「くらえ! 魔王!」
勇者――ルキウス・アルビオンは剣を振るう。
それは最終局面だった。勇者としての運命を背負った少年は生まれ育った村の期待、いや全人類の希望を背負い旅に出た。
途中、幾多の苦難があった。そしてそれ以上に多くの仲間との出会いがあった。
時には王国の危機があり、そして王女とのラブロマンスもあった……かもしれない。
そう、一大スペクタクルの末、彼はこの魔王城にたどり着いたのだ。そこにたどり着いた時には多くの仲間がいた。
しかし、相次ぐ魔王の配下による襲撃の前に、仲間は一人、また一人と命を落とし、または彼を先に進ませる為の時間稼ぎを買って出た。
だが、しかし――そんな壮大な物語を一から書いている暇はないので、全てはカットされている。
ともかく、彼はついに単身ではあるが魔王の存在するラストダンジョンにたどり着いた。激しい死闘の末に勇者ルキウスはついに魔王を追い詰める。
そして、最後の一太刀を浴びせようと切り掛かる。
「くっ、まだだ勇者よ!」
しかし。魔王もまた最後の力を振り絞って、最大の魔力を放つ。そしてその力は勇者の放つ刃と衝突し合い、凄まじい衝突を放つ。
「なっ!」
「ちぃっ!」
その凄まじい衝撃はもはや爆発とすら呼べるものであり、それはその魔王城全体を崩壊してしまうほどのものだった。
一瞬にして、勇者ルキウスは意識を失ってしまった。
……ここはどこだ?
そう思わずにはいられなかった。そこは真っ暗闇な世界だった。記憶もまたあやふやだった。自分はさっきまで魔王と闘っていた。
しかし、どうしれここにいる。
瞬間。悟ってしまう。そうだ。自分はあの魔王との闘いで命を落としたのだ。
そう、だとするとこの真っ暗な世界というのは死後の世界なのかもしれない。
そうか。自分は死んだのか。全てを諦め、受け入れようとしていた。死んでしまったのなら仕方がない。そう思っていた。
――そんな時だった。
突如真っ暗闇な世界に光が差し込んできた。
――目を覚ます。まず確認したのは四肢の損傷具合だ。激しい戦闘をしたはずだが、五体満足な様子だ。手足は思い通りに動く。
それは問題ない。自分の寝ている地面が異様なほど硬かった。まるで石で出来ているかのようだ。
そこは見たこともない世界だった。まず、空気が淀んでいた。澄んでいない。そして、空高く聳えたつ柱のようなもの。
そして何より、道に蔓延る無数の動く箱だ。おそらくは機械で出来ているのだろう。
その箱の中には人間が乗っていることが判別できる。
「……どこだ、ここは」
そう思わずにはいられなかった。
どうやら自分達が住んでいた世界とは別の世界に来てしまったようだ。自分たちの住んでいた「ユグドラシル」とは別の世界に。
本業の方でスケジュールに余裕がなく創作、特にオリジナルの創作から離れていたのですが。大分時間に余裕ができてきたので復帰しようと思います。
一日2000字程度で毎日更新していけたら、と思ってます。
感想やお気に入りなど頂けたら幸いです。