あちらでは紅丸とK'の戦いが繰り広げられていましたが、ここではジョーカーともう一人のAKOFキャラの戦いとなります。ではどうぞ
インドネシアセブル島、そこは南国のリゾート地域だ。
「あっつ~。堕龍、お前は平気なのかよ?」
ジャケットを脱いで背負うようにして持ち、おまけによく日光を反射するワイシャツの袖を折ったジョーカーが平然と黒い中国服を着て歩いている堕龍に聞いた。
「もともと俺は熱さには強いたちだ。寧ろKシリーズを追っているお前の方が熱さに強いハズなんだがな。」
「基本出くわすのはアンチK'だからな。寒さには強くても熱さにはな…とりあえず一泊しようぜ。熱くてやりきれねエよ。旅の疲れをとってから突入しようぜ。」
「そうだな。所で、あれが本当にネスツの関連施設なのか?俺にはただの博物館に見えるんだがな。」
ただの博物館だよ。ジョーカーが平然と返すと堕龍は少し驚いたようにこちらを振り向く。
「二年前まではな。考えたモンだよ。こんな陽気なリゾート地の、それもド真ん中に人体実験の研究所があるなんて普通は誰も気付かないモンだ。」
なるほど。と相づちを打つ堕龍にジョーカーは続ける。
「おまけに見知らぬ人間が出入りしても観光客だって言えば怪しまれずにすむって訳だな。」
「よくできた話じゃないか。」
「だろ?さ、早くホテルを探そうぜ。民宿でもいいか。涼しけりゃ。」
・・・・・
「暑い…三太兄がこっちに来たと言うから来たのはいいけど、この服装でこの気温を歩くのはまずいわね。暑くて死にそう…」
ブツクサ言いながら歩いている女性は堕龍の腹違いの妹、笑龍だ。彼女は親子で殺し合うことを止めるために龍を追う堕龍を追っているのだ。
ちなみに、ジョーカーのように熱さを少しでもしのげるようせめて袖を折ればいいのではないかという人もいるだろうが彼女には不可能だ。
毒を操る麟に師事した彼女は全身毒人間となっているので他人が触れたら一発で死ぬ。
そのため常に厚着をしているのだが…どうやらそのせいで熱中症を起こしかけているらしい。
はてさて、どうなる事やら…
・・・・・
「で、気温の下がった25時、突入するぜ。」
「ああ。」
時計が翌日の午前一時を指したのを確認するとジョーカーが博物館の窓をカードで斬りつけ、解放する。
「で、何処へ行けばいい?」
「前にマキシマたちが侵入したルートだと、事務室の真ん中から地下施設に降りられるようになっていた。たぶんいけるはずだ」
「わかった。」
地下施設に入ると二人は一度別れ、別々にそれぞれの目標を探し始めた。
・・・・・
タッタッタッタッタ…
静寂に包まれた地下施設を革靴の音が反響する。
「さて、何処にあるんだ?この施設のメインコンピューターは?」
革靴の音を響かせて走っているのはジョーカーだ。
油断なく視線を巡らせ、両手に一枚ずつトランプカードを挟んだ彼は施設のメインコンピューターからKシリーズの情報を引き出そうと考えていた。
(クリザリッドやK9999,ネームレスのような存在が他にいないとも限らない、番外の個体を探すためにもメインコンピューターのデータが必要だ…)
と、キュリッ!という音をさせてジョーカーは立ち止まり、身構えた。
「おやおやおやおや…こんなところでご対面とはね…つくづく平穏無事から嫌われてるらしいな、俺は。大人しく行かせてくれないか?」
いつものようにおどけ調子で肩をすくめると相手を睨み付け、
「なあ、メルド!」
相手の女性はブロンドの髪をゆらして身構えることでそれに答える。
「全く、物騒なお嬢様だ。嫁のもらい手がなくなっちまうぜ?俺だってごめんだしな。」
そういいながらジョーカーもカードを構えた。
・・・・・
一方の堕龍。ジョーカーの考えを知っているという訳ではないが、彼の目指していた場所に辿り着いていた。
「ここは…コンピュータールーム…メインコンピューターか。ここには龍もいないようだが、こいつからデータを引き出せるかも知れんな。」
そしてコンピューターを起動させると近くにあった白骨死体の白衣からIDカードを取り出し、データに目を通す。
「グリッツ…違う…フリズ…これも違う…クソッ。Kシリーズばかりだな…やはり龍のデータはここには…む?現在活動中の施設…?」
世界地図の中に光る点が二つ。一つはセブル島でもう一つは…
「中国の…河北省!?ネスツはあそこにも施設を作っていたのか…しかし活動中とは…まさか!」
念のためにデータをコピーして堕龍は部屋を飛び出した。
(奴のように無茶苦茶な改造を施したのであれば体の維持には相応の設備が必要なはず。河北省か。遂にあえるな、龍!)
・・・・・
「始末しようとするって事は、されることを覚悟してる。そう考えていいんだよな?」
「ッ!」
ジョーカーのカードが閃く。
「一気に攻勢を仕掛ける!」
何度も何度も別々の急所を斬りつけ、回転しながら切り刻む。
「お前にはもう、どうすることもできない!チェックメイトだ!」
最後に脳天を断ち割ると静かに背を向ける。
おっと、忘れてた。といってカードを放るとジョーカーは腕時計に目をやり、
「午前3時…脱出するか。」
と言って走り出した。
「・・・・・ぅ…ぁ…くっ…」
「縁があればまた会おうぜ。もっと平和的にな。」
こう書かれたカードが目の前に刺さる。
それを見てどこか憑き物が落ちたような表情を浮かべるとメルドは少しの間眠りについた。
・・・・・
そしてホテルの彼等の部屋。お互いに情報を伝え合う。
「で、結局収穫は無しだった訳だが、そっちはどうだ?」
「俺は他の稼働施設のデータを見つけたが、お前はどうする?」
「そこしかてがかりがないってんならそこに行くぜ。」
今作のコンセプトは基本殺しはしない。でございますのであしからず…
まあ俺自身書いてて胸クソ悪くなることはしたくねえし。