先日、友人にギルティクラウンのblu-rayを借りて改めて見たのですがハレの死ぬシーンがつらかった。
ハレには生きてて欲しかった。
脚本を恨んでいるのは私だけでしょうか...
それではどうぞ。
〜兵藤一誠〜
俺たちと神父の間に金髪の少女が入りこんだ。
庇うように両手を広げた。
それをみた神父の表情が険しくなる。
「・・・おいおい。マジですかー。アーシアたん、キミ、自分が何をしているのかわかっているのでしょうかぁ?」
「・・・はい。フリード神父、お願いです。この方々を許してください。見逃してください」
彼女は、涙を流しながら懇願している。
「もう嫌です・・・。悪魔に魅入られたといって、人間を裁いたり、悪魔を殺したりなんて、そんなの間違ってます!」
「はぁぁぁぁぁぁぁああああああああっ⁉︎ ハガこいてんじゃねぇよ、クソアマが!悪魔はクソだって、教会で習っただろうがぁ!おまえ、マジで頭にウジでも湧いてんじゃねぇのな⁉︎」
フリードの表情は憤怒の表情に包まれていた。
「悪魔にだって、いい人はいます!」
「いねぇよ、バァァァァァカ!」
「わ、私もこの前までそう思ってました・・・。でも、イッセーさんはいい人です。悪魔だってわかってもそれは変わりません!人を殺すなんて許されません!こんなの!こんなの主が許すわけがありません!」
死体を見かけ、俺が悪魔だと知り、ショックであろうはずなのにアーシアは意志を崩すことなく、神父に物言いしていた。アーシアの言葉にキレた神父が拳銃を持った手でアーシアを殴ろうとした
「危ない!」
ドゴッ!
「グハァッ」
殴られたのは神父だった。神父は壁に打ち付けられ意識を失っていた。先程まで俺の隣にいた玲が向こうにいてアーシアが隣にいた。まるで、玲とアーシアの位置が入れ替わったかのように。
「このままにしてても死ぬが、顔を見るだけで不愉快になるからさっさと殺してしまおう」
なんでそんな簡単に『殺す』なんて言えるんだよ。確かに最低な奴だが・・・。
玲を止めないと。でも、俺の足は完全に竦み、声を出すこともできない。玲から見るだけで意識がもっていかれそうな禍々しい魔力が漏れだしている。しかも眼に不気味な模様が浮かんでいる。とてもいつもの玲とは思えない。
「待ってください」
アーシアが水を吸いこんだ笛のような震える声で玲を呼び止めた。
〜シリウス〜
兵藤が咄嗟に叫ぶ。
「危ない!」
神父は、シスターの言葉が気に障ったのか拳銃を持つ手で殴りかかる。
【輪廻写輪眼・天手力!】
俺とシスターの位置を入れ替える。
突然の事に眼を見開き驚く神父。
何か言おうとしていたがお構いなく覇気を纏った拳を奴の鳩尾に少し下から上に向かってねじ込む。
「グハァッ」
神父が壁に激突しそのまま崩れ落ちる。
下から打ち込んだため体が持ち上がり、衝撃を地面に逃がす事が出来ずに受けてしまい神父の内蔵はほぼ完治不可能なレベルまで傷ついているだろう。
このまましててもどうせ死ぬのだが、顔を見ているだけで不愉快な気分になる。
「このままにしてても死ぬが、顔を見るだけで不愉快になるからさっさと殺してしまおう」
「待ってください」
シスターが俺を呼び止めた。顔は血の気が引いていて今にも倒れそうだ。
「何故止める?君にも分かっているはずだ。こいつがどんな奴か。今ここで始末しておかなければさらなる死人がでるぞ」
俺の言葉にシスターは顔を伏せる。
シスターは、弱々しいが意を決した表情で告げる
「・・・分かっています。ですが、フリードさんも神父です。我が主を尊敬しているはずです!ですから、私は信じています。きっと改心してくれると」
「君に聞きたいことがある。君のその優しさは美徳だ。だがその優しさが誰かを傷つけることもある。それでも君は他人に優しさを分け与えるのか?」
俺の言葉に戸惑いを見せるシスター。
「それは・・・。私にはわかりません。ですが、我が主が私に与えてくださった沢山の事をみなさんと分かち合っていきたいのです」
彼女の笑顔はとても眩しかった。人はこんなに純粋な笑顔ができるのか。そこまで強い思いを持っているのなら俺から言うことはない。
「そうか。じゃあな」
「はい!お元気で。イッセーさんも」
「えっ⁉︎アーシアも一緒に行こう」
兵藤の言葉にシスターは静かに首を横にふる。
「ごめんなさい、イッセーさんそれは出来ません。私はシスター、イッセーさんは悪魔。私がイッセーさんについていけば必ず迷惑がかかります」
「だ、大丈夫だよ。部長ならきっと分かってくれる。うん、絶対そうだよ」
兵藤は、シスターをなんとか引きとめようとする。
「ありがとうございます、イッセーさん。そのお気持ちだけで充分です」
彼女は、目に涙を溜めて微笑む。
「で、でも「いい加減にしろ」ッッ⁉︎」
「悪魔側に教会関係者を引き込むなんて外交問題だ。いち悪魔でしかないしかも転生悪魔のお前の手に負える問題ではない。そして、それは必然的に主である部長に非難の目が向く。それでもいいのか? いや、そうではないな。お前はその責任を負うという覚悟はあるか?」
「それは・・・」
「分かったか兵藤?
今のお前では彼女を救うことなんて出来ない。
何の力も覚悟もなく、ただハーレム王になるなんていう単純な理由で悪魔として生きることに価値を見出だしているお前ならな」
残酷な事を兵藤に言ったが遅かれ早かれ思い知ることだ。
今のままでは、間違いなく兵藤は悪魔社会では生きられない。
この世界、理不尽な事だらけだ。それに素直に従うのか抗うのかどちらを選択するのだろうか。
「気にしないでくださいイッセーさん。私は大丈夫です。
では、そろそろ行きますね」
倒れている神父の横に立った。
ポケットからマジックアイテムなのだろうか水晶を取り出した。そして耳慣れない言葉を言うと光り始めた。
「お元気で、イッセーさん。友達って言ってくれて嬉しかったです」
兵藤はかける言葉がないのか只々見つめているだけだ。
そのまま光に包まれて二人は姿を消した。
外はもうすぐ夜が明けそうになっていた。
***************
「
俺と兵藤は部室に戻った後に部長に依頼者宅で起こった事を説明した。
「一つは神の祝福を受けた者たちが行う正規の悪魔祓い。こちらは神や天使の力を借りて、悪魔を滅するの。そして、もう一つ。ーー『はぐれ悪魔祓い』よ」
「はぐれですか・・・」
「悪魔祓いは神の名のもとに魔を滅する聖なる儀式。だけれど、悪魔を殺すこと自体を楽しむようになるエクソシストがたまに現れるわ。悪魔を倒すことに生き甲斐や悦楽を覚えてしまった輩のこと。彼らは例外なく神側の教会から追放されるわ。もしくは、有害と見なされて裏で始末される」
「始末・・・殺されるのか」
「でも、生き延びる者もいる。そういう輩はどうなると思う? 簡単よ。堕天使のもとへ走るの」
「堕天使・・・」
兵藤にとっては因縁の相手だろう。悪魔として生きるきっかけであり、自分をトンデモナイ世界に引き込んだ元凶でもあるのだから。
「ええ。堕天使も天から追放されたといえ、光の力ーー悪魔を滅する力を有しているわ。堕天使も先の戦争で仲間や部下の大半を失った。そこで彼らも私たちと同じように下僕を集めることにしたの」
兵藤は部長の言葉に納得した表情を見せる。
「悪魔を殺したいエクソシストと悪魔が邪魔な堕天使は利害が一致したってことですね?」
「そうよ。『はぐれ悪魔祓い』とはそういうこと。悪魔狩りにハマりこんだ危険なエクソシストたちが堕天使の加護を受けて悪魔と悪魔を召喚する人間へ牙をむいたのよ。
さっきイッセー達が出会った少年神父はそれ。背後に堕天使がいる組織に属する『はぐれ悪魔祓い』の者。正規の悪魔祓いではなくても危険極まりないわ。いえ、リミッターが外れている分、普通の悪魔祓いよりも相当危ないね。関わり合いになるのは私たちにとって得策ではなわ。イッセーが以前行った教会は神側ではなく、堕天使が支配しているもののようね」
兵藤は、部長の言葉に納得しきれていない表情を見せる。あいつとしてはほっとけないないのだろう。
部長の言う通りなのだがあのシスターが教会を追放になった理由が分からない。あれほど神を信仰しているのだから不真面目だったという事はないだろう。『はぐれ』ならさっさと始末すればすむ話しだ。だが、彼女にそれほどの攻撃性があるかと聞かれたら「否」だ。彼女は、それとは対極の存在だ。それとも彼女の存在自体が殺すことが出来ない程厄介なのか・・・・・・。