荷物の角で左に90°向きを変えて音の正体へ飛び付いた。

粛然を破るように床を転がる音と荷物の山が崩れる音が鳴り響く。その無機質な騒音と共に歯の隙間から息が漏れるような生き物の声。得体の知れないものへ対してゼードが何かアクションを起こしているようだけれど、ここからでは荷物の陰になってしまって窺うことはできない。

 

急いでゼードの元へ向かうと、引っくり返って両足を荷物に預けたまま"それ"を抱いていた。

 

「ほれ、依頼が一気に二つ終わったぞ。ここに忍び込んでたら雪が降ってきて出られなくなってたんだな。ほら、暴れんなって。家に帰してやるからよ」

 

もう一つ、そもそもの目的がゼードの腕にすっぽりと収まっている。純白なそれは人間の言葉が通じないので、ただひたすらにもがき暴れていた。

 

 

猫捜索、冬物の回収に加え、小屋からの謎の物音も纏めて解決したのだった。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――

 

「……なぁ、お前の本当の目的って何なんだ?」

 

 

俺の質問を最後に長い沈黙が訪れる。向こうは答えたくないのか答えられないのか、一言も口にしようとはしない。だが、俺だってずっと曖昧にされるつもりはない。意識の中に居るであろう魔王をじっと眺めたまま身じろぎ一つしない。

静寂が暫く辺りを包み込み、時を刻み続ける狂い無きノイズだけしかこの世には存在しないかと錯覚しかけたころ、観念したのか魔王が喋り始める。

 

「話したいのは山々なんだけど、難しいかな」

 

「それは内容が困難だからってことか?それとも話せない理由があるのか?」

 

「どっちもかな。ただ意地悪をして教えない訳じゃないことだけは分かってほしい」

 

「……了解。でも、何かしらのヒントくらいはくれても良いんじゃねぇの?どうせもうお前には関係無いんだし」

 

「…………そうだね」

 

姿が見えないので表情を見ることは叶わない。声のトーンも普段とは変わりない。それなのに何故か悲しそうに感じた。俺にもどうしてだか分からない。そんな気がしたと言ってしまえばそれで終わりなのだが……それだけで片付けたくないという気持ちがある。

 

「根本的な部分に関しては話しても理解してもらえないと思う。でも時期が来ればキミは自ずから知ろうとしてくれるはずだ」

 

「自ずから?誰かが教えてくれるとかではなく?」

 

「憶測でしかないけどね」

 

「それと時期が来れば、って具体的にどれくらいだよ。お前の言ってた3年後ってやつか?」

 

「いつだかは分からない。でも、ミュゼを預かってほしいと頼んだ3年後よりは早いと思う。――いや、それより前でなければいけないんだ!」

 

「そんなに知ってほしいなら説明してくれれば良いじゃねーか。随分と馬鹿にしてくれてるようだけど、丁寧に説明してくれたら俺だって善処くらいはするさ」

 

魔王は目的を教えるつもりは無いようだが、俺に知ってほしいとも思っているように感じられる。そんな二律背反の葛藤を当然ながら俺には理解が及ばない。

 

「……多分それでは意味が無いよ。中途半端になるだろうし、ボクの時間も足りない」

 

「はいはい。まぁ、そう言われるだろうと思ったよ。というか、そもそもミュゼと3年間過ごせって頼まれた理由も聞いてねぇんだけど」

 

「それは――――――――ッ!?」

 

魔王が受け答えをしようとした瞬間、頭の中で火花が散ったような音がした。しかし、痛みなんてものは微塵も感じず、ただ魔王の声が遠くなっただけだった。耳自体に異常をきたしているようでもなく、時計の針の音は相変わらず同じ音を奏でている。

 

「何だ今の」

 

「ごめん、少し長く話し過ぎたみたい」

 

「は?」

 

「ボクの声はキミの記憶だって言ったよね?キミへ託した欠片を媒体にして話しているんだけどね――それの魔力が尽き掛けてるみたいだ」

 

「もう出てこれねぇってことか?」

 

「いや――また蓄えれば――だけど――暫く掛かるかな」

 

魔王の声がぶつぶつと途切れるようになる。言っていることに偽りは無いのだろう。もしかして今まで話し掛けてくる時とこない時があったのも魔力の問題だったのだろうか。

 

「また――いつか――だね」

 

「あぁ」

 

「それ――まで――――ミュゼ――を――よろしく――お願い――します――――」

 

そう俺へ告げるともう魔王の声は聞こえなくなった。居たときも喋っていなければ聞こえなかったが、今はどこにも存在していないのが感覚として分かる。おそらくずっと待っていても朝を迎えるだけだろう。

夜中の3時くらいに起きていても仕方がないため、俺は再び夢の世界へと戻ることにした。

 

話している間も若干の眠気を感じていたため、意識を手放すのは簡単であった――。

 

 

「――って、魔力足りねぇのに夢だけは見せられんのかよ!!」

 

魔王の気配は感じられない。それなのに二度寝した矢先にまたいつもの夢が流され、誰に言うでもなくつっこんでしまった。大声を上げてしまったが同居人が起きた様子はなかった。

しかし、今のせいで眠気が吹き飛んでしまった。ミュゼの夢を見せられると覚悟して毛布にくるまってもなかなか眠りに落ちることはできないだろう。

 

「はぁー……眠くなるまで汗かかない程度に筋トレでもしてるか」

 

結局眠気を催したのは短針が5の数字を指してからである。こうして睡眠不足の日々は続いていくのであった。




ここまでお読みいただきありがとうございます。

初めましての方は初めまして。
お久しぶりの方はお久しぶりでございます。
碓氷 修夜です。

25話です。長編が終わってすぐ後の話になります。まさかあいつが……なんて回であったでしょう。物語的には何も進んでいませんが。

前回の投稿から4か月以上経ってしまいました。これは言い訳などせず、単純にサボってしまった結果です。インドアの趣味が増えてしまい、なかなか執筆という趣味に費やす時間が確保できなかったためであります。少ない振り分けた時間でゆっくり書いていこうと思っていましたが、これはさすがに空き過ぎてしまいました。当分は短編しか書かないつもりなのでそれなりのペースで進めていきたいと思っている所存であります。

また近いうちに次話が投稿できるように努力させていただきます。

それでは改めまして、ここまでお読みいただきありがとうございました。
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